クリぼっち
帰り道の信号待ち LINEの着信音
『君はクリぼっちの人かな?』
なんて突然君が聞いてきた
僕のスマホは宙をまった
…セーフ、ぎりぎり掴めた
なんとか打った 「うん」 ってたった二文字
『一緒だね笑』 てことは彼氏はいないのか、良かったぁ
「どしたん暇なん?(笑)」 勇気を出して打ったら
『いや、デートなのです爆笑』 …笑えないよ
「え!誰と誰と?!(笑)」
僕の精一杯の返信、送らなきゃ良かったなあ…
だって 『ウ~ン…内緒!でも応援よろしく‼』 なんて
君の言葉を見たくなかった
そんなの応援したくないのにまた
「うん」 って送った
『ミスったら電話してもいい?』
アスファルトになにかが落ちた音がして
見たら画面にひびが入った僕のスマホがあった
直後、大粒の涙もアスファルトに落ちた
心の中で打ち返す
ごめん、やっぱ応援できない。
だってこんなに君が好きだから。
実際に打った言葉は、
「もしそうなったら、いくらでも聞いてやる」
失恋するかもしれない日まであと3日
貴女が僕に涙声で電話してくるのを楽しみにしています