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ファヴァー魔法図書館 #10

第二章『魔道書の魔女と摩天楼の灯り』

『やあ、早く早く来て来て、ボクは君の顔が早く見たいんだ。』
長い廊下、外の世界とは明らかに違う空間。
まるで白虎野の夜の水中にほたるいかを泳がせた様、
少女は直感的にそう感じた。

『ああ分かる分かる、石油ね。
マントルは恐らく日は吹き上げないけどね。
............いや、そうとも言いきれないな、うーん。』
頭がガンガンする。
恐らくユリ・ロトウは直接脳内に話しかけてきているのだろう。
「ねぇ、やめて。頭が痛い。私は鶏肉なんか注文しないわよ。」
少女がそう言った瞬間、頭の痛みは収まった。

気が付くと部屋にいた。
四方を無数の本棚で囲む空間だった。
「ようこそ、ファヴァー魔法図書館第7番大書庫へ。ボクの名前はユリ・ロトウ、グリモワール執筆人をやっているよ。
大体の事は解ってる、記憶を取り戻したい、そうだね?」
「............なんで解ったの?」
「それはボクが魔女だからさ、キミと同じなだけのね。でもそんな魔女にも準備は必要なのさ、だから暫くキミにはここにいてもらうよ。」
「えらく会話が一方通行だけれども.........癖なの?」
「ふふふ、そうだね、でもある程度の意図はあるよ。
そうでないと此処での理不尽さには耐えられなくなってしまうからね。」
「......?」
「じきに解るよ、此処はボクが生み出したモノで満杯だからね。」

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終末ディレクシェンドハート

用意された革命みたい
そんな気分のXday
声を上げるポピュラーフェイス
街のアタマは流れていく

驚く程にがらりとしたカフェテラス
用意されたカプチーノの僕の背伸び
嗚呼なんて低い背丈なのだろう
ブラックなんて飲めたものじゃない

傍観的世界はいつも通り回って
主観的世界はこれから止まる
超自然的な神には誰も逆らえない
誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も

僕は所謂失敗作
恐らく結構質が悪い
僕のハートはディレクシェンド
どちらが先か僕は知らない

驚く程飽和していたホスピタル
用意された点滴と針
嗚呼なんて低い背丈なのだろう
一人のベッド程寂しい物はない

傍観的世界はいつも通り回って
主観的世界はこれから止まる
ラプラスの悪魔には誰も逆らえない
誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も

弥次郎兵衛はユラユラ揺れる
僕の心臓もユラユラ揺れる
天秤はユラユラ揺れる
マグマだってユラユラユラユラ

傍観的世界はいつも通り回って
主観的世界はこれから止まる
超自然的な神には誰も逆らえない
誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も

傍観的世界はいつも通り回って
主観的世界はこれから止まる
ラプラスの悪魔には誰も逆らえない
誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も