残像
橙の中、海を見つめて。
下らない話をした。もう、今ではどうでもいいような下らない話を。
何がそんなに面白かったんだろうか。腹を抱えて笑ってた。何気ない話をするのが楽しくて仕方がなかった。
どんな話をしてたっけ。もう思い出せないや。
急に真面目な話になることもあった。いつかはこんなふうになりたい。勉強って何のためにしなきゃいけないんだろう。最近、こんなことを思うようになったんだけど。
何か難しいことを話していた気がする。大抵、結論は出ないんだけど。これも、どんな話をしてたか、今はもう思い出せない。
暗くなってきた。虫に刺された脚が痒い。
海に映ってた橙はいつの間にか消えて、かわりに黄色い光が映ってる。
もう月が出てきた。そろそろ帰らなきゃ。