表示件数
0
3

【非公式】少年少女色彩都市・公式キャラクター紹介

少し前にナニガシさんも参加したリレー小説『少年少女色彩都市』のキャラクター設定を、ナニガシさんの主観で雑に乱暴に書いていきます。より詳細な設定は原案のテトモンさんや企画者の点Pさんがきっと書いてくれる。
・叶絵さん
芸術:イラスト/ポップなアニメ調の人物画(部分)、ダークなアニメ調の背景
衣装:ピンクいワンピース風の衣装
本作主人公。イラストを描くことだけが取り柄の少女。妹が優秀過ぎてコンプレックスの塊。プレリュードが前奏曲であることだけは何故か知っている。得意分野はポップな感じの人物画とダークな感じの背景。鳥さんも描ける。でもこの子、全身画描けないんだよな……。多分SNSや投稿サイトに絵を出しちゃいけないタイプ。ちょっとでも叩かれたら唯一の取り柄もへし折られて死ぬしか無くなる。
・薄紫色の少女
芸術:イラスト/トゥーン調モチーフ不問
衣装:華美な装飾の薄紫色のワンピース
リプリゼントルの中でも特に強い部類らしいリプリゼントル。クソガキ。ちっちゃくて(重要)強い。嫌いなものは嫌いと言う子。彼女がものを描いてる描写はナニガシさんしか描いてないからナニガシさんがいくらでも設定用意して良いよね。ちなみに本名は知らないけどナニガシさんは臼村早紀(仮称)って呼んでる。ウスムラサキ。本名気になるね。
・和湯典礼
芸術:演奏/バイオリン
衣装:燕尾服
音楽を得意分野とする少年。バイオリンを描いて演奏すると相手は干し肉になる。コワイ!
けど燃費がたいへん悪いようで1日に何度も戦えない。あとお兄さん、演奏専門の割にきちんと弾けるバイオリン用意できるなんて、絵ぇ描くの上手いねぇ。やっぱり普段から見慣れてるものは描きやすいんだろうな。
・和湯のお姉さん
少年の姉貴。本名はテトモンさんの頭の中にある。元リプリ。ガラスペンはまだ持ってるけど、芸術性は既に枯れかけてるらしい。そりゃ有能な芸術家は早逝なもんだけど、芸術性だけ死んでるなんて何があった?

0

少年少女色彩都市・某Edit. Modeling Master Amenonuboko その⑤

白蛇から下りた芸術家さんをエベルソルから守るため、まずは防壁を生成する。次いで両脇を固めた避難路を形成し、避難を指示した。
「避難完了ヨシ。……さて、あの人の避難に最後までついて行ってあげるべきか、新人くんの戦いを見守っておくべきか……そうだうさぎさん」
腕の中に抱いたままのうさぎさんに声を掛ける。
「あの人について行ってあげてくれる?」
うさぎさんは私の腕からするりと抜け出し、芸術家さんの後を追うように走り去っていった。
「民間人の警護ヨシ。新人くんは頑張ってるかなー?」
階段を生成し、防壁の上から顔だけ覗かせる。新人くんは2頭の馬を前衛にしながら蛇に攻撃させ、また別の何かを描いている。今度は何を描くのかな?
結構大きい動物みたいだ。がっしりしていて、重厚な体つき。太い四肢。鼻から生えた太い角。
あれだ、シロサイ。アフリカゾウの次に重くて大きな陸生哺乳動物。
新人くんの指揮で、サイが突進する。馬たちが横に躱すのと同時にエベルソルと衝突し、敵を数mもふっ飛ばしてしまった。
「そのまま、轢き潰せ!」
新人くんの指揮に従ってサイはエベルソルに突進し、その重たい全身を使ってぺしゃんこに潰し倒してしまった。

0

厄災どおる tutorial:嘘吐き煌星 その①

“対策課”の一室。その入り口に近付く気配に、少女は仲間たちに無言のアイコンタクトで意志を伝えた。仲間たちもまた無言で頷き、陣形を完成させる。
そしてドアノブが動いた瞬間。
「突撃! 殺せぇー!」
少女の合図と同時に、入室してきた人間に少女らが一斉に飛びかかった。瞬く間にその人間をうつ伏せに押し倒し、少女は背中の上に飛び乗った。
「いっひっひっひっひ……制圧完了」
満足げに笑い、少女は押し倒された人間――その呪術師の男性の背から下り、仲間たちに解散の命を送った。
「やあ、イユ……また新しい手口かい」
呪術師の男性が苦笑し、立ち上がりながら少女――イユに呼びかける。
「ああ、こないだ本で読んだんだ。たしか……何つったっけ? ソラ、あれ何ていったっけ」
小学校低学年程度に見える小さな少女、ソラはおずおずとイユの隣に近寄りながら答えた。
「たしか、ねっさつほーきゅーっていうんだよ。ミツバチがスズメバチを取り囲んであっためて殺すの」
「そうそれ。流石にちと数が少なかったかな。いくら私らの体温がぽかぽかといっても、さすがに3人ぽっちで蒸し殺すのは難しかったか。おい呪術師ィ、あと10人くらい仲間増やせよ。その時はきっちり熱殺してやる」
「そうかい……努力するよ」
最後の1人の仲間、2人よりいくらか年上に見える少女、サユリが2人の近くに寄っていったところで、呪術師の男性はあらためて3人に向き直った。
「それじゃあ、出掛けるよ。ソラ、通信手をお願いできるかな」
「うっわまた私にそういう面倒なの押し付ける……」
それまでの自信なさげに背中を丸めた姿勢は変わらず、表情と口調だけは刺々しくソラが答える。
「イユ、人形のストックは?」
「そこの机の上にあんだろー。個数はまだそれなりだし、この間発注した分は明日到着だし。あ、私に荷物持ちなんかさせんなよ? させたら殺すからな?」
「分かってる分かってる……」

0

Daemonium Bellum RE:堕ちた明星と狼 Act 7

「…でも、ぼくのかつての戦友に手を出そうとする奴は許せないなぁ」
サタンはそう言って右の人差し指を茂みの中に隠れていた天使に向ける。茂みの中にいた天使は驚いて身構えた。
「貴様、何を…⁈」
その天使が言い終わる前にサタンの指先から閃光が放たれる。その光は天使の胸元に向かって真っ直ぐ伸び、天使を一気に吹き飛ばした。
「なっ⁈」
他の天使たちは驚いて後ずさる。吹き飛ばされた天使は大木にぶち当たりうっとうめいて気絶した。サタンはちらと他の天使たちの方を見る。
「…その権能、まさか⁈」
天使たちが弓矢を構えると、サタンはうへへへへと笑う。
「そう、そのまさかさ」
サタンはそう言って指先を向けるとそこから光線を撃ち出す。天使たちはバッと飛び上がってそれを避けた。光線は近くの木々にぶつかりその表面を焦がす。
「なんでコイツがこんな所に⁈」
「おいおいマジかよ…」
「とにかく、やるよ!」
飛び上がった天使たちは口々に言いながらも弓矢を構える。しかしサタンはニヤリと笑って右手を天使たちに向けた。
「このぼくに立ち向かおうとはいい度胸だね」
…それでも、とサタンは指先を光らせる。
「君たちに、負ける訳にはいかないんだ!」
サタンはそう言って指先から光線を撃ち出す。光線は空中で3つに枝分かれして天使たちの心臓近くに当たった。
光線を喰らった天使たちはそのまま力なく地面に落下する。サタンはその様子を見届けると、いつの間にか人間態に戻っていたアモンの方を見た。

0

少年少女色彩都市・某Edit. Modeling Master Amenonuboko その④

「うさぎさんはこっちにおいでー……」
うさぎさんを左手に抱え、もふもふを堪能しながら直方体を生成する。
「ちょっとインスピレーション、湧いてきたなぁ。少し工夫してみようか」
直方体を薄っぺらく潰し、長ーく引き延ばし、先端を尖らせて、おまけに柄も付けちゃう。そうだ忘れてた。側面は斜めに削って……。
「はい完成、ちょっと雑になったけど強そうな大剣。くらえー」
回転させながら射出したそれは、上手いことエベルソルの肩の辺りに突き刺さった。
「次はー……こんなのはどうだろ」
新しく生成した直方体を、今度は思いっきり細長く引き伸ばす。頂点を増やし、形を微調整しながらできるだけ綺麗な円柱に仕上げ、先端にもう一つ小さな直方体を引っ付けて、少しこねくり回して……。
「よしできた。ジャベリン、ごー」
完成した槍も、奴に向けて飛ばす。これは前肢に上手く命中した。
「次は……斧とかどうかな?」
柄にするための直方体と刃にするための直方体。二つを適当にいじくり回して、合体させて、接合部を違和感が無いように微調整して、あっさり完成。
「そーれ飛んでけー」
放物線を描いて飛んでいった戦斧は、重心の偏りから自然に回転を始め、奴の背中にぶつかって弾かれた。
「……あれ? 背中……もしくは胴体がそこそこ硬い感じかな? じゃあまずは肢を削って動きを封じるのが良い感じかな」
次は何を作ろうか考えていると、巨大な白蛇が現れた。これも新人くんの描いたものだろうか。その首には一般市民の人がしがみついている。
「ここの人が中にいました! 助け出したんで、チャリオットで安全な場所に連れて行こうと思うんですけど」
扉の吹き飛んだ玄関から出てきた新人くんがこっちに呼びかけてくる。
「保護は私がやるよ。新人くんはエベルソルをお願いできる?胴体が硬くて、脚はそれほどでもない感じだから参考にして」
「分かりました!」

0

Daemonium Bellum RE:堕ちた明星と狼 Act 6

「ん、ンなワケねーよ」
「嘘つけ〜」
サタンはアモンの前に回り込んでからかう。
「本当はぼくのことが好…」
そう言いかけた所でアモンはバッとサタンの口を塞ぐ。サタンはもごもご言いながら抵抗するがシッとアモンが人差し指を立てたことで動きを止めた。
「…何かいる」
アモンがそう呟いて辺りを静かに見回す。サタンも周囲に目を配ると、確かに何かの気配を感じられた。
「これって…」
「ああ、これは…」
2人がそう言った時、少し離れた茂みの中から矢が飛んできた。
「⁈」
2人は咄嗟にそれを避ける。そしてアモンは腰に帯びている長剣を矢が飛んできた方に向けて投げた。すると茂みの中から白い独特の制服と白い翼を持ち、弓矢を携えた天使が飛び出してきた。
「やっぱり天使か‼︎」
アモンはそう声を上げて蛇のような尾を持つ狼の姿に変身し、茂みの中にいた天使に飛びかかる。しかし天使は空中に飛び上がって避けた。
「‘}+<=!」
アモンは唸って口から火炎を吐くが、そこへ上空から矢がいくつも降ってきた。
「⁈」
アモンは即座にそれを避ける。上空を見上げると先程倒した天使たちが舞い降りてきた。
「…やっぱり、仕組まれてたんだ」
サタンは上を見上げながら呟く。
「君を街中から森に追い込んで、逃げられなくしてから倒す…」
下っ端天使らしいやり方だねとサタンはこぼす。アモンは静かに頷いた。

0
0

Daemonium Bellum RE:堕ちた明星と狼 Act 5

天使たちと接触したサタンとアモンが街外れから逃げ出してから暫く。
2人は街から離れた森の中を歩いていた。
「ねーどこまで逃げるの〜?」
のんきに尋ねるサタンに対しアモンは仕方ねぇだろと返す。
「アイツらは諦めが悪いからな」
できる限り逃げないと、とアモンは呟く。サタンはふーんと頷いた。
「…ねぇ」
不意にサタンが話しかけたので?とアモンは聞き返す。
「君さ、例の“反乱”の後どうしてたの?」
その言葉にアモンはぴたと足を止める。
「…なぜ今さらそれを」
「いや〜だってぼくと会うの久しぶりじゃん?」
ずっと何してたのかな〜ってとサタンはアモンの前に回り込む。
「…別に」
テメェに話すことはないとアモンはそっぽを向く。
「えーぼくたちちょー仲良しだったじゃーん」
冷たいなぁとサタンは笑うが、アモンは嫌そうな顔をした。
「…テメェに語ることはねぇよ」
アモンはそう言って歩き出す。あーちょっとーとサタンもその後に続く。
「て言うかテメェ今まで何してたんだよ」
あの反乱の後急に俺の前から姿を消しやがってとアモンは呟く。サタンはいやーちょっとねと頭を掻く。
「ぼくあの後天界に連行されちゃってさ」
それで色々審理を受けてたんだよねーとサタンは続ける。
「で、その結果こっちに来たっていう」
「あっそ」
アモンは適当にそう返した。
「…もしかしてぼくがいなくて寂しかった⁇」
サタンの言葉にびくりとアモンは反応する。

0

Daemonium Bellum RE 〈企画要項〉(再掲)

どうも、企画「Daemonium Bellum RE」の企画者です。
開催期間も折り返し地点に辿り着いたので、ここで企画要項の再掲を行いたいと思います。
という訳で、以下は要項です。

どうも、テトモンよ永遠に!です。
突然ですが企画です。
タイトルは「Daemonium Bellum RE」。
天使と悪魔が人間を巻き込みつつ抗争を繰り広げる世界を皆さんに描いてもらおうという企画になっております。
開催期間は3/1(水)15:00から3/29(金)24:00までです。
参加方法は公序良俗と設定を守った上でタグ「Daemonium Bellum RE」を付ければOK!
作品の形式・個数・長さは問いません。
ちなみに当企画は2022年5月に開催した企画「Daemonium Bellum」の復刻版になります。
あの頃より賑わっている(かもしれない)ポエム掲示板なら盛り上がるかもしれない…!ということで設定をパワーアップさせました。
もし企画「Daemonium Bellum」が気になる方がいたらまとめがあるので探してみてください(宣伝)。

設定はタグ「Daemonium Bellum RE」かぼくのマイページから探してやってください。
ちなみに今回は激ムズ企画で参加者は1人2人になるだろうと思ったら、参加者が自分以外に6人出たのでびっくりしました。
…天使と悪魔って、モチーフにしやすいんですかね?
もちろんここからの参加も歓迎していますので、参加したい方は気軽にご参加ください。
何か質問などあればレスお願いします。
では、皆さんのご参加待ってまーす!

0

視える世界を超えて エピソード6:月夜 その⑪

「よく頑張ったね。君、立てるかい?」
しかし種枚が少女に向けた言葉と口調は飽くまで優しいもので、少女はすぐに緊張を解き、自分の身体を見回してから、首を横に振った。
「そうか、なら家まで送ろう。未成年の夜遊びはよろしくないからね」
「……ありがとう、ございます」
少女に背中を向けると、少女は身体を引きずるようにして種枚の肩に縋りついた。
「よし、道案内は頼むよ。おい馬鹿息子、刀の方はお前に任せた」
「いや初対面の子の目の前でその呼び方マジでやめてくださいって……」
2人は少女の指示に従って彼女の自宅に向かう。到着した場所は広大な敷地面積を誇る平屋の日本家屋であった。
「ここです。……もう、大丈夫です。ありがとうございます……」
少女は自分から種枚の背を下り、鎌鼬から受け取った刀に寄りかかりながら、最後に二人に向かって1度頭を下げ、足を引きずって入っていった。

「……しかし、良い子を見つけたな」
それからも街中を駆けては怪異を狩り続ける種枚だったが、ふと思い出したように呟いた。
「良い子って……あの子ですか? 刀の?」
「そう。……あの子は、『金』かな」
「きん? ゴールドですか?」
「いやァ……? キヒヒッ、これからもう少し素敵になるぜ」
次の獲物を求めて再び駆け出した種枚の眼は、既に金色に輝く人外のそれだった。

0
0

視える世界を超えて エピソード6:月夜 その⑩

「勝っ…………た……?」
少女は放心しつつ呟いてから、緊張の糸が切れたかのように倒れ込んだ。
風化を解除した鎌鼬が少女に近寄り、その背中をつついたが、反応は皆無であった。
「わー……完全に気ぃ失っちゃってますよこの子。師匠ぉー?」
怪異の死骸の方に呼びかけると、その後ろから先ほどまで怪異を捕えて動かないよう止め続けていた種枚が顔を出した。
「まァ、こんなデカい仕事終わらせたんだ。ゆっくり休みゃ良い」
種枚は死骸に刺さっていた刀を抜き、少女の前に放り投げ、少女の髪を掴んで顔を覗き込んだ。
「…………師匠? まさかその子、食ったりしませんよね?」
数分、微動だにせず少女の顔を眺め続けていた種枚に、鎌鼬が恐る恐る尋ねた。
「あァ? 馬鹿言え、お前じゃ無いんだぞ?」
「いや別に俺も人間獲って食うような真似した覚えは無いッス」
「お前が覚えてないだけだよ馬鹿息子め」
「……え? いや待って師匠? 俺、何かやらかしてたんですか?」
動揺する鎌鼬には反応を返さず、種枚は少女の頬や頭を軽く叩き、身体を揺すり、起こそうとしていた。
「…………ん……?」
しばらく揺さぶられ続け、ようやく少女が目を覚ました。
「起きたかイ。おはよう、お疲れ様」
歯を見せるように笑いかけた種枚に、少女は一瞬怯えたような視線を投げた。髪を乱暴に掴まれ頭を持ち上げられている状態では、致し方ないことであろう。

1

Daemonium Bellum RE:ふぉーるんらぼらとり キャラクター集

・堕天使
追放組の堕天使。反逆については自分馬鹿なことやったよなー……くらいの認識。何かもう色々とどうでも良くなって現在は孤独に天使と悪魔の研究をしている。権能は『武器使用の最効率化』。片翼を失って尚その力は衰えず、というか元々そこまで強くない権能であり、雑に言うと武器扱いの品物で発揮する威力が結構高くなり、扱う腕前も強化されるというもの。

・悪魔氏
異形態は鼠色の不定形の物体。スライムみたいな見た目で『首』という概念が無い。また、心臓の代わりに全身の体組織と血管が直接血流を発生させており、『心臓』も存在しない。人間のことは混沌発生器だと思ってるから割と好き。好きだから天使や悪魔のせいで死ぬところはあまり見たくない。天使のことは悪魔を攻撃する分には特に何とも思わない派。でも陣営単位では対立してるから遭遇したら死ぬほど煽り散らす。権能は『人間の死の奪取』。何、大切な人に死んでほしくない? 良いね、優しい願いだ。叶えてあげよう、『死なないだけ』で良いなら。

・天使氏
不幸にも巻き込まれたちょっとかわいそうな天使のひと。対立過激派で堕天使や悪魔を見下し嫌っている節がある。人間のことは守らなきゃいけない存在だと思っているので、人質にされると弱い。権能は『電撃の操作』。ビリビリのバチバチ。

・人間さん
天使氏がいなければ巻き込まれなかったであろうガチでかわいそうなホモサピ。

0
0

Daemonium Bellum RE:ふぉーるんらぼらとり その⑨

青年が片手剣を構え、悪魔氏に突撃する。悪魔氏はすぐに不定形の物質に姿を変え、回避を試みる。けれどあまりにも素早い斬撃の連続に変形が間に合っておらず、みるみるうちに床と壁、天井が悪魔氏の血飛沫に染まっていく。
「こ、これはやべェ……再生が追い付いてねェや。ガチで強いなこれ。お前なんでロングソードなんか使ってンだよ」
少し小さくなった鼠色の物質が震えながら言う。
「射程はあった方が得でしょうよ」
「たしかに」
短い会話の後、また青年が斬りつける。鼠色の物質は変形による回避を止め、部屋全体を飛び跳ねるようにして回避を試み始めた。これによって悪魔氏の回避率はだいぶ向上したように見えるが、それでも先ほどの7割程度の攻撃は継続して直撃しているように見える。
「あッ」
しばらく跳ね回っていると、悪魔氏が素っ頓狂な声をあげて扉に激突した。そこに青年が斬撃を加えたことで、勢いで扉が吹き飛び、悪魔氏が室外に押し出された。
「あっ」
「お前……鍵くらい掛けとけよなァ」
「してたのに壊れたんですけど」
「そっかー。ンじゃ、開いたから取り敢えずそこのカワイソーなヒトカスは追い出して良いか?」
「天使さんごと放り出しといてください」
「アイよ。危ねーから天使の方の拘束は放置で良いか」
「そうですねー」
青年が私に近寄って来て、手足の拘束を片手剣で切ってくれた。
「それじゃ、お帰りくださーい。あなたの住んでる町は東に歩いて半日ほどなので」
青年と悪魔氏に見送られながら、その部屋……というか小屋を後にした。

0

厄災どおる:設定④

・“疱瘡神”イユ
性別:女性  外見年齢:10歳  身長:136㎝
人形の材質:純鉄  悪意:殺意
災害:とある伝染病  能力:動物を対象とした病的ダメージ
説明:最古の“厄災どおる”。今はもう撲滅されたとある伝染病が国内に蔓延していた頃に生み出され、それからずっと人間のために働いてくれている。彼女を生み出した呪術師は既に死んでいるが、その人が「これからは人間のために生きなさい」って最初に言ってきたので、自分が死ぬまでは人間のために尽くす。
頑固だが融通は割と利き、そして飽きっぽいという何とも言えない性格。しょっちゅう「殺す!」って言うし言った以上は殺そうとするけど、基本的にプラスチック製の玩具のバットで背中とかを引っ叩いてくるだけなのでそこまで危険ではない。
戦闘面においては耐久力に優れ、能力を発動すると周囲の動物(ホモサピはサル目ヒト科やぞ)やどおるは全身から血を噴き出して衰弱し動けなくなる。別に病気になるわけでは無く、単純にその症状に襲われるというだけ。件の伝染病の治療薬と同じ成分で症状の治療自体はできるので、彼女の為だけに治療薬が今も少量製造され続けている。
ちなみに愛称の「イユ」は「癒ゆ(いゆ)」が由来。

0

厄災どおる:設定③

・国定呪術師
封人形を用いて“厄災どおる”を生み出し、どおる達を世話したり災害に対処したりする職業。そこそこ難易度の高い試験とそこそこ長い研修期間を経てようやく就くことができる国家公務員。定年は無い。死ぬまで働いてもらわないと困るので。年1ペースで募集され、1度に10人弱が入ってくる。現在の職業人口はギリギリ4桁に届かないくらい。

・国定人形技師
封人形を制作する職業及びそのために必要な資格。呪術的な素養と単純な人形制作の腕が必要な職人系ジョブ。国から補助金も出るので、結構稼げる。公務員では無い。呪術パートが結構危険なので、なりたがる人はあまり多くない。だからこそ国が金出して人員確保しようとしてるわけで。ちなみに呪術の行使は法律で資格が必要と定められている。国定呪術師の中にはこの資格を持っている者も少なからずいる。

・防災省/呪術対策課
“厄災どおる”関係のお仕事をしているお役人さん達の勤め先。防災省は普通に防災対策やらアフターケアやらに尽力し、その中の呪術対策課が“厄災どおる”についての大体の業務を担当している。『発生している』災害しか対象にできない都合上、初動に対してどおるや呪術師の皆さんは無力なので、防災省のお仕事は結構責任重大。彼らが初手で踏ん張ってくれれば呪術対策課とどおる達が全て何とかしてくれます。壊れた国は防災省が何とかしてくれる。

0

Daemonium Bellum RE:堕ちた明星と狼 Act 3

人々で混み合う市の通りを帽子を目深に被った人物が走っていく。道行く人々は突然人混みをかき分けていく人物に驚きながらそれを避けたり、ぶつかってしまったりする。上空からの天使の追跡を逃れるように逃げていくその人物はいつの間にか人気のない街の外れまで来ていた。
「…」
帽子の人物は周囲に人がいないことを確認すると、ホッとしたように近くの壁に寄りかかる。しかし突然、ねぇと話しかけられて帽子の人物はビクッと飛び跳ねる。
帽子の人物が声のする方を見ると、地上では中々見られないような白い外套を着て頭巾を目深に被った人物が立っていた。
「やぁ」
「て、テメェ」
何者だと帽子の人物は後ずさる。白い外套の人物はふふふと笑みを浮かべる。
「ぼくは“サタン”」
見ての通りただの堕天使、と白い外套の人物は右手を胸に当てる。
「なんだよ」
一体堕天使サマが何の用、と帽子の人物が言いかけるとサタンは帽子の人物の口に右の人差し指を突きつける。
「今からぼくが君を助けてあげよう」
「は?」
なんで俺がテメェなんかに…と帽子の人物が言いかけた所で不意に上空から声が聞こえた。
「見つけたぞ‼︎」
この悪魔め!と3人の天使が舞い降りてくる。
「うぉやっべ!」
帽子の人物はそう言って駆け出した。サタンはちょっと待ってよ〜と引き留めようとしたが、おいと後ろから声をかけられて振り向く。そこには上空から舞い降りてきた天使たちがいた。
「そこのお前、アイツを知っているのか」
白い制服を着た天使の1人がそう尋ねる。サタンはあーえっとね〜とにやにやする。

0

厄災どおる:設定②

・封人形
“厄災どおる”を生み出すための人形。竹の地下茎を切り出し加工した心臓のような形状のパーツに、様々な素材を材料にした人型の人形が抱き着いたような外見をした、凡そてのひらサイズ程度の人形。
人型部分の材質は、生み出された“厄災どおる”の強さに影響する。具体的には身体能力と防御力、精神性あたり。どう影響するかと問われるとちょっと困る。割と色んな影響の仕方をする。
特別な名称があるわけではないが、説明時に呼称は必要なので取り敢えず『封人形』『封印人形』と呼ばれることが多い。

使い方は簡単。災害が起きた時に災害の中心あるいは元凶に投げつけたり押し付けたりするとあら不思議、災害は収まりそこには幼い少年少女が。この行程は道具などを用いて間接的に行っても良いです。
生み出された直後、“厄災どおる”は大抵の場合自我が十分に発達していないので、人型になる前と変わらず暴れようとします。封人形を使用した呪術師が直々に追加で呪術的エネルギーを注ぎ込むか、既に人類の味方をしているどおるがボコボコにして(大抵の場合相手が強すぎて人間には太刀打ちできないので)どっちが上か分からせてから追加で呪術的エネルギーを注ぎ込んで仲間にしましょう。封人形に込められた呪術によって、どおるは大人しくなって呪術師の言うことを聞くようになります。

1

厄災どおる:設定①

・“厄災どおる”
様々な災害(天災、地災、人災すべて含む)を、専用の人形を核として人型に凝縮した存在。
基本的には小学生~大きくても中学1、2年程度の幼い子どもの姿をしており、その男女比はおおよそ男3:女97(1d100で決めた。思った以上に女の子ばっかりで草)。
大規模な災害によって生じるエネルギーが小さな身体に封じ込められているので、体温は高い。最低でも37度台はある。ぽかぽか。
心臓部分には封人形(後述)が入っており、血液の代わりに微妙に粘度の高い透明な液体が体内を流れている。心臓型のパーツが特に意味も無く拍動しているため、脈拍もある。
肉体の成長は起きず、呼吸や食事や睡眠は必要はないが気分で摂る。でも発声のためには必須だから呼吸は大体してる。
ダメージは封人形にも反映され、一度体内から封人形を取り出し人型部分を修繕してから元の位置に戻せば身体もまた治る。それ以外の方法では回復せず(一応体内液の粘度のお陰で時間経過で出血は勝手に止まる)、体内液が切れたり封人形の心臓部分が破壊されたりすると死ぬ。
己の元になった災害を特殊能力として利用することができる。
また、元々人類(それ以外も)を害する存在だったのが無理やり封じられている状態なので、その表れか口が悪い。具体的には言葉遣いに悪意だったり殺意だったり見下していたりの悪感情が含まれているように感じられる。でも呪術的に制限されているので人間のために働いてくれるし人間に悪さすることは無い。能力発動中に偶然範囲内にいた奴の事は知らん。戦闘前に退避しろ。