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来年こそ勝つよ

現在執筆中のシリーズ『Trans Far East Travelogue』のアイデアが少々煮詰まって続きが書けないので,気分転換がてら原点回帰をしてみようと思ってYouTubeを開いたところ偶々スポーツ関係の出来事を替え歌や自作の曲で紹介するチャンネルを見つけたので,そのチャンネルに2夜連続で投稿されていた福岡ソフトバンクホークスを歌っていた替え歌動画を参考に,それと同じ原曲で,岡本真夜さんの「TOMORROW」の替え歌で僕という1人のファンの目線から贔屓球団,読売ジャイアンツの勝利を願う応援歌を作りました。
巨人ファンでないと分からないこともあると思いますが,敢えて歌詞の解説は省きました。
以下はその歌詞です。

涙の数だけ強くなれるよ
車で号泣俺のように
セの5チームに怯えないで
その日は来るよ
君の為に

突然勝てないなんて
チームで何があったの
新たな監督就任
成績悪化し悲しい
記録見たら
また勝てていない
抱きしめてる思い出とか
プライドとか
捨てたらまた
パレードできるさ

涙の数だけ強くなれるよ
ノーノー決めた
エースのように
相手の投手に
怯えないで
ボール選んでチャンスメイク

オフでも忘れられない
色んなことがあったね
ネットのおもちゃ扱い
この感じが悔しい
頼りにしてる
だからお願い
決勝点を
叩き込んで
小技も良いよ
皆で勝ち
胴上げ見せてよ

涙の数だけ強くなろうよ
リリーフ強化で見返してやれ
自分をそのまま信じていてね
俺達ファンは君の味方

涙の数だけ強くなれるよ
伝説生まれた
あの日のように
11チームに怯えないで
次こそ勝とう
ファンのために

涙の数だけ強くなろうよ
九連勝した
昔のように
チームをそのまま信じていてね
優勝しようメモリアルに
優勝しよう秋の空に

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対怪異逃避行:鏡像の怪異 のあれこれ

・相手した怪異
『とある学校の七不思議:鏡像の怪異』
午後6時6分、かつ日没後、校舎の西階段2~3階間の踊り場にある鏡を見てはいけない。鏡像の中の自分が手を伸ばしてきて、現実の自分を殺しに来るのだ。
「鏡像の自分」は動きこそ素早いものの、鏡から完全に外に出ていくことはできないので、回避自体は決して困難ではない。
しかし、この怪異は一度発生すれば学校敷地内の鏡面をどこまでも追跡し、目が合えば再び攻撃してくる。

・登場人物
主人公:特に霊感があったりするわけでは無いが、周囲の人間が何故かそっち系の話大好き人間ばかりなので、知識はそれなりにあるし、存在も信じている。七不思議は何かそういう生き物なので見える。
幼馴染:中学校までは主人公と同じところに通っていたが、学力の差etc.の要因によって別の高校に通うことになった。家系の因縁で霊感めいたものがあり、自衛のために知識を貪欲に吸収している。稀に家系とは無関係に忍者めいた身体能力と影の薄さを発揮することがある。

・今回の怪異誕生秘話
夜中にヘッドライト付けたまま手を洗いに洗面所に行ってふと鏡を見たら光の反射で顔が潰れて眩しかったのに着想を得て、悪意ガン積みしたのが今回の怪異。

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Trans Far-East Travelogue⑦

6人乗りと4人乗りの車に分乗する
俺と彼女は高雄組の2人と花蓮組のツートップと同じ6人乗りの方に乗り込む
「横浜って意外と良い街だったね」という彼女の一言に全員反応し、「そりゃそうだろ。なんてったって、横浜は俺や幕末の剣豪の故郷、武蔵の一部だからな。廃藩置県の時に県が変わったけど、元々は同じ武蔵国だったんだ」と俺が返すと「でも、トッポは除外しろよ?」と新城のリーダーが指摘するので彼女が「トッポってどこですか?」と訊き返す
新城(花蓮)組の副長が「大船と横浜の間の三駅、分かるだろ?」と問いかけるも九州育ちの彼女が答えられるはずもなく、流石にマズイと思って「その3駅は戸塚、東戸塚、保土ヶ谷だな。まぁ、東京出身の俺達からすれば常識だが、福岡出身の彼女には難問だ」と言ってフォローする
「福岡?内川と日本一奪った泥棒の街かよ」と先輩が吐き捨て、彼女は首を傾げ、俺に「何のことか分かる?」と囁く
俺は彼が大のベイスターズファンであることを覚えており、「確かに、君の好きな球団が彼女の故郷がホームの球団との間に奪われたものが多いのは紛れもない事実だ。しかし、こちらはあの球団に日本一の機会を2度奪われ、黒4どころか黒8連続で喰らって恥ずかしい思いしたし、そちらからは使い物にならない選手が多数送られてきたり、まともに活躍してくれない選手にはそちらで活躍されるし、挙げ句の果てには流行病に選手が大量感染して試合どころではない時にそちらをはじめとした複数球団に追い越されて最終的に三位争いまで持ち堪えたと思ったらそちらの四番にソロかまされてCS出られずにシーズン終了という屈辱を味わった。だから、あの球団だけを責めるのはやめようぜ」と言って諭すと先輩は黙り込み、岡山組の1人が「俺達8人をはじめとした台湾にいる仲間達皆東京出身だけど、応援してる球団がそれぞれ違って仲間内で争ったから同じ球団が好きな人達で纏まって別々の街で暮らすことになったんだよなぁ」と回想してる
「まぁ俺は君がどこの球団のファンだろうと関係なく君を大切にするけどね。君が『女の先輩』って呼んで尊敬してたあの人も夫婦で応援してるチーム違ったし」と言って彼女の頬に口付けすると、彼女は真っ赤になりながら窓を指差し「高層ビル見えたね」と言うので外を見ると故郷の西の高層ビル群が見えた
もう、故郷は近い

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Trans Far-East Travelogue⑥

チェックアウトを終え、山下公園で今後の予定を話し合う
「次の宿は何処か決めたか?」「明後日に笛吹の石和」「それまでどこ泊まる?」「俺達は15の町にいるから別行動になるよ。君は牛で休みな。彼女さんは四の宿ね」と言われたので思わず微笑むが、彼女が「どういうこと?」と訊くので、俺は想定外の質問に驚いて沈黙し、仲間もその理由を知っているので黙り込む
仲間の1人が「15+6+3(15区と6郡と三多摩のことで、東京都の前身)を知らない女と付き合って君は良いの?悪いことは言わないから別れる方が良い」と言い、俺は「彼女は無知かもしれないけど、俺からすれば今までお付き合いした女性の中で1番魅力的だから、彼女の方から別れを切り出さない限り俺は彼女と別れない」と返したら火に油を注いだ形になり仲間割れし出して俺と岡山組副長兼運転手が慌てて仲裁するので彼女は状況を理解できていないようだ
状況が落ち着き、彼女が皆を集めて「どうして私達が別れたら良いって思ったの?」と訊くので8人の仲間の1人が「君の彼氏君も含めてこの場にいる男9人は皆東京15区出身なんだ」と答えると「東京15区って?」と訊き返す
すると、別の1人が「東京の内、江戸城近くの町で明治以降は15区と呼ばれた中心部と6郡と呼ばれた郊外を合併して今の東京23区が生まれたのさ」と答え、俺が補足して「15の町ってのは15区時代の名称で言う麹町区の麹町とか番町の辺り、つまり俺の地元の隣町だからこちらで何かあればすぐに駆け付けられるし、その逆も然りってこと。牛は俺の故郷の牛込だから良いとして、四は四谷区で牛込と麹町の隣だから、そちらで何かあっても俺達がそちらに行ける場所だな。俺達が別れた方が良いと言う提言は、俺が帰国してから地元に帰らず、電車1本で地元に帰れる所で連泊した。そんな俺に気を遣って俺達全員なら分かる言い回しで『実家に帰って休んで来い』って言ってくれた。でも、君が変な発言を勘違いしたせいで、俺が君と付き合ってるのが俺の本心からではなくて罰ゲームか何かのせいだと誤解され、そんな俺が惨めで可哀想だと思った。だから、俺達が別れた方が良いって言ったんだと思うよ。」と発言すると残りの8人が頷く
それを見て彼女が「私が無知なせいでこんなことになってごめんなさい」と言って頭を下げるので、俺たちも互いに和解し、浜風を浴びて帰路につく

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対怪異逃避行:鏡像の怪異 その⑦

(そうはさせるか……! それにテメエの攻略法なら、既に『複数』考えてあるんだよ!)
奴が完全にしゃがみ込み、普通にしていれば目が合わないなんてあり得ないほどに身体を折り曲げた。しかし生憎と、現実の俺と鏡の中の俺の目が合うことは無い。
咄嗟に出したスマホのライトで照らされて、反射光で完全に顔が潰されてるんだからな。ちょっと眩しいが、この程度はコラテラルダメージだ。
「ザマァ見やがれ」
鏡像に中指を立てて校舎を出る。向こうも中指を立てて返した。所詮は反射だ。

「やあ、お疲れ様」
「ん」
校舎を出て数歩、あいつが背後から肩を叩いて労ってきた。間違っても後ろは向かないようにする。また鏡面を見る羽目になっちゃまずいし。
「いやぁ、奴が勝手に動いた時にはもう駄目かと思ったよ」
「あんま俺を舐めんなよ? お前から怪談を聞いては『主人公もこうすりゃ良かったのに』なんて妄想してんだぜ」
「私が君の生存に一役買ってたわけだ。嬉しいことだね」
「身の程を弁えろ元凶」
「はっはっは。ところで奴の出現範囲は、『学校敷地内』だ。校門までもう少しだけ、気を張っていた方が良いと、私は思うね。……そういえば今日は午前中、雨が降ってたね」
「わーかってるって」
用済みになったスマホはうっかりオフになった画面を見ないようにポケットに仕舞って、校舎からは全力で目を逸らして、俺たちは無事に帰途についた。
ちなみにあいつは不法侵入について何のお咎めも無かったらしい。というか侵入を気付かれてもいなかったらしい。たしかに他の生徒や教師の姿は見なかったが、侵入者が全く気付かれず好き勝手歩き回るとか恐ろしいことだよなぁ。

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Trans Far-East Travelogue⑤

朝5時頃目が覚めると彼女も起きて、「以前貴方が電話で話した内容が気になってたんだけど、今なら訊いても良い?」と訊いてくるので二つ返事で解説する
「まず、鳳って何のこと?」「鳳ってのは言ってしまえば鳳梨酥というお菓子のことさ。その材料のパイナップルは台湾ではフォンリーと呼ばれていて、漢字で書くと鳳に梨さ。大陸ではまた別の名称があって、漢字は忘れたけど発音はポーローだね」「なるほど。フォルモサは台湾の別名ってことは私も知ってるけど、駅って?」「フォルモサっていうのは元々美しい島という意味で漢字にすると美麗島と書ける。この美麗島っていう名前は高雄の地下鉄の駅に実在する名前で、その駅は改札口の天井のステンドグラスが有名なんだ。だから、そこの写真を送ってくれと言ったんだ。」「言い回しマニアックすぎね。安平、淡水、嘉義は歴史ある町だから良いとして、大神宮跡地のホテルって?」「日本統治時代に建てられた台湾神宮を戦後に国民党政権が解体して跡地に台北で1番豪華なホテル、圓山大飯店を建てたんだ。」「あの赤い建物、ホテルだったんだ〜」「そうだよ。台湾渡航経験者は多分ほとんど知ってると思うけどな」「私はまだ行ったことないけどね。じゃぁ、イングオってもしかしてイギリスのこと?」「そうそう。帰りの航空会社はBritish Airwaysだったからね。アイツらはズーペン、つまり日本、JALで帰国すると勘違いしてたから教えただけさ。他に知りたいことはある?」「冬瓜茶って甘いの?」「めちゃくちゃ甘くて俺には合わないよ。向こうの食堂で何度か出されて飲んでみたら口直しが必要になって濃い味付けの料理食べまくってた経験があるから、俺は好きになれないなぁ」一連の流れでそう言うと彼女は「台湾のことも知ってるなんて凄いなぁ」と呟くが俺は即座に否定する
「別に凄いことじゃないさ。思い出の場所とかこれから行ってみたい場所にはなるべく多くの知識を蓄えた状態で行きたいし、それは大好きな彼女のことをもっと深く知りたいと思う気持ちと変わらない、つまり俺に言わせれば当然の心理さ」と言うと「じゃぁ、私も海外のこと何か学んだ方が良いの?」と訊いてくるので「無理して学ばなくて良いよ。韓国とか台湾行く時は彼氏の俺に君を引っ張らせろ」 そんなやり取りで笑いが絶えない中、日が昇り新たな1日が始まる

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能力者夜を往く

私は夜が好きだ。夜という時間帯の持つ、暗くて不気味で、それでいて神秘的な雰囲気が大好きだ。
どれくらい好きかというと、親が眠った頃を見計らって、夜な夜な家を抜け出しては人気の無い街をぶらぶらするくらいには。
いつもは誰もいない静かな街を、独り静かに楽しむだけなんだけど、今日は違った。
久しぶりに川の方に行ってみると、土手に立ってぼーっとしている人影があった。夜闇に溶け込むような、黒一色の不審者スタイル。けど、背はかなり低い。私みたいな非行少女、あるいは少年か?
向こうの死角に黙って立っていたはずなのに、向こうはすぐにこっちに気付いたらしく、こちらに振り向いてきた。お互い何か口に出すことも無く、黙ったまましばらくにらみ合う。
しばらく見ていて気付いたんだけれど、向こうは何か棒状のものを持っていた。それが何かは暗すぎて分からなかったけれど。
体感的に10分くらい経っただろうか。その間、こっちも向こうも全く動かなかったのに、突然向こうが動いた。というより消えた。気付いた時にはすぐ近くまで迫っており、持っていた棒状の何かで殴りかかって来た。どうにか躱せはしたけれど、バランスを崩してその場に倒れ込んでしまった。そこに容赦なく追撃が入ったけれど、それが肩に直撃する寸前で、その攻撃はぴたっと止まった。慣性はどこに捨ててしまったの、って感じの動きだった。
「……情けないな。本当に能力者?」
「……はい?」
声質的にどうやら女の子らしいその子の口から、変な言葉が飛び出してきた。
「え、だってお前だろ? 左目の下の泣き黒子に、肩まである茶髪。体型はどちらかというと痩せているかなってくらいの標準体型。身長は160無いくらい。特徴は全部合ってると思うけど……」
「いや、何の特徴?」
「トモちゃんが言ってた、新しい仲間の特徴」
トモちゃん。知らない名前が出てきた。
「まあ良いや。ここで出会えたのも縁だ。ついて来て」
彼女の有無を言わさぬ態度に流され、ついて行くことにした。

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沢山を貰った推しへ…いいえ、貰った沢山の教え

今日推しが卒業を発表した
そのことを知ってからタイムフリーで追いかけることしかできない自分に今日ばかりは腹が立つ。
アイドルを好きという人はいるが、よっぽどアイドルを目指していない限り、尊敬していると言う人はそうそういないんじゃなかろうか。
正直、彼女に出会わなければいくらドルオタと言えど、生き方を尊敬するなんてことを思わなかったんじゃないかとさえ思う。
「真ん中だけがアイドルじゃない」
「王道じゃないアイドルが市民権を得るまで」
彼女はいつも惜しみない努力と数え切れない希望を僕らに見せてくれていた。
彼女は功績を自分のものとはついに一言も言わなかった。
感謝を必ず述べ、レギュラー番組の告知は必ず主語を複数形で書かれていた。
求められることに全力で応える。
口にするのは簡単だし、誰だってそのつもりでいるだろう。
でも彼女は誰かが望むこと、それがたとえ少人数でも、手が空けば、可能ならば必ず応える。
「王道じゃないから」
そんな言葉は彼女になかった。
最後までそれを突き通し、メンバーを思い、リスナーを思い、関係者を思い、全ての人を尊重した彼女はかっこよかった。最後までかっこよかったんだ。
こんな感情はなかなか出会えないだろう。
ならば今、僕がすべきことは悲しむことや縋ることじゃない。

はじめて尊敬したアイドル、
彼女の新たな門出を前向きに送り出すこと。
彼女の意志を尊重したい。
彼女の真意を少しでも汲める自分でありたい
そういうファンであることが
彼女を尊敬する者としての礼儀だと思うから

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りせっと。

青くて白いいちごが在りました。


誰にも摘まれずに、まだ肌寒い、つんとした風の中を。
孤独そうに、楽しそうに、揺れていました。


ある日そのいちごは、「言葉」と出会いました。
それは、幸せのカタチになりました。
それは、慰めの香りをまといました。
それは、心に波をたてました。


「言葉」の向こうには、沢山の人がいました。
その人たちの世界に触れて、
はじめて「世界」を知った気がしました。


世界は 広いのだと 知りました。




いちごは少しずつ色付きました。
自分の「世界」を創りはじめました。

自分を見つけられた気がして 嬉しかった。




でも




「世界」は広すぎて 迷いそうで 酔いそうで

ちょっと重かったようです。

掴めない理想を追ううちに、
現実の苦さを飽和する力を失いました。



いったん、りせっとしよう。
頼りない蔓に縋りながら揺れるいちごは、そう決めました。

だから。
しばらく、りせっとのおじかんです。

すぐ終わるかもしれない。
まだまだかかるかもしれない。
ひとまず、りせっとのおじかんです。



摘まれるまでに、帰ってきたいなぁ。
ほんのりピンク色したいちごは、そう夢見ながら、
今日も揺られています。



りせっと。ぴぴぴ。



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