ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 18.メドゥーサ ⑦
「本当は、仲良くなりたいんだろ?」
師郎がそう尋ねると、ネロは黙ってうなずいた。
「でも、その子の”人間としての名前”もどこに住んでいるかも分からないし…」
どうしたらいいんだろ、とネロはうつむく。
わたし達4人もうーんと唸った。
「…」
すると黎が師郎の服の裾を引っ張った。
「?」
どうした黎、と師郎が隣に座る彼に目をやると、黎はわたしの方を指さした。
「え?」
わたし?とわたしは自分を指さすが、黎は黙って首を横に振る。
じゃあ何だろう、と思いながら後ろを見ると、休憩スペースの入り口に見覚えのある少女が立っていた。
「…え」
ネロがその少女を見て唖然とする。
というのも、その少女はネロが先週話しかけにいった少女だったからだ。
「な、な何で⁈」
ネロは思わず声を上げる。
「えっ、えっ、ウソぉ…」
どうしよう聞かれた?とネロは恥ずかしそうに手で顔を隠す。