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ほーりーふぁいと せってい

一応設定を端的にまとめて投下します。題名に他意はないです。普通に聖なる喧嘩です。

世界観︰田舎。堕天使(片羽)への偏見がすごいとこ。人間が地上に神殿作ると、天使が別荘的な扱いで住んでくれたりする。

ティノ
種族…堕天使。元は普通の天使。
権能…でかいスピーカー。羽を失う前は、半径2km以内の生物の鼓膜を破くこともできた。今は市販のスピーカーレベル。
性格…勇気はあるが押しに弱い(?)巻き込まれ体質で何もやらかしてないのに片羽になったりする。可哀想。

リリィ
種族…天使。この地域では稀有な四枚羽。
権能…レーザービーム。当たると焼き切れる。一気に光線を隙間なく出せる範囲は最大で半径5kmくらい。(現状小説では使ってない)
性格…めっちゃ強気。短気。一応女の子として生きてる。昔やんちゃした頃いろいろあったのでアーサーは嫌い。虫と同じくらい嫌い。

アーサー
種族…悪魔。この地域では稀有な二又。
権能…武器の生成。本人が武器だと認識しているものに限る。また、内部が複雑なものは生成に時間がかかる。本人が銃好きなので銃ばっか作る。
性格…女心わかんないタイプの運動神経良い男子。偏見はない筈だがデリカシーとか倫理観が足りないので失礼なこと言いがち。リリィは嫌い。

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Daemonium Bellum RE:堕ちた明星と狼 おまけ

企画参加作品「Daemonium Bellum RE:堕ちた明星と狼」のおまけ…というか設定です。

・ルシファー/サタン
種族:堕天使(追放)
権能:光を操る
今回の主役。
紫髪で片翼の堕天使。
元々は天界の天使たちのトップ“天使長”だったが、色々あって反乱を起こし追放された。
実は多重人格で、“サタン”は“ルシファー”の別人格。
実際の所天界で反乱を起こしたのは“サタン”の人格の方で、“ルシファー”の方はほとんど関わっていない。
“ルシファー”は常識的で割と大人しい性格。
“サタン”は掴みどころがなく割と明るい。
先の反乱の際にアモンと共に戦ったそうだが、このことを認識しているのは“サタン”の人格で、“ルシファー”の人格は認識していない。

・アモン
種族:悪魔
権能:火を操る
天使たちに追われていた悪魔。
普段は帽子を被っており、異形態は蛇のような尾を持つ狼の姿である。
先の反乱でサタンと共闘したそうで、物語の中でもサタンに助けられている。
サタンに対し当人でもよく分からない感情を向けている。

・ベベ
種族:堕天使(逃亡)
権能:闇を操る(設定上)
ルシファー/サタンの世話を焼いている堕天使。
べべはあだ名で本名は“ベリアル”。
金髪で背中に1対の翼が生えている。
設定上は先の反乱以前に色々あって天界から逃亡し、その後元々付き従っていたルシファー/サタンが堕天したことで再会、世話を焼くようになった。
お茶目な世話焼き。
ルシファーの別人格“サタン”の存在に気付いていないらしく、それ故にアモンのことは知らない。

・下っ端天使たち
種族:天使
権能:不明
アモンを追いかけサタンにボコされた天使たち。
サタンが手加減したので気絶しただけである。

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厄災どおるtutorial:嘘吐き煌星 その③

呪術師の男性、イユ、サユリが一足早く現場に駆け付けると、中年男性が血のついたナイフを振り回しながら滅茶苦茶に周辺の人間に切り付けようとしていた。周囲には数人、倒れている人間も見られる。
「イユ!」
「あー? 私に何か頼むんじゃねーぞ? 殺すぞ?」
「……分かったよ。サユリ、悪いけどあの人の気を引いてくれる?」
「了解です、マスター」
通り魔の男にサユリが滑るような動きで接近する。それに気付いた通り魔は彼女に向けてナイフを突き出したが、サユリはそれを片手に突き刺させることで止め、通り魔が動揺している隙にナイフを持っていた手ごと捕える。
「捕えました」
「ありがとう、これで……!」
男性はボックスから封人形を1つ取り出し、通り魔の男に向けて投げつけた。まっすぐに飛んでいったそれは通り魔の額に直撃し、そこを起点に暗紫色の煙のようなエネルギーが渦を巻いて噴き出した。
数秒後、エネルギーの渦から気絶した通り魔が吐き出されるように放り出され、渦が霧散する。そこには、白いワンピースを着た少女が立っていた。
「んー、細っこいがなかなか背ぇ高い子ができたじゃん。なァ呪術師?」
少女を見ながら、イユが笑う。
「そうだね……これで終わりなら良いんだけど……」
少女は枯れ枝のように細い自分の手足をしばらくぼんやりと見やり、不意に呪術師の男性の方に顔を向けた。
「……あなたが、わたしをつくってくれたんですか?」
「えっ、あ、ああ、そうだけど……」
少女はふらふらとした足取りで男性に近付いてきた。
「ありがとうございます、わたし、あなたのおかげで今、ここにいるんですね……」
少女がふわふわとした口調で言いながら距離を詰め、手が届くほどの至近距離にまで辿り着く。
「このご恩……どうお返ししたらいいか…………」
少女の伸ばした腕を、ちょうど追いついたばかりのソラが掴んで止めた。

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少年少女色彩都市・某Edit. キャラクター紹介②

・“受動的ノーツウォーカー”魚沼理宇(ウオヌマ・リウ)
年齢:14歳  性別:女性  身長:147㎝
芸術:アーケード音楽ゲームプレイ  衣装:学校制服風衣装(ブラウス、セーター)
タマモの戦闘スタイルに憧れてリプリゼントルになった少女。趣味は音ゲー。体力の都合で1日3クレジットまで。
戦闘時は長さ30㎝程度の棒を2本描き、リズミカルに攻防一体の連打を放つ。多少の変化はソフランで慣れてるから大丈夫だけど、やっぱり一定のリズムの方が楽だなー……って。
絵はあまり得意では無いので簡単なものしか描かないというか描けない。代わりにインキに手を突っ込んでコーティングするようにガントレットを生成したりもする。
個人的「打撃ダメージによって内臓ズタボロにして血を吐きながらも強気に笑って戦い続ける姿が似合う子」No.1。ナニガシの寵愛を受け、出てきたら大抵酷い目に遭う。

・“モデラー”ぬぼ子
年齢:10代後半  性別:女性  身長:159㎝
芸術:3Dモデリング  衣装:サイバーパンク
『雨野ぬぼ子』の名前で活動している動画投稿者。主な動画ジャンルは3DCGアニメーション。とある目撃者の証言によると、「3Dモデリングソフトを起動して、直方体のCGモデルを生成した。そこから腕組みをして何やら考え込み始めたので、5分ほど席を外し飲み物を買って戻ってきたところ、姿勢は全く変わっていなかったにもかかわらず画面の中に極めて精緻なヒトの腕のモデルがあった」とのこと。ガラスペンの使い方も独特で、3点を指定することで直方体を瞬時に生成し、拡大・複製して相手を押し潰す戦法を得意としている。
よくコーヒー飲料やエナドリを飲んでいるがカフェインはもう効かない。美味しいから無問題。
素の性格は引きこもりの陰キャだが、人前では行動力ある明るく面倒見の良いお姉さんを演じるようにしているため、他のリプリゼントルからは大人気。

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少年少女色彩都市・某Edit. Modeling Master Amenonuboko その⑥

「すごかったじゃない、新人くん。この調子なら、私なんかいなくても十分やっていけると思うよ」
勝利を収めて呆然としている新人くんの背中に声を掛ける。
「あ、ぬぼ子さん。いえそんなこと無いです。ぬぼ子さんが後ろ盾になってくれたおかげで、安心して戦えたので」
「けど君、すごいねぇ。動物描くの上手いし、あのうさぎさんなんか勝手に動いてくれたよ?」
「え、何それ知らない……あのウサギ、何したんです?」
「あの芸術家さんについて行くように言ったらその通りにしてくれたよ」
「へー……。と、取り敢えず」
新人くんがガラスペンを軽く振ると、馬やサイたちは消えてしまった。きっとうさぎさんも消えたんだろう。
「今日はついて来てくれて、本っ当にありがとうございました!」
新人くんが頭を下げてきた。
「良いよ。また何か困ったことがあったら遠慮なく言ってね? 夕方以降と土日は大体空いてるからさ」
「はい、また機会がありましたら、ご指導よろしくお願いします!」
「うん。それじゃ、私はのんびり歩いて本部に戻るから、じゃーね」
新人くんに向けてひらひらと手を振りながら別れの挨拶をして、眠気を思い出しつつあった身体を引きずりながら本部の私の休憩室を目指した。

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厄災どおる tutorial:嘘吐き煌星 その②

呪術師の男性がサユリにも声を掛けようとすると、彼女は既にそれまでいた場所から離れており、肩掛けベルト付のボックスを男性に対して差し出していた。
「はい、マスター」
「え、ああ、ありがとうサユリ。助かるよ」
「気にしないで、マスターはただの人間だからわたし達が助けないと無能のクソ雑魚ナメクジだから……」
「あっはい」
机上の籠から封人形を十数個ボックスに放り込み、男性はボックスを肩にかけ扉に向かった。
「じゃあ、行こうか」
「「「了解」」」
3人の答えを背に、男性は部屋を出て、そのまま街へと繰り出した。

呪術師の男性を中心に、3mほど前方にプラスチック製のバットを肩に担いだイユ、隣にサユリ、2mほど後方に通信端末を手にしたソラがついていく形で一行は街を見回っていた。
(はぁ……めんどくさ……。いやたしかに戦闘能力でいえば私が1番弱いよ? だからって電話番任せるとかさぁ…………我らが主さまはさぁ…………あ、良いこと思いついた)
ソラは能力を発動し、自身の周囲に微弱な電磁波を流した。
(はーいジャミングかんりょー。これでもう電波が悪いので連絡つながりませーんざーんねーんでぇしたぁー)
内心だけでほくそ笑み、ソラは空中を漂う電波から電脳世界の情報を閲覧し始めた。
「……あ」
「どうかした、ソラ?」
小さく呟いた声に、呪術師の男性が立ち止まり、振り返って尋ねた。
「主さま、近くに通り魔が出たそうです」
「具体的な位置は」
「進行方向から右に2ブロック、前方3ブロック」
「分かった。みんな、少し走るよ」

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【非公式】少年少女色彩都市・公式キャラクター紹介

少し前にナニガシさんも参加したリレー小説『少年少女色彩都市』のキャラクター設定を、ナニガシさんの主観で雑に乱暴に書いていきます。より詳細な設定は原案のテトモンさんや企画者の点Pさんがきっと書いてくれる。
・叶絵さん
芸術:イラスト/ポップなアニメ調の人物画(部分)、ダークなアニメ調の背景
衣装:ピンクいワンピース風の衣装
本作主人公。イラストを描くことだけが取り柄の少女。妹が優秀過ぎてコンプレックスの塊。プレリュードが前奏曲であることだけは何故か知っている。得意分野はポップな感じの人物画とダークな感じの背景。鳥さんも描ける。でもこの子、全身画描けないんだよな……。多分SNSや投稿サイトに絵を出しちゃいけないタイプ。ちょっとでも叩かれたら唯一の取り柄もへし折られて死ぬしか無くなる。
・薄紫色の少女
芸術:イラスト/トゥーン調モチーフ不問
衣装:華美な装飾の薄紫色のワンピース
リプリゼントルの中でも特に強い部類らしいリプリゼントル。クソガキ。ちっちゃくて(重要)強い。嫌いなものは嫌いと言う子。彼女がものを描いてる描写はナニガシさんしか描いてないからナニガシさんがいくらでも設定用意して良いよね。ちなみに本名は知らないけどナニガシさんは臼村早紀(仮称)って呼んでる。ウスムラサキ。本名気になるね。
・和湯典礼
芸術:演奏/バイオリン
衣装:燕尾服
音楽を得意分野とする少年。バイオリンを描いて演奏すると相手は干し肉になる。コワイ!
けど燃費がたいへん悪いようで1日に何度も戦えない。あとお兄さん、演奏専門の割にきちんと弾けるバイオリン用意できるなんて、絵ぇ描くの上手いねぇ。やっぱり普段から見慣れてるものは描きやすいんだろうな。
・和湯のお姉さん
少年の姉貴。本名はテトモンさんの頭の中にある。元リプリ。ガラスペンはまだ持ってるけど、芸術性は既に枯れかけてるらしい。そりゃ有能な芸術家は早逝なもんだけど、芸術性だけ死んでるなんて何があった?

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少年少女色彩都市・某Edit. Modeling Master Amenonuboko その⑤

白蛇から下りた芸術家さんをエベルソルから守るため、まずは防壁を生成する。次いで両脇を固めた避難路を形成し、避難を指示した。
「避難完了ヨシ。……さて、あの人の避難に最後までついて行ってあげるべきか、新人くんの戦いを見守っておくべきか……そうだうさぎさん」
腕の中に抱いたままのうさぎさんに声を掛ける。
「あの人について行ってあげてくれる?」
うさぎさんは私の腕からするりと抜け出し、芸術家さんの後を追うように走り去っていった。
「民間人の警護ヨシ。新人くんは頑張ってるかなー?」
階段を生成し、防壁の上から顔だけ覗かせる。新人くんは2頭の馬を前衛にしながら蛇に攻撃させ、また別の何かを描いている。今度は何を描くのかな?
結構大きい動物みたいだ。がっしりしていて、重厚な体つき。太い四肢。鼻から生えた太い角。
あれだ、シロサイ。アフリカゾウの次に重くて大きな陸生哺乳動物。
新人くんの指揮で、サイが突進する。馬たちが横に躱すのと同時にエベルソルと衝突し、敵を数mもふっ飛ばしてしまった。
「そのまま、轢き潰せ!」
新人くんの指揮に従ってサイはエベルソルに突進し、その重たい全身を使ってぺしゃんこに潰し倒してしまった。

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厄災どおる tutorial:嘘吐き煌星 その①

“対策課”の一室。その入り口に近付く気配に、少女は仲間たちに無言のアイコンタクトで意志を伝えた。仲間たちもまた無言で頷き、陣形を完成させる。
そしてドアノブが動いた瞬間。
「突撃! 殺せぇー!」
少女の合図と同時に、入室してきた人間に少女らが一斉に飛びかかった。瞬く間にその人間をうつ伏せに押し倒し、少女は背中の上に飛び乗った。
「いっひっひっひっひ……制圧完了」
満足げに笑い、少女は押し倒された人間――その呪術師の男性の背から下り、仲間たちに解散の命を送った。
「やあ、イユ……また新しい手口かい」
呪術師の男性が苦笑し、立ち上がりながら少女――イユに呼びかける。
「ああ、こないだ本で読んだんだ。たしか……何つったっけ? ソラ、あれ何ていったっけ」
小学校低学年程度に見える小さな少女、ソラはおずおずとイユの隣に近寄りながら答えた。
「たしか、ねっさつほーきゅーっていうんだよ。ミツバチがスズメバチを取り囲んであっためて殺すの」
「そうそれ。流石にちと数が少なかったかな。いくら私らの体温がぽかぽかといっても、さすがに3人ぽっちで蒸し殺すのは難しかったか。おい呪術師ィ、あと10人くらい仲間増やせよ。その時はきっちり熱殺してやる」
「そうかい……努力するよ」
最後の1人の仲間、2人よりいくらか年上に見える少女、サユリが2人の近くに寄っていったところで、呪術師の男性はあらためて3人に向き直った。
「それじゃあ、出掛けるよ。ソラ、通信手をお願いできるかな」
「うっわまた私にそういう面倒なの押し付ける……」
それまでの自信なさげに背中を丸めた姿勢は変わらず、表情と口調だけは刺々しくソラが答える。
「イユ、人形のストックは?」
「そこの机の上にあんだろー。個数はまだそれなりだし、この間発注した分は明日到着だし。あ、私に荷物持ちなんかさせんなよ? させたら殺すからな?」
「分かってる分かってる……」

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Daemonium Bellum RE:堕ちた明星と狼 Act 7

「…でも、ぼくのかつての戦友に手を出そうとする奴は許せないなぁ」
サタンはそう言って右の人差し指を茂みの中に隠れていた天使に向ける。茂みの中にいた天使は驚いて身構えた。
「貴様、何を…⁈」
その天使が言い終わる前にサタンの指先から閃光が放たれる。その光は天使の胸元に向かって真っ直ぐ伸び、天使を一気に吹き飛ばした。
「なっ⁈」
他の天使たちは驚いて後ずさる。吹き飛ばされた天使は大木にぶち当たりうっとうめいて気絶した。サタンはちらと他の天使たちの方を見る。
「…その権能、まさか⁈」
天使たちが弓矢を構えると、サタンはうへへへへと笑う。
「そう、そのまさかさ」
サタンはそう言って指先を向けるとそこから光線を撃ち出す。天使たちはバッと飛び上がってそれを避けた。光線は近くの木々にぶつかりその表面を焦がす。
「なんでコイツがこんな所に⁈」
「おいおいマジかよ…」
「とにかく、やるよ!」
飛び上がった天使たちは口々に言いながらも弓矢を構える。しかしサタンはニヤリと笑って右手を天使たちに向けた。
「このぼくに立ち向かおうとはいい度胸だね」
…それでも、とサタンは指先を光らせる。
「君たちに、負ける訳にはいかないんだ!」
サタンはそう言って指先から光線を撃ち出す。光線は空中で3つに枝分かれして天使たちの心臓近くに当たった。
光線を喰らった天使たちはそのまま力なく地面に落下する。サタンはその様子を見届けると、いつの間にか人間態に戻っていたアモンの方を見た。

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少年少女色彩都市・某Edit. Modeling Master Amenonuboko その④

「うさぎさんはこっちにおいでー……」
うさぎさんを左手に抱え、もふもふを堪能しながら直方体を生成する。
「ちょっとインスピレーション、湧いてきたなぁ。少し工夫してみようか」
直方体を薄っぺらく潰し、長ーく引き延ばし、先端を尖らせて、おまけに柄も付けちゃう。そうだ忘れてた。側面は斜めに削って……。
「はい完成、ちょっと雑になったけど強そうな大剣。くらえー」
回転させながら射出したそれは、上手いことエベルソルの肩の辺りに突き刺さった。
「次はー……こんなのはどうだろ」
新しく生成した直方体を、今度は思いっきり細長く引き伸ばす。頂点を増やし、形を微調整しながらできるだけ綺麗な円柱に仕上げ、先端にもう一つ小さな直方体を引っ付けて、少しこねくり回して……。
「よしできた。ジャベリン、ごー」
完成した槍も、奴に向けて飛ばす。これは前肢に上手く命中した。
「次は……斧とかどうかな?」
柄にするための直方体と刃にするための直方体。二つを適当にいじくり回して、合体させて、接合部を違和感が無いように微調整して、あっさり完成。
「そーれ飛んでけー」
放物線を描いて飛んでいった戦斧は、重心の偏りから自然に回転を始め、奴の背中にぶつかって弾かれた。
「……あれ? 背中……もしくは胴体がそこそこ硬い感じかな? じゃあまずは肢を削って動きを封じるのが良い感じかな」
次は何を作ろうか考えていると、巨大な白蛇が現れた。これも新人くんの描いたものだろうか。その首には一般市民の人がしがみついている。
「ここの人が中にいました! 助け出したんで、チャリオットで安全な場所に連れて行こうと思うんですけど」
扉の吹き飛んだ玄関から出てきた新人くんがこっちに呼びかけてくる。
「保護は私がやるよ。新人くんはエベルソルをお願いできる?胴体が硬くて、脚はそれほどでもない感じだから参考にして」
「分かりました!」

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Daemonium Bellum RE:堕ちた明星と狼 Act 6

「ん、ンなワケねーよ」
「嘘つけ〜」
サタンはアモンの前に回り込んでからかう。
「本当はぼくのことが好…」
そう言いかけた所でアモンはバッとサタンの口を塞ぐ。サタンはもごもご言いながら抵抗するがシッとアモンが人差し指を立てたことで動きを止めた。
「…何かいる」
アモンがそう呟いて辺りを静かに見回す。サタンも周囲に目を配ると、確かに何かの気配を感じられた。
「これって…」
「ああ、これは…」
2人がそう言った時、少し離れた茂みの中から矢が飛んできた。
「⁈」
2人は咄嗟にそれを避ける。そしてアモンは腰に帯びている長剣を矢が飛んできた方に向けて投げた。すると茂みの中から白い独特の制服と白い翼を持ち、弓矢を携えた天使が飛び出してきた。
「やっぱり天使か‼︎」
アモンはそう声を上げて蛇のような尾を持つ狼の姿に変身し、茂みの中にいた天使に飛びかかる。しかし天使は空中に飛び上がって避けた。
「‘}+<=!」
アモンは唸って口から火炎を吐くが、そこへ上空から矢がいくつも降ってきた。
「⁈」
アモンは即座にそれを避ける。上空を見上げると先程倒した天使たちが舞い降りてきた。
「…やっぱり、仕組まれてたんだ」
サタンは上を見上げながら呟く。
「君を街中から森に追い込んで、逃げられなくしてから倒す…」
下っ端天使らしいやり方だねとサタンはこぼす。アモンは静かに頷いた。

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Daemonium Bellum RE:堕ちた明星と狼 Act 5

天使たちと接触したサタンとアモンが街外れから逃げ出してから暫く。
2人は街から離れた森の中を歩いていた。
「ねーどこまで逃げるの〜?」
のんきに尋ねるサタンに対しアモンは仕方ねぇだろと返す。
「アイツらは諦めが悪いからな」
できる限り逃げないと、とアモンは呟く。サタンはふーんと頷いた。
「…ねぇ」
不意にサタンが話しかけたので?とアモンは聞き返す。
「君さ、例の“反乱”の後どうしてたの?」
その言葉にアモンはぴたと足を止める。
「…なぜ今さらそれを」
「いや〜だってぼくと会うの久しぶりじゃん?」
ずっと何してたのかな〜ってとサタンはアモンの前に回り込む。
「…別に」
テメェに話すことはないとアモンはそっぽを向く。
「えーぼくたちちょー仲良しだったじゃーん」
冷たいなぁとサタンは笑うが、アモンは嫌そうな顔をした。
「…テメェに語ることはねぇよ」
アモンはそう言って歩き出す。あーちょっとーとサタンもその後に続く。
「て言うかテメェ今まで何してたんだよ」
あの反乱の後急に俺の前から姿を消しやがってとアモンは呟く。サタンはいやーちょっとねと頭を掻く。
「ぼくあの後天界に連行されちゃってさ」
それで色々審理を受けてたんだよねーとサタンは続ける。
「で、その結果こっちに来たっていう」
「あっそ」
アモンは適当にそう返した。
「…もしかしてぼくがいなくて寂しかった⁇」
サタンの言葉にびくりとアモンは反応する。