うわーっと溢れた。
制限のある世界へようこそ、なんて謳い文句、誰が嬉しいんだ。
ため息すらも飲み込まれそうで、ただひたすら耐え続けて朝を待つ。鳥の鳴き声だけはどこも同じで安心するのもつかの間、撃ち落とされるそれは、とても現実を感じさせるような色味をしていた。
大切に集めていた貝殻もきっと踏みつけられたし、悲しくて悲しくて零れた涙はびんに詰められ並べられた。
大切なものが欠落したこの世界は、ほんの少し遅れて回り続けるんだ。
最愛の人は目の前で消えた。声にならない声でさえもまたびんに詰めるんだ。少し緩む口元が余計に胸を締め付けた。
人は生まれ落ちたその瞬間に、存在価値を付けられ、大切に育てられた意味のある人間は、死ぬことにすら意味を問われるんだ。
簡単になんて死なせないよ。君は意味のある人間だ。