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桃太郎

むかーし昔、あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。
お爺さんは私有地の山に柴刈りに行きました。お爺さんは、柴や木材を売って生計を立てていました。小さいながら畑も持っています。
お婆さんは川へ洗濯に行きました。この当時の洗濯は、今と違って自然に有害な洗剤を使ったりしなかったので、文句を言う輩も居ません。
お婆さんが川で洗濯をしていると、上流の方から「どんぶらこどんぶらこ」みたいな音が聞こえてきました。見てみると、大きなモモが台車に乗って転がってくるじゃあありませんか。あの音はどうやら車輪のなる音だったようです。
さてお婆さん、勢いでモモを持ち帰ったものの、どうすれば良いか分かりません。こんな怪しいものを食べるわけにもいきません。
そこでお婆さん思いついた。
お爺さんに木材を少し貰う→掲示板を作る→お役人に立てる許可を貰う→「巨大なモモ拾ったんだがどうしたら良い?匿名希望ならこの掲示板に書き込んで」みたいなことを書いて村に立てる
そして3日後(モモは土間に放置してましたが、腐りませんでした。不思議。)、お婆さんが掲示板を見に行くと、「やっぱりバラさなきゃ始まらないんでは?」みたいな書き込みがあったので、それを採用することにしました。

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とある日

ガタッ
「.........ん?」
朝、いつものように始業ギリギリで学校についた。上履きを取ろうとすると、何かが転げ落ちた。茶色い紙袋。
ああ、そうか。今日は十四日だっけ。
そんなことを思いながら拾い上げ、砂を払う。僕の学校の下足場はどれだけ控えめに言っても綺麗とは言えなかった。確かにお話ではよくあるシチュエーションだけど、この下駄箱に入れるのはなあ......なんて、毎年一つもらえれば大歓喜な僕は一人勝手に照れ隠しをするようにいろいろと考えていた。潰さないようにリュックのチャックつきのポケットにしまって、家に帰ってゆっくり食べよう、なんて思った。

自宅。サボりがちな部活に久しぶりに出て、くたくたになって帰ってきた。もちろんテンションはいつになくハイである。
ベッドに腰掛け、今朝の包みを取り出す。中からは、丸い生チョコ(?というのか)と、四つ折りになった小さな紙。
早速チョコレートをいただく。うまい。文句なしだ。しかし、いったい誰が。僕には検討もつかなかった。チョコレートを頬張ったまま、僕は四つ折りの紙を取り出した。中にはこんな一言。

「いつも見てます」

それだけ。それだけ?名前も何も書いてない。けれど、それを見た僕は、何故だか酷い情動に襲われた。普段泣くことなんて滅多にない僕の目からは、一筋だけ涙が流れた。
一年と少し、一緒にいた彼女と別れてから、僕の中からずっと何かが抜け落ちたようなままだった。それが、ほんの少しだけ、埋まったような気がした。
見たことのない字。たった7文字しか書いてなかったけれど、僕にはそれで十分だった。

今でも送り主は知らない。知ろうとも思わないけれど、そのときのことは、暫く忘れられそうにない。

2

今宵エデンの片隅で (リクエスト)

日差しがゆらゆらと揺れている。
ひとり部屋の中でぼうっとそれを眺める。
君の笑顔を時折思い出して、そしてまた悲しくなるんだ。
君の笑顔に会うために僕は生きてきたはずなのに。「正しい」なんてそんな簡単に変わるものなのかい?

「愛は偉大なる原動力だね」
って君は言った。
僕の脳内でその言葉が君の声で何回も再生される。
そして、声を殺して泣いた。
心の中で君を抱きしめた。
あたたかい君の体温を肌で感じた気がするんだ。

そうだ、畏れるものなんて何も無いんだ。
僕と君の愛の行方を探しに行こう。
形のないものならいつも感じてればいい。

僕はいつだって君に許されていたいんだ。
空っぽの心だけれど。
欲しがるばかりじゃやりきれないね。
僕にも愛をくださいって打ち明ける。
今がチャンスだったんだ、隙を見逃さないよ。
僕を快楽へと突き落として。
ああ、終焉はもうすぐだ。
遠い今日を撃って、粉々にしよう。

さあ、明日が来る。





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何かが崩壊しているものさん!
リクエストありがとうございました!!
ほんっっっとにお待たせしました!
2日連続企画第2弾!(昨日2個書いたから3弾かな?)
いかがだったでしょうか?
これで一応、この間のリクエスト分は全て書き終わりましたー!*\( 'ω' )/*
いやー楽しかったけど、疲れた‪w
感想とか思ったこと、…私への激励の言葉(小声)…
など!ありましたらじゃんじゃん書いちゃって下さいねー!
またこのような企画をする時は、リクエスト待ってまーす!(*´罒`*)

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或る青年の幽霊噺5

黒い霊「ダカラジェームズジャナイト何度言エバ分カ……エ?何?今何テ?」
霊能者「だからー、別の人に代わりに取り憑くとかどうですかと訊いているんです」
黒い霊「ホウ、ドンナ奴ダ?」
霊能者「青年さんと同じくらいの年齢、体形の男の人で、割とお金持ちです」
黒い霊「ホオ、面白イジャネエカ。金持チッテイウコトハ、生活ガ豊カッテコトダカラナ」
霊能者「では、呼びますね。ああ、青年さん、もう少し待っててください」
青年「え、あ、はい」

友人「やあ、やって来たぜ霊能者。紹介したい霊がいるんだって?」
霊能者「ええ、こちら、ジェームズさんです」
黒い霊「エ、チョット待テ。ドウイウコトダ?」
霊能者「こちらは私の古い友人、友人さんです。ちょっと物好きで、いつも『いい霊がいたら分けてくれ』って言ってくるんですよ」
青年「霊ってそんなお裾分けとか生鮮食品の仕入れみたいなノリで分けるものじゃないよね?」
黒い霊「エ…、ソウイウノハチョットナア…」
友人「えぇ⁉そんな!折角取り憑いてもらえると思ったのに……」
男の霊「何ダアレ…憑カレタガッテルッテコトカ?」
幼子の霊「ソレハチョット…」
女の霊「正直言ッテキモイ」
黒い霊「トイウ訳デ、悪イナ」
青年「悪いな、じゃねーよ!出てけよ!」
霊能者「むー…。こうなったら、無理矢理にでもお祓いするしか無いんでしょうか…?」
黒い霊「無駄無駄ァッ!俺ハソウ簡単ニハ成仏シネエゼ!」
霊能者「それはどうでしょうね?ジェームズさん、覚悟!」

2

嘘吐きの館

今晩は。こんな辺鄙な所によくいらっしゃいましたね。道中大変だったでしょう。ああ、申し遅れました。私、この館で使用人をしております、サムワンと申します。
さて、この館に来たからには、あなたにもゲームに参加してもらわなくてはいけませんね。あ、逃げようなんて思わない方が宜しいかと。ほら、既に扉は閉まっておりますゆえ。そんなに乱暴に叩いても開きませんよ。
では、ゲームの内容を説明いたします。
このゲームは、嘘吐きが誰かを当てる、という簡単なものです。これから5人の使用人を呼んできます。それぞれが話す内容をヒントに、嘘吐きを当ててください。本当に簡単でしょう?
それでは皆さん、お願いします。
A「よお、お前さん。よく来たな。ゆっくりしていけよ」
B「私達は、この館の使用人の中でも、特に偉い5人なんです」
C「えーっと、俺何て言うんだったっけ?」
D「全く君は馬鹿だな。さて、これからヒントを出すから、僕らの偉さの順番を当ててもらうぜ」
E「まあ、大事なのは誰が嘘吐きかだから、順番は間違えたって構わないよ」
え、誰が嘘吐きかは間違えてはいけないのか、ですって?ええ、そうなんですよ。これを間違えますと、我らの主の力により、簡潔に申しますと、死にます。ああ、だから逃げようとしたって無駄だと言ったでしょう?窓だって割れませんよ。
あ、因みに私達も人間ではないので。ああもう、だから逃げないでくださいってば。分かってて来たんじゃないんですか?
A「ちょっと?」
おっと失礼。どうぞ続けてください。
A「では私から。見ての通り私は年も食っていて経験も豊富なものだから、2番目以上には入っているよ」
B「私は女性だからか、3位以上にはいませんの。本当、男尊女卑って嫌な思想よね」
C「俺、実はこう見えてこの中じゃ3位の実力なんだぜ」
D「僕は4位」
E「お前ら本当のことしか言っていないじゃないか。あ、僕は2位以上にいるよ。」
A「あれ、そういやそうだな」
B「あれま本当」
C「ははは、まさかそんなわけ…」
D「何故黙っ…」
E「だから言ったろ?」
………えー、皆さん、ありがとうございました。さて、誰が嘘吐きか、分かりましたか?分かったらレスに書き込んでください。ああ、いえ、こっちの話です。間違えたら、分かりますね?

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或る青年の幽霊噺4

霊能者「やあやあ我こそは、世に名高いうんたらかんたらの霊能者である!中略そこの悪霊、退治してやるから覚悟なさい!」
男の霊「俺ェ?」
霊能者「あ、いや、そっちじゃなくて。貴方は何もしてないでしょう?」
女の霊「ジャア私カイ?」
霊能者「いえ、貴女でもなくてですね、ほら、あなた方の中で一番の新参さんの、そう、貴方!」
黒い霊「ア?俺ガ何シタッテイウンダ?」
霊能者「いやー、貴方がその人に取り憑いていると、その人に実害があるんですよねー。というわけで、離れてくれません?」
黒い霊「エ、嫌ダヨ。折角取リ憑イタノニサ。例エバ、オ前ハ身銭切ッテ買ッタ菓子ヲ口ツケズニゴミ箱ニ捨テラレルカ?」
霊能者「『身銭切る』なんて久し振りに聞きましたが、とにかく、貴方に居なくなってもらわないと困るんですよ。嫌だとは思いますが、そこを何とか!」
黒い霊「エー、俺ニ良イコト無イジャン」
青年「いやいやいやおいおいおいなあなあなあちょっと待てお前ら」
霊能者「何です、青年さん?今良いところなんですが?」
青年「除霊ってそんな感じなの⁉そんな緩〜くお願いする感じで良いんですか⁉」
霊能者「私はこの方法であまり失敗したことがありません!」
青年「ちょっとあるんじゃねえか」
霊能者「除霊して欲しいんでしょう?その話は後にしましょう」
青年「お、おう」
霊能者「すいません悪霊さん。さっきの続きですけど、どうしても駄目ですかね?」
黒い霊「オイオイ、俺ハ『悪霊』ナンテ名前ジャナイゼ?」
霊能者「ほう、それではどのようなお名前で?」
黒い霊「ジェームズトデモ呼ンデクレ」
霊能者「ジェームズさんですか」
黒い霊「バカ、タダノジョークダヨ。本気ニシテンジャアナイゼ」
霊能者「でも面倒なんで、ジェームズさん、て呼びますね」
黒い霊「オイ!フザケンナヨ!」
青年「あ、お前もそう思う?普通ふざけてるって思うよな!」
黒い霊「オォ、オ前話ガ分カルジャネーカ」
霊能者「はいはいそこ、意気投合しなーい。除霊して欲しいんでしょ?」
青年「ああ、そうだった」
霊能者「ところでジェームズさん、もしも別の身体があったら、その人から出て行ってくれます?それなら心当たりがあるんですが」

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放課後の第二面談室[3]

一瞬だけ、男と目があった気がしました。私はその鋭い眼光に睨まれ、射竦められてしまいました。しかし、彼は私など気にも留めていなかったのでしょう、私にくるりと背を向け、次の駅で開く側の扉をじぃっと見つめていました。そうです。お察しの通り、その次の駅が、私の乗換駅だったんです。
人の多い駅でしたから、彼がその駅で降りることに何も不可解なことなど無かったのですが、ああ、この人も次で降りるのか、なんかやだな、等と考えておりました。
そうこうしているうちに、電車は駅のホームへと滑り込みました。ホームにはたくさんの人が並んでたっていました。車内で座席に座っていた人たちも、十数人が立ち上がりました。そのときは何も思わなかったのですが、思い返せばあのとき、男はしきりに肩からさげた鞄の中身を漁っていました。それが本当に私の想像していた通りだったとは、思いたくありません。
電車が些か荒っぽく止まり、ドアが開くや否や、その男は隙間をこじ開けるようにして外へ飛び出しました。それに続いて、他の乗客たちも降車し始めました。するとそのとき、駆け出したその男が、ピタリ、と足を止めました。そしてキョロキョロと辺りを見回すと、並んでいる列などお構いなしに、またドアの方へ、人を掻き分けて戻ってきたのです。なんだ、降りる駅を間違えたのか、そう思いました。車内でも彼はそわそわしっぱなしだったので、焦るあまりに間違えてしまったのだと、そう考えたのです。
その男は私の横をすり抜けようとしました。彼とすれ違い様に、私は彼と肩がぶつかりました。そのとき、私の脚に、男の鞄が当たりました。
「痛っ」
それは衝撃の痛みなどではなく、確かに刃物で切られたような痛みでした。痛んだところを撫でると、微かに血がついていました。慌てて私は振り返りました。すると、バチリと男と目があったので、私は驚きました。男は、何故かニヤリと笑うと(それはそれは不器用な笑みでした)、また向き直って電車に乗りました。そのとき、男の鞄の底の辺りに、キラリと光る金属のようなものが見えたのは、気のせいではなかったと思います。
その後男がどうなったのか、私は知りません。

学校につくと、私は保健室に行って傷の手当てをしてもらいました。それで遅れたんです。なんですか、先生。そんな真っ青な顔をして。

【終わり】

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或る青年の幽霊噺3

青年「…………」
霊能者「やっぱりまた来ましたね」
青年「………おう……」
霊能者「私の勘はよく当たるのですよ。で、何の用です?」
青年「見りゃ分かんだろ…」
霊能者「また憑かれたんですか。そういうの引きつけやすい体質なんですかねえ?」
青年「どうでも良いから今度こそちゃんと祓ってくれよ」
霊能者「えーっと、今回の霊は…ご老人ですか。病死でもしたんですかね?これで老若男女フルコンプですね。幽霊家族でも作るつもりですか?」
青年「冗談は止めてくれよ。もう精神が参った。これは十分実害だろ」
霊能者「我慢してあげなさいって。霊の方にだって事情くらいあるんでしょうし」
青年「ふざけてんだろテメー。こうなったらもう訴訟も辞さないぞ」
霊能者「誰も真面目に考えてくれませんよ」
青年「は!まさか、お前が俺を呪い殺そうとしてこんなことを⁉」
霊能者「そんな訳無いでしょう。本当に危ないのが憑いたらそのときは祓ってあげますから、ちょっとくらい我慢しましょう、ね?」
青年「おいおい、そりゃー無いぜ…」

青年「……ちょっと良いか…?」
霊能者「あ、青年さん。お久し振りで…て、何ですかその見るからにやばそうな黒いもやもやした人型っぽい何かは!?」
青年「やっぱりお前にも見えたか…。これに憑かれてから身体中が痛いし重いし、事故には遭いかけるし、寝不足だし、ソシャゲのガチャでは雑魚しか出ないし、これまでとは比にならない程やばい奴な気がするんだよ…。流石にこれは祓ってくれるよな…?」
霊能者「後半は関係ない気がしますが、ええ、流石の私でもこれは見逃せませんね。分かりました、今回は祓いましょう」
青年「おお、本当か!ありがとう!あれ、そういえば霊能者って、どうやって除霊してるんだ?よく考えてみると、お前の除霊見たこと無いや」
霊能者「まあ見ててくださいな」

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No music No life #6 フィクサー

結月視点



数日後、僕の裁判が行われた。3人が証人になって、面会の日に僕に言ったことを証言してくれた。
だが、美月は僕にも言ってなかったことがあったらしい。それは、「橘副司令、あなたは、ライフルの名手、川上春樹なのではないですか?」
美月が言った瞬間に、辺りがざわめき始めた。
春樹は笑いながら、「よく知っているね。さすが、俺の妹だ。」そう、言い放った。
「私は、もうあなたなんかの妹じゃない。」
美月と春樹の口論になってきている。
そして、美月が
「あなたでしょう?涼香さんを殺したのは。」
と言うと
「ああ。そうだよ。悪い?」
春樹が返した。
「お前!」
美月が言うと同時に、時雨ちゃんが美月を止めた。そして時雨ちゃんは、
「裁判長、これで分かりましたよね?
高嶺涼香を殺したのは、川上春樹です。
これで、御影結月の無罪が証明されましたよね?」と言った。
そして、裁判長は、
「これより、判決を言い渡す。
被告人御影結月は、無罪である。」
この言葉により、僕は釈放、関係者の人に、めっちゃ謝罪された。人が、自分にヘコヘコ謝ってるのってなんか、こっちにも、罪悪感が芽生えてくる。
けれど、僕は、体調不良で、涼香が殺されたショックで精神疾患になりかけていたため、入院した。


【続く】
—–———–———–———–———–———–——–––
私、イカとにゃんこは、志望校に合格できました!なので、これからもガンガン書き込んでいきます。
これからもよろしくお願いします!

イカとにゃんこ

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或る青年の幽霊噺2

青年「おーい来たぞ霊能者」
霊能者「また来ましたか貴方。敬語を使いなさいな」
青年「エセに使う敬語は無い」
霊能者「だからエセじゃないって…。で、何の用です?」
青年「また憑かれた」
霊能者「またですか」
青年「ああそうだよ」
霊能者「今度は女の人ですねえ…」
青年「お前は次に『何か実害はありましたか?』と言う」
霊能者「何か実害はありましたか?…はっ!」
青年「まあ茶番はこのくらいにして。今度の霊は体のところどころから血が流れてて、それが僕の後をついてくる時にぽたぽた垂れて正直言って不気味でならない。さあ祓え」
霊能者「そのくらい我慢してあげましょーよー」
青年「お前ふざけてんだろ」
霊能者「すいません、今日は別の予約がこの後あるので、また後日」
青年「逃げやがったな…」

青年「おい霊能者、また来たぞ」
霊能者「今度は何の霊ですか?男、子供、女と来て、次は…あらまあ、可愛らしいネコちゃんじゃあないですか!」
青年「まあぱっと見はな。でもこいつの腹を見てみろよ」
霊能者「どれどれ…お、おぅ。腹が…内臓さんこんにちは…」
青年「どうにも不気味だ。さあ祓え」
霊能者「それだけなら良いじゃないですか。見た目は可愛いネコでしょう?」
青年「何なんだよお前。一度に四人、いや、三人と一匹に取り憑かれた方の身にもなってくれよ」
霊能者「どれも無害なんだから良いじゃないですか。また取り憑かれたら来てくださいね」
青年「これ以上憑かれてたまるか。そもそもお前祓おうとしないじゃねーか。もうこれっきりだ。もう来ないからな!」
霊能者「はいはい、それじゃあまた」

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或る青年の幽霊噺

青年「霊能者さん霊能者さん、どうやら霊に取り憑かれたようなのです。祓ってください」
霊能者「ああ、貴方のすぐ後ろにくっついて来てるその男ですね。それに取り憑かれて何か実害はありましたか?」
青年「そうですね。特に実害は無いのですが、僕から10cm以上離れようとしないのです。それが寝るときも例外ではなくて、狭苦しくて少し不快です」
霊能者「それなら問題ないですね」
青年「ええ…」

青年「霊能者さん霊能者さん、また違う霊が憑いてきたのですが」
霊能者「またですか。この間のもまだいますね。で、今回のは…ああ、その幼子ですか。何か凄いもの持ってますが」
青年「ええ。この霊、何故か巨大な鉈なんて持ってるんですよ」
霊能者「その子に取り憑かれてから、何か実害はありましたか?」
青年「いえ、実害は無いのですが、物騒な刃物持って周りをうろうろされると、精神衛生上よろしくありません。前の奴もろとも祓ってください」
霊能者「実害無いなら別に必要無いでしょう」
青年「おいこら待てエセ霊能者」
霊能者「エセとは失礼な。ちゃんとその二人も見えてたでしょう?」
青年「とっとと祓えっつってんだよ」
霊能者「嫌です!」
青年「何故だ⁉金ならいくらでも出すぞ。予算内で」
霊能者「それでも嫌です!」
青年「だから何故⁉」
霊能者「だって面倒なんだもの!」
青年「いっそくたばれえェッ!!!」

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もののけがたり

A:うがあああぁぁぁ…ふぐしゅるるるるる…

B:え、何?何だって?

C:え、まじか。

A:あぐぅぅぅるるるる…ふがらぁ

C:へえ、そうかい。

A:あぐ……うらがああああ!

C:ほお、そりゃあ良い。

A:が…ぐるる…ぎぎ?

C:いや、そこはもう片方のやり方でね…

B:ちょっと待って。C君なんで分かるの?

A:あぅぁ…えがららああ!!!

C:え、君分からないのか?そいつは奇遇だな。僕もだ。

B:お前も分からないで言ってたのか…。
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D:おーいA!お前いったい誰と話してるんだ?

A:いや、何でもない。ちょっとオバケっぽい何かを見かけたから適当に話しかけてみただけ。

D:おいおいまたかよ。あんまり怖いこと言うなよな。

A:あいつら面白いんだぜ。何言っても変な鳴き声でしか返さない。「がるるー」「うしゃああ」ってさ。
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B:人間って、変な言葉使うよな。

C:本当にな。何言ってっかまるで理解できん。
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解説
A、Dは人間です。Aにはオバケの類が見えます。Dには見えません。B、Cは人外の何かです。何かは分かりません。彼らはお互いが何言ってるか理解できていません。お互いに相手の言葉は変な鳴き声で聞こえます。

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星談議

A「夏の大三角は、ベガ、アルタイル、あと何だっけ?フォーマルハウト?」
B「馬鹿、それは南の魚座だ。デネブだよ。むしろよくフォーマルハウト知ってたな」
A「そうだったね。じゃあ、冬は?」
B「シリウス、プロキオン、ベテルギウス」
A「じゃあ春」
B「アルクトゥルス、スピカ、デネボラ」
A「じゃあ秋は?」
B「ペガスス座の星4つが秋の大四辺形ってことになってる」
A「じゃあ、冬のダイヤモンド、全部どうぞ!」
B「リゲル、シリウス、プロキオン、カペラ、ポルックス、アルデバラン」
A「おー。さすがだ。けど僕は、他のどの三角形よりも、冬のダイヤモンドが一番好きだな」
B「ほう。その心は?」
A「だって、ただでさえ綺麗な冬の星を、6つ並べてダイヤモンドに喩えてるんだぜ。これ以上無くロマンチックってもんだろう?」
B「そうですね」
A「なぜ敬語?」
B「いやさ、冬のダイヤモンドのポルックスって星あるじゃん?双子座の弟サイド。神話でも兄に先立たれて、ダイヤモンドでも兄さんと分断されるって、ちょっと可哀想だな〜、て思ってさ」
A「君はそんなことを考えて生きてたのかい?」
B「それが何?」
A「星が綺麗で素敵だね、それで終わりで良いじゃないか」
B「お前はものを考えなさ過ぎなんだよ」
A「君こそ難しく考え過ぎだぜ。もっと楽天的に生きろよ。シンプルは美徳だぜ」

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或る自殺志願者の説得

自殺志願者(これ以降は志願者と略す):
唐突ですが、この世界に絶望しました。死にとうございます。
説得者:本当に唐突ですね。
志願者:自殺をすると地獄に堕ちるらしいのですよ。死んだ後も辛い思いするとか真っ平なので、どうか私を殺してください。
説得者:殺人罪はかなりの重罪なので嫌です。
志願者:じゃあ、自殺幇助あたりで何とか。
説得者:結局犯罪じゃねーか。
志願者:じゃあ、どうすれば良いのさ。
説得者:簡単だ。生きれば良い。人は生きればいつか死ぬ。
志願者:それが面倒くさいっつってんだよ。
説得者:そう言うなよ。小説だって、悪いことがあった章の次の章には良いことがあるだろ?
志願者:「赤いくつ」
説得者:命は助かるじゃん。
志願者:「とっぴんぱらりの風太郎」
説得者:良いことがある章もあっただろ。
志願者:「人間失格」
説得者:う……あ、あれは…例外だから……
志願者:良いか君、これは現実なんだよ。
説得者:そう言わずにさ、生きてれば良いことあるよ。
志願者:今のところ嫌なことばっかりだよ。
説得者:僕という友人が居るじゃないか。
志願者:君、良いやつだな。
説得者:と言う訳でさ、死ぬなんて剣呑なこと言うなよな。
志願者:だが断る。
説得者:ここで使っちゃ駄目だろ。
志願者:あ、そろそろ門限だから、今日のところは帰るわ。絶対に明日は殺してもらうぜ。
説得者:嫌だね。
志願者:サラバ。また明日。
説得者:……少なくとも明日までは生きている訳だな?
志願者:あ………
説得者:………
志願者:………
説得者:…まあ、何だ、じゃあな。
志願者:お、おう。