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世にも不思議な人々番外編 No.2談義

キタ「いやー、久し振りに登場ですよ」
初「僕はちょっと前にちらっと出たけど」
真琴「いやマジで久し振りだよ俺らは」
キタ「まあ、今回はこの作品で二番目に強い能力者について考察するわけなんだが」
真琴「何故二番目?普通こういうのは最強を考察するものじゃないのか?」
キタ「いやー、それについては作者公認で万能ちゃんが居りますからねー……」
初「あれか」
真琴「あれじゃあしょうがねえや」
キタ「まず候補をあげてみるか。まずは作者がNo.2だと正式に認めてる伏見君だろ」
初「誰それ」
真琴「チャチャさんのことだ」
初「ああ、あの人か」
キタ「次に阿蘇さん。人外モードの時はパワーもスピードも上がって細切れになっても再生するとか」
初「何それ強い。結構良い勝負だな」
キタ「他には、呪術使いの前橋つくばちゃんとかもいたな」
真琴「誰だそれ知らない」
キタ「僕らとはまだ会ってないからね」
初「群馬なのか茨城なのかはっきりして欲しい名前だ」
真琴「そうだ。素のフィジカルだけならあいつも負けてないんじゃあないか?ほら、通り魔のなっちゃん」
キタ「君からそんな言い方が出てくるとは」
真琴「う、うるせー!」
初「確かに彼女もすごいよな」
キタ「あとは、持久力のあいつ。大男。名前はまだ無い」
初「え、嘘、あいつも能力者なのか。この間会ったけどそんな素振り……あったな。すごい深い切り傷作って平気な顔してたわ」
キタ「さて、誰が最強かな」
真琴「なおこの中で最強になっても二番目は揺るがない模様」
初「やっぱりこの中じゃ最古参のチャチャさんを推したいな。一番縁深いし」
キタ「けどあの人呪いに勝てるか?」
真琴「有り得そうなのがなぁ。あの人なら何かどうにかできそう」
初「そうそう、底が見えない」
キタ「僕としては人外の阿蘇さんを推すな。あの人、なのか?姿がもう強キャラだもん」
初「それこそ呪いに勝てるか?」
真琴「逆にあの姿が呪いっぽい」
キタ「まあ結論は個人に任せるってことで」
真琴「終わり方雑だな」

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ⑤

「あ、あと! あと! ハルカは小学校からの異能力者仲間なんだ!」
「ちょ、ちょっと亜理那ぁ!」
突然の発言に、鷲尾さんは動揺した。
「なんてこと言うの⁈ バレちゃいけないのに…! 常人に見えている世界から隠さなきゃいけないモノを、何で…」
もう信じらんない…と彼女は手で顔を覆い隠す。
あ、勘違いしないで!と亜理那は慌てて鷲尾さんに説明する。
「あのね、サヤカはただの常人だけど前々から異能力のことを知ってるんだ! だから大丈夫! 多分他の普通の人たちには言ってないし!」
だから安心して!と亜理那は鷲尾さんを落ち着かせようとした。
それを聞いた鷲尾さんは静かに顔を上げる。
「多分て…それでも1人にバレてる時点で相当大変なことなんだけど?」
あーっ、まぁね…と亜理那はうなずく。
「でも、サヤカはサヤカの方で異能力知るキッカケになった人たちに脅しとかかけられてるハズだから! きっと平気!」
確かにそうだけど…わたしは多分言ってないのに、何で亜理那はその事を知ってる?
…それにしても、亜理那が会わせたい人って、予想通りやっぱり異能力者だったんだな、とわたしは思った。
まぁ、それがまさか面識のある人だとは思わなかったけど。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ④

「あ、そうなの?」
「…そういうものよ」
壁にもたれる彼女はあきれたかのように亜理那を見た。
彼女―鷲尾さんの様子を見ていて、この人は相変わらずなんだな、と思った。…まぁ、つい少し前まで同じクラスだったから、変化がなくて当然なんだろうけど。
鷲尾さんこと鷲尾 遥は、去年わたしと同じクラスの人だった。
こちら側からの印象としては、マジメで冷静。クラスでどんちゃん騒ぎしているような人たちからは、いつも少し離れたところにいるような人。
かと言って、わたしと同じように孤立していたわけではなく、よく同じようなメンバーでつるんでいることが多かった。
でもたいがい、一緒にいる人たちは彼女と同じように割とおとなしめな人達ばかり、亜理那のような人と繋がりがあるとは到底思えなかった。
「ね、ねぇ亜理那。亜理那は鷲尾さんとどういう関係?」
話が一旦落ち着いたところで、わたしは亜理那に切り出した。
「え? えーとね、ハルカはわたしと小学校の頃からの付き合いなんだ。たまにそこらへんでおしゃべりしたりするし」
ねーハルカ?と亜理那は鷲尾さんの方を見る。
鷲尾さんはまぁ、そうね、とうなずいた。

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世にも不思議な人々をリストアップ3

名も無きパントマイマー
名も無き大道芸人。得意技はパントマイム。そっちでの稼ぎはあまり芳しくなかったようす。享年三十数歳。ごめんね。
能力 からくりピエロ
パントマイムのエフェクトを現実にする。壁があるフリをすると本当に見えない壁が発生するし、つるっと転んだフリをすれば周囲の地面はツルツルに滑るようになる。指で鉄砲の仕草をすればそれは殺傷力を持ち、手刀はガチの刃物として使える。
作者のコメント
よく考えたらお前物騒な能力者だな。童謡じゃないから大いなる意思で退場させたけど、本当にごめんm(_ _;)m。え、萩ちゃん?あれはみんなのうた収録曲だから良いんだよ。

阿蘇 一寸
先天性の能力者。両親は彼の能力で変身した姿を不気味がっていて、それ故に親元を離れて一人暮らし中。しかし良心の呵責、または親心からか生活費はたっぷり支給されてる。こんな能力があっても目立たずに生きていけという願いが名前には込められている、らしい。年齢不詳。
能力 森のくまさん
人外のものになる。その姿は肉体、精神の成長に比例してより奇妙なものになる。人外モードの方が楽らしい。もしかしたら人外が人になる能力なのかも……?いやいやそんなはずは。
作者のコメント
とんでも無いキラキラネームだとは思っていたがまさかそんな深い願いが込められていたとは。けどそれでも『ちょっと』は無いよなぁ……。

鬼怒川 達彦
滝沢真琴の同級生。良い奴。あの事件の後、滝沢が元不良と知ったが、今でも信じていない。彼曰く、『あいつが不良?無い無いww普段からあんな真面目なのに?』だそうです。
能力 アイアイ
一度開閉を認識した鍵を開けることができる。彼は根が善人なので犯罪に使うというのは微塵も頭の中に無かったとか。
作者のコメント
コオニタビラコ!あ、ついでに読み方は『きぬがわ たつひこ』です。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 5.クラーケン ②

でも気付いたらいなくなっていた。いやむしろ、わたしが”彼ら”とはぐれたと言った方が正しいか。
事の発端は20分ぐらい前、あのショッピングモールでのこと。
さっきまでわたしと一緒にいたメンバーの1人、ネロが、ココアシガレットなくなったから買いに行くー、と言い出したのがキッカケだった。
それで耀平が、んじゃ駄菓子屋行こー、と言って、あとの2人もそれに賛同して…
…で、わたし達は商店街の裏路地にある駄菓子屋に向かっていたのだ。
でも今はこの通り、わたしは置いてけぼりだ。多分今頃、彼らは目的地に着いているだろう。
…なんとなく、この状況は仕組まれたもののような気がした。
というのも、彼らと辿ったルートは無駄に回りくどくて遠回りのような気がして。
多分彼らは、最初からわたしとはぐれるつもりで、わざと遠回りしたのだろう。
もちろんわたしの考えすぎかもしれないけれど、正直彼ら―特にネロは、わたしの事をあまりよくは思っていないからこうしたのだろう。
今日だって、わたしがショッピングモールで彼らに会った時、ちょっと微妙な雰囲気になってしまったし。
こうなっても仕方がないのかもしれない、本当に。

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世にも不思議な人々㉕ ハッピーバースデー

安芸「あれ、こんにちはチャチャさん。奇遇ですねこんなところで」
伏見「お、おう、お華さん、奇遇だね……」
安芸「こんな所で何をしてるのです?」
伏見「うっ、いや、それは……」
安芸「んー、具体的には、10代女子向けの雑貨店の前で何をしてたんですか?」
伏見「うあー、仕方無い。話してしまおう」
安芸「はい」
伏見「いやさ、君、もうすぐ誕生日じゃない」
安芸「はい、7月13日です」
伏見「そう、明日なんだよなぁ」
安芸「何故に知ってるのです?」
伏見「……キタさんに聞いた………」
安芸「あの人でしたか」
伏見「で、話を戻すけど。まあ折角だから君に何か贈答品でもくれてやろうと思ってね。けどどうにも君のような子の好みは分からなくって」
安芸「へえ。それはなんか、照れますね…」
伏見「ちょうど良いや。何か欲しいものを言ってくれないか?買ってあげるからさ」
安芸「良いんですか?ありがとうございます」

伏見「で、何が欲しい?」
安芸「んー………。あ、これ可愛い」
伏見「………操り人形?」
安芸「はい。この木目が浮いた、何も描いてないシンプルな顔がまた、素敵です」
伏見「へえ…(変わってるなあ)」
安芸「今の間は?」
伏見「いや、別に。じゃあこれで良いね?」
安芸「じゃあ、お願いします」

伏見「では改めて、ハッピーバースデー、安芸ちゃん。祝いの品を贈呈しよう」
安芸「はい、ありがとうございます」
伏見「この人形には僕の能力を込めたから、きっと役立つよ」
安芸「何ができるのです?」
伏見「まあ、発動しないに越したことは無いんだが、まあある種身代わりみたいなものだね」
安芸「ほう」
伏見「ああ、あとこれ」
安芸「これは…造花?」
伏見「うん。枯れない花なんて素敵だろう?造花って個人的に好きなんだ」
安芸「わあ素敵。ありがとうございます」
伏見「どういたしまして」
安芸「今日は色々と、本当にありがとうございました」
伏見「良いの良いの。気にしないで」

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とある姉弟と紅眼の。

ピピピッ、ピピ、
いつものように鳴った目覚ましを止め、おれはまだ眠い目をこすろうとした、が。「…おはよぅ…」
「…!」
声のする方―つまりおれの左隣に顔を向けると、そこにあったのは血よりも鮮やかな鮮紅色。
「…ふふ」
「…お前…」
おれは明らかに人間のものではない紅い眼の”それ”から、思わず目をそらした。
「お前、いい加減他人の布団で寝るのやめろ」
「やだ」
「どうして…」
「すき」
相変わらずのラブコール。まじで嫌なんですけど…
少し前の雨の日、行き場をなくして路頭に迷っていた”こいつ”をおれは拾ってしまった。
ただケガをしていたから、ちょっと手当てだけするつもりだった…のだが、
「これ結ぶのてつだってー」
どうしてこうなった。
「それぐらい自分でできるだろ、てかやってほしいだけだろ」
「うん」
最初は人間だと思っていた。
でも、家に連れ込んで顔を見たら、カタチこそは人間だったものの、その鮮やかな紅色の眼、そして黒々としたコウモリのものそのものと言える羽根を見たときにやっと気づいた。
コレは人間じゃない。
もちろん当の本人は、自らを「悪魔」と称している。でも「悪魔」は人間が勝手につけた呼称だから、もっと言うなら「悪魔と呼ばれるもの」が正しいか。
この時点でちゃっちゃか追い出せばよかったのだけど、こいつを見た双子のアネキが家にいていいよと言い出したから、そのままここにいる。
ちなみに仕事で遠くに住む親はこいつを知らない。いずれ紹介しなきゃいけない時が来るんだろうけど…その時はどうしよう。どう説明すりゃいい⁇
「…ほら、これでいいだろ」
「うん、ありがと」
「朝は時間ねーからあんまり頼むなって」
「でも…」
”こいつ”はついさっきおれに結んでもらった、シャツのリボンの端っこをいじりながら呟く。
ちなみにこのシャツは双子のアネキの。あと一応言っておくが、こいつは♂だ。
性別が分からなくなるぐらいの見た目をしているのは、多分人外だから。
「おぉ2人とも、今朝も仲いいねぇ」
リビングに入ると、双子のアネキがキッチンからこちらを見て笑う。
返す言葉がないおれは、後ろから抱きついてくる”こいつ”を見やった。
ふとおれと目が合った”こいつ”はくすっと笑って呟く。
「…すき」
そういやこいつのすきって…⁈

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ⑰

「いやもう何年もこうだから… 家にいるのも嫌だし。あ、耀平たちに出会ったのは2年ぐらい前だからね? こうやって集まるようになったのはホント最近」
「はぁ…」
ほんの短い間、わたしと異能力者たちとの間にゆるい沈黙が流れた。
…と、不意に、ネロが何かに気付いたように口を開いた。
「…アンタ、意外とボクのことこれ以上聞かないんだね」
「?」
わたしは何のことか一瞬分からなくて、ちょっとぽかんとしてしまった。
「いやアンタ、先週会った時は”異能力”についてガンガン聞いてきたのに、今回は…」
ここまで聞いて、わたしはネロが何を言いたいのかやっと分かった。
「あー…あれ…内容的には聞こうとは思わないよ…」
さすがにああいう不登校とかの、暗そうな話は、ね…とわたしは苦笑いした。
「そりゃな。アイツの話、絶対時間かかること目に見えてるし」
「そーいやこないだは、こっちがちょっと嫌な顔しても”異能力”のことメッチャ聞いてきたもんな…」
耀平や師郎は、わたしに対してあきれ気味に呟く。
「…まさに知識欲の権化」
ぽつっと黎が言った。
「それな。ま、それだから人間は今の今まで繁栄してこれてるんだろうよ…」
師郎はどこを見るともなく宙を見上げた。