みじめなもぐらの唄
お日さまが西へ去ったあと
土からはいでて、できる限り泥を払う
一昨日見つけたピンクの
すべすべした石を持って、君のところへ
僕のヒタヒタ歩く音だけが聞こえる
青白いみちで小さな名もない花を摘んでいく
君の窓辺で、どうにもならないバラードを
くすんだお月さまに聞かせてしまう
そして橙色の渚で君を見る
ただ君といつか昼の下を歩きたい
けれど想いは夜のガラスを今ひとたび見て
くだけてさらさらと夜風にとびそうで
親友のきつねくんのように、かっこよかったら
東の空が明るんできたので、
しんしんと家へ急ぐ
自分を愛せないと人を愛せない、と人は言う
しおれた花とざらざらの石に
ぽつりぽつりと染みが広がっていく