回復魔法のご利用は適切に!_8
ぱちん。指の鳴る軽い音と同時に、エリザベスのシオンの足元で青い火花が散る。
「わっ、」
シオンの驚いた声は、床が撃ち抜かれて発せられた爆音によってかき消された。シオンの足元に風穴が空き、一階下へ落ちる。
「きゃーーーーっ!!!」
「、っと!…ごめん、痛いとこないかな?足大丈夫?」
「え、ええ…シオンさんのおかげで私は問題ありませんわ…けれど、あまり相手と距離をとれませんでした、申し訳ありません」
「それは大丈夫!1回隠れよっか。早くその足の怪我治そう?」
「ありがとうございます!その、今更ですけど重くありません…?」
「重くないよぉ、ライオンの子供とおんなじくらい軽々持てるもん」
「ら、ライオンの子供…それは、貶…いえ、なんでもありません…」
シオンはエリザベスを大事に抱えて走り、使われていなさそうな教室に滑り込んだ。そっとエリザベスを座らせ、足の怪我に手をかざす。