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CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その③

「今日は誰がやる? 私はこの間やったし、みーちゃんで良いかな?」
「え、良いの? たすかるー」
腰のホルダーから包丁を2本抜き、ミズチは弾んだ声で言った。
「おい待てェぃ女子共。リーダーの意向を聞い」
2人を諫めようとしたラムトンの言葉は、インバーダの放った光線によって、胸の高さで身体を両断されたことで中断された。
「あ」
「あ」
「……てから動けって言おうとしたんだよ」
分断されたラムトンの上半身が、構わず言葉を続ける。
「で、どうすンだよリーダー」
ラムトンに問いかけられ、サラマンダーは即答した。
「うん、みーちゃんに任せようと思う。それが一番手っ取り早いしね」
「はいはいリョーカイ。それじゃ……」
ミズチはインバーダに向けて歩き出しながら、首にかけたストップウォッチをスタートさせた。
「……よし、みーちゃんはスイッチ入ったね。おれはみーちゃんの援護に向かうから、くーちゃんは……」
サラマンダーがククルカンに目を向けると、ラムトンの下半身を引きずり、傷口同士を宛がおうとしているところだった。
「……うん、言わなくても分かってるみたいだ」
サラマンダーは苦笑し、インバーダに向けてクラウチングスタートの姿勢を取った。

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CHILDish Monstrum:水底に眠る悪夢

「おはよう、“ロード”」
能力によって展開された触手で埋め尽くされた狭い地下空間。その奥底で1人のモンストルム“クトゥルー”は相方に声を掛けた。
「おはよう、“リトル”」
触手に埋もれて眠っていたもう1人のモンストルム“カナロア”も目を覚まし、相方に挨拶を返した。
「今日の早起き対決はきみの勝ちか。これで何勝何敗だっけ?」
「10回より先はもう覚えてないよ」
「そっか」
2人の肉体は、能力によって各々の肉体から伸びる無数の触手が絡み合い、一つになっている。2人の意思は触手を通して音声言語を必要とせずに共有できるのだが、それでも敢えて、口に出してのコミュニケーションを意識していた。
2人が幽閉されている地下空間には、既に数年もの間、IMS職員も訪れていない。ただ定期的に、給餌用の小さな扉を通して食料と水が届けられる、それだけが外界との繋がりである2人にとって、発話を介するコミュニケーションは人間性を失いただの化け物に成り果てないためにも必要な行為だった。
「………………」
クトゥルーは数十m先に地表があるであろう天井を見上げ、触手を通してカナロアに意思を飛ばした。
(“ロード”、今日は何だか上が煩いね?)
(そうだね。ここに来てから初めてくらいの五月蝿さだ)
(もしかしたら、出番があるかもしれないね)
(そうだね)
2人が念話をしていると、天井がスライドし、金属製の格子と遥か上方に僅かに見える外の光が現れた。
「やっぱり『ぼく』の出番だ」
「うん。『ぼく』の力が必要なんだろうね」
無為に地下空間を埋め尽くしていた無数の触手が、整然とした動きで解かれ、格子の隙間から地上へと向けて高速で伸長していく。
「「平伏せ。『我』は水底の神なるぞ」」
完全に重なった二人の言葉の直後、無数の触手が地上に出現し、交戦していたインバーダ、IMS、モンストルム、それら全てを隙間ない奔流で飲み込み、叩き潰した。
「思ったより数があったね」
「うん。一応人間は潰さないようにしたけど……もしかしたら『ぼく』以外のモンストルムが戦場にいたかもしれない」
「別に良いよ。モンストルムならこの程度で死ぬわけが無い。これで死ぬならどの道インバーダには勝てないよ」
「そうだね」
天井が再び閉まり、2人は触手の中で眠りに就いた。

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CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その②

先んじて飛び出したククルカンの身体にあとの2人が掴まった状態で、ククルカンは愛用の武器を展開した。折り畳んだ状態では1m弱の長さでありながら、展開することで3m強の長さにまでなる長槍。
それを、自身の真横を下から上へ流れる高層ビルの壁に突き刺すと、ビルの表面が粘土のようにぐにゃりと変形し、3人を優しく包み込んで受け止めた。そのまま、エレベーターのように地面まで下りていく。
「はいとうちゃーく。みんな私に感謝して?」
「はいはい」
「してるしてる」
ククルカンより年上に見える少女のモンストルム、蛟(ミズチ)と、幼さの消えつつある少年姿のモンストルム、ラムトン=ワームは適当に返した。
「我らがリーダーはまだ来ねえのか……っと」
ラムトンが2歩、右に避ける。すると先ほどまでラムトンが居た場所に、少年のモンストルム、サラマンダーが音も無く着地した。
「サラちゃん隊長! サラちゃんは私に感謝しなくて良いよー」
「あーうん。くーちゃん2人を運んでくれてありがとう」
「あれー感謝のことばぁー?」
照れながら身体をくねらせるククルカンを無視して、サラマンダーは大型インバーダを見上げた。
「……いやしかし、デカいな」
「ここまでだとたしかに、モンストルムの出番だよなァ……」
半ば唖然としているサラマンダー、ラムトンに反して、ククルカンとミズチは既に武器を取り交戦する気満々という様子だった。

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視える世界を超えて エピソード4:殺意 その②

種枚さんに連れられて市民センターへと向かい、ロビーに設置されていたベンチに腰掛ける。彼女は自分の目の前に立ち、摘んでいたハエを手放した。ハエはしばらく彼女の手の上を這い回ってから、飛び上がった。
十数㎝ほど上昇したのを見てから、種枚さんはハエを鋭く睨んだ。すると、突然ハエが、電源が切れたかのように動きを止め落下した。
「一体何を……⁉」
「ん? そうだな。殺意を向けられればストレス感じるし、ストレスを感じれば体調悪くなるだろ?」
「まあ、そりゃそうですけど……」
実際、彼女の殺意はそれだけで人を殺せそうな凶悪さをしているけれども……。
「それ」
「?」
「殺意を練り上げて、ぶつける。かわいそうだけど今のハエには死んでもらったよ」
「ええ……」
「慣れれば攻撃に乗せることもできる」
「どういうことなんですか……」
この問いには答えず、真横に向けて指を差した。そちらを見ると、センターの奥に小さな人影が見える。よく見てみれば、足下が透けている。
「あそこに小さな幽霊が見えるね?」
「見えますね」
「あれを、こう」
幽霊に向けて、種枚さんが無造作に手を振る。すると幽霊がこちらに気付いたのか、振り向いてこちらに向けて近付いてきた。

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CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その①

体高約25m。生物とも機械とも取れない奇妙な外見のインバーダの周囲を、様子見するように1台の戦闘用ヘリコプターが飛び回っていた。
「もっと寄せて! もうちょい! そっちのビルの方!」
少女の姿をしたモンストルム、ククルカンがパイロットの背後から組み付くようにしながら呼びかけた。
「3めーとる! 3めーとるくらいの位置まで近付いてくれれば良いから!」
「精一杯やっています! ただ、あまり近付くと奴の攻撃が……!」
パイロットが言ったその時、インバーダがヘリに顔を向け、その中央にはまった眼から光線を発射した。しかし、その光線はヘリの底部に触れた瞬間、反射して空中に飛び去って行く。
「ほら、どうせアイツが何してきてもサラちゃんが何とかしてくれるんだから! もっと近付いて! ちーかーづーいーてー!」
耳元で甲高い声で何度も言われ、パイロットは渋い顔をしながらもヘリを操作し、1棟の高層ビルに、僅かに機体を寄せた。
「よぉーしゴクロウ! あとは私らに任せてさっさと逃げちゃってよ」
「ああ……頼むぞ、〈アウトロウ・レプタイルス〉。君たちは我々にとって、最後の希望だ」
振り絞るように言うパイロットにサムズアップで応え、ククルカンは同乗していたもう2人の仲間と共にヘリから勢い良く飛び出した。

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CHILDish Monstrum 〈設定〉

この書き込みは企画「CHILDish Monstrum」の〈設定〉です。

・モンストルム Monstrum
人類の敵“インバーダ”に対抗するために開発された決戦兵器。
ヒトのコドモとほぼ変わらない容姿・人格・精神を持つが、伝説上の生物・妖怪にちなんだ名と特殊能力、“怪物態”を持つ。
基本不老だが致命傷を負えば死にかねない。
軍事転用を防ぐために量産型ではなくワンオフであり、全ての個体がバイオテクノロジー大手企業の“DEM(デウスエクスマキナ/デム)社”によって開発される。
各都市圏に数体ずつ、中心都市の役所の“インバーダ対策課”に配備される。
基本的に“インバーダ対策課”の指示によってのみ出撃し、普段の行動も制限されていることが多い。
戦闘時は刀剣類や銃器などの武器を携行する。
適度な食事と睡眠、それと定期的な“メンテナンス”がなければベストコンディションを保てない。
各個体の意思で巨大な“怪物態”に変身することが可能。
しかし“怪物態”の恐ろしさやコドモのような人格を持つが故の不安定な精神などから暴走する危険があり、そういった面から彼らを恐れる人々も少なくはない。

・インバーダ Invader
異界からやって来る人類の敵。
人間大から高層ビルに匹敵する大きさまで様々なサイズのものが存在するが、総じて恐ろしい姿をしている。
種類によって違う方法で攻撃する。
知能があるかどうかはハッキリしていない。
比較的小さめな個体は通常兵器で対応可能だが、大型個体はモンストルムでなければ対処できない。

・インバーダ対策課 Invader Measuring Section
各都市圏におけるインバーダ対策の要。
各都市圏の中心都市の役所に設置される。
主な仕事はモンストルムの管理や出撃時の援護。
司令室や輸送用ビークル、ヘリコプター、各種武装を持っている。

設定は以上になります。
質問などあればレスください。

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視える世界を超えて 番外編:愛娘

「よォ、馬鹿息子」
高校からの帰り、校門を出た鎌鼬の背に、種枚から声がかけられた。
「ぐ……だからその呼び方やめてって……うわっ」
鎌鼬がそちらに目をやると、種枚が足の甲を街灯に引っかけ、逆さにぶら下がっていた。
「なァ鎌鼬、携帯電話持ってないか? 貸してくれ」
街灯から飛び降りながら、種枚が話しかける。
「スマホッスか? 別に良いですけど……師匠、持ってないんスか?」
「残念ながらなー」
鎌鼬から放られたスマートフォンを危なげなく受け取り、種枚は電話番号をプッシュし始めた。
「で、誰に電話するんです?」
「お前の姉」
「いや俺一人っ子…………あぁー……『娘』ッスか」
「そういうこと」
ニタリと鎌鼬に笑いかけ、通話が繋がったために種枚はすぐそちらに集中し始めた。

それから約10分に及び、種枚は電話口の相手と楽しそうに会話を交わし、満足げな表情で通話を切った。
「助かったよ鎌鼬。あの子、元気そうだった」
そう言いながら種枚が放り投げたスマートフォンを、鎌鼬は一瞬取り落としそうになりながらも、どうにか受け止めた。
「もっと丁寧に扱ってほしかったなぁ……あ、そういえば」
「ん?」
「俺の……姉弟子? って人は、どういう人なんです?」
「たしか今中2くらいだったっけかな?」
「俺より年下」
「あの子はねぇ、『河童』を喰った子だよ」
「かっぱ」
「ああ。お前なんかよりずっと上手く折り合ってる良い子だぜェ」
「子供どうしを比べて評価するもんじゃねッスよ」

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視える世界を超えて エピソード3:人怖 その④

「ちょ、ちょっと待ってください種枚さん⁉」
流石に命の危険を覚え、無理やり割って入る。
「ア?」
何故彼女が急に怒り出したのか、タイミング的にはおそらく『人怖』に関係してるんだろうけど、兎に角何としても彼女を宥めなければ、自分が死ぬ。
「良いですか種枚さん、自分は昔っから身を以て人間なんかより恐ろしい存在の、その恐ろしさを体験してきた人間ですよ⁉」
「………………それもそうか」
説得は成功したようで、種枚さんが瞬きをすると両眼は人間のそれに戻り、手も下ろしてくれた。
「悪かったね、突然ブチ切れたりして。どうにも地雷なんだ、『一番怖いのは人間』ってのが」
「そうなんですか……」
「それよりこの塀、どうしたもんか……」
種枚さんは塀に開けてしまった穴を見つめて思案している。よく見てみると、塀の破片は残らず凍結に巻き込まれ、思ったより目立った跡は残っていない。
「……このままでもバレなかったりしないかね?」
「流石にそれは無理があるんじゃないですかね……?」
それよりも何故凍っているのかということが気になる。
「……ん、この氷、気になる?」
「え、まあはい」
「私が熱くなりやすいタチってのは言ったっけ?」
「言われましたね」
「ほら、気持ちが昂ると熱くなるって話だったろ? 逆もまた然り、って奴さ」
「それで氷が張るレベルの低温になれるんです?」
「致死レベルの高温になれるんだから、この程度の低温になれても自然じゃない?」
「自然かなぁ……」

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視える世界を超えて エピソード3:人怖 その③

一瞬遅れて聞こえてくる破壊音。そちらに目を向けると、種枚さんの貫手が、自分の顔のほんの数㎜真横を通過し、背後のブロック塀に突き刺さっていた。
「……く、種枚さん?」
「なァ君」
「は、はい」
種枚さんが、表情だけは笑顔のまま話しかけてくる。
「霊感、欲しくないか?」
「え……」
ゆっくりと開かれた彼女の眼は、あの巨大な人影に遭った時と同じ、金色の虹彩と縦に切れ長の瞳、そしてあの時とは違って白目の部分が真っ黒に染まった、明らかな人外のそれだった。
「霊感、欲しいだろ? 奴らに対抗する力。何、ほんの一口怪異存在を喰うだけで良いのさ。喰ったものは身体を作る。多少人間を外れはするが、別に良いだろ? 今の君は人間だから私は手を出せないけど、ただの化け物に成り変わっちまえば、君を殺すのは私の義務だから仕方ないよね?」
ぐい、と目の前に顔を寄せ、何かを言い返す隙も無いペースでまくし立ててくる彼女の語調に、怒気と殺意が混ざっているのを感じる。
そういえば、背後からは何か冷気のようなものを感じる。ただの悪寒かと思ってそちらに目をやると、ブロック塀に突き刺さった彼女の手を起点に、薄く氷が張って少しずつその範囲も広がってきている。

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視える世界を超えて エピソード3:人怖 その②

「しかし、最近よく会いますね」
「そうだねェ」
歩きながら、種枚さんと言葉を交わす。実際、鎌鼬くんの件から2週間くらいか、ほぼ毎日彼女と会っていたり、姿を見たりしている気がする。
「まあ、君のことはそれなりに目ェ掛けてるからねェ」
「えっ」
「だって君、君は霊感こそ持たないが、霊視の才自体はほぼ先天のものだろう?」
「まあはい。物心ついた頃にはもう見えるようになってましたね」
「だろ? 君には素養があるんだ」
「はぁ……」
種枚さんは道端に立っていた不気味な雰囲気の女性の霊を締め上げながら、自分に笑いかけてきた。その手にあるモノさえなければ、もう少し魅力的にも見えるだろうに。

「ああそういえば」
ふと、本当に何の脈絡も無く、図書館で読んでいた本について気になったことがあったのを思い出した。
「どうしたィ?」
「図書館で読んでた本の中に、結構、何て言うんでしょう……所謂『ヒトコワ』? みたいな話がそれなりにあったんですよね」
「…………ほう」
種枚さんの足が止まる。
「種枚さん?」
「……ん、ああ続けて?」
消滅し始めていた霊体を投げ捨てながら答える種枚さん。
「あっはい。あの手の話って、割と『結局一番怖いのは生きた人間』ってオチが多くt」
顔のすぐ横を何かが高速で通り抜け、自分の言葉は遮られた。

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クリスマス小説祭 プレゼントNo.1

「デトモンよ永遠に!」さん、参加有難う御座います!それではどうぞ、題名は「闇の天界より」。

「はぁ...。」
ここは天界の片隅。俺は一人、溜め息を吐いた。俺の名はルエル。なんてことはない一介の天使だ。仕事帰り、柄にもなく(?)溜め息を吐いてしまった。
「悪魔とは言うけどよ___...。もうそれで善いじゃん!妥協すれば善いじゃん!」
この世界には、混沌を望む悪魔が存在しており、俺たちはそれに対抗すべく生み出された存在。
主たる「初まりの創造神」は隠居し、代理神が世界を実質的に支配している。それが何世紀も続き、今や代理の代理の代理の...といつとんでもない状況になっている。混沌を望む悪魔を退治する前に、こちらがカオスである。更に今の代理神、第362代目がとんでもなく怠惰だったせいで、俺たちは日々仕事に追われている。
「よぉ、ルエル」 「...!ハミルか...」
「全く。これじゃあ、天使というより社畜だな。」
「...激しく同意する。」
同僚のハミルと愚痴を言いながら帰路ひついていると、連絡が入った。
「悪魔が丁度君たちのあたりの下界に出たから宜しくね☆」
「「...糞上司...」」
下界へ降りると其処には。
「久々だなぁ!」 「ラアルか!」 
堕天使となった友人、ラアルの姿があった。
「元気そうだな!」 「まぁな。お前らもこっちくるか?」 「馬鹿言え。」 「御歓談中失礼、少々宜しいでしょうか。」 
隣りの紳士風の男が話かけた。
「あ?お前誰だよ。」 「誠に恐縮ながら、お命を頂戴させて頂きます。」 
そういうやいなや、悪魔が飛びかかってきた。
「チッ、今かよ!」 「おー、頑張れー。」
「つくづく薄情な奴だなラアル!」
さぁいざ戦おう、と武器を取り出そうとすると。
「はぁーい、ストップストップー。」
「⁉︎糞じょ...ごはん、失敬。主様、何故ここに?」
「うん。あのね、お知らせにきたよ!」 「?」
「あのね、この世界は壊しちゃうことにしました!」「は?」
「うん、なんかもう面倒くさいし。じゃ、せーっの!」「ちょ、ま
かくして世界は滅び、新しい世界、今の世界が誕生したのである。ー「ふーん、面白いお話だねルルおじいちゃん!」 「そうか、それは良かった。だからね、天使に会ったら、労ってあげなさい。」 「はーい!」

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視える世界を超えて キャラクター紹介②

・種枚さん
鎌鼬くんを鎌鼬くんにした種枚さん。鎌鼬(妖怪)をボコボコにしていたところに遭遇した、当時まだ鎌鼬くんではなかった鎌鼬くんに鎌鼬(妖怪)の生き血をシェアしてあげた結果、鎌鼬くんは鎌鼬くんになった。
霊感をあげた相手のことを「息子/娘」と呼んでいる。ちなみに娘も一人いる。
霊感をあげる絵面は「怪異にかぶりつく→相手の顔を捕まえて片手で口を開けさせた状態に固定する→怪異の生き血を口移しで相手の口にだばぁする」なのでかなりホラー寄り。これ以上本気で誰かに霊感をあげるつもりは無いようです。

・鎌鼬
年齢:高校生  性別:男  身長:170㎝
種枚によって霊感を得た少年。いうなれば弟子。その時に喰らった怪異存在の性質が肉体に表出し、【鎌鼬第一陣】の力を得た。怪異の力に半分くらい飲み込まれかけていて、油断してると人間を捨てそうになるので、その度に種枚にボコられる。
※【鎌鼬第一陣】:鎌鼬のうちの1体の力。肉体を風に変化させ、高速で、自由に空間内を移動し、肉体の接触を感じさせること無く対象を転倒させることができる。発動中は同じ距離を短距離走のペースで走るのと同程度のスタミナを消費する。

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視える世界を超えて エピソード2:鎌鼬 その⑤

「ぁ…………」
さっそく見つけたは良いものの、何か様子がおかしい。まるで正気を失っているみたいだ。
異様な雰囲気に吞まれて、上手く言葉が出ない。
少年がゆっくりと右手を上げる。何をされるのか分からなかったが、思わず目を瞑ってしまう。顔にまた強風を感じ、ひっくり返りそうになったその時だった。
「見いィつけたぞ馬鹿息子オォォッ!」
種枚さんの声がものすごいスピードで近付いてきたと思ったら、少年の立っていた辺りで、これまたものすごい衝突音が響いた。
(…………『息子』?)
今聞こえるにはやや不自然なその単語に恐る恐る目を開くと、少年のいた場所には代わりに種枚さんが立っていて、少年の姿は無かった……いや、種枚さんの視線の先、10mほど離れた木の根元に、寄りかかるように倒れていた。
「く、種枚さん……?」
「あぁ⁉ ……あ、君か」
自分の方に振り向くと、彼女の表情はすぐ柔らかなものに変わった。
「痛たたた……、『息子』はやめてくださいよ、誤解されちゃう。せめて弟子とか……」
あの少年の声だろうか。彼の方に向き直ると、種枚さんに殴られたのであろう腹の辺りをさすりながら立ち上がるところだった。
「あァー? お前に霊感をくれてやったのが誰だと思っていやがる?」
「いやまあ、それは感謝してるンスけどね?」
2人は随分と親しげだけれど、一体どんな関係なのだろうか。私の疑問に先に感づいたのは、少年の方だった。

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視える世界を超えて エピソード2:鎌鼬 その④

種枚さんに指示されて、一人で通りを歩く。時間がまだ早いせいか、自動車や歩行者もまだ少なくて、人通りが完全に途切れた一瞬なんか、いやに不気味な空気が流れる。
彼女が言うことには、適当なタイミングを見計らって、人目につかなさそうな場所に入り込めば良いということだったけれど……。
そこでふと思い出し、足を止める。ちょうどその位置から横道が伸びていて、この道に入って少し歩くと、そこそこ大きな公園がある。まだ時間も早いし、あそこがちょうど良いんじゃないか。
そう決心して、すぐ足早に公園に向かった。

公園までは早歩きで行けば5分もかからない。すぐに到着して、更に人目を避けるように奥へ奥へと入っていく。
外縁に遊具が立ち並ぶ広場を通り抜け、整備された遊歩道を踏み越え、落葉樹や灌木で敷地外からは殆ど中の見えないエリアにまで入り込み、そこで立ち止まる。
種枚さんの言う通りなら、あの少年が現れる筈……。
その時、背後から突風が吹いてきて、堪らず倒れ込んでしまった。
落葉の積もった地面に咄嗟に両手をついたお陰で、完全な転倒とはならずに四つん這いになるような姿勢になったが、そこに人型の影が被る。誰かが自分を見下ろしているような形だ。
顔を上げると、種枚さんに見せてもらった写真に写っていたあの少年が、無表情で立っていた。

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