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少年少女色彩都市・某Edit. Outlaw Artists Beginning その②

音のした方に足音を殺して慎重に歩いて近付く。それにつれて、誰かが言い争うような声も聞こえてきた。
発生源らしき部屋の入り口から顔だけを覗かせて中の様子を見てみる。
私よりいくらか年上に見える少年2人が掴み合って言い争っていた。……掴み合ってというよりは、パーカーの少年の方が一方的に掴みかかっている感じだろうか。捕まっている方も負けじと言い返しているから、どっこいどっこいだろうか。
「……もう良いや」
掴みかかっていた方は急にすん、と落ち着いて相手を放り出した。そのまま備え付けの椅子の方に歩いていく。喧嘩に疲れて休むんだろうか。椅子の背もたれに手をかけ、引いて、持ち上げ…………持ち上げ?
「死ねや塗り絵野郎がァッ!」
そのまま椅子を使って相手を殴りつけた。脚が相手の肩の辺りに直撃し、相手はその場にひっくり返った。
持つ部分を背もたれから脚の側に持ち替え、倒れている方にまた殴りつける。2度、3度、4度目を振り上げたところで、流石にマズい気がしてきたので止めることにした。
素早く背後に回って持ち上がった椅子を掴み、そのまま自分の方に思いっきり引っ張る。体重も使ってどうにか取り落とさせることに成功した。
「誰だ邪魔しやがっ……!」
少年と目が合う。怒りに染まっていた彼の目は、一瞬で冷静なものに戻った。
「ホントに誰だお前?」
「……新入りです、初めまして」
「おう初めまして」
「ちょっとここの案内とかお願いしても?」
「…………」
彼は怪訝そうにこちらを見下ろしている。
「いろいろ聞きたいですし」
「……あー分かった。じゃーなガノ」
殴られていた方の少年は気を失っているようだった。一応彼にも会釈して、部屋を後にした。

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自分に噓を吐いてる系めんどくさいガール

“光の怪盗”リリアーナ(リリィ)
種族:人間  性別:女  年齢:19歳  身長:160㎝
精霊と意思疎通し、彼らの力を借りる精霊魔法が得意な冒険者。生来の高い敏捷性と光の魔法による目くらましで魔物たちの本拠地に潜入しては物資や火薬庫を狙い、間接的な打撃を与える事が主な仕事。
得意な戦闘スタイルは器用さと素早さで敵の攻撃を捌きつつ、魔法で妨害や目眩しなどを行い相手の調子を崩させるトリックスター。
周囲からは明るく頼れるムードメーカーで知られている。
しかしてその本性は気の小さい臆病な陰の者。普段の飄々と平気で死地にも潜る勇敢なガチ陽の性格はかなり無理して作っている。
事あるごとに言い訳を用意しては誰も見てない陰で周囲を騙しているという罪悪感と本性との乖離のあまり吐いている。
トリックスターやってるのも直接命を奪うという重い責任を負うのが怖いから。使う魔法にも殺傷力の『ある』ものは殆ど無い。
ただし、輝かしく頼もしい『リリアーナ』のペルソナ自体は大変気に入っており、この振舞い方をやめたいと思っているわけでもないというとてもめんどくさい子。
そのため口説き文句なんかでよくある「本当の自分でいて良い」とかそういうのが地雷で、どんなに良い雰囲気でもスン……てなる。おどおどリリィもきらきらリリアーナもまるっと全肯定してほしい。わがままで可愛いね。そもそも本性の方を知る機会がまずほぼ無いからね。めんどくせェ。
ちなみに本名はリリィ。「リリアーナ」の愛称・略称と思われがちだが飽くまでこちらが本名なので、本当に呼んでほしい人以外にはさらっと「リリアーナ」で呼ぶよう訂正する。

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最強の戦闘狂

【亡霊少女】
ダンジョン《ステノ古城》のヌシとされている魔物。生きて帰った者の少なさから情報は極めて断片的だが、アンデッド系の魔物と推測されている。「死んだこと」はまだ無いから厳密には違う。
外見は抜き身の短剣1本だけを携えた、全体的に白に近いグレーといった雰囲気の12歳前後の人間の少女。肌も髪も纏ったワンピースも悉く白いのに、何故か雰囲気はうっすらグレーじみている。そんなに長い髪型はしてない。
普段は古城に入ってすぐの場所にぽつんと体育座りしているが、時折思い出したように中庭の菜園からほぼ野生返りしている野菜と罠にかかった小動物を回収してきては煮て食ったり(数日に1度程度)、ふと思いついたように城内を歩き回って発生したアンデッドや不幸にも遭遇してしまった侵入者を狩り倒して回ったりしている。
好きなものはかつての主と戦闘。どんくさく何をやっても失敗ばかりだった自分の事を見捨てなかった主のことを敬愛しており、戦闘好きもその発端は主の不在中に偶然敷地内に迷い込んできた小型の魔獣を満身創痍になりながら撃退した際、帰ってきた主から心配&褒めてもらったことで人生初の成功体験となり、「自分が戦って、どんなに傷ついてでも勝利して、主が帰ってきたら褒めてもらえる」と覚えてしまったため。
古城が廃城のダンジョンと化したのは100年以上前で、主は当然ながら既に死んでいる(何なら戦死)しそれだけの時間姿を変えずにいる彼女も勿論魔物化しているわけだが、少女は何をやってもダメな子だったので難しいことは考えないようにしており、どちらにもまだ気付いていない。
自分以外の使用人たちはみんな死んだり出て行ったり知らないうちに姿を消していたりでもういないけれど、主だけは彼の帰る場所かつ自分の唯一の居場所である城に帰ってきて、留守を守り数えきれないほどの戦闘を超えてきた自分を褒めてくれるはずだと信じ、ただ待ち続けている。
ちなみに城内に出現するアンデッドは彼女が殺した者のなれの果てである。
彼女の本名を知る者は、彼女に名を授けた主だけであるため、少女の名は未来永劫、二度と呼ばれることは無い。

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テーマポエムを作ろうの会 〈企画要項〉

どうも、テトモンよ永遠に!です。
超突然ですが企画です。
タイトルは「テーマポエムを作ろうの会」。
皆さんの作った「キャラクター」とその設定から、他の方がテーマソングならぬ「テーマポエム」を作る多分今までにない企画です。

詳しくルールを説明すると、
①自分が今までに作ったキャラクター(ポエム掲示板への投稿の有無は問わない)、ないし新たに創作したキャラクターの設定をタグ「テーマポエムを作ろうの会」とタグ「(キャラ名)の設定」を付けて投稿します(タイトルはなんでもOKです)。
この時、テーマポエムを作る側にとって作りやすいようできるだけ詳しく、分かりやすい設定を投稿してください。
あとテーマポエムを作る人の制作の参考になるかもしれないので、ポエム掲示板で既出のキャラクターであれば登場作品のタイトルや投稿時期を載せておくといいでしょう。
もちろん現在進行形の物語のため、まだ出せない設定があるというキャラクターは無理してその設定を載せる必要はありません。
② 自分がテーマポエムを書けそうな設定を見つけたら、それに沿ってポエムを書いて投稿してみましょう。
この時タイトルは自分の好きなものを付けても構いませんが、タグ「テーマポエムを作ろうの会」とタグ「(キャラ名)のテーマ」を忘れないようにしてください。
ちなみにポエムを書く時は、設定の投稿にレスを付けるか付けないかは自由にします。
また、同じ設定投稿から複数のテーマポエムができることがあると思いますが、それはそれで良しとしましょう。

という訳で、上記のルールを守った上で企画を楽しんでください!
開催期間はこの投稿が反映されてから6月28日(金)24時までです。
今回開催期間を長めに設定したのは、ここでは遅筆な方が多そうだからな〜という思いと今後開催する企画との連動を考えているためです。
開催期間中は定期的に要項の再掲を行うので自然消滅はしないからご安心を!
ぼくも頑張って韻文に挑戦してみようと思うので、皆さんも気軽にご参加下さい!
それではこの辺で、テトモンよ永遠に!でした〜

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少年少女色彩都市・某Edit. Outlaw Artists Beginning その①

「それでは、これで今日から君も“リプリゼントル”だ。芸術とこの街を守るため、精進してほしい」
「はい」
フォールムの大人から“リプリゼントル”として戦うための必須アイテムであるガラスペンを受け取り、その部屋を後にする。
芸術破壊者たる“エベルソル”から芸術を守るための、芸術の素養を持つ少年少女が変身する戦士たち。創造力を原動力として、このガラスペンで戦闘能力を確保して戦うそうだけど……。
「……ふむ」
とりあえずガラスペンを構え、空中に線を引く動作をしてみる。ペン先の溝に光り輝くインキが充填され、空中に軌跡を残した。
「おー……」
なるほどこれは面白い。使い方を理解したので、本体と一緒に貰った革製のケースにしまってポケットに入れておく。空中に留まったインキは処理に困ったけど、壁に押し付けてからぐしぐしと手で擦ると無事に消えてくれた。
さて、次は何をしようか。このまますぐに帰っても良いけれど、せっかくだからこのフォールム本部を探検しても良いかもしれない。
せっかくだから、他のリプリゼントルにも会ってみたい。一緒に戦うことになるかもしれない相手の情報は、少しでも多かった方が良いだろう。
そう考えて歩き出そうとしたその時、遠くの方から何かが勢い良く倒れる音が聞こえてきた。

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厄災どおるtutorial:嘘吐き煌星 キャラクター②

・キララ
性別:女性  外見年齢:14歳  身長:155㎝
人形の材質:毛糸  悪意:瞞着
災害:通り魔  能力:刃物を生成する
説明:“厄災どおる”の1体。街中に現れてナイフ片手に暴れていた通り魔を抑えて生まれた。お話の後、男性に命名されました。
栗色のベリーショートヘアと枯れ枝の如く薄く細っこい肢体が特徴。
割と息を吐くように嘘を吐く。本当の事も普通に言うので質が悪い。嘘を吐くときもいかにも嘘っぽく言う時とさらっと言う時とあるのでとてもややこしい。嘘が悪か否かには議論の余地があるとは思うが、個人的な見解としては悪意があるならそれは悪だよ。
身体は結構柔らかい。そして素早い。高所からの落下にも受け身が取れる。さながらネコチャン。でも疲労という概念はどおるには存在しないので上位互換。
能力は手元に刃物を生成するというもの。片刃または両刃、柄付きまたは柄無し、刃渡り5㎝~100㎝から選択してその時その時でお好みの刃物を生み出し活用する。
ちなみに愛称の『キララ』の由来は『シリアルキラー』。シリアルの部分は朝ご飯に消えました。何、綴りが違う? 細けぇこたァ良いんだよ。

・呪術師の男性
性別:男性  年齢:24歳  身長:平均より少し高い
説明:呪術対策課勤めの国定呪術師の男性。比較的新入りで、腕前はまだまだ未熟者レベル。投げてぶつけてとりあえず形にして、後から直接触れて呪術的エネルギーを注ぎ、調伏するというかなり非効率な封人形の使い方をする。
どおるに対する接し方は、相手の望みを聞き、信頼関係を築いたうえで、有事には言う事を聞いてもらうというスタイル。大抵の場合は物で釣る。前例がサユリとソラだけなので上手く行っているのかは分からない。
現在のイユの居候先だが、イユは別に言う事を聞いてくれるわけでは無いので少し困っている。でも欲しいって言われたからボードゲームとか本とか自費で買い与えた。イユさんは何だかんだで後輩の面倒を見てくれるしちょっとしたお願いくらいなら手伝ってくれるので助かってる。

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厄災どおるtutorial:嘘吐き煌星 キャラクター①

・サユリ
性別:女性  外見年齢:12歳  身長:140㎝
人形の材質:粘土  悪意:蔑視
災害:地震  能力:地面に振動を与え、損壊を発生させる
説明:“厄災どおる”の1体。小規模な地震により発生するはずだった余震を全部吸い込んで生まれた。震源は約80㎞の沖合でした。
人間の事を下等生物と思っている節があり、言葉の端々に謎の刺々しさと図々しさが感じ取れる。
平熱は40度弱と結構高め。保有エネルギー量がすごいから仕方ない。身体が柔らかい。指を曲げて手の甲に付けられるくらい柔らかい。上手く間接を極められても頑張ればギリギリ無傷で抜け出せる程度には柔らかい。ところでどおるには一応痛覚があるんだが、どうも「痛み=避けるべきもの」と脳内で結びついていないらしい。なんで?
能力は手足を付けた対象に振動を与え、破壊を起こすというもの。一応地面以外にもいける。破壊が起きない程度の出力も可能だけどあまり好まない。能力の都合上空中に放り出されると無力になる。
ちなみに愛称の『サユリ』の由来は『小揺り』。発生させる揺れは全然小さくない。

・ソラ
性別:女性  外見年齢:7歳  身長:120㎝
人形の材質:鉛  悪意:嫌悪
災害:放射能汚染  能力:不可視光線を操る
説明:“厄災どおる”の1体。かつて発生した原子力発電所の事故を収拾するために生まれた。
ポケットの沢山あるもっふもふのおべべを着せてもらっているので、ころころに着膨れしている。
身内と認めた相手以外に遭遇すると反射的に嫌そうな顔と態度をして「うわ出たよ……」とか言ってくる。
動きが鈍く身体も硬い。泳ぎも下手糞。まあ水中を歩くぐらいなら問題は無い。
能力は紫外線、赤外線、放射線などを操るというもの。基本的にはX線による透視でスポッターとしてサポートしたり、赤外線を操って家電を誤作動させて遊んだりしている。やろうとすれば放射線で生体組織ぶっ壊しにいけるけど「危ないからやめてね」って呪術師に言われたからやらない。
ちなみに愛称の『ソラ』の由来は覚えてない。確実に何かあったはずなんだが、何か気付いたらこの名前がついてた。

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厄災どおるtutorial:嘘吐き煌星 その⑤

「……あなたの仕業か」
目だけをサユリに向け、少女は低く言う。
「だとしたら?」
「まず、あなたから」
倒れた体勢のまま、少女がロケットのようにほぼ水平に飛び出した。サユリは再び地面を揺らしたが、空中にいる少女に影響は無く、一瞬のうちに接近した彼女によって、サユリは両足首を切断されてしまった。
「っ!」
既に切断されている右腕を伸ばすが、透明な体内液が飛び散るばかりで、少女を止めることはできない。
更に踵を返した少女が、心臓目掛けて刺突を放ってくる。サユリは倒れ込みながらも身体を大きく反らしながら躱し、心臓の代わりに左の肩の辺りに刀剣が突き刺さる結果となった。
「……捕まえた!」
右腕の肘を刀を握る少女の腕に絡みつけ、残る左手で肩の辺りを掴み、自身の倒れる勢いも利用して引き倒す。
「は、離せ……ぎッ⁉」
サユリの左手から少女の身体に、強烈な振動が一瞬伝わる。全身へのダメージで一瞬意識が飛び、気付いた時にはサユリを下敷きにうつ伏せに倒れ込み、後頭部を呪術師の男性に抑えられていた。
「ぅぁ……」
「悪い子だ……少し大人しく、してもらおうか!」
男性の手から、呪術的エネルギーが直接注ぎ込まれる。少女は一度大きく痙攣し、脱力しきって動かなくなった。

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厄災どおるtutorial:嘘吐き煌星 その④

「そ、ソラ?」
「はぁ……我らが主さまはこれだから……コイツの手が見えないんですか」
ソラの言葉に男性が改めて少女の右手を見ると、手の中には長さ数㎝の刃が握り込まれており、それは男性の胸元にまさに突き立てられようとしていたところだった。
「なるほどォ? コイツ、まだ呪力が足りてないモンで暴走状態が収まってねーわけだ。言っとくけど私は手伝わないぞ?」
イユの言葉に男性は頷いた。それと同時にソラが少女を押し返すが、少女は飛び退くように躱し、それまで握っていた小さな刃の代わりに刃渡り50㎝ほどの片刃の刀剣を生成した。
「サユリ! その子を止めてくれ!」
「了解です、未熟なマスター」
向かってきたサユリに、少女が斬りつける。サユリは身体を大きく反らせて回避し、刀剣を持っている方の手を掴もうとする。少女はそれを素早く手を引きながら躱し、ついでとばかりに伸ばしてきたサユリの手首を切断した。
「っ……! 速い……」
少女が飛び退き、サユリは呪術師の男性を庇うように位置取りを調整した。
「サユリ。何とかしてあの子に直接触れたいんだ。手伝ってくれるね?」
「……まぁ、マスターはすっ鈍いから、1人じゃあの子に近付く前にナマスにされちゃうのは分かりますけど……たぶん、あたしじゃ抑えられないと思うので、粘っていられるうちにさっさと決めてください」
「ああ、やってみよう」
少女が再び距離を詰めようと駆け出す。その瞬間、突如バランスを崩し勢い良く転倒した。
「あれ……? 足元が、急にゆれた……?」
立ち上がろうとして、再び頽れる。