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百舌鳥と愉快な仲間たち__12

なんとか蠢くアリエヌスにレヴェリテルムを突き立てようとするユニシンクトゥスの視界の端に、アリエヌスの口と思しき場所からすぽんと何か転がり出て落ちていった様子がうつった。
「……脱出したか……」
呟くユニシンクトゥスの遥か下方でブケファルスとカウダが転がっている。
「うぉーなんとかなったー!!あのアリエヌス絶対潰す!!」
「…酔った…背中痛いし…あーもう帰りたい…」
「んなこと言ってる場合かよ!!」
ブケファルスは気色ばんでカウダを小脇に抱えてユニシンクトゥスのところまで這い上がった。
「…無事か」
「まあ、なんとか…ですけど」
ブケファルスに抱えられたままカウダは微笑む。

不意に、形容し難い甲高い音が鳴り響いた。音の方を見ると、ぐったりと倒れ込むアリエヌスの目にレヴェリテルムを突き刺した状態で揃って耳を塞いでいるカメルスとフスがいる。どうやら耳障りなこの音はアリエヌスの目から鳴っているらしい。勢いよく空気が漏れ出ているようだ。
「……先に倒したか…」
呆然と見ていた3人の足元の揺れが収まった。さっきまで鮮魚の如き動きをしていたアリエヌスがぴたりとその動きを止めていた。
「よくわかんないけど…ダメージ負ってんのか?」
「というか何かしようとしてるんじゃない?」
「…曖昧だな…どちらにせよ今がチャンスだ…」

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ファースト・テンプレート

腕時計は時計は10:30を指していた。
『朝は涼しかったのに、急に暑いですね。』
私は、銀座の取引先の会社の最寄りの駐車場にSUVを停め、久々のダッシュで来た。
ブレザーを脱いで鞄に仕舞うと、取引相手の部下らしき人が、ペットボトルのお茶を置いた。
「もう、ほんと参っちゃいますよ。」
それっぽく私は、口角を上げた。
『失礼します。』1つ会釈をして部屋を出た。

「あ、どうも!すみませんお待たせして。」
私は取引相手が入室し慌てて立ち上がり会釈をした。
『あぁいいよそんな、まぁ疲れたでしょ。エアコン付けるよ。』
「あぁ…」反応に困る。
「すみませんほんと。」
この手、相手のご厚意に甘えたいところだが、私は素直に育てられたゆえ、これからの罪悪感に耐性がない。

『あぁ、いいじゃん、こっちでも考えておくよ。』
「あぁ、ホントですか?!ありがとうございます。」
契約は順調。と、いったところだろうか。私は午前の仕事を終え、近くのコンビニに向かった。
交差点、信号をを待っていると、突然電話がかかってきた。
『あ、もしもし中木君?』
「はい、何かありましたか?」
『あ、いや急ぎでこっち戻ってきてほしい、まじで緊急。』
何があったかはよくわからないが、とりあえず私はSUVを走らせ、迂回路を通り会社に向かった。

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ファースト・テンプレート

夏は早く長く、アブラゼミはしぶとく生きている。おそらく蝉の寿命が一週間だなんて嘘だと思う。猛暑、猛暑、猛暑…。三寒四温からの真冬日からの春後半、初夏の気温は当たり前だ。まるで今が夏みたいな言いぶりだが間違えない春だ。今言ったのは忘れてほしい、去年の話だ。

変な気温は、頭でわかっていても体は追いつかないみたいだ。
「あれ、沢本は?」
「風引いたって、なんかあれだよ、寒暖差アレルギーか。」
ふーん。
現代人は働き過ぎだ。
「あ、じゃぁ銀座の方まで行ってきます。」
おぅ、と一言言われ、資料だけ取ってすぐさま私は駐車場に戻った。初任給と貯めてきたバイト代で5年前に買ったSUV。ラジオは今日の渋滞情報を流す。
午前8:25分

ー海老名IC付近を先頭に上りに10kmの渋滞………ー
今日は三連休の月曜日。皆は帰宅ラッシュとやら私とは無縁の物にまんまとはまっている。

「まじか…」
一部が高速から時間短縮のために一般道に流れたらしい、少し混んでいる。
……………
完全に止まってしまった。私は今日の契約先と、会社に事態を知らせ1時間ほどの遅れを許してくれた。なんと心の広い。
周りをチラチラしていると車窓の向こうの車窓の向こうから手を振る人がいた
「あ、!さか…」気づいて窓を開ける
「酒井さんじゃないですか!」
『久しぶりだね』
学生時代のバイト先の店長である。
「混んでますねぇ。」一拍置いて酒井は懐から一本のタバコを取り出す『まぁ仕方ないよ。』足を組んで答えた。「酒井店長、タバコ変えたんですね。」ようやくこっちを見た。『あぁまぁ、あんまりうまくないけど、ニコチンとか少ないヤツにしてね、まぁいつかは、タバコを辞めたいな。こんな調子じゃ無理そうだけどな笑。』私は愛想笑いをする。
車が流れ出し、私は会釈をして窓を閉じようとした。
『あ!中木!』
「なんですか?。」すっと酒井は私を指さした。『今を生きろよ、じゃ元気にやれよ。』
「酒井さんこそお元気で。」
こんどこそ窓を閉め、アクセルを踏んだ。

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二人の囚人がいた。 その②

二人は糊口を凌ぎながら、遂に山麓へと辿り着いた。
星を見た囚人は、整備された山道に気付き、早く登ろうと言った。その言葉で、二人はこの山の安全性を理解することができた。
泥を見た囚人は、もう足が棒だから休もうと言った。その言葉で、二人は久方ぶりに足を止めて疲れを癒やすことができた。

二人が山道を進むと、中腹に小さな村があった。
星を見た囚人は、人形を売って得た金を見せた。村人たちは彼らの価値を理解した。
泥を見た囚人は、下げ慣れた頭を垂れてみせた。村人たちは彼らの礼節を理解した。

二人は一夜の宿を取り、明くる朝山頂を目指して歩き出した。
星を見た囚人は、先陣を切り前を向いて歩いた。その姿で、相方に希望と意志を分け与えた。
泥を見た囚人は、後続して下を向いて歩いた。その目で、相方に安全と道標を指し示した。

小さな二人の手は、山頂に至っても尚星々には遠く及ばなかった。
星を見た囚人は、そういうこともあると慰めた。
泥を見た囚人は、もっと高い山を探そうかと戯けてみせた。

二人の囚人がいた。
一人は泥を見た。星空を夢見る相方が隣にいたから。
一人は星を見た。足元を検める相方が隣にいたから。

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二人の囚人がいた。 その①

二人の囚人がいた。一人は泥を見た。一人は星を見た。
星を見た囚人は、いつかあの星を掴みに行こうと言った。その言葉は、二人の希望になった。
泥を見た囚人は、我々のいる場所はこんなにも汚く醜いと言った。その言葉で、二人は現実を見つめ続けることができた。

ある日、牢の錠が外れていた。
星を見た囚人は、今こそあの星を掴みに行こうと言った。その言葉で、二人は自由へ踏み出すことができた。
泥を見た囚人は、我々の行く道はこんなにも泥濘んでいると言った。その言葉で、二人は転ぶこと無く歩き続けられた。

二人は並んで荒野を歩き続けた。
星を見た囚人は、あの山に登れば星に手が届くやもと言った。その言葉で、二人は疲れた足を動かし続けることができた。
泥を見た囚人は、我々の行く道はこんなにも湿っていると言った。二人は泥水を漉して、少しだけ喉の渇きを癒やすことができた。

二人は泥濘の中に粘土を見つけた。
星を見た囚人は、素朴な素焼き人形を作り上げた。温かなその作品は、旅人の胸を打ち小金と交換された。
泥を見た囚人は、無骨な壺を焼き上げた。頑丈なその作品には、旅の荷物を収めることができた。

二人の行く道は、次第に固く乾いた土を纏いだした。
星を見た囚人は、空を暗雲が埋め尽くすのに気付いた。その発見は、二人の喉を潤す清潔な雨水の到来を示した。
泥を見た囚人は、しぶとく根を張る雑草の虫食いに気付いた。その発見は、昆虫と野草という僅かで明確な食料の存在を示した。

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【最適化済】2頁目

【前頁から続く】

 ――やっぱり駄目そうだ。

 本能がそう囁きます。その瞬間気が楽になりました。やっと神仏が手を差し伸べた……今の男にはそれが天道神だろうと疫病神だろうと関係はありませんでした。ただ、やっとこの苦しみから逃れられると、一心にそう思っていました。

 ――ああ、最期に、最期に一口でいいから綺麗な水が飲みたかった。俺の末期の水はこんな泥水か……。

 霞む目を瞑る寸前、男の脳裏には諦念に混ざってそれとは別の感情がよぎりました。しかし正体に気づく前に男の意識は完全に途絶えてしまいました。
 

 どのくらい経ったのでしょうか、男は目覚めることができました。
 戻った聴覚に戦争の音が飛び込んできます。薄く開けた眼に容赦なく白い日光が木々の隙間から差し込んで、唐突に肌に張り付く暑さが襲ってきました。戦争で受けた傷がジンと痛みます。黄泉の国でないことは明白でした。

 ――ああ、そうか。

「み……ず、か」

 そうか。あれか。あれの所為か。

 どうせ後で苦しむことになるなら、あんな水は飲まなくても良かった。飲まない方が良かった。

 それなのに何故。

 理由は明白でした。身体が水を求めていたからです。自分の意思ではありません。しかしそれだけで、男の胸の奥底から、生きようという気持ちが湧出してきました。

 ……自分が死ねば兵士達の死は誰にも知られず異国の泥に埋まっていく。彼らと自分に報いずに、このまま死ぬことが許されるのだろうか。自分は許せるのだろうか。

 男は自分に問いかけました。

 明確に答えを言葉にはしませんでしたが、彼は投げ出していた銃を支えにして立ち上がっていました。

 倒れる直前の感情の正体が分かった気がしました。

【完】

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【最適化済】1頁目

戦争について語った短編小説【最適化済】

題名「末期の水」
作者 10代・女
制作 2025年   検閲・最適化 2026年

《本文》
 マニプール河に沿って、兵士たちは歩いていました。行軍と呼ぶのもはばかられる様子でした。

 彼らは撤退する間に次々と亡くなっていきます。彼らが亡くなってしまったその道は「白骨街道」と呼ばれました。歩ける者も、そうでない者も、多くが飯盒と手榴弾と小銃以外は捨て、殆ど身一つです。足元は殆ど裸足のような状態でした。

 ――もう駄目だ。

 朦朧とした意識の中で、最後を悟る男がいました。

 昨晩までの雨で道には川のように泥水が流れています。しかしそれを気にしている余裕はとうの昔になくなっていました。右半身は泥にめり込んで、温い水が滲みて身体がいつもの数倍重く感じています。

 体中が痛い。力が入らない。感染症が生命を蝕む。目蓋が嫌に重い。脚も疲れて立っているのも難しい。腹は減っている。しかし吐き気がする。固形物はもう身体が受け付けなくなって久しい。
 疲れた。もう、疲れたのだ。

 男は細い腕を腰にやりますが、触れた場所に求めていたものはありませんでした。いつの間にか手榴弾の入った布鞄までどこかに捨ててきてしまったようです。
 次に男は投げ出した銃に手を伸ばしました。しかし掴んでも引き寄せることができません。今の男にとってはあまりにも重すぎたのでした。

 ――ああ、水が飲みたい。綺麗な水が……。

 ふと、絶望した脳内にそれだけがぼんやり浮かんできました。
 母の顔も戦友の声も妻子の手のぬくもりも何も思い出せないのに、それだけが。

 気がつくと男は、道の中央に溜まっていた水を無意識に口に含んでいました。綺麗とは言えない水です。しかし、それを起き上がって震える両手で掬います。
 夢中になって二口三口しますが飲み込み切れず吐き出してしまう。また一口飲む。また吐く。身体が液体すら受け付けなくなってしまっていました。

【次頁に続く】

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最近

すっかり新しい環境に慣れてしまって
輝きを失った新入生が
もうすぐ「先輩」になろうとしています

数年前は”深夜”だと思っていた25時台がやってきても
わたしはもうびくともしません いつもの時間だから
夜の波に呑まれてしまう、と慌てて眠っていた頃が懐かしく愛おしい
人間はこんなにも冷めてしまうのか、と自分の成長を悲しく思ったり
これが皆が掲示板からいなくなっていく理由か、と納得してしまったり

テスト期間には相変わらず涙を流します ひとりで
中身は強くなれていないようです ちっとも
こんなに夜更かしできるようになったのにね。

SOL!と出会った6年前
毎日連絡を取り合う友達ができました
23:59まで掲示板上でお互いのことを話し合いました
バンド掲示板で吹奏楽のことを話したり
恋愛掲示板でみんなの恋を後押ししたり
学校掲示板では座禅部を名乗って
彼氏や彼女ができたメンバーには「幸せになりやがれ!」と
顔も知らないのに喜び合って

段々とここを卒業する人が増えて
レスが二桁を超えるような投稿が見られなくなって
わたしが話していた相手の投稿はぱたりと途絶えていました
インターネットでつながっていた縁は ずっと続く訳ではないし
インターネットでの会話だけでその人の全てを理解できている訳ではないことを
静かに、確かに、感じさせられました

わたしもいつかそうなるのかもしれない
でもわたしがここで呟きたいと思う限りは、
ここに言葉をのこしていこうと思うのです

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転生するのも案外良くないものだ p.6

 その上、記憶力の低下は著しい。
 必死で覚えた英単語や趣味だったギリシア語、難解な漢字熟語などは相当忘れてしまった。義務教育レベルの世界史も曖昧だ。

 中でも固有名詞に関しては深刻である。

 例えば、毎日の通勤に使った駅の名。愛読した書物の題名。よく飲みに行った同僚や高校時代からの旧友の名。気付いた頃には思い出せなくなっていた。今の、コマ=リャケット語を操る私にとっては馴染みなく規則性も意味もない文字列であるからだろうか。思い出せた名は全てリストアップした。あまり多くはなかった。家族、親しい親戚、何人かの友人。

 しかし日を追うごと名前と顔が一致しなくなった。

 出来事の記憶はあるが、それが誰との記憶だったのか、思い出せない。読者諸氏には、大事なことは何度も思い返すことを強くお勧めしておく。

 最近、私を産んだ異形の顔を見て、私は泣き崩れた。
 私の頭の中に、前世の母の顔がないことに気付いてしまったのだ。
 私の思い描く母親像は、全長二メートルの、硬い鱗に覆われた、鋭い爪の、大蜥蜴だった。私は名前のリストの一番上の『家族』の欄を確認した。不器用な文字の羅列は、私の全く知らないものだった。

 その瞬間、私は、私が人間である資格を完全に失ったように感じた。

 否、今まで醜く足掻いていただけで、実際はこの世界にコマ=リャケットとして生まれ落ちた時点で私は人間である資格を喪失していたのだ。今まで認めようとしなかっただけなのだ……。

 これからもっといろいろなことを忘れていくだろう。いつか日本人としての精神を失いコマ=リャケットの倫理に迎合せざるを得なくなる日が来るかもしれない。日本語もいつまで覚えていられるか分からない。今残っている記憶のどこまで忘れてしまうかも不明だ。

 だから私は、今のうちに、私が覚えているもの全てを書き残す。

 いずれここに記したことの一切を誰も解読できなくなったとしても、所詮私が、人間の振りをした化物であったとしても、私がかつて人間として、日本人として、生きていた証左となるなら。


×年×日 橋田勇作

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転生するのも案外良くないものだ p.3

 さて、この身体は元人間の私には申し分ない身体である。文明未熟の点、始めは不安を抱かざるを得なかったが、コマ=リャケットとして生を受けて九年、慣れてしまえば問題はない。

 コマ=リャケットは三十人から五十人規模の小共同体を形成して殆ど自給自足で生活する。

 我々は一般に魔物に分類されており、人類からは文明とかけ離れた存在として扱われているが、魔物にも文化や文明といったものは存在する。魔物としては人類文化からは学ぶことが多く、少しでも彼らの文明世界に追いつこうという心意気を持っておおよその人類とは親しくしている。

 しかし人間はというとかなり鎖国的で、他種族との交流を持とうとしない。他の人類、例えばエルフや獣人、亜人すらも野蛮として扱っているらしく、人間の国にはとても近付けないという。

 思えば前世における人間もそうして発展していった。
 どの世界でも人間は愚かだ。

 いや、魔物や獣人のような身体的な強さもエルフや亜人のような寿命も魔力も持たぬ人間が種を守り抜くためには致し方がないことなのだろうか、私が知らないだけで魔物や人類の国でも差別や戦争が蔓延っているのだろうか……。

 兎も角も、私の浅い知見で判断できるものではない。

 話が逸れてしまったが、そういう訳で、人間が国家を建設するように、魔物や人間以外の人類にも立派に国家があり、都市や市場がある。そういうところでは公用語や文字が存在するが、コマ=リャケットに関しては国家とは乖離した農村共同体的な集落を形成している。

 年に二回、秋春に集落の行商男達が中央山脈とその向こうに横たわる大河とを超えて、人類の街に家畜や鉱石を売りに行き不足物、衣料品や物珍しい嗜好品を荷馬車一杯に買って帰ってくる。彼らがチョコレートやビスケットを買ってきたときは感嘆した。

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あなたも入る?ようこそいか教へ!

第一章 あなたはだれ?大王雀!
新学期。それは始まりの季節。中村友奈は新たな一歩を踏み出そうとしていt
「そこの方!」
うああ。びっくりしたあ。急に何だ?誰かにこんな大声で呼びかけるなんて。。。うん、変人だな。変人がここに1名いるだけ。よし、気にせず行k
「お〜いあなたですよあなた!」
え、私?私、そんな変なことしたっけ?聞き覚えのない声だし。。もしかして、私、変な人に目つけられちゃった〜?!うん、きっと気のせいだ、気のせい。私には言ってないと思うし。
「トントン!ちょっと、あなた、なぁ〜に無視してるんですかぁ〜?」
か、肩を叩かれた。。。こ、これはもう。。。た、助けてぇ〜(声かけられてるだけ)でも、新学期だ。ここで逃げてはいけない!うん、勇気を持って振り向いてみよう。新たな新学期と思って!そして、私は振り返った。
「は、はいぃ〜?」
うん、我ながら最悪の始まりだ。こんな最悪な声が出るなんて。。また逃げてると、おとなしいと思われる。噂されて。。。ああ、また_____
「あいつ暗すぎw」「それな?」「この前、発表でまぐれであたったとき緊張しすぎて「ああっああっ」しか言えなくてw」「いじめても何にも言わなそうw」「いっそやってみる? w」「やろw」ああ、ああ、ああ!やめて、やめて。。。
「何をボーっとしているんですか我が信者よ。」
はあっ?し、信者?!そう思いながらも私は緊張してその人の顔を見られない。
「ど、どういうことですか?」
そう言って少し顔を上げる。
って!ショタやないか〜い!え、なんでここにいるの?ここ高校だよ?
「ま、迷子かな〜?」
「わし、高校生だもん。」
そりゃそーだ。ってえ?!ちびすぎん?
「そんなことより!我が信者よ!」
だから信者って何?
「わからないのか?わらわにこえをかけられたということはいか教の信者ということだぞ!」
しらないよ!そんなルール!ていうかいか教って何?もう、かたっぱしから変な人!(背が小さすぎるし!)
「もう、、、行くから。。。」
そう言って私は猛ダッシュ!こう見えて私足速いし。
「まて〜い!」
って!足はっや!はぁ、はぁ、ここまでくればもう大丈夫?
どうなっちゃうんだ〜?!
続く。。。

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フリー世界観:チェンジリング総伐令②

・魔術師(メイガス)
”バックファイア”のうち、魔術を得意とする者。対幻想戦闘においては重要戦力であると同時に、超科学的現象である魔術の研究のためにも協力している。

・幻想人(ファントム)
”バックファイア”のうち、『変身魔術』を得意とし、幻想生物の機能や戦術を組み込んで戦う者。対幻想戦闘においては秘密兵器ともいえる。
『姿を変える魔術』は、肉体への負荷やアイデンティティの崩壊のリスクがあり、相応の資質や経験が無ければ使いこなせない。里親である幻想存在たちも、愛する継子である人間に無理をさせたがらない傾向にある。だからこそ、”幻想人”として人類社会に帰還できたバックファイアは『変身』を完璧に操れる猛者のみであり、彼らの使う『変身』に”リスク”というものは存在しない。

・破妖軍(アンチ・スピリット・フォース)
通称『ASF』。対幻想存在戦闘を専任する軍隊。実戦部隊は通常兵器によって戦う『科学軍』と”バックファイア”を中心に構成された『精霊軍』で構成される。
基本的には科学軍が銃火器類や戦車などの圧倒的殲滅力をフル活用して戦い、強力な魔術を使う個体に対してのみ精霊軍が出動する。
幻想存在たちもまた、生命と肉体を持つ『生物』である。人類が『殺傷』のために発明改良を重ねてきた”武器・兵器”という存在は、幻想にさえ手が届き得る領域に達していたのである。

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フリー世界観:チェンジリング総伐令①

勝手に使って良い世界観を用意したので勝手に使ってどうぞ。

・極めて簡単なあらすじ
物語の舞台は現代。
人類は『チェンジリング(取り換え子)』の脅威に対抗するため、「チェンジリング総伐令」を発令し、叡智の結晶である武力と、チェンジリングから生還した子供たち”バックファイア”の力を集結した『破妖軍』を結成し、世界全勢力を挙げて幻想存在の討伐を開始した。

・チェンジリング総伐令
人間の子供を妖精と入れ替える”チェンジリング”に対抗するための法令。
人民が一体となってチェンジリング及び幻想生物の討伐に尽力する指針を示したもの。

・”チェンジリング”
「取り換え子」とも呼ばれる、世界各地で確認される現象。人間の赤子が妖精の子供に取り換えられる。
取り換えられた人間の子供は幻想存在たちの集会へ連れ去られ、その子を気に入った幻想存在が引き取って育てる。

・”バックファイア”
”チェンジリング”によって取り換えられた人間の子供のうち、人類社会に帰還した者を指す。多くの子供は里親となった幻想存在から「魔術」を教わり、幻想の力を得ている。その力を利用して『チェンジリング総伐令』に協力する。

・魔術
主に幻想存在が『魔力』と呼ばれる未知のエネルギーを使って行う魔法的技術。
幻想存在はこれを人間の子供に説明するに当たり、以下のように語る。
『たとえば、人魚が水中で呼吸をする。たとえば、クモが糸を張る。それは”身体機能”であって君たち人間には到底再現不可能な領域だ。しかし”魔術”は飽くまで「技術」。生命と知性ある我々にできて、君にできない道理は無い。』

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百舌鳥と愉快な仲間たち_1〜6まとめ

情緒不安定でカテルヴァの所属経験がない14歳のアヴェス、ラニウス ブケファルス。
ある日突然、彼の家に三人の所謂問題児のアヴェスが訪ねてくる。凄まじい癖毛と乱暴な口調が特徴のストルティオ カメルス、小柄で愛想の良いアエギタロス カウダトゥス、おどおどして押しに弱いヴルトゥル グリュフス。突然同室となった個性的な同期に困惑しつつ、ブケファルスは彼らと交流を深めていく。
ブケファルスと問題児三人が同室になってから二週間経った日、四人で出かけている最中に大型のアリエヌスが襲来する。ブケファルスとグリュフスはアリエヌスから街を守り、カメルスとカウダトゥスは『先輩』と呼ばれる年上のアヴェス、パラブーテオ ユニシンクトゥスに救援を求める。

いつも読んでくださったり、反応をくださっている方々、ありがとうございます。
高校生活が忙しく投稿頻度が減り、今週からテスト期間にはいるためまた投稿頻度が減るので今回は続きではなくまとめを書いてみました。つたない文章、意外性のない展開になりがちなのですがこれからも執筆は続けようと思います。
最近気温が低く、インフルエンザも流行っているので体調にはお気をつけて。

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Specter children:人形遣いと水潜り キャラクター②

名前:水潜冰華(ミクグリ・ヒョウカ)
年齢:16歳(高校2年生) 性別:女 身長:157㎝
説明:とある田舎の村に生まれ育った少女。色素の抜けた濃茶色のショートヘアが特徴。明るく人懐っこい性格で、人間・人外を問わず、友好的な相手には簡単に懐く。友達も多い。
5年前に川遊びしていた際に誤って足を滑らせ落水。挙句、川に生息する野生の河童に襲われ、殺されそうになった。その時、ある霊能者に救われ、人工呼吸のついでに河童の血肉を強制的に飲まされ、結果として河童の体質を部分的に獲得した。
河童の血肉を取り入れたためか、河童たちからは群れの仲間として好意的に捉えられるようになり、毎日早朝に川に下りては挨拶するのが日課になっている。
落水事件の後、泳ぎが好きに、かつ上手になってきたが、これは河童を喰ったこととは無関係。高校では水泳部に加入している。実力は県大会でギリギリ入賞できない程度。

霊能力:【河童通臂拳】
能力説明:両腕が肩の内側で1本に繋がっている。そのため、片方を引っ張れば繋がった両腕がそちら側に抜けてしまう。なお、体から抜けた後でも腕の操作は可能だが、見えない場所に腕があると、上手く動きをイメージできずに複雑な操作はできなくなってしまう。
もう一つの効果として、冰華は両手の指で対象の”魂”を引っかけ絡め取り、奪うことができる。この効果は、相手の末端部を狙うほどより多くの魂を奪い取れる(頭部や体幹部よりも、手足などを狙った方がダメージが大きくなる)。

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Specter children:人形遣いと水潜り その⑨

「割とガチでヤバいやつじゃん!」
「だから最初に言ったじゃん『殺しに来た』って」
「……そういや言ってたね」
水際に並んで座り、二人は話し合う。集まっていた河童たちは、既に蒼依からの情報をもとに捜索のため散開していた。
「そういえばさぁ、蒼依ちゃん」
「何よ冰華ちゃん」
「子供さらうような凶悪な妖怪が、なんで子供の少ないド田舎にいるの?」
「いや知らないけど。隠れ場所多いからとか?」
「絶妙に頼りない……」
「仕方ないじゃんまだ高校生だぞ?」
しばらく意味の無い雑談を続けた末、二人はどちらともなく立ち上がった。
「取り敢えず……村戻るかぁ」
「何か手がかり無いかなぁー」

結果として、二人は何の成果も得られなかった。農作業の合間に休む老人、商店を利用する大人たち、村の数少ない子供たち、およそ出会えたすべての人間に、蒼依が『自由研究の一環で伝承について知りたい』という体で尋ねたものの、有用な情報は一切なかったのだ。
「……ダメだったねぇ」
「まぁ、仕方ないよなぁ……」
水潜家に帰還した二人は、冰華の自室に入ると揃ってベッドに身を投げ出した。
「疲れたぁ……蒼依ちゃん、今夜はうちに泊まる?」
「えー、あんま迷惑かけられないよ」
「大丈夫だよ、お母さんも蒼依ちゃんのこと気に入ってるし。蒼依ちゃん礼儀正しいんだもん」
「んー? いやぁ……まぁほら、いきなりお邪魔したわけだしねぇ……」
「めっちゃ良い子じゃん。……あ」
「何よ冰華ちゃん」
蒼依の問いかけに、シーツに手を付き、冰華が勢い良く身体を起こす。
「いやマジに何その勢い……」
「ねぇ蒼依ちゃん。今朝初めて会った時の話なんだけどさ」
「ん?」
「蒼依ちゃんの登場の仕方、変じゃなかった? 木から落ちたみたいな落としてたけど」
「あー……それは普通に、昨日の夜この村に着いて、宿も無いし適当な木の上で寝ただけだけど」
答えた瞬間、冰華が素早く蒼依を押し倒した。
「やっぱり今日はうちにお泊りしてもらいます!」
「……なんで?」
「オニがいるかもしれない危ない夜に、友達を外に置いておけるわけ無いでしょ!」
冰華に見下ろされながら蒼依は目を泳がせ、逡巡の末に、観念したように溜息を吐いた。
「あー……うー……うん。分かったよ、分かったから……」

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 キャラクター③

アヴェス:ガッルス・ガッルス
モチーフ:セキショクヤケイ(Gallus gallus)
年齢:16歳  身長:170㎝
所属カテルヴァ:以津真天
説明:対大型敵対存在特攻先遣部隊“以津真天”のメンバー。トウゾクカモメ先輩より誕生日が4か月ほど遅い。仲間がいないと何もできないクソザコ。逆に言うと仲間がいるととても怖い。今回は残念ながら登場しませんでした。
レヴェリテルム:フェロクス・プエル(Ferox puer) 語義:野生児
説明:変形コンパウンドボウと蓋付矢筒。矢のストックは24本。一度に6本まで同時に矢を番えることが可能で、射出した矢は極細の導線で右手と繋がり、導線伝いに自由に操れる。複数本を同時に装填する際は、弦に専用装填補助具を取り付け、そこに矢を並べる必要があるので、連射は無理。一度射出してしまえば、いくらでも好き放題できるんだけどねぇ。

アヴェス:エクトピステス・ミグラトリウス
モチーフ:リョコウバト(Ectopistes migratorius)
年齢:7歳  身長:120㎝
所属カテルヴァ:迦陵頻伽(非公式)
説明:とある研究者の手によって密かに生み出された、本来禁じられているはずの『女性のアヴェス』。感情の不安定さを爆発力として発揮してくれることを期待されているようだが、教育不足のせいで随分と好き放題しているようで。ちなみに“迦陵頻伽”は彼女を生んだ研究者が便宜的に彼女に与えた所属先であり、彼女以外の構成員は存在しない。
レヴェリテルム:プリンセプス(Princeps) 語義:支配者
説明:大量のナノマシン。アリエヌスの体内に侵入し、操り人形のように支配する。最終的には侵入したナノマシンはアリエヌスを体内から破壊する。ちなみにナノマシンの総量は大体、大型アリエヌス10万体を同時に支配してもまだ余る程度。普段は周囲のありとあらゆる『隙間』に潜ませ、自らに追随させている。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 キャラクター②

アヴェス:ピトフーイ・ディクロス
モチーフ:ズグロモリモズ(Pitohui dichrous)
年齢:12歳  身長:152㎝
所属カテルヴァ:以津真天
説明:対大型敵対存在特攻先遣部隊“以津真天”の新入り。戦績は上々。最近の悩みは前歯が抜けてしまったこと。ご飯が食べにくい。大人になりたくないので、立派に戦って殉職したい。
レヴェリテルム:ソルス=ヴェネヌム(Solus venenum) 語義:唯一の毒
説明:口を開けた毒蛇を模した、全長3mほどの金属製の杖。首が自由に動き、顎も開閉する。内部に仕込まれた腐食液を毒牙部分を通して射出可能で、相手に食いつかせてから注入すれば確実にぶつけられる。何故か火炎放射も可能。舌下の穴からぶわって出る。特に意味も無く目も光る。思いの外やりたい放題。

アヴェス:ステルコラリウス・ポマリヌス
モチーフ:トウゾクカモメ(Stercorarius pomarinus)
年齢:16歳  身長:173㎝
所属カテルヴァ:以津真天
説明:対大型敵対存在特攻先遣部隊“以津真天”の副隊長。高校生なので結構忙しい。一番の年上なので何かと頼られがちだが、他人のサポートはかなりド下手クソ。1人で戦うか、周りが合わせてくれるのが一番やりやすい。
レヴェリテルム:ポラリス=カエルム(Polaris caelum) 語義:極地の空
説明:長さ150㎝程度の短槍と、縦横150㎝×45㎝程の大盾。大盾は浮遊させ、飛行ユニットとして利用可能。小型無誘導ミサイルも撃てる高性能大盾。短槍の方は馬上槍形態と大刀形態に変形可能。短槍形態は投擲、馬上槍形態は刺突、大刀形態は斬撃の威力をブースターユニットによって強化可能。更に、大刀形態の武器と大盾を変形合体させることで、大型戦斧にもなる。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 キャラクター①

アヴェス:カズアリウス・カズアリウス
モチーフ:ヒクイドリ(Casuarius casuarius)
年齢:15歳  身長:165㎝
所属カテルヴァ:以津真天
説明:対大型敵対存在特攻先遣部隊“以津真天”のリーダー。好戦的だがその暴力性はアリエヌスにしか向かないので意外と安全。ただ、戦闘時の様子が恐ろし過ぎるので、よそ様からは怖がられている。趣味は対戦型ゲーム。
レヴェリテルム:カルチトラーレ=ウングラ(Calcitrare ungula) 語義:蹴爪
説明:両脚の膝近くまでを覆う脚甲。爪先と踵部分にはブレードが、両足裏と脹脛にはブースターが仕込まれており、爆発的加速を乗せた蹴りでブレードを叩き込む。ブースターを利用することで、短距離の飛行も可能。ブレードを格納することで打撃武器として使ったり、ブースターの出力を射程武器(エネルギー砲)として利用することも可能。『足を覆っている』こと以外に欠点が無い。

アヴェス:サジタリウス・サルペンタリウス
モチーフ:ヘビクイワシ(Sagittarius serpentarius)
年齢:14歳  身長:158㎝
所属カテルヴァ:以津真天
説明:対大型敵対存在特攻先遣部隊“以津真天”の一員。密かな自慢は『両利きなこと』。どちらから攻められても同じように受け、押し返せる対応力の高さが売り。
レヴェリテルム:チェレリタス=フルグル(Celeritus fulgur) 語義:雷速
説明:一節辺り約1mある、大型三節棍。各節部分は鎖状に変形可能で、疑似的二刀武器や鎖付き武器としても扱える。また、各節は部分的に側面を刃状に変形させられる。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その⑩

「見えたぜェ、リーダー後輩。お前の上げた“狼煙”がよォ……」
粉塵の舞い上がる中から、刺々しい声が楽し気に響く。
「それで? コイツをブッ殺せば良いのか? 遅刻した分働くぜェ……!」
薙ぎ払いが粉塵を吹き飛ばす。高校制服姿のアヴェスが、大盾と大刀で武装して立っていた。
「よく来てくれたぜゾッさん。テストの出来はどうだった?」
「現文駄目だった!」
「ドンマイ! じゃあ頼む!」
「りょーかいィ」
“ゾッさん”と呼ばれたアヴェス、ステルコラリウス・ポマリヌスはレヴェリテルムを変形合体させ、一つの大型戦斧を完成させた。
「叩き斬れ……“Polaris caelum”!」
全長約3mもあるそれを大きく振りかぶり、大型アリエヌスの正中線に照準を定める。
「せェー…………のォッ!」
渾身の振り下ろしが炸裂する。その破壊力はアリエヌスが構えていた両腕を破壊し、剣圧の余波を体幹部にまで到達させ、その巨体を完全に両断した。
「ふゥー……大型アリエヌス何するものぞ。俺が本気出しゃぁこんなモンよ」
レヴェリテルム“ポラリス=カエルム”の合体機構を解除し、ポマリヌスは研究者とクミを睨みつけた。
「で? 何なのお前ら。マッドサイエンティスト?」
「似たようなものだね」
研究者の男が答える脇でクミが片手を振り上げると、大型アリエヌスの残骸から黒い霧が吹き出し、彼女の足下に吸い込まれて消えた。
「うおっ、何あれ」
「ゾッさん。あのおチビちゃん、アヴェスらしいぜ」
カズアリウスの言葉に、ポマリヌスはカズアリウスとクミを交互に見た。
「えっマジで? 女の子じゃん」
「あのマッドが作ったんだとよ」
「マぁジか。ガチマッドじゃん。通報したろ。……帰してくれるならの話だけどな」
ポマリヌスが短槍を握りしめ研究者の男を睨む。しかし、男はけろっとした表情でビデオカメラをしまい、アヴェス達を追い払うように手を振った。
「帰ってくれて構わないよ。君達には感謝しているんだ。恩には報いるのが信条でね。帰った後は好きに通報してくれて構わないよ。どちらにしろ、私の研究に大きな支障は無いからね。さぁ帰った帰った。良い日を過ごしておくれ」
研究者の男とクミが手を振って送り出す中、4人のアヴェスは釈然としない感情でエレベーターに乗り込んだのだった。

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百舌鳥と愉快な仲間たち_1

「あ゛ーっ!!また引っかかった!!また検診か!週に何回やれば気が済むんだよ!!」
冷房の効いた部屋にブケファルスの大声が響く。
「くっそ…面倒くさい…お前もそう思うよな?俺が検診のときお前留守番だぞ?」
ブケファルスはケースに入った自分のレヴェリテルムに激しく同意を求めた。昔からブケファルスには自分のレヴェリテルムと会話しようとする癖があった。
ピンポーン
突如部屋のインターフォンが鳴る。
「…ん?」
扉を開けると、少年が3人。左は髪のつんつんした不良っぽい容姿で、真ん中は小さくて目が大きく、右は大きく妙に居心地悪そうにしている。
「よぉ!あっ違ぇ、初めまして!」
「僕たち、ドムスの方から君に会ってって言われたんだ。ラニウス・ブケファルスだよね?」
「…その、突然すみません…」
突如左から順に三者三様すぎる挨拶をくらい、ブケファルスは大いに戸惑った。
「えー…えっと…とりあえず、上がるか?」
三人は互いに顔をみやる。
「マジで!?よっしゃお邪魔します!」
「やったね!冷房がこっちまで届いててさっきから涼しかったんだー」
「ええ…そんな無遠慮な…あっお邪魔します」
ブケファルスにとって、初めての同期との交流である。

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:告鳥と悪霧 その⑨

「ビク太郎、ズー坊。お前らの出る幕は無ぇ。大人しく下がってろ」
カズアリウスの指揮で、他の2人は後退した。
「おや、君のような雑魚一人で相手するつもりかい? 思い上がるのはやめた方が良いと思うがねぇ」
研究者の男が揶揄うように言う。
「うるっせ。馬鹿にすんなよ? これでも“以津真天”のアタマ張ってんだ。1つ、俺の本気ってやつを見せてやるよ。アリエヌス壊されて泣くなよ?」
「確約はできないね。本当にそうなったなら、嬉し泣きするかもしれない」
「ほざけ」
そう吐き捨て、カズアリウスは彼のレヴェリテルム“Calcitrare ungula”を変形させた。変形機構が起動し、踵部分に長さ20㎝程度の折り畳み刃が展開する。
「……随分と短い刃だ。大型を相手するには力不足だろう?」
「そうかもな。まァ食らって判断しやがれ」
足裏のブースターを起動し、カズアリウスはアリエヌスの頭頂より高く飛び上がると、右脚を伸ばしたまま足裏が直上を向くほどに振り上げた。
「蹴り殺せ――」
ブースターを再点火し、振り下ろす動きを超加速して、アリエヌスの脳天目掛けて踵落としを叩き込む。
「Calcitrare ungula”ァッ!」
ブースターからは凝縮された高火力エネルギー砲が放たれ、それを推進力としてアリエヌスが盾のように構えた腕に踵のブレードが突き刺さる。勢いは衰える事無く蹴撃が完全に振り抜かれ、腕の一部を大きく抉り抜いた。
「……なるほど、なかなか悪くない威力だ。ブースターの出力断面積を敢えて絞ることで、威力密度を上げているわけか。……だが、大型の敵を相手にするにはあまりに小規模過ぎるな」
研究者の言葉に、カズアリウスはニタリと笑う。
「別に良いんだよ。端ッからそいつ殺すことなんざ狙ってねェからな。“以津真天”が何を目的にした部隊だと思っていやがる」
カズアリウスは空間天井を指差す。ブースター役のエネルギー砲は天井を貫き、地上にまで貫通していたのだ。
「『大型相手の時間稼ぎ』だぜ。俺の仕事はもう終わったんだよ」
地上から爆発的破壊音と振動が伝わり、天井を揺らし小さな瓦礫片を落とす。
「選手交代だ。“うち”の最高火力を見やがれこの野郎」
カズアリウスが言ったその瞬間、天井が粉砕され、一つの影が飛び込んできた。