表示件数
1

人間ではないらしい

放課後、部室として使っている3年A組の教室に入ると、既にそのクラスの人は全員いなくなっていて、代わりに部長が机に座ってスマホをいじりながら、紙パックのカフェオレを飲んでいた。
「こんにちは、部長。先生は?」
「何か用事でしばらく遅れるんだってよ」
「そうですか」
適当な机を借りて荷物を置き、椅子に腰かける。
部長はこちらに目もくれず、スマホを触るのに夢中になっている。ゲームでもしているんだろうか。
それより、先生がしばらく来ないというのなら、都合が良い。仕掛けるなら、今しか無い。
「部長」
「なに?」
「これはクラスの子から聞いた噂話なんですが」
「うん」
部長がこちらに顔を向ける。
「部長が人間じゃないって本当ですか?」
部長の動きが止まった。ゆっくりと机から下り、手近な椅子に腰かけ、姿勢を正してこちらに向き直った。
「その質問に正確に答えるためには、ちょっと言葉の意味をきちんと擦り合わせておかないとだね。そうだな、何をもって人間とすべきか……たとえば人権があることを人間の定義とした場合、天皇さまは人間じゃないことになる。ならば生物学的特徴を条件とすべきか。そうだな、たとえば人間の肉体を完全に模倣して現世に降臨した神が存在したと仮定しよう。彼は人間か? ……まあ、これも議論の余地はあるんだろうけど」
部長はまるで、何かをはぐらかそうとしているかのように長々と話している。
「……まあ、うん。そうだね、何と言ったものか……。……いやまあ、従うルールによっては人間だと言い張っても良いんだけど…………あぁー……うん。私は人間じゃあないよ」
噂は本当だったようだ。

1

CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 1

「こんちゃーっす!」
とある地方都市、クララドルの中心部の路地裏にある駄菓子屋に、バタバタと短髪で赤いパーカーを着たコドモがやって来る。
それに続いて色違いでお揃いのパーカーを着た4人のコドモと、1人の男が店内に入って来た。
「おばちゃん元気かー?」
「こんにちはー」
「こ、こんにちは」
5人のコドモの内4人は思い思いに店の店主に声をかけながら、店内の品物を眺め始める。
それに対し背広を着た大人の男はその様子を店の入り口で鋭い目で見つめていた。
「あ、これ新商品だー」
「ど、れ、に、し、よ、う、か、な〜」
コドモたちがどの駄菓子を買うか迷っている中、茶色いパーカーを着て髪を二つ結びにしたコドモがふとあることに気付く。
「ゲーリュオーン?」
二つ結びのコドモが、店に入った所で突っ立っている黄土色のパーカーを着て長い茶髪を高い位置で結わいたコドモにどうかしたの?と声をかける。
ゲーリュオーンと呼ばれたコドモは二つ結びのコドモに目を向けた。
「…別に」
ゲーリュオーンがそうそっぽを向くと、おうおう素っ気ないな〜とオレンジのパーカーを着た金髪のコドモがゲーリュオーンの肩に手を置く。
「ビィのことが気になるのか〜?」
金髪のコドモにそう絡まれたが、ゲーリュオーンは何でもないと自身の肩に置かれた手を払った。

0

新年クロスオーバー座談会

桜音「皆様、明けましておめでとう御座います。今年も宜しくお願い致します。」
優「おお...クリスマスに続きまたガキが音頭取りしてんのか...」
蘭「あれ、君は食って掛かったりしないんだね。」
桜音「事実ですから。」
リンネ「本当に子供だね、全く、私と見た目は変わらないのに。」
ミル「ちなみにお幾つ何ですか...?」
光「僕は712だよ?」
優「聞いてねぇよ。」
桜音「14です。もうすぐ15ですが。」
ミル(歳下...!)
蘭「と言うか、やたろう、やたらと子供に音頭取りさせるね。何考えてるんだろ?」
光「さぁね。でも、『前回悲惨だったから、リンネには二度とやらせない』とは言ってたよ。」
リンネ「⁉︎ちょ...っ?!...あの糞眼鏡、殴り○してやる...!!」
ミル&桜音「「止めてください。」」
光「まぁ、新年早々地震もあったし。僕も気を付けて過ごすかな。」
蘭「被害に遭われた方々、色々大変かと思いますが、是非体調に気をつけてお過ごしください。」
リンネ「ねぇ、一人、無言で酔っ払ってる人居るけど。」
蘭「あっ。...善いや、置いて帰ろ。」

明けましておめでとう御座います、今年も宜しくお願い致します。
そして地震の被害に遭われた方々、先刻も蘭が申しました通り、是非体調に気をつけてお過ごしください。
                   やたろう