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Flowering Dolly;STRONGYLODON Act 2

「僕は別に君に会いたくて会ってる訳じゃないんだし〜」
仕方ないんだよ〜と青緑色の髪の少女は口を尖らせる。少年はため息をつきつつじゃあ、と続ける。
「早くマスターを見つけてくださいよ」
ドーリィなんでしょ、と少年は目の前の人物にジト目を向ける。青緑色の髪の少女はうっと焦る。
「少年、どうしてそのことを」
青緑色の髪の少女がそう言いかけた時、近くでそれはアテクシたちが教えたことですのよと声が聞こえた。
パッと2人が見ると、近くの2人がけのテーブル席の椅子から赤い髪をツインテールにして黒い和服風ワンピースを着た少女が立ち上がっていた。
「貴女が全くこの少年に正体を明かさないから、アテクシと麗暖(れのん)が教えてさし上げましたの」
ねぇ?と赤髪の少女は目の前の椅子に座るツーサイドアップの少女…麗暖を見る。彼女はええ、と頷く。
「クラスメートに親切にしないのは麗暖たちの道理に反してるから」
だから教えてあげたのよ、と麗暖は微笑む。青緑色の髪の少女はなんとも言えない顔をした。
「アテクシたちドーリィは適正ある人間と契約して戦うのが使命というもの」
それなのに貴女はなぜフラフラしているのかしら?と赤髪の少女は青緑色の髪の少女に詰め寄る。あ、いや〜と青緑色の髪の少女は思わず目を逸らす。
「僕はあまり戦いたくないというか〜」
「そんなことを言うんじゃありません!」
貴女…と赤髪の少女は声を上げるが、ここでり、リコリス!と諫めるような声が飛んでくる。彼女たちが声の主の方を見ると、赤髪の少女と麗暖が囲むテーブルの隣のテーブルから、長い白髪で緑のジャンパースカートとボレロを着た少女が立ち上がっていた。
「ゼフィランサス?」
どうしましたの?とリコリスと呼ばれた赤髪の少女が尋ねると、ゼフィランサスと呼ばれた白髪の少女はあ、えーととうろたえる。
「ちょっと、言い過ぎかなーって…」
ゼフィランサスは小声で呟く。リコリスはため息をついた。
「貴女、アテクシたちの使命をお忘れになったの?」
アテクシたちは異界からやって来るビーストから人類を守るために生み出された存在なのよ?とリコリスは腰に両手を当てる。

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Flowering Dolly;STRONGYLODON Act 1

昼下がり、街の路地裏にある小さな喫茶店にて。
“喫茶BOUQUET”という小さな看板が下がったその店の中は、5人の客と店主、そして手伝いの少女が1人いるのみでがらんとしていた。
「今日は空いていますね」
青い長髪をハーフアップにしたエプロン姿の少女がカウンターに向かって言うと、そうだなとカウンターの向こうの椅子に座る初老の男は返す。
「今日は月曜の昼間だから、みんな“本職”が忙しくて来れないのだろうよ」
まぁいいじゃないかと男は手元の新聞に目を落とす。
「それにしても普段より少ない気がするんですけど…」
青髪の少女がそう言いかけた時、カランカランと音を立てて店の扉が開いた。彼女が扉の方を見ると、そこには小柄な小学校高学年くらいの少年が立っていた。
「あ、いらっしゃ…」
青髪の少女の言葉を気にせず少年は店の窓際のテーブルへ向かった。そこには青緑色で肩につくくらいのくせっ毛、そして翡翠色のジャケットとスラックスに白いブラウスを合わせた背の高い少女が座っていた。
「…お、やぁ少年」
青緑色の髪の少女は少年に気付くと笑顔で小さく手を挙げた。しかし少年はそれを無視して彼女の目の前の座席に座る。
「それにしてもどうしたんだい」
急に呼び出しなんて…と青緑色の髪の少女が言いかけた所で、少年はあのと顔を上げる。
「お願いがあるんです」
少年の真剣な眼差しに青緑色の髪の少女は少しポカンとする。
「え、なに?」
もしかして…と青緑色の髪の少女は慌てるが、少年は気にせず続けた。
「ぼくと関わるのをやめて欲しいんです」
少年の言葉にえ、と青緑色の髪の少女はポカンとする。
周囲の客たちも、その言葉で2人の方を見た。
「そ、それって…」
「もうぼくに会いに来ないで欲しい、それだけです」
少年がそう言うと、青緑色の髪の少女はなんとも言えない表情で椅子の背もたれに寄りかかった。
「…そんなこと言われてもねぇ」
青緑色の髪の少女は窓の外を見る。
「なんて言うか、どうしてもその辺でフラフラしていると君に遭遇してしまうと言うか」
「じゃあフラフラするのをやめてください」
少年は真面目な口調で言うが、青緑色の髪の少女はえ〜と不満げに返す。

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