LOST MEMORIES CⅦⅩⅦ
「でも。」
望は歩くことを再開する。瑛瑠にどう反応して良いものかを考える時間すら与えずに。
「だからどうしたいとかじゃないんだ。」
振り返り、瑛瑠に笑いかける。
「置いてくよ?」
瑛瑠は慌ててついていく。
「あ、あの、」
「ぼくは。」
瑛瑠の言葉に自分の言葉を重ね、ふうと息を吐く。
「ぼくは、瑛瑠さんを困らせたい訳じゃないんだ。」
しわ寄ってるよ,そう言って眉間を軽くつつく望に、2日前の荒れたような気はない。
瑛瑠は絶賛混乱中である。何が、どうなっている。
「すべての原因は、ぼくが瑛瑠さんに寄せる想いなんだよね。
だから、我慢できないなら我慢しなきゃ良いと思ったんだ。」
前半はそうなのだろうと、他人事のようにではあったが感じていた。しかし、それがどう転んで、だからに繋がるのか。