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あなたに

当たり前のように
時は流れ、季節は巡る。

季節は4つにしか変わらないのに
僕らの周りでは多くのモノが変わってゆくね。目が回りそうだよ。

でもね。
これだけは約束するよ。
いくら季節が移ろっても、
花が咲き、散ってまた新しい芽が出ても。
君への想いは、いつになっても変わらないと。ずっとずっとね。

ほら泣かないで?

お互いを想いすぎてすれ違ってしまっても
自分に余裕がなくて冷たく当たってしまっても。

その分だけ…それ以上に
君のこと大切だって気づけたんだ。


遅すぎかな?


もし君が
これからを考えて不安に思えて眠れない夜
寂しさや涙にくれて眠れない夜

夢で逢おう。

そしてどこか旅に出よう。
旅ってほど大掛かりじゃなくてもいい。

どこか2人きりで。

どこへ行きたい?

…僕?
僕は君がいたらどこでもいいよ。


美しいとは思えなかったこの世界。

誰も、何も信じられないはずだった世界。

でも1人じゃいられなくて。

誰を信じたらいいんだろうなんてもがいて。

僕に見えていた世界を

180°変えてくれたのは君だよ。

色をつけ、光に溢れる世界にしてくれた。

これから先、手を繋いで歩いていってくれますか?


あなたに贈る僕からのうた。


何よりも大切なあなたへ。

2
1

琥珀糖

ねえねえ


そう言って君が差し出してきたのは

ステンドグラスをバラバラに割って、

混ぜて、もう一度固めたようなお菓子

ガラスの破片のように

ところどころ尖っているそれは

外側はガラスほどではないけれど硬くて

でも、それに相対して中側は

なんとも言えないふよふよした食感で。

不思議そうな顔をして食べる僕の横で

君はそれを夕陽に翳して、

何かをみるように目を細めて、

それから美味しそうに食べていたよね。

残念ながらそれは

ステンドグラスのように

光を通すものではなかったけれど。

君はあのとき、何をみていたの?


このお菓子ってさ、琥珀糖って言うんだ

なんだか、お前に似てるお菓子だよな。


そう言って君は僕に微笑みかけた。

何が言いたいのかわからなくて

首を傾げる僕に君は、

琥珀糖を差し出して言葉を続けた。


外側はなんだか強そうにみえるんだけど

内側は実は誰よりも繊細で。

琥珀糖ってさ、自分で作ろうと思うと

何日も乾燥させて、この食感にするんだ

きっとずっとずっと我慢してきた時間が

お前を強そうに見せてるだけなんだよ。

だからさ…


何よ急にー(笑)


って話を遮ってしまったこと

まだ謝ってなかったよね。

ごめん。

僕はその先をきくのがなんだか怖くなってしまったんだ。

あの日の放課後、

君と並んで座って琥珀糖を食べた日から

僕は密かに琥珀糖作りに挑戦してるんだ

未だに上手く作れてはいないんだけど

いつか、上手く作れたら、

食べてもらうから。

その日まで待っていてね。




僕の我慢してきた時間よりも

ずっとずっと長く

大好きな君へ。

僕からの長ったらしい言葉。