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令和2年

今までの常識が
少しづつ少しづつでも確実に非日常に飲み込まれて
気づいたら僕は知らない所に立っていた
これはあの日僕が見た夢が
僕の中に溶けて非日常が日常になった世界
夢なんて見なきゃよかった
何度も何度もそうつぶやいた
努力したって
どうにもならないことがあると思い知らされて
もう僕にできることは祈ることくらいで
虚空の神に向かってあの日に戻りたいと土下座する
大切なものを失くしても
届かない詩(うた)を今日もうたう
悪いことばかりじゃなかったはずなのに
いつの間にか飲み込まれて現実がすり替えられる
しょうがない。なんて言葉で
片付けたくない諦めの悪い僕らは
性懲りも無く来年に期待する

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昨日でポエム掲示板に初投稿してから(前のRNから数えて)丸二年が経ちました。「色々あった」って言葉で片付けたくないほど色々な出来事が降りかかり通り過ぎ、初めて掲示板投稿したあの日とは全く違う世界に私は今います。SOLとの関係も大きく変わってしまいました。でも、この掲示板で出逢えた友達は今も私の大切な人達です。それだけは、変わらない。この掲示板で私と出逢ってくれてありがとう。

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『偽善とは』

 僕が育ったのは、自然が綺麗なところだった。近くには川があり、晴れた日には光が反射して、川辺に咲く花や木々はそれを見て眩しそうに、そして嬉しそうに風に撫でられていた。近くに寄ると透き通って見えたその川には、たまに魚やカニなんかが顔をのぞかせていて、僕を天敵と見なすとすばやく陰に隠れ、そして見えなくなる。かくれんぼはいつも彼らの方が上手だった。鳥が歌う声もよく聴くから、綺麗であるここは彼らにとって危なくもあるのかもしれない。そんな穏やかでいて危ういこの場所が僕は好きだったし、みんなここにいれば幸せだと思っていた。今、このビルの立ち並んだ光景に窮屈さを感じざるを得なかったし、僕の中の何かが枯渇していたから。
 いわゆる都会という町に出てきて、僕はまるで砂漠に打ち捨てられた草食動物のように、緑を求めた。しかし、求めた先に現れたのは光を弾いて輝く川なんていう宝石箱ではなく、何色とも形容し難い大量の水の塊だった。これを人々は海と呼ぶのだろうか。
 覗いても、濁った色しか見えない。工場も近くにあるし、良くないものがたくさん流されているのだろうと悟った。小さくため息をつき、元来た道へ足を返す。そこで、小さく躓いた。僕を躓かせたその石の陰からは、カニが姿を現した。人的排水によって、ここまで住処を汚されているなんて。僕が1番最初に抱いたのは、かわいそうだとういう感情である。このカニは、綺麗な水を知らない。自分に害のある物質が住処を侵しているかもしれないのに。それも、人間という極めて恣意的な原因に。
 その時、このカニだけでも綺麗な場所で生きてほしいと思った。もう少し進んだ場所に、川が海に合流する、比較的綺麗な場所がある。そこに、逃がしてあげよう。
 そう思ってからは速かった。着くと、やはり先の海よりは断然綺麗でいて、僕はほっとしたのだ。やっと綺麗な場所で生きていけるね。そう声をかけてカニを放した。
 僕が害を加えようとしていたと思っていたのだろうそのカニは、放されると一目散に僕から離れた。長生きしろよ、と海へ入ったのを見届けて、身を翻した。多少だけど、海が綺麗だったから最後まで姿が見えたな。可愛かった。

 そう微笑む僕の頭上から、腹を空かせていたであろう鳥が、海めがけて降り立ったことを、僕は、知るべきだった。

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眠れません

深夜にハサミで枕ぶっ刺して
壁殴ったら指の骨折れました
へこみさえしなくって ああもうどうにもならないや
ラムネみたいな錠剤だか錠剤みたいなラムネだかもう分かんないけど
どっちも甘いからまあいいか
そんなことより早く概念にならなきゃ 夜が明ける前に
空き缶洗って花を生けた
環状線と割れた液晶 
破片が散ってあたしを殺した

昼夜逆転生活が一周回って
早寝早起きになりました
気をつけてねって言うけど カミソリ投げてくるのはそっちじゃん
街のミニチュア綺麗に並べたら
ちゃんと壊してあげるからね
ずれた時計が合う一瞬
パジャマのまんま深夜を貪って コンビニでアイス買っちゃおう
店員さんの手首見つめて
あたりの棒を投げ捨てた

中央線のホームでぼーっとしてたら
リーマンにぶつかられて舌打ちされました
死んだら今度は迷惑だって ぼこぼこに殴られちゃうな
ネズミのしっぽつかんで窓から放り投げた
眠くてしょうがないけど 何でだか全然眠れない
毒々しい色した世界
鳴り止まない通知音
幻聴だか本当だかもう分かんないや

そんな目で見ないでよ
透明人間になって誰も構わないで欲しいけど
やっぱりかまってちゃんだからだめだあたし

今度は優しくしてよね