ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 25.ヴァンピレス ㉟
「”ヴァンピレス”なのだから‼」
彼女がそう叫ぶと、周囲に立つ分身たちは具象体の白い鞭を振るいつつ駆け出した。
わたしは驚いて後ずさるが、ネクロマンサーはその手に具象体の黒い大鎌を出し、わたしの目の前に躍り出る。
そして襲いかかってくるヴァンピレスの分身を、鎌の斬撃で消し飛ばした。
ネクロマンサーはそのまま黒鎌を構えてヴァンピレスに向かって走り出し、ヴァンピレスの目の前まで肉薄する。
しかしヴァンピレスは具象体の白い鞭を剣のようにぴんと張らせて、ネクロマンサーの黒鎌を防いだ。
「まさかアンタ、”寂しさを埋めるため”に他人の記憶を奪ってたとはな」
随分コドモっぽいんじゃねーの⁈とネクロマンサーは尋ねるが、ヴァンピレスはそんなの嘘よ‼と悲鳴にも似た声を上げる。
「わらわは、わらわは他の異能力者や、常人が恵まれているのがうらやましくなんかないわ!」
特に貴女達なんか…‼とヴァンピレスは白い鞭でネクロマンサーの黒い鎌を押し切ろうとした。
ネクロマンサーは負けじと白い鞭を押し返そうとするが、不意にネクロマンサーの背後に分身が出現する。