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Metallevma キャラ紹介③

・スモーキー
鉱石:スモーキー・クォーツ  核:右肘から生えた煙水晶の柱状結晶
能力:悪意を祓う泥を生成する
能力の由来:古代より「悪霊を追い払う石」とされてきた歴史と、グラウンディング(地に足を付ける力)からの連想。
本編未登場。クォーツ族の一員。能力は足元から生成した泥を自在に操るというもの。泥は両足が地面についていなければ生成できないが、これが付着したものを悪意を持って破壊しようとすることはできない。存在するだけで精神に干渉する物質の生成という特殊性の高い能力を使い、クォーツ族の土木関係を統治している。建造物の大部分はスモーキーの生み出す泥が原料の一部になっているので、守りはかなり堅い。

・モリオン
鉱石:モリオン・クォーツ  核:へその辺りに埋め込まれた黒水晶の球体
能力:スモーキーの泥と周囲の物質を混ぜ、変形させる
能力の由来:スモーキークォーツのより色濃いものがモリオンであるというのと、グラウンディング以下略。
本編未登場。クォーツ族の一員であり、スモーキーとは兄弟分かつ上司部下の関係。モリオンが弟分で部下。能力はざっくり言うと、『スモーキーの生み出した泥を材料の一つにして建物を造る』もの。スモーキーとモリオンの2人がクォーツの豊かさを作っている。この二人は何としても守らなければならない。

・ネコメ(猫目石)
鉱石:クリソベリル・キャッツアイ  核:額の猫目石
能力:自身にとっての危険と関心の種を知覚する
能力の由来:キャッツアイの石言葉「未知の将来を見通す目」。あとは「好奇心は猫を殺す」あたりが混ざってる可能性もある。
クリソベリル族の一員。ナワバリ争いに全く興味を持たず、それ故に他種のメタルヴマに対しても全く悪感情を抱かない。その関心はほぼ全てがミクロコスモスの外側に向いており、自分と同じくミクロコスモスの外を見ることができるクリスタルのことは戦友と思っている。目玉は諸事情あって合意の末に抉り取られた。クリスタルのことを『クリスチャン』と呼んでいるのは、他のクォーツ族が『クリスちゃん』と呼んでいるのを聞き間違えたから。

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Metallevma:ネコメとクリスの小さな宇宙~眠る雷神~ その③

「……フーイン?」
「そうだ」
「……Who in?」
「ふざけているのか?」
「すんません正直ちょっとフザケマシタ……でも何を封印しているのかは知りたいでつ」
「まったく……封印しているのは我々の同胞、ライトニング・クォーツ。過去の大罪により、私の能力にて永劫封じることになったのだ」
言いながら、ガーデン・クォーツは庭園内部を指差した。
「あれが見えるか?」
「見えないんだって」
「……む、貴様眼球がどちらも無いではないか」
「ちょいと諸事情あって抉り取っちまってまして」
「ならばクリスちゃん、何が見えるか言ってみてくれ」
ネコメの頭に顎を置き、クリスタルは目を細めて庭園を見据えた。
「……おにわ!」
「ああそうだなすまなかった。君に聞いたワタシが悪かった。今の貴様らの向きから11時の方向。およそ70mの位置だ」
「ん……? あー……何かすごいオーラのあるものは見えるッスね。いやお庭全体すごい感じではありますケド」
ガーデン・クォーツが示す先には、小さくもよく管理の行き届いた朱塗りの社が建っていた。
「あの場所に封じている」
「はぇー。で、なんでそれを『クリソベリル』のボクに教えたりしちゃったんで?」
「む?」
「自分の興味至上主義のクリソベリル族に、そんな面白い情報教えちゃってくれて良いんですかい? 行っちゃいますぜ?」
「……構わん。行ったところで貴様程度、死ぬだけだ。それに、いざ貴様を止めるだけなら、ワタシにもできる」
「はぇー……ガーデンのひと、一つ無謀な頼みがあるんだけど」
クリスタルに頭を揺さぶられながら、ネコメが言う。
「何だ? 聞くだけ聞いてやる」
「クリスチャンがめっちゃ行きたがってるんだ、行かせてくれない?」
「もちろん許さんが」

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Metallevma キャラ紹介②

・アメシスト
鉱石:アメシスト  核:左のこめかみから頬にかけて線状に走る紫水晶の筋
能力:感覚の鋭敏化・鈍化
能力の由来:『酒に酔わない』の意味を持つアメシスト。アメシストの能力は、アルコールの中毒症状に飲まれる事無く、逆にそれによって引き起こされる感覚の鈍化と過敏化を自在に引き起こす。
クォーツ族の戦士。ルチルとは相棒の関係で完全に信頼しきっており、万が一共に戦うことになれば、死角への注意が完全に無くなる。知覚能力を鋭敏化し、恐怖や自衛本能を鈍化させることで発揮される高い格闘能力は、クォーツ族はおろか周辺の他部族でも勝てる者がいないほど。能力の使い方ゆえに負傷することも多い。
シトリンに憑依してもらうと壊れない上に拡張性が極めて高い身体が手に入るのでとても強いのだが、アメシストは身体の部位が少ない状態での戦闘には慣れていても多い状態での戦闘には慣れていないので、必然的に部位欠損を補う形で能力を発動する外無く、条件を満たしにくいという事情もあり、”バーント”は飽くまでも最終兵器。戦士の人手が足りなさ過ぎて基本的にソロで戦うことが多い。

・シトリン
鉱石:シトリン・クォーツ  核:額に2本生えた黄水晶の短い角
能力:親和性の高いメタルヴマに炎の形で憑依する
能力の由来:焼黄(やきき)から。焼黄とは人工的にシトリンを作り出す手法であり、紫水晶や煙水晶を加熱処理することで、その色を黄水晶のようにすることができるそうな。紫水晶由来だと「バーント・アメジスト」、煙水晶由来だと「バーント・スモーキークォーツ」というらしいですよ。
クォーツ族の護衛官。能力は自身を黄金色の炎に変え、仲間に憑依するというもの。炎は対象の部位欠損を補い、実体としてシトリン自身または憑依対象の意思のままに動く。ある程度の親和性が必要で、現状能力が適用されるのはアメシストとスモーキー、モリオンの3名のみ。ルチルのことを苦手に感じており、それとよく一緒にいるアメシストのことも警戒している。
アメシストに憑依した時の強さは本当に凄まじいのだが、では何故最強コンビがシトリン&アメシストではないのかというと、シトリンが戦闘力が低いにも拘らず重要度の高いスモーキーの護衛に就かなければならないこと、シトリンの能力では、実質的な人手が二人分にはなれないことが理由。

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Metallevma:ネコメとクリスの小さな宇宙~眠る雷神~ その②

クォーツ領は半径2㎞程度の凡そ円形の高い泥塀に囲まれて守られており、出入りが可能な関所は、東側の1か所にのみ存在する。
関所の門から反対側、西の辺の周囲には日本庭園のような広大な敷地が存在し、ネコメとクリスタルはその庭園に向かっていた。
「見て見てクリスチャン。見えるかい? ボクには『素敵なモノ』ってことしか見えない」
「にゃん、きれーなとこ」
「そうかい。それじゃあ突撃ィー!」
駆け出そうとするネコメの足首が何かに引っかかり、ネコメは勢いのままつんのめった。転倒し額を地面に打ち付ける直前、何者かに身体を支えられる。
「はいストップ。ここには入っちゃ駄目」
「うげぇえ? 誰?」
ネコメの見上げる先、眼球の無いネコメには見えなかったが、白拍子の水干に身を包んだメタルヴマが鋭く睨みつけていた。
「ワタシはガーデン・クォーツ。この『庭』の管理者さ。悪いがここは、ワタシ以外の者に入ってもらっちゃ困るんだ」
「なんでぇ? 庭なら見せておくれよぅ」
「そいつは駄目だね」
ガーデン・クォーツは短く断り、ネコメを立ち上がらせた。
「だからなんでなんだよぅ」
ガーデン・クォーツは指を1本ずつ立てながら理由を述べた。
「理由は3つ。一つに余所者の貴様がいるから。二つに無暗に他人に入られて、意図的にしろそうでないにしろ荒らされてはワタシが悲しいから。そして三つに……」
そこで言葉を切り、一瞬躊躇してから、再び口を開いた。
「……これは貴様をクリスちゃんの友人であり闘争に関心を示さないクリソベリル族と見込み、疑念を敢えて放棄して説明することだが」
「うん」
「この庭の存在意義がただの『庭園』ではなく、『監獄』、或いは『封印』であるからだ」

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Metallevma キャラ紹介①

・クリスタル
鉱石:水晶  核:後頭部から生えた水晶柱
能力:世界の境界面を認識する
能力の由来:占いに使う水晶玉のイメージから
クォーツ族の末っ子的ポジション。戦闘力は無いが、見ているものが他のメタルヴマ達とは違うようで、戦線にも構わずふらふらと出て来てしまう。一度戦火に巻き込まれ核となる水晶柱を半分ほど砕かれたショックで頭の中もふらふらのふあふあになってしまった。周囲からは戦えないことで時には厄介に思われながらも、比較的平和な時には「クリスちゃん」の愛称で可愛がられてもいる。本編後、何やら進化を遂げたそうな。

・ルチル
鉱石:ルチルクォーツ  核:胸元に埋もれた針水晶球
能力:水晶の針を生成し射出する
能力の由来:和名が『針水晶』なので
クォーツ族の戦士。ローズとは同じ日に生まれた関係で兄弟姉妹のように親しくしている。アメシストとは戦士としての相棒の関係で、共闘時は中後衛として前衛向きのアメシストを支えている。しかし2人ともとても強い上にまともな戦力が少なすぎて人手を無理やり割かなければならないので、共闘することは滅多に無い。あったらそれはクォーツが滅ぶかどうかの瀬戸際である。
特に親しいローズとアメシストに対しては距離感と感情がちょっとアレなところがあり、ついたあだ名が「同期と相棒限定感情激重病めたるヴマちゃん」(シトリン命名)。

・ローズ
鉱石:ローズクォーツ  核:左の鎖骨の辺りに生える3本の短い紅水晶柱
能力:他のメタルヴマを自身の手元に引き寄せたり跳ね退けたりする
能力の由来:ローズクォーツは女神アフロディテの石とされ、恋愛の守護石としても知られている。愛する者同士が引き合うように、恋破れた者同士が自然と距離を取るように、ローズクォーツの能力はメタルヴマ同士の距離を操る。
クォーツ族の医務官。ルチルとは兄弟姉妹のように親しくしている。戦線においては傷ついた仲間を素早く回収し、襲い掛かる敵は撥ね退ける、救護班として活躍することが多い。育ちの悪さが隠しきれていない言葉遣いや行動が見られる。

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よっしゃー!

夢ならば醒めないで!夢ならば醒めないで!
巨人勝った!
ついに勝った!
昨日は山﨑伊織投手が頑張ってたのに救援失敗で涙の敗戦…
でも,今日は赤星投手が8回まで無失点!
生憎地元・兵庫県出身の守護神大勢投手は打たれて9回の表でアウト一つも取れずに降板したけど,大勢がコンディション不良で2軍にいた時のクローザーの代役だった中川皓太投手がその後無失点で救援成功し、勝った!

高校は違うけれど自分と同じ東京出身の赤星先輩,無失点で抑えてくださり,ありがとうございます。
本当にありがとうございます!
いつぞやの大舞台で東京出身の某選手が代打で出てきて空振り三振して1人の巨人ファンの男の子を悲しみのどん底に叩き落としてから10年,今度は東京出身の貴方が無失点ピッチングで勝ち投手の権利を得て,チームの勝ちに貢献してくれました!

ヤバい
これで横浜とゲーム差1じゃないか?
目が潤んでよく見えない
もうそんなに多くのこと書けないから,今日ホームランを打った大城選手の登場曲としても有名になった『あとひとつ』の一節を今の気持ちに載せようか

熱くなっても無駄なんて言葉聞き飽きたよ(ここ数年)
もしもそうだとしても,抑えきれないこの気持ちを希望と呼ぶなら一体誰が止められると言うのだろう
あと一粒の涙が、ひと言の勇気が明日を変えるその時を見たんだ(まさに今日の試合)
無くしかけた光(2013シリーズでの仙台,2019,2020での福岡,2021のCS,2022での横浜,今年の甲子園のアレ)
キミが(赤星投手が)思い出させてくれた
あの日の景色(2012年の銀座優勝パレード)忘れない!
あと一粒の涙で,一言の勇気で願い(11年ぶりの日本一)が叶う
その時が来るって
僕は信じてるからキミ(全国の巨人ファンや原監督,それから読売ジャイアンツの選手全員へ)も諦めないでいて
何度でもこの両手をあの空(晩秋の晴れた銀座の空)へのばして
あの空(歓喜に沸き立つ東京の、いや日本全国の大空)へ

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理外の理に触れる者:海殺し その⑩

「よう、砂漠の。とりあえずこの状況どうにかしてくれ」
そいつに話しかけると、ようやく覚醒したようで急に慌て出した。
「え、ああ、ああッ⁉ 何だこの状況!」
「こっちが言いてえよ」
「とにかくその化け物どっかやってくれ!」
「ああうん」
駿竜を消し、砂漠の異能者の胸倉をつかむ。
「さあ、この砂漠をどうにかしろ。ここは温暖湿潤気候帯で今は真冬なんだよ」
言ってやると、そいつは目を泳がせながら答えた。
「い、いやな、実を言うと俺もよく分かってねえんだよ。この滅茶苦茶な力に目覚めたのが多分今日の朝、自覚したのはこの砂漠の中でも全く暑いなーとか日差し強っとか思わないなって思ったあたりからだから、今日の正午くらい。とりあえず家を出てみたら突然自分の周りに砂嵐が起きてさ、どうしようも無かったんだよ……」
「……なるほど、理解はできた。で、この状況、直せるのか、直せないのか」
「実を言うと……ちょっと厳しいかなって……」
「駿竜、来ませい」
あの怪獣を再び召喚し、砂漠の奴の首から上を口の中に収めさせる。別に噛みちぎらせようってわけじゃ無い。ただの脅しだ。
「……なあ怪獣。そいつ、もしかして異能の使い方に慣れていないんじゃあないのか?」
女王さまが話しかけてきた。
「ほら、今日発現したばっかりだって言っていたろう」
……そういえば。
「つーことはこの砂漠、このままになるのか」
「ああ……最悪なことに。本当に申し訳無いんだけど」
怪獣の口の中でそんな言い訳をするあたり、こいつ結構胆力あるな。
「……なァ怪獣。良い方法があるぞ?」
女王さまがいたずらっぽく後ろから声をかけてきた。
「何だ」
「怪獣、お前そいつを後見しろ」
「……はぁ?」

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ちょっとした企画:理外の理に触れる者 2/2

・二つ名
異能者が自称したり他の異能者から呼ばれたりする異名。どこかの異能者が「何かかっこよくね?」みたいなノリで付けたところ、他のノリの良い異能者たちも便乗し始めた。現在では全異能者のうち、実に6割が二つ名を持っている。そのうち半分程度は他の異能者にも知れ渡っている。漢字オンリーの四字熟語みたいな雰囲気のやつもあれば横文字のやつもある。仮名と漢字が混ざっているのもいる。基本的に支配者レベルの異能者の二つ名には「王」「帝」「神」などの文字が使われることが多い。それより下の位階の能力者がそれらの文字を使った二つ名を名乗ると、よほど実力が無い限りは表で陰で思いっきり叩かれる。支配者の人たちは王や神なのでそんな細かいこと気にしないでくれることも多い。

・後見
異能者が他の異能者、特に自分より下の位階の能力者を自分の下に置いて世話すると宣言すること。基本は支配者級の能力者しかやらない。たまに指揮者級で力のある能力者がやることもある。簡単に言うと、「こいつ私のお気に入りだから手ぇ出すなよ?」ということ。元々はとある支配者級の異能者が、自分の住む地域一帯で起きる異能者どうしの諍いを手っ取り早くおさめるために考案したシステムであり、後見された異能者は周囲から、後見した異能者の手下扱いされると同時にいじめられにくくなる。後見対象をどうするかは人によって違う。宣言だけして放っておくこともあれば、能力の制御の練習に付き合ってあげたり、お友達になったりということも。


ざっくりした設定はこのくらいです。質問があったらレスしてください。あとは皆さんの想像力にお任せします。今月いっぱいくらいを目安とした企画です。書いて良いよって人はタグに『理外の理に触れる者』を入れて投稿してください。

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理外の理に触れる者:魑魅魍魎の総大将 その③

人型から剥ぎ取った霊体組織を齧りながら、月は人型から示された道を進んでいた。
「うん……食感は良い……けど味は薄すぎるし、何より量が足りない……」
自分の目方の半分程度はある霊体をみるみるうちに腹に収め、最後の一かけらを飲み込む頃、漸く目的地に到着した。
「おー……おっきい家」
固く閉ざされた門を蹴り、施錠を確認してからその上を軽々と跳び越え、前庭に蔓延る雑草を枯れ朽ちさせながら進み、ほぼ何の障害も無く母屋に到着した。
「ノックしてもしもーし。ヤバいのがいるってんでご相伴に与りにきましたー」
引き戸の入り口もまた当然のように施錠されており、月はそれを蹴破って屋内に侵入した。
屋内には幼い少女のすすり泣く声が響き渡っており、月はその音源を探して屋内をしばらく歩き回る。
「ん、ここか。トツゲキー」
やがて音源たる一室を発見した月が、現在彼女が居る廊下と室内を隔てる襖戸を蹴破ると、30畳ほどの広間の中央付近で幼子らしき人影が入り口に背を向けて蹲っていた。先ほどから聞こえてきている泣き声は、その人影から発されているようである。
「……擬餌よ、一つ教えておくと」
月は一足に人影の背後まで跳び、それが振り向く前に頭部らしき部位を捕え、床面に叩きつけ取り押さえた。
「今どき、廃墟で泣き声が聞こえて心配して近付くような奴などいないぞ」

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能力モノの設定を思いついたので誰か書いてください その①

異能設定
肉体年齢3歳以上の人間または人外存在に、大体2d6振って6ゾロが出るのと同じくらいの確率で何の前触れもなく唐突に発現する。人外存在の場合は若干確率が上がり、人間の倍くらいの確率で発現する。平均して学校の1クラスに1人か2人はいるくらいの確率。
能力名は以下の2要素によって説明される(「○○の●●者」みたいな感じで)。
・能力対象
異能で干渉する対象。1d100でファンブルするのと同じくらいの確率で同じものを対象とする異能者が現れることもある。
・位階
干渉の程度の強さ。4段階に分かれる。能力の強制力は上の位階ほど強く、能力同士が干渉した場合、より高い位階の能力が優先される。
能力の使用には代償が必要で、基本的には体力の消耗という形で処理される。稀にそれ以外の方法でどうにかしている能力者もいる。位階が上がるほど代償は大きくなるが、その分できることの幅も大きくなる。
また、能力を使い続けることで上の位階にランクアップすることもあり得なくは無いが、一つ位階を上げるためには普通にやったら大体数百年から数千年の年月が必要なので、人間には基本的に不可能。それこそ時間の異能者でも無ければ無理。ランクは以下の通り。
観測者:最も低い位階。対象を知覚認識する異能。所謂「霊感」「未来予知」「読心」などはこれに当たる。能力者全体での割合は2d6振って4以下が出る確率と同じくらい。
干渉者:2番目に低い位階。対象に触れ、その動作に干渉する。できることはあまり多くは無いが、能力使用による代償も少ない。能力者全体での割合は2d6振って5~7が出る確率と同じくらい。
指揮者:2番目に高い位階。ある程度の強制力と威力を以て能力対象を操作するもの。能力使用時、改変の規模に比例してより大きな代償が必要になる。能力者全体での割合は2d6振って8~11が出る確率と同じくらい。
支配者:最高位階にして能力の完成形。指揮者以下にできることは大体できる上、絶対的な強制力を持っている。威光による命令であるため、代償も存在しない。能力者全体での割合は、2d6振って6ゾロが出る確率と同じくらい。

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8月15日の縁側 Ⅱ

「あっはははは!くにあき下手くそ!」
「ううう、今のものは難しいね……」
「ずーっとあったよ」
「俺の時はなかったよ」
「えーうそだあ」
「本当だよ」
 そんな他愛もない会話をしていると、「今帰った」と不愛想な男の声と共に、後ろの障子が開いた。
「あ、おとーさんおかえりー」
 少女の父親、睦葵だ。オリーブ色のTシャツにジーンズという、ファッションに無頓着な彼らしい服装だ。
「誰かと話していたようだった。友達でも来ていたか」
 睦葵は表情一つ変えず、仏頂面のまま娘に尋ねた。別に怒っているわけではなく、それは少女も邦明もよく分かっていたので気に留めず、質問に答える。
「ううん。くにあき来たの。まえ神社行ったときに会ったでしょ?」
「……そう、らしいな。だが僕にはもう見ることができない」
「なんでー?」
「……僕は、深層のものを見るには様々な経験をし過ぎた。それに、もう多角的な視点を持つことは難しい。固定観念を知り過ぎた」
「う?こてー……?」
「あ、え、ごめんな、難しい話をした」
「うん。むずかしーのあたし苦手ー。どーゆーこと?」
「そうだな……ええと、取り敢えず、邦明さんは今は居るのか」
「いるよ。さっきジュースまいた」
 少女は邦明を指した。勿論睦葵には見えていないが、そこにいることはよく伝わった。
「そ、そうか。毎年来ているのか」
「毎年じゃないよ。今年が初めて」
「なんだ、三十年も経つのにまだ一度も来ていなかったか」
「う?」
「いや、何でもない」
「そう?」
 その後睦葵は三秒ほど考えた末に、こう伝えてくれと少女に告げた。
「『じいちゃん、ありがとう。取り敢えず今は楽しいから。心配しなくていい』って」