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ダブル ピリオド ②

「そういや、何で2つの時代を列車、そしてその境界を乗換駅に例えたんだよ」
ふと思い出したように、右隣の彼が尋ねた。
「あー分かる」
「同じこと思ったわー、何で?」
みんなは理由が気になるのか口々に喋りだした。
まぁそうなるだろうな…と思いながら、俺は種明かしをした。
「言ってしまえば今回の時代の切り替えは、”人為的に予定された”切り替えだからだよ。普通、そこら辺の切り替えって突然起こるし…意外と気づかないってことが多いだろう? 事前にそうすることが決まってるから、電車の乗り換えのようだなーって、俺は思っただけ」
「あーそういうこと?」
「相変わらずお前は変わったこと言うよな」
「どーせこれからもそんな調子なんでしょうね」
「じゃなかったらつまんねぇ」
周りのみんなは納得したようだった。よく分からないけどなぜか安心した。
「あーあとさ、あとさ」
俺の言葉に反応して、みんなの視線がすっと集まった。何を言うんだろうコイツ、と彼らは思っているに違いない。
「さっき俺、”2つの時代は同じ瞬間に、同じ場所にはいられない”って言ったじゃん」
「そうだな」
「そうだけど?」
「…でもここでは仲良く並んでるな~って」
俺は笑いをこらえながら言い切った。
「は?」
「何言ってんのコイツ」
案の定俺の言ってることが理解できないのか彼らはぐちぐちと文句を言い始めた、が。
「…あ俺コイツが言いたいこと分かっちまったかもしれない」
「マジで?」
「あー私も」
「え、お前まで⁈」
5人中2人が俺の言いたいことに気付いたようだった。
「ねぇどういうこと⁇ 教えてよ~」
左隣に座る彼女が、ネタを分かってしまった2人に尋ねる。
「あのな、2つの時代の名前の一文字目に注目してみ」
俺の右隣に座る彼が笑いながら言う。
「…は? えーと、”へい”と”れい”… あ、」
左隣に座る彼女の目がくっと見開かれた。
「ああああ⁈」
「え、どういうこと? どういうこと?」
左斜め前に座る彼が、彼の正面に座る彼女に身を乗り出して尋ねる。
尋ねられた彼女は口元を手で覆いながら言った。
「…アンタらの名前ぇ!」
「…は?」
「ああそういうことか」
「えお前分かるのかよ⁈」
どうやら俺の正面に座る彼は分かったらしい。
「なぁどういうこと?」

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世にも不思議な人々⑫ 名付け名d……ファッ⁉

リータ「こんにちはー。来ましたよー」
チャチャ「ど、どうもっす……」
キタ「娘が知らん男連れてきたww」
ラモス「名付け親って意味じゃまあ間違っちゃいないな」
オータロー「ああ!この間見た不審者!」
マホ『そいつから離れてリータ』
リータ「大丈夫だよマホちゃん。紹介します。こちらこの間お世話になった能力者のチャチャさんです。私が命名しました」
キタ「へえ…てことは僕の孫か」
チャチャ「止めてください」
キタ「で、どんな能力なんだ?」
チャチャ「『おもちゃのチャチャチャ』です。能力は、『道具によって異なる不思議な変化や事象を起こす』ってもので、まあ要するに、道具を媒体に色んな能力が使えるんですよ」
オータロー「例えば?」
チャチャ「このコートがダメージ軽減の能力、スニーカーは高速での滑走する能力、あとはライターが対象以外を巻き込まずに燃焼させる能力、折りたたみバケツが5秒で中身を満水にする能力」
リータ「あのバリアは?」
チャチャ「ああ、あれはこれだよ」
リータ「輪ゴム?」
チャチャ「ああ。いつも六本以上は持ち歩いてるんだがね。使い捨てのバリアの能力だ。割と丈夫だよ」
キタ「へえ、面白いな。……やばい、大変なことに気付いてしまった」
オータロー「どうしました?」
キタ「名付けが!僕のアイデンティティがー…」
ラモス「恐ろしくどうでも良い」
キタ「うう……。じゃあ今回のテーマは僕らの本名についてな。実は本名持ちは四人しかいないんだ。しかも苗字だけ。更にうち三人はまだ名前が出てない」
ラモス「誰だ?」
キタ「チャチャ君の友人鈴木、リータに手を出そうとした不良ABCの順で長篠、関、原」
ラモス「長篠と関なら俺も知ってる。俺と一緒にオータローに絡んだ奴らだ」
オータロー「あいつらか」
キタ「つーわけで!僕らの本名、読者に募集したいと思います!」
リータ「わあ突然」
チャチャ「突然じゃない読者アンケートなんざそう無いだろうに」
キタ「僕らの本名思い付いたら、レスで回答お願いします!別にそんなひねった名前じゃなくても良いぞ!」
チャチャ「僕のあだ名が『フッシー』なのを忘れるなよ!」

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ⑰

「いやもう何年もこうだから… 家にいるのも嫌だし。あ、耀平たちに出会ったのは2年ぐらい前だからね? こうやって集まるようになったのはホント最近」
「はぁ…」
ほんの短い間、わたしと異能力者たちとの間にゆるい沈黙が流れた。
…と、不意に、ネロが何かに気付いたように口を開いた。
「…アンタ、意外とボクのことこれ以上聞かないんだね」
「?」
わたしは何のことか一瞬分からなくて、ちょっとぽかんとしてしまった。
「いやアンタ、先週会った時は”異能力”についてガンガン聞いてきたのに、今回は…」
ここまで聞いて、わたしはネロが何を言いたいのかやっと分かった。
「あー…あれ…内容的には聞こうとは思わないよ…」
さすがにああいう不登校とかの、暗そうな話は、ね…とわたしは苦笑いした。
「そりゃな。アイツの話、絶対時間かかること目に見えてるし」
「そーいやこないだは、こっちがちょっと嫌な顔しても”異能力”のことメッチャ聞いてきたもんな…」
耀平や師郎は、わたしに対してあきれ気味に呟く。
「…まさに知識欲の権化」
ぽつっと黎が言った。
「それな。ま、それだから人間は今の今まで繁栄してこれてるんだろうよ…」
師郎はどこを見るともなく宙を見上げた。

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ダブル ピリオド ①

「なぁ、去り行く時代と来たる時代の間には、一体何があるんだろうな?」
何言ってんだこいつ、と言わんばかりに、同じテーブルを囲む人々の視線が俺に飛んできた。
「…何言ってっか意味わかんない」
「それな」
「お前らしいなぁ」
案の定、彼らの言葉にはあきれがにじんでいた。
「いや、2つの時代は同じ瞬間には存在できないだろう? なら、切り替わるポイントはどういうものなのかって」
「…歴史はすべて地続きだから、隙間なんてないと思うが」
正面に座る彼が、テーブルに肘をつきながら言う。
「隙間じゃなくてポーイーント! 点だよ、点。むしろ”通過点”とでもいうべきか… いっそその”通過点”を駅にでも例えるか! 2つの時代という路線をつなぐ、乗換駅。そこには何があると思うか?」
俺は一拍、手を叩いて言った。
「いやそれだとますます意味不明」
「お前の話って変なの多いよな」
「そうね。結構あるわね」
「ま、そうかもだけどさ、その駅には何がありそう?」
俺はちょっと身を乗り出して皆に聞いた。
「…キオスクとかはあるよね」
「トイレなかったら困る」
「田舎の無人駅だとないこともあるそうよ」
「うげっ! それは嫌だ…」
やっと議論が始まったが、なんか現実的なことを話してるな、こいつら、と俺は思った。
「…そもそもさ、時の流れから絶対逃れられないから、改札なんてものはねーと思う」
クリームソーダを飲みながら、左斜め前に座る彼が呟いた。
「オレもそう思った」
「だろ!」
「むしろその駅、小さい駅だと思う。線路が2本だけあって、2つはホームを挟んで向かい合ってる。去り行く時代という名の列車が来たら、新しいほうは発車していくと思う…」
彼は喫茶店の窓の外に目を向けながら言う。
「でもさ、それじゃ乗り換えできなくね? 乗換駅なら、停車時間がめっちゃみじけーけどあると思うぜ、それは。ホントに短い時間。2つの車両は別の線路の上だし、ぶっちゃけ言ったら同じ空間―瞬間にはいないだろ?」
「ちょ、お前もお前で意味わかんないこと言ってんな~」
俺は、思わず左斜め前に座る彼の言葉に苦笑いした。
「確かに、な…」
正面に座る彼は、コーラフロートの溶けかけたアイスを口に運びながら言う。
暫くの間、喫茶店の中でかなりがやがやしていた俺たちの周りに沈黙が下りた。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ⑯

「…そういえば、さっき何でここにいるのって聞いてきたけど、逆にあなた達は何でここにいるの? わたしは暇を持て余してというかそんな感じなんだけど」
わたしはさっきのネロの言葉を思い出して、彼らに尋ねた。
「それ言いたくな」
「ショッピングモールからの帰りだよ。毎週日曜ぐらいにあそこに集まってんだ」
「ちょ師郎それ言っちゃう⁈」
「いやはぐらかそうにも無理があるだろ」
言いたくないことを師郎に言われてしまったネロは、頬を膨らませて抗議したが、すぐにがっくりと下を向いた。
「週1、なんだ…」
確かに前にこの4人にあった時は日曜日だったし、場所はあのショッピングモールだった。
「…そりゃ、みんな普段は部活や塾で忙しいし、学校は違うし、ついでに今受験生が約2名いるからほぼ必然的に日曜に会うことになるだろ」
ぼそっと黎は呟いた。
「ま、テスト前とかは無理だけどなーっ。あーでも、ネロは例外。コイツはいつも暇こいてる」
「?」
わたしは耀平の言葉にちょっと首を傾げた。例外って…
「暇って言うか…やることないんだよ。第一ボク不登校だし」
「えソレ、サラっと言えること⁇」
自分だったら言うのをためらいそうになる言葉を平然と言い放ったネロに、わたしは唖然とした。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ⑮

「…っていうか、何で異能力者とまた一緒にいるの?」
ふと思い出したように、ずい、とネロはわたしに詰め寄った。
「い、いや、たまたま能力使ってるところ見て、それでもしやって話しかけたんだけど…」
「え、ダメじゃん」
ネロはぽかんとした顔でセレンさんを見た。
「いや~、バレないようにしたつもりなんだけどね~、この通り見抜かれちゃったんだよ~。ま、他の普通の人に言いそうにないから大丈夫だと思うけど」
セレンさんはちょっと申し訳なさそうに頭を掻きながら、相変わらずニコニコ笑っていた。
「一体どこにそんな信頼要素があんのか分かんねーけど、こっちはこっちで脅しをかけてあるから大丈夫だと思いますよ?」
そう言って耀平はセレンさんに向かってにやっと笑った。
「お、どんな脅しー?」
「もしもバラしたら、こいつとボクの能力で探し出して、見つけたら問答無用でボクが記憶奪取!」
ネロはすいっと耀平の手を取り自慢げに言った。
「ほー、なかなかやるじゃん。それなら清花も絶対他人には言えないね」
「見つけたらさっさか奪うから、異能力関連の記憶以外のモノも奪っちゃうかもね~」
「え、ちょっとそれは怖い」
わたしは、ネロの発言だけでなく、傍から見ればかなり恐ろしい彼らの会話内容に後ずさった。

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世にも不思議な人々⑩ 不審者は良い人その3

不良BとC、逃げようとするも再び展開された例のバリアに阻まれ諦める。
若者「ところでよォ…。ライターってさ…。火炎瓶に似てないか…?中に燃料が詰まってて、火をつけるためのアイテムってところがさ」
そう言って、若者さんコートのポケットからライターを取り出す。
不良A「……は、はい?」
若者「あ?誰が話して良いっつった?」
不良A「す、すいません……」
若者「『すいません』たァ何だ!キチンと『すみません』って言えや!……まあ良い。さて、ここにライターがある。火をつける。それを……」
若者さん、不良にそのライターをぽいと投げる。
不良A「え…?ひ、ぎゃああああああああああああああああああ!!!!!」
不良、一瞬で大炎上(物理)。
私「あ、あの!」
若者「あぁ?…と、君か。すまないね、怖がらせるような返事をしてしまって」
私「いえ、そろそろ勘弁してあげたほうが…」
若者「むー…。君が言うならそうしようか」
若者さん、今度はコートのポケットから小さな折りたたみのバケツを取り出す。
若者「さて、最後の手品だ。5秒ほど待て。5,4,3,
2,1,はい、満水になった。すごいだろ」
そう言って水を不良にバシャッとぶっかける。不良についた火は無事消火されたものの、ショックで気絶した模様(残り二人も同様)。
私「こんな物騒な出来事100%トラウマなるので記憶は消しておきましょう」
若者「そんなことができるのか?」
私「できます」
若者「記憶の操作とかその手のやつか?」
私「いいえ。それも出来るってだけです……完了しました」
若者「へえ。お疲れ様。…一体どういう能力なんだ?」
私「『メトロポリタン美術館』。『出来ると信じたことは何でもできる』能力です。微塵も疑っちゃいけないのです」
若者「何それ、万能過ぎんだろ……」
私「あなたは?」
若者「僕のは、『おもちゃのチャチャチャ』だ。『触れた道具によって不思議な事象や変化を起こす』能力だよ」
私「あなただって私に負けず劣らず多機能な能力じゃないですか。……じゃあ、あなたのは、『チャチャ』、とかですかね?」
若者「何それ?あだ名?」
私「ええ、まあ。そんな感じです」
若者「まあ良いや。気をつけて帰りなよ」
私「はい。ありがとうございました」

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