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クイズこれは何でしょう!?

う〜ん…そうですね…
これは…よく使うものです。
よくというか、常にって感じです。
世界中の人が種類は違えど使っています。
生活に、人生に欠かせないものです。
これがないとほぼ生きていけないでしょう。
答えは出そうですか?
…スマホ?
スマホ…ではないんですね〜

えっと他には〜
これは…ほとんどの人が持っていて、使っています。
ですが使う能力、受け取る能力が失われる人もいます。
それでも周りが工夫して、なんとか使えなくても
受け取れるよう協力しています。
…そうなんです!とても『良いもの』なんです。
ですが…それを『悪く』使う人もいるんです。

これはクッションにもなりナイフともなる。
人を受け止めることもできますが、
傷つけることもできます。
これはクッションのように柔らかいわけでもなく、
ナイフのようにとがっているわけでもありません。
ですが使い方によって形が変わるのです。
使う人がどんな形で送ろうと、
形を考えずに適当に送ろうと
受け取る人にははっきり形がわかるのです。

人は、これによって人を傷つけ、生命を落とす。
人は、これによって自分たちを守り、生命を繋げる。
良くも悪くも、人になくてはならないものなのです。
私たちも『良く』使っていきたいですね。
さて、答えはわかったんじゃないですか?
答えをどうぞ!

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二人の囚人がいた。 その②

二人は糊口を凌ぎながら、遂に山麓へと辿り着いた。
星を見た囚人は、整備された山道に気付き、早く登ろうと言った。その言葉で、二人はこの山の安全性を理解することができた。
泥を見た囚人は、もう足が棒だから休もうと言った。その言葉で、二人は久方ぶりに足を止めて疲れを癒やすことができた。

二人が山道を進むと、中腹に小さな村があった。
星を見た囚人は、人形を売って得た金を見せた。村人たちは彼らの価値を理解した。
泥を見た囚人は、下げ慣れた頭を垂れてみせた。村人たちは彼らの礼節を理解した。

二人は一夜の宿を取り、明くる朝山頂を目指して歩き出した。
星を見た囚人は、先陣を切り前を向いて歩いた。その姿で、相方に希望と意志を分け与えた。
泥を見た囚人は、後続して下を向いて歩いた。その目で、相方に安全と道標を指し示した。

小さな二人の手は、山頂に至っても尚星々には遠く及ばなかった。
星を見た囚人は、そういうこともあると慰めた。
泥を見た囚人は、もっと高い山を探そうかと戯けてみせた。

二人の囚人がいた。
一人は泥を見た。星空を夢見る相方が隣にいたから。
一人は星を見た。足元を検める相方が隣にいたから。

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二人の囚人がいた。 その①

二人の囚人がいた。一人は泥を見た。一人は星を見た。
星を見た囚人は、いつかあの星を掴みに行こうと言った。その言葉は、二人の希望になった。
泥を見た囚人は、我々のいる場所はこんなにも汚く醜いと言った。その言葉で、二人は現実を見つめ続けることができた。

ある日、牢の錠が外れていた。
星を見た囚人は、今こそあの星を掴みに行こうと言った。その言葉で、二人は自由へ踏み出すことができた。
泥を見た囚人は、我々の行く道はこんなにも泥濘んでいると言った。その言葉で、二人は転ぶこと無く歩き続けられた。

二人は並んで荒野を歩き続けた。
星を見た囚人は、あの山に登れば星に手が届くやもと言った。その言葉で、二人は疲れた足を動かし続けることができた。
泥を見た囚人は、我々の行く道はこんなにも湿っていると言った。二人は泥水を漉して、少しだけ喉の渇きを癒やすことができた。

二人は泥濘の中に粘土を見つけた。
星を見た囚人は、素朴な素焼き人形を作り上げた。温かなその作品は、旅人の胸を打ち小金と交換された。
泥を見た囚人は、無骨な壺を焼き上げた。頑丈なその作品には、旅の荷物を収めることができた。

二人の行く道は、次第に固く乾いた土を纏いだした。
星を見た囚人は、空を暗雲が埋め尽くすのに気付いた。その発見は、二人の喉を潤す清潔な雨水の到来を示した。
泥を見た囚人は、しぶとく根を張る雑草の虫食いに気付いた。その発見は、昆虫と野草という僅かで明確な食料の存在を示した。

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墓想造物茶会 Act 6

「今ってナツィ寝てる?」
キヲンがそう尋ねると、かすみは、まぁ、多分そうだけど…と答える。
それを聞くとキヲンは、じゃ、起こしに行ってくる!と言って廊下に飛び出し、物置の3つ隣の部屋に向かった。
かすみは、あっちょっと…と引き留めようとするが、キヲンは気にせず扉を開け放つ。
「ナツィおっはよーっ‼︎」
バタン!という音とともにかすみの部屋にキヲンが飛び込むと、狭い部屋の窓際にベッドが置かれているのが見えた。
そしてその上には、ゴスファッションを着た黒髪のコドモ…ナツィが横になっている。
「…うるさい」
少しの沈黙ののち、鬱陶しそうにナツィが呟いた。
しかしキヲンはその言葉をものともせずにナツィに駆け寄る。
「ふへへ〜、ごろごろしてるナツィもかわい〜」
「う、うるさい」
にへへへへへ、とナツィに顔を近づけるキヲンに対し、ナツィはキヲンに背を向けるように寝返りをうった。
キヲンは、ナツィは照れ屋さんなんだから〜とベッドの端に座る。
ナツィは嫌そうな顔をした。
「…それにしてもナツィ」
不意にキヲンが呟いたので、ナツィは嫌そうな顔をしつつも目線だけキヲンの方に向ける。
キヲンはナツィの方に目を向けた。

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午前1時45分、ある庁舎にて

「今日の分、終わりました」
「ありがとう、こんな遅くまで」
「いえ、先輩1人に残業させるなんてできませんから」
「よくできた後輩だね」
「どうも、それにしても最近は多いですね、最適化対象の投稿文が……」
「やっぱり政治とか経済とか、社会の変わり目はね、どうしてもね、仕方ないよ」
「いちいち表現が過激ですよね。むやみに恐ろしく書いたり……そんな文章誰が読むんですかね」
「分からないけど、そういうのは考えたって仕方ないことだよ。社会に出ていく文章は全部ここで確認して、大筋は変わらないように言葉を整えて、当たり障りない形で発信する。それでオーケー」
「でもめんどくさくないですか?」
「めっちゃめんどくさい。でも、これ書いてる人たちの目的って内容を伝えることでしょ?大枠が伝わればいいの。というか、そうするしかない。ほら、多様性の時代だから」
「誰も傷つかないように、でも意見は尊重してって話ですよね」
「分かってるじゃん」
「でもこういう表現する人ってリアリティとか気にしてるんじゃないんですか?」
「ちゃんと作者欄見た?10代で、しかも女の子。戦争のリアルを知らない人が書いたんだから、別にいいよ。そりゃ体験者のノンフィクションならもっと尊重する」
「それって平等なんですかね……」
「別に平等じゃなくていいよ。意見には質ってもんがあるんだよ。そしてその質は『であること』で決まる」
「そんなことってまかり通っていいんですかね」
「少なくともそれが世論だよ。無意識かもしれないけど」
「デモクラシーの時代ですよ?」
「ポピュリズムの時代だよ」
「……」
「別に悪いことしてるんじゃないんだから、そんな顔しないでよ。この仕事って正しいデモクラシーの時代に戻そうっていってやってるんだよ」
「そう、ですよね」
「うん。じゃあ原本、保管庫に持ってっといて。こっちは鍵閉めてくから」
「……」
「何眺めてるの?それさっきまで編集してたやつの文章でしょ?」
「あ、ああ、はい、すいません、保管庫行ってきます」
「うん。終わったら外で待ってて。お礼にタクシー代出す」
「うわほんとマジでありがとうございます」

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【最適化済】2頁目

【前頁から続く】

 ――やっぱり駄目そうだ。

 本能がそう囁きます。その瞬間気が楽になりました。やっと神仏が手を差し伸べた……今の男にはそれが天道神だろうと疫病神だろうと関係はありませんでした。ただ、やっとこの苦しみから逃れられると、一心にそう思っていました。

 ――ああ、最期に、最期に一口でいいから綺麗な水が飲みたかった。俺の末期の水はこんな泥水か……。

 霞む目を瞑る寸前、男の脳裏には諦念に混ざってそれとは別の感情がよぎりました。しかし正体に気づく前に男の意識は完全に途絶えてしまいました。
 

 どのくらい経ったのでしょうか、男は目覚めることができました。
 戻った聴覚に戦争の音が飛び込んできます。薄く開けた眼に容赦なく白い日光が木々の隙間から差し込んで、唐突に肌に張り付く暑さが襲ってきました。戦争で受けた傷がジンと痛みます。黄泉の国でないことは明白でした。

 ――ああ、そうか。

「み……ず、か」

 そうか。あれか。あれの所為か。

 どうせ後で苦しむことになるなら、あんな水は飲まなくても良かった。飲まない方が良かった。

 それなのに何故。

 理由は明白でした。身体が水を求めていたからです。自分の意思ではありません。しかしそれだけで、男の胸の奥底から、生きようという気持ちが湧出してきました。

 ……自分が死ねば兵士達の死は誰にも知られず異国の泥に埋まっていく。彼らと自分に報いずに、このまま死ぬことが許されるのだろうか。自分は許せるのだろうか。

 男は自分に問いかけました。

 明確に答えを言葉にはしませんでしたが、彼は投げ出していた銃を支えにして立ち上がっていました。

 倒れる直前の感情の正体が分かった気がしました。

【完】

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【最適化済】1頁目

戦争について語った短編小説【最適化済】

題名「末期の水」
作者 10代・女
制作 2025年   検閲・最適化 2026年

《本文》
 マニプール河に沿って、兵士たちは歩いていました。行軍と呼ぶのもはばかられる様子でした。

 彼らは撤退する間に次々と亡くなっていきます。彼らが亡くなってしまったその道は「白骨街道」と呼ばれました。歩ける者も、そうでない者も、多くが飯盒と手榴弾と小銃以外は捨て、殆ど身一つです。足元は殆ど裸足のような状態でした。

 ――もう駄目だ。

 朦朧とした意識の中で、最後を悟る男がいました。

 昨晩までの雨で道には川のように泥水が流れています。しかしそれを気にしている余裕はとうの昔になくなっていました。右半身は泥にめり込んで、温い水が滲みて身体がいつもの数倍重く感じています。

 体中が痛い。力が入らない。感染症が生命を蝕む。目蓋が嫌に重い。脚も疲れて立っているのも難しい。腹は減っている。しかし吐き気がする。固形物はもう身体が受け付けなくなって久しい。
 疲れた。もう、疲れたのだ。

 男は細い腕を腰にやりますが、触れた場所に求めていたものはありませんでした。いつの間にか手榴弾の入った布鞄までどこかに捨ててきてしまったようです。
 次に男は投げ出した銃に手を伸ばしました。しかし掴んでも引き寄せることができません。今の男にとってはあまりにも重すぎたのでした。

 ――ああ、水が飲みたい。綺麗な水が……。

 ふと、絶望した脳内にそれだけがぼんやり浮かんできました。
 母の顔も戦友の声も妻子の手のぬくもりも何も思い出せないのに、それだけが。

 気がつくと男は、道の中央に溜まっていた水を無意識に口に含んでいました。綺麗とは言えない水です。しかし、それを起き上がって震える両手で掬います。
 夢中になって二口三口しますが飲み込み切れず吐き出してしまう。また一口飲む。また吐く。身体が液体すら受け付けなくなってしまっていました。

【次頁に続く】

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墓想造物茶会 Act 2

「あ、かすみ」
金髪のコドモがそう言うと、かすみと呼ばれたコドモはまだババ抜きしてたの?と尋ねる。
金髪のコドモはうん!と頷いた。
「露夏ちゃんが暇だからやろうって言い出して、それでナツィが5回負けたの」
「一言多いぞキヲン」
金髪のコドモの言葉に対し、ナツィは呆れたように突っ込む。
キヲンと呼ばれたコドモは、だって事実じゃん?と小首を傾げ、ナツィはため息をついた。
かすみは苦笑しつつ、それはいいんだけどさと話を続ける。
「きーちゃん、寧依が裏口で迎えに来てるよ」
かすみがそう言うと、キヲンはえっ、もうそんな時間?と驚き立ち上がる。
かすみはうん、と頷く。
「だってもう夕方の5時半過ぎてるし」
かすみがそう言うと、キヲンはえーつまんない〜と先ほどまで座っていたイスに座り呟く。
「まぁまぁ、そんなこと言わないの」
駄々をこねるキヲンを正面に座る青い長髪のコドモがキヲンをなだめる。
「寧依はあなたの家族なんだから」
ね?と青髪のコドモ…ピスケスはキヲンの
キヲンは、むぅ〜と頬を膨らませたが、かすみがきーちゃん、と声をかけるとわかったと返した。
「さて、私たちも帰りましょうか」
ねぇ露夏?とピスケスは隣に座る露夏に目を向ける。
露夏は、はいはいと呟いた。

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墓想造物茶会 Act 1

夕方、ほとんど日が暮れたころ。
薄暗くなった路地裏にある小さな喫茶店の2階の物置では、テーブルを囲んで2人のコドモたちがトランプでババ抜きをしており、その様子を傍で2人のコドモが静かに見守っていた。
「あーがりっ‼︎」
犬のような耳の生えた赤髪のコドモはペアになった最後の2枚のトランプを、テーブルの真ん中にできたカードの捨て場に意気揚々と置く。
そのコドモの正面に座る短い黒髪でゴスファッションのコドモは、手の中に残ったジョーカーのカードを意気消沈した様子でテーブルの上に落とした。
「またナツィの負けだね!」
黒髪のコドモの左隣に座る金髪で額にツノの生えたコドモは、そう言って隣の人物の顔を見る。
ナツィ、と呼ばれたコドモはつまらなそうにテーブルに頬杖をつき、うるさいと小声で呟いた。
「今回こそは勝てると思ったのに」
「5戦5敗だなんて今日は運がないなぁナハツェーラー」
「黙れ露夏」
赤髪のコドモに煽られ、ナツィはそのコドモをぎろりと睨む。
露夏と呼ばれたコドモは、だって事実じゃーんと笑った。
それに対しナツィは不満げにそっぽを向いた。
と、ここで物置の扉がガチャリと開いて、ジャンパースカート姿にエプロンをつけたコドモが中に入ってきた。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 連載再開4周年記念! 作者からのごあいさつ

どうも、テトモンよ永遠に!です。
本日、2月24日をもちまして「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」は連載再開4周年を迎えました~!
…ていうか、もうそんなに経ったのかって感じです。
時の流れは速いですね。
てなわけで、近況報告を少し。

最近(ここ数日はまた違うけれど)は春休みですから、絵を描いたり小説を書いたりとわりとのんびりと過ごしちゃってます。
本当はそんな余裕ないはずなんですけど、なんかどうしたらいいのかわからず困り果てたあげくにのんびりしちゃってるって感じです。
まぁ就活に関しては、一番下の弟の高校受験で親がバタバタしていたから話を切り出せなかったってのもあるのですが…
自分は障がい者なので就活は普通の人以上に一筋縄ではいかないんでしょうけど、なんとか頑張ってみせます。
…で、小説に関してですが、「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」の方は25個目のエピソードの執筆が佳境にさしかかってきていて、「造物茶会」の方は1エピソード分できあがっているので今日から投稿できそうです。
なんだかんだどちらも近い内に物語にケリがつきそうなので、最後までお付き合いいただければ幸いです。
あと1月に「企画」の要項を投稿したので、もし参加したかったら過去書き込みを漁ってみてね(自分も参加作品をせっせと書いてる。でもいつ完成するのやら…)。

てなわけで、今回はここまで。
去年はあまりエピソードを進められなかったけど、今年は頑張るので応援よろしくお願いします。
では次は、「連載開始7周年記念! 作者からのごあいさつ」でお会いしましょう。
では、テトモンよ永遠に!でした~。

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【検閲済】2頁目

【前頁から続く】

 夢中になって二口三口する。飲み込み切れず吐き出す。また啜る。また吐く。身体が液体すら受け付けないのだ。
 ――俺ももう✕✕✕。
 本能がそう囁き男を嘲笑った。その瞬間気が楽になった。やっと神仏が手を差し伸べたのだ。今の男にはそれが天道神だろうと疫病神だろうと関係はない。ただ、やっとこの✕✕✕✕✕✕✕✕✕。
 ――ああ、最期に、最期に一口でいいから綺麗な水が飲みたかった。俺の末期の水はこんな泥水か……。
 霞む目を瞑る寸前、男の脳裏には諦念に混ざってそれとは別の感情がよぎったが、正体に気づく前に男の意識は完全に途絶えた。
 
 どのくらい経っただろうか、男は目覚めてしまった。
 戻った聴覚の中に遠くの✕✕音と✕✕声が飛び込んでくる。戦友の✕✕が低く響く。薄く開けた眼に容赦なく白い日光が木々の隙間から差し込む。唐突に肌に張り付く暑さが襲う。✕✕✕✕✕✕✕が土色の肌を刺す。名誉でも何でもない銃創がジンと熱くなる。✕✕✕✕✕の上を✕✕✕✕。黄泉の国でないことは明白だった。神仏は男を見放したのだ。
 ――ああ、そうか。
「み……ず、か」
 そうか。あれか。あれの所為か。
 どうせ✕✕✕✕、後で苦しむことになるなら、あんな水は飲まなくても良かった。飲まない方が良かった。
 それなのに何故。理由は明白だった。身体が水を希求していたからだ。自分の意思ではない。しかしそれだけで、男の胸の奥底から、✕を✕✕✕✕✕得ないという脅迫感が湧出してきた。
 ……自分が死ねば兵士達の死は誰にも知られず異国の泥に埋まっていく。✕✕✕✕を生き、✕✕✕✕を✕✕✕彼らと自分に報いずに、このまま死ぬことが許されるのだろうか。自分は許せるのだろうか。
 自分に問いかけた。
 明確に答えを言葉にはしなかったが、男は自らに✕✕✕✕を払い、投げ出していた小銃を支えにして立ち上がっていた。
 倒れる直前の感情の正体が分かった気がした。

【完】

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【検閲済】1頁目

戦争について語った短編小説【検閲済】

題名「末期の水」
作者 10代・女
制作 2025年   検閲 2026年

《本文》
 マニプール河に沿って、兵士たちは生きたまま✕✕✕ような✕✕なものになってふらりふらりと✕✕していた。行軍と呼ぶのもはばかられる✕✕な様子だった。
 彼らは撤退する間にバタバタ✕✕✕✕✕。道には✕✕や、もうすぐ✕✕になる者があちこちに落ちて、皮肉にもかろうじて歩ける者たちの帰還の道標となっていた。皆瘦せ細り✕✕✕✕✕✕、ある者は体内の✕✕で✕✕✕✕✕✕、ある者は✕✕✕を垂れ流したまま✕✕✕✕✕にたかられ、ある者は✕✕✕✕✕で「✕✕✕くれ、✕✕✕くれ」と喘いでいる。多くの者が飯盒と手榴弾と小銃以外は捨て、殆ど身一つであった。足元は殆ど裸足のような状態である。雨季は✕✕の腐食を早め、✕✕が露わになり✕✕✕✕✕✕を✕✕✕✕が✕✕✕✕✕た。
 ――俺もその一員になるのだ。
 ある男が朦朧とした意識の中で考えた。どこか他人事のようだった。
 昨晩までの雨で道には川のように泥水が流れている。しかしそれを気にしている余裕はとうの昔に失せていた。右半身は泥にめり込んで、温い水が滲みて身体がいつもの数倍重く感じた。
 体中が痛い。力が入らない。熱帯熱が生命を蝕む。目蓋が嫌に重い。脚は皮膚病や脚気に侵されて立っているのも難しい。腹は減っている。しかし吐き気がする。固形物はもう身体が受け付けなくなって久しい。昨日も✕✕を幾度か✕✕た。
 疲れた。もう、疲れたのだ。
 男は✕✕✕✕✕✕✕✕✕腕を腰にやった。触れた場所に求めていたものはなかった。いつの間にか手榴弾の入った雑嚢までどこかに捨ててきてしまったようだ。
 男は投げ出した小銃に手を伸ばした。しかし掴んでも引き寄せることができない。今の男にとってはあまりにも重すぎた。
 ――ああ、水が飲みたい。綺麗な水が……。
 ふと、絶望した脳内にそれだけがぼんやり浮かんできた。
 母の顔も戦友の声も妻子の手のぬくもりも何も思い出せないのに、✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕のに、それだけが。
 気がつくと男は、道の中央に溜まっていた✕✕を無意識に口に含んでいた。泥と✕✕✕✕✕と✕✕と✕✕で汚れ切った水だ。希うものとは程遠いそれを、起き上がって震える両手で掬う。

【次頁に続く】

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Wall Flower

まだ気づかれていない私は
置いていかれるの?
私は道端に生えている
草花と同じなの?

ねえ。教えてよ。
人は何のために生きているの?
何故人は何かのせいにして逃げてるの?
「人を知らずによく生きてきたね」
私はそこら辺にいる人じゃないの
貴方もそうでしょう?

知らず知らずに
周りは先を行く
目立たないように
息を潜めている
私を誘ってよ
隅に咲いている華は
きっと素晴らしいから

何か欠けてしまった私は
取り残されるの?
私は壁に掛けられた
花と同じなの?

ねえ。聞かせてよ。
人は何を求めて生きているの?
何故人は何かを遺して逝くの?
「人を知らなきゃ生きていけないよ」
私は貴方と同じじゃないの
みんなもそうでしょう?

全てを見て
周りは先を登る
息をしているのに
目立たない
私を眺めてよ
地味に咲いている華は
きっと輝き出すから

好きでいてよ
見なくても好きでいてよ
一人でいても何も変わらないよ
見ていてよ
好きじゃなくても見ていてよ
嫌いでいても何も変わらないよ

ねえ。教えてよ。
私は何を成すために生まれてきたの?
私は何を成して空に逝くの?
「人を好きでいなきゃ生きていけないよ」
私は私を愛してたいの。
私だけでも愛していたいの。

ここにある道に
花を咲かせる
その祖先にきっと
いたはずの
私を気に入ってよ
隅で咲いている華は
きっといつかの主役

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 24.ヴァンパイア ㉗

「貴女がわらわの提案に乗らないのなら、無理矢理にでも受け入れてもらうわ」
そう言って、彼女は右手に白い鞭を出す。
そしてそれを静かに振り上げた。
…マズい、そう思ったわたしは咄嗟に横にある路地に飛び込み、そのまま細い道を走り出す。
しかしヴァンピレスは待ちなさい!と叫んでわたしを追いかけ始めた。
わたしはとにかく、暗くなり始めた路地裏をひたすら駆けていく。
ひと気のない細道はひどく不気味で、時間帯も相まってあまり走っているのは気分がよくない。
だがとにかくわたしは逃げなくてはならない。
だってこの状況は、明らかにヴァンピレスがわたしの記憶を奪いに来ているからだ。
”記憶”と言ってもどこからどこまでのものが奪われるか分からないが、ネロ達との楽しかった思い出を奪われたくはない。
それにこの忙しい時期に記憶をなくすのはまっぴらごめんである。
そう思いながら、わたしはひたすら路地裏を駆け、人の多い駅前の方を目指した。
この街でも人通りが多い方である寿々谷駅前まで行けば、人目につくということでヴァンピレスも追って来れないだろうし、攻撃もしづらいだろう。
そう思いつつ駅前に近い細い通りへ繋がる角を曲がった所で、わたしは角から出てきた人とぶつかりそうになった。