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No music No life #6 フィクサー

結月視点



数日後、僕の裁判が行われた。3人が証人になって、面会の日に僕に言ったことを証言してくれた。
だが、美月は僕にも言ってなかったことがあったらしい。それは、「橘副司令、あなたは、ライフルの名手、川上春樹なのではないですか?」
美月が言った瞬間に、辺りがざわめき始めた。
春樹は笑いながら、「よく知っているね。さすが、俺の妹だ。」そう、言い放った。
「私は、もうあなたなんかの妹じゃない。」
美月と春樹の口論になってきている。
そして、美月が
「あなたでしょう?涼香さんを殺したのは。」
と言うと
「ああ。そうだよ。悪い?」
春樹が返した。
「お前!」
美月が言うと同時に、時雨ちゃんが美月を止めた。そして時雨ちゃんは、
「裁判長、これで分かりましたよね?
高嶺涼香を殺したのは、川上春樹です。
これで、御影結月の無罪が証明されましたよね?」と言った。
そして、裁判長は、
「これより、判決を言い渡す。
被告人御影結月は、無罪である。」
この言葉により、僕は釈放、関係者の人に、めっちゃ謝罪された。人が、自分にヘコヘコ謝ってるのってなんか、こっちにも、罪悪感が芽生えてくる。
けれど、僕は、体調不良で、涼香が殺されたショックで精神疾患になりかけていたため、入院した。


【続く】
—–———–———–———–———–———–——–––
私、イカとにゃんこは、志望校に合格できました!なので、これからもガンガン書き込んでいきます。
これからもよろしくお願いします!

イカとにゃんこ

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死にたがりのお人形 第一弾

びゅーぅびゅーぅと、高層マンションの屋上には、風が吹いています。
日が暮れる頃、空が紫色になる頃―その屋上に人がたたずんでいます。
―都会の光は、綺麗ね―
その人はぼんやりと思いました。
(ここでなら、―)
「…おい」
その人に誰かが話しかけます。その人が振り向くと―
「…よぉ」
白い狐の仮面を被った少年が、ポツンと立っています。
「なんの御用かしら」
その人は尋ねます。
「―まさか、死ぬのか?」
唐突な質問に、その人は動じません。
「初対面にその物言いとは、随分と命知らずね」 
「別に? 俺もぶっちゃけ言うと、消えに来た」
狐の仮面がそう吐き捨てます。
「あらそう? 私は、ただ高いところが好きでここにいるの」
その人は言います。
「ふぅん」
尋ねる側は興味をなくしたよう。高いところが好きなその人は、会話が続かないのがつまらなく、不機嫌そうにこう尋ねます。
「あなた、なんていうの? 名前」
「フン、名乗りたくもない。名乗るとしたら霊狐(レイコ)とでもいうか?」
「…そうね。確かに、狐の仮面を被っているし」
霊狐の顔は見えませんが、何となく、にやりと笑ったのがわかりました。
「そういうお前は?」
「あなたが、実名を名乗らないなら、私はおあいこで、朱鷺(トキ)と名乗りましょう」
「ほう…」
霊狐は感嘆します。
「一つ聞きますが、あなたは人間ですよね」
「当たり前だ。仮面をつけているのは、ここで消えた後、すぐに身バレしたくないだけだ」
「あらまあ…」
「もう暗くなるぞ。帰れよ」
「あら、あなたは消えないのです?」
「お前と話したら、消える気が失せた。だから帰る」
霊狐はくるりと踵を返してエレベーターへ向かいます。
長い髪の少女朱鷺は、不思議な笑みを浮かべながら、霊狐のあとを追いました。

はい。フッと思いついた小説です。日常系のお話です。しばらく続きます。ちなみに彼らは本名を語りません。次回は…いつ書くか未定。忘れたころかも。今月・来月は、きっとない(笑)

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Advent the greeting of writter ~作者からのごあいさつ~

26日まで連載(投稿)していた小説の、あとがきみたいなものです、コレ。ホントは昨日投稿するはずが、書き込み確認へボタンを押したら、書き込み吹っ飛びました…だから今日書き込んでます。「Advent」という物語は、クリスマス(12月25日)に開催される、「クリスマスフェス」という架空の音楽イベントに向けての日々を、6人の中3男女の視点で描いた、わたしのちょっとした思い付きからできた物語です。全31回(実質は全25話。第25話はそれぞれの視点⦅side R/Sa/I/Y/Su/K⦆の6回とホントのホントの最終回に分かれている)で、12月1日~12月25日まで毎日投稿!のつもりが、最終回は26日に投稿しちゃいました(笑)。まぁこの物語を投稿して分かったことは、自分には計画性ってないな!ってことです… でも書いてて楽しかったな。物語が進むにつれ、キャラにどんどん血が通うようになっていくというか、自分の意志を持って動くようになったというか…彼ら・彼女らは、1人の人間になったんですよね(笑) 物語の中のキャラクターじゃなくて、我々と同じ人間… ちなみに!各主人公の名前は、クリスマスや冬に関係する言葉にしていて…紹介するとこんな感じ↓
・柊リイ(ひいらぎりい)→クリスマス飾りのリース⇒リースからスを抜いてリー
=リイ。柊(ひいらぎ)もクリスマスの飾りから。
・十文字参太(じゅうもんじさんた)→サンタクロース=サンタ⇒漢字を当てて、参太。十文字はキリスト教から(クリスマスはもともとキリスト教の行事)。
・栗木イチゴ(くりきいちご)→イチゴはクリスマスケーキに載ってる苺から。んでもって、クリスマスケーキを無理やり省略・当て字で栗木。
・郡雪夜(こおりゆきや)→雪の夜で雪夜(ホワイトクリスマス。ちなみに彼の住む町は雪国)。郡(こおり)は、氷の当て字。
・神宮寺鈴(じんぐうじすず)→クリスマスソング⇒ジングルベル⇒ベル=鈴。ジングルベル⇒ジングルをもじって神宮寺。
・入間コウ(いるまこう)→イルミネーション⇒イルミ⇒当て字で伊留美(初期設定)⇒もじって入間(いるま)。イルミネーション⇒光⇒音読みでコウ⇒違う字を当てて洸⇒カタカナ表記でコウ。
とりあえず、「Advent」って物語は完結しましたが、彼ら・彼女らの人生はこれからも続いていきます。読んでくれたみんなありがとう! 

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Advent 12/25 PART1

「…あ、来た来た!!」
「えマジ⁈」
「来なかったら困るでしょ」
なかなか来なかった人物が、やっと姿を現して、みんな騒ぎ出した。
「おーい!」
遅れた本人は、笑いながらこっちへ走ってくる。人混みでうまく進めてないけど。
「遅いぞ参太」
「ほんとゴメン。やっぱりこの人混みキツイよ…」
遅れた本人、参太はちょっと息切れしている。多分慌てていたのだろう。
「あ~、わかる。これはキツすぎるよね」
「東京の通勤ラッシュはこれ以上もあるぞ~」
「うわ! じゃイチゴ東京に生まれなくって良かった!」
「あれだったら雪夜にでも守ってもらえばいいじゃん」
「ええええええ! そういうこと言わないでくださいよ鈴!」
「ごめんごめん~ だって一緒にここ来たし」
「…」
全員がそろって安心したのか、雑談が始まった。
「移動時間どれくらいかかった?」
「2時間とか…」
「私30分~」
「いいなぁリイ、こんなに近くって」
「逆に長いほうがよくない?」
「おいおい、コウあんた開き直ったのか~」
「あ、でも移動時間長くても短くても、楽しめるっちゃ楽しめるか」
「そっちが開き直んのか」
あきれる参太、笑うリイ、何も言えないコウ。
「あ、そーだ。クリスマスプレゼント持ってきたんだけど」
「え見せて!」
「ほら、ちゃんと全員分作ったんだよ~」
「えカワイイ!」
かわいいモノに飛びつく女性陣。対して男性陣は
「…女子だね」
「当たり前だけど?」
「あ、わかった。うらやましいんだろ~」
「そんなわけないし!」
「あ、男子分もあるよ~」
「おう、サンキュー!」
男性陣は男性陣でプレゼントを受け取った。中身は手作りのストラップ。イチゴが勉強の合間を縫って作ったもの。
「ふーん、よくできてる」
「そのリアクションつまんな!」
「別によくね⁉」
「まーいいから、いいから」
よくわからないツッコミの応酬を続ける2人を、リイはなだめた。
「あ、写真撮ろうよ!」
「いいね!」
「去年も同じこと言ってたぞイチゴ」
「え~別にいいじゃん」
「とにかく撮ろっ、ライブ始まっちゃうし」
「でもどうする? 誰かに撮ってもらうのか?」
「あー…自撮りで!」
「じゃ、あたしがやるよ。一番腕長いのあたしだし」
「何その自慢~」

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Advent 12/25 side Y

いくら東京とはいえ、自分家の近所とはここはえらく違っていた。
とにかく人が多い。あと建物が多い。建物の規模も全然違う。
初めてクリスマスフェスに来た時、その何もかもに驚きっぱなしだった。
2回目だから、そこまで驚かないけれど、相変わらず人の多さには引いていた。
会場は混んでいるし、ついでに自分は道に迷いかけてるし…
せっかく手に入れたマップもなくしてしまって、もはや八方塞がり。
途方に暮れながらも、どうにか集合場所へ向かおうとあがいていると、
「…」
ふと視界に、見覚えのある人影がうつった。人影はすぐにどこかへ走り出そうとしたから、誰かまでは分からなかったけれど、そのときにぽとり、と帽子を落としていった。
「…これ」
手に取った帽子は、明らかに見覚えがあるものだった。でも、どこで…
「!!」
思い出した。これ、去年も拾ったんだよ。目の前で落としていったから。
そう、その持ち主は―
「あの」
考えるより前に、体が動いていた。
振り向いたその人は、僕を見て目を丸くしている。
「これ…!」
「あ!」
あちら側は興奮して叫んでいた。
「あのときの、あのときの…!」
「そうそうそうそうそう!」
「あ、でも待って、名前は…」
「え嘘、忘れた⁈」
想定外の事態。相手側が名前をド忘れしてるなんて、ちょっとひどい。あの6人の一人なのに⁈
「…名前は、」
「雪夜。」
よかった、思い出してくれたみたい。にしても、よく忘れてたな…
「早く行こっ!」
「もちろん!」

ラスト、書き込む側も大興奮です…(なんなんだ自分)

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Advent 12/25 side Sa

「次は~東京、東京~」
普通は聞かないようなこのアナウンス、あの時決死(?)の作戦を遂行しなければ、こうして聞くことはなかっただろう。
新幹線を降り、混み合うホームをかき分けかき分け、やっとのことで改札についたとき、その外によく知っている顔があった。
「ようこそ、東京へ~」
「聖名(せな)…」
皮肉めいた笑顔を浮かべる大学生の姉に、おれはため息をついた。
「お母さんが、参太一人じゃ心配だからついて行ってあげて、って頼まれたアタシが、わざわざ迎えに来てあげたんだからね~ 感謝なさい」
「へいへい」
感謝なんてするかよ、とおれは口をとんがらせた。
「そういえば、お父さんとかお母さんとか、おじいちゃんとかおばあちゃんとか、元気? あとネコのクリスも」
クリスとは、聖名が家で可愛がっていた白ネコだ。
「みんな元気だよ」
おれは素っ気ない返事をした。
「なら、よかった」
聖名は、冨院、地元が恋しいみたいなことを電車内で言ってたけど、おれはほぼ聞いていなかった。
頭にあるのは、みんな、無事集まれるかどうか、それだけだ。
「つぎは~」
「あ、次降りるよ~」
アナウンスを聞いて、聖名は言った。ああ、もうすぐなんだ、とおれは思った。
あと少しで、みんなに会える。

え~、悲報です。最終回「12/25」は、今日中に書き込めないことが確定しました。ごめんなさい…

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Advent 12/24

遅れちゃってて、確実にツッコミくらうだろうけど、最終回の一話前! スタート↓!

今日は、12月24日、クリスマスイブ、今年は天皇誕生日の振り替え休日。
いつの間にか、25日が―クリスマス当日が、迫ってきていた。
明日はクリスマスフェス、なんとか俺も親から許可をもらって、行くことができる。
そういうことを考えながら、駅前の塾に向かっていると、
「よっ!」
「先輩なんでここにいるんです?」
「友達と待ち合わせ」
「ああそうですか」
相変わらずのご登場。去年まで、同じ部活の先輩だった光ヶ丘先輩。
「どこ行くの?」
「塾です」
「あそ、じゃ頑張ってね~」
ちょっと待て! 普段は立ち去ろうとすると意地で止めに来るのに、なんで今日に限って止めに来ない!?
「え、それだけ?!」
「…いや塾あるんでしょ? ちゃっちゃか行かないと…」
「…」
思わず沈黙。裏がありそうだけど、この人のことだから、なさそう。
「ウチさー、去年の今頃そーとーヤバかったんだよね~。一秒も惜しかったぐらいにさー」
このセリフで、ふと思い出した。少し前の先輩からの質問、まだ答えていないはずだ。
「…先輩」
「?」
「志望校の話なんですけど…」
「?、どこにした?」
先輩の顔見て気づいた、この人、1週間前のセリフも忘れてるっぽい。
「もしかして自分が後輩に志望校聞いたこと忘れてます?」
「あ~、えーとえーと… あったっけ?」
あーあ、案の定忘れてる。まあ忘れっぽいトコが後輩から好かれてるんだけど。
「やっぱり忘れてるんですね」
「とにかく! どこにしたの?!」
先輩は、自分の失敗を隠そうとするかのように、こっちの発言を促してきた。
「…耀(かがや)」
「え、え?! えマジで?! ウチんトコ…え、ちょ、ま…なんで?」
「なんとなく、です」
別に理由なんてものはない。なんとなく雰囲気がよかっただけだし、先輩と同じなのはたまたまだし。
「えーえー、え、なんか嬉しい…!」
先輩はちょっと興奮気味だ。そこまで喜ぶ…?
「そろそろ時間なんで、失礼しまーす」
「あ、じゃーねー」
塾に行ってから気づいたけど、どうやらさっきのやり取り、同じ吹奏楽部員たちに見られてたっぽい。…あそこで話すんじゃなかった…

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Advent 12/23

あたしの学校の冬休みは、昨日から始まった。
先生たちは、「冬休みが正念場だ」とかなんとか言ってたな。
もちろん、冬休みは、さすがのあたしでもがっちり勉強する。けど…
「…」
受験生で大変なのに、宿題を出す学校なんて、もうどうかしてんな~と思う。まぁどこも同じかもしれないけど。
おかげさまで、何も言えない。
「頑張らなきゃ…」
そう言って、あたしは机に突っ伏してた身を起こした。早いとこ片づけなきゃ。それで、受験勉強やんなきゃ…
やることが多い。それでもあたしはクリスマス当日、クリぼっちでないことを鼻にかけたいと思う。
今年も、12月25日は、クリスマスフェスに参戦できることが確定したのだ!
つい昨日、親との激しい戦いを制し、どうにか行くことができたのだ。
その分、今までで一番やったってぐらい、勉強しなさいって言われたけど。
まぁそのつもりだよ。だから12月中に宿題を片付けようとしてるんだけど。
今クラスのみんなは何をしてるんだろう? ふと思った。
今日は祝日だから、塾がある人は少なそうだけど…自習室とか、行ってる人はいるんだろうな。
冷ちゃんとかどうだろう。あの子塾は行ってないって言ってるから、家でせっせと頑張ってるのかな…?
やっぱし冷ちゃんはすごいな。さすが秀才と呼ばれるだけある。
あたしも負けないようにしなきゃ!
そう自分を奮い立たせたところで、スマホが鳴った。
「…?」
見ると、メッセージアプリに新着メッセージ。
「クリフェス、楽しみだなぁ~」
あたしも超楽しみ、みんなで会える瞬間を楽しみにしてるよ、とあたしは打ち込んだ。
しばらくして、また着信。
「そうだね鈴ちゃん! あと、お互い勉強頑張ろ

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Advent 12/22

12/21に続けて書いていきます! 

「なあ雪夜、ここどうなってんの?」
「あ~ここは~」
雪が降る街の片隅で、僕らはのんきに勉強会を開いていた。
たまたまそこらで会っただけなんだけど。
トウイチと北斗と僕とでは通ってる塾が違う。まあ住んでる場所が違うことが主な理由なんだけど。
…で、たまたまそれぞれの塾帰りにこのバス停で会って、トウイチがわからない理科の勉強を少し教えているだけ、という…
こんなクソ寒い中、しかも雪が降る中、トウイチがせっせと勉強しているのは、いろいろ彼は切羽詰まってるから。
意地でも第一志望に合格したいらしい。だから、彼らしくもなく、バスの待ち時間でも、勉強しているのだ。
それで僕らは勉強を教えたりしてるわけ。
「おお! サンキュー!」
「どうも」
トウイチの疑問は見事解決したようだ。
「なあトウイチ、なんで志望校、ああいうところに決めたんだ?」
ふと、北斗がトウイチに尋ねた。
「そもそも急に変えるとか、こっちとしては謎なんだけど」
「ああ」
トウイチが答える。
「最初はな、落ちたくないから、確実に受かるところにしたんだけど、」
トウイチはちょっと息継ぎをした。こっから先って、彼的には何となく言いづらいことなのかも。
「夢叶えたいな~って思って」
「おお~」
北斗は感嘆の声を上げた。
「かっこいい~ お前らしくないけど」
「おいおいおいおい、俺らしくないとかどういうことだぁ?」
二人の茶番が始まった。これを見られる機会は、あと何回あるんだろう?
僕はスマホをコートのポケットから引っ張り出した。
この前、フェスに行く許可が下りて、そのことを報告したとき、あのグループは大いに盛り上がった。
「おお~よかったな」
「やったー! 仲間だね!」
「私も行くこと確定。待ってろクリフェス!」
「頑張って親説得します。」
「がんば~」
こんな感じ。ちゃんと全員で集まれる、その可能性がちょっとでも高まるだけで、うれしかった。
「…あれぇゆっきー?」
「あ゛っ」
まさかのここで会いたくない人、文野霜菜登場。最近よく話してるからな…トウイチと北斗いる状態でこれってぇぇぇ…
「おっ、こ~れ~は~⁉」
あとの二人のこの盛り上がり様。僕はもはや新雪みたいに真っ白になったんだけど。

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Advent 12/21

「ただいま~」
誰もいない家にこうしてただいまを言うのがイチゴの習慣だ。
パパとママは共働きだから、昼間はいない。兄弟姉妹もいないから、一番最初にこの家に帰ってくるのは、イチゴだ。
誰もいないリビングを通り抜け、自室に入った時、ふと姿見が目に留まった。
いつからこの家にあるのかわからない姿見にうつった自分を見て、イチゴはポツンとつぶやいた。
「この制服、悪くはないんだけどねぇ~」
茶色のセーラーブレザーを眺めつつ、あとこの制服を着るのは数か月もないんだよな…と思った。
(高校は、これ以上に可愛い制服の学校がいいな!)
心の中で、そんなことをつぶやいた。
そういえば、去年のこの時期も、姿見を眺めて考えたこと、あったよね?
そんなことが、イチゴの頭の中をよぎった。さて…なんだっけ…?
「あ!」
10秒ぐらいして、イチゴはちょっと慌てた様子でクローゼットを開いた。
(確かここにあったよね⁇)
もしかしたらなくしてるかもと不安になったけれど、ちゃんと探し物は出てきた。
「あったあった」
それはお気に入りのベレー帽。去年のフェスで身に着けたものだ。
当時ハマってしまったアイドルグループの子が、似たようなのを持ってたから、真似して買ったベレー帽。
実際にかぶる機会は少なかったけれど、数あるイチゴのお気に入りのひとつだ。
これを去年のフェスでかぶっていったとき、わりと混み合っていた会場で、うっかり落としちゃったんだよね…
落ちたのをすぐ拾ってくれたのは、そう…
そんなことを考えていると、思わず笑いそうになった。
あの子、そう、あの彼。メガネのあの子。
「また、会えるよねっ!」
そんな独り言をつぶやいてから、イチゴは立ち上がって、机の上のスマホを手に取った。
そして、帽子をかぶってから、パシッと一枚。
その写真を、あのグループLINEにあげた。こんな一言とともに。
「25日、これかぶっていくからね!」

思ったよりサクサク書けた…

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Advent 12/20

この回を書くのを、ずっと楽しみにしてました… てなわけで本編スタート↓

「頼むっ! 一生のお願いだから!」
「ダメって言ったらダメでしょう?」
「そこを何とか…!」
もう5分くらい、この言い合いは続いている。いや言い合いというよりは懇願かもな。
クリスマスフェスに行きたいって、おれが切り出したのは、夕食後。もういい加減言わなきゃなって前々から思ってたし。そもそも、前から言ってた話なんだけど。
前に言ったとき―確かあれは2週間ぐらい前のこと―は、母さんが「ダメ」の一点張りで、おれは負けてしまった。理由としては、受験生だから。まぁそれは分かってるんだけど。
でも、「久しぶりに集まらないか?」とあのメンバーに聞いた本人だから、絶対に行きたい。
だからこそ、ここしばらく、どうしたら母さんを折れさせることができるか考えてきた。それがこの戦法。
「本っ当にお願いします! 勉強頑張るから! 紅林(おれの第一志望の学校)絶対受かるからさ!」
「だーめーでーす」
こうやって、全力で懇願して押し通す。必殺ゴリ押し作戦。
「第一、会場まで遠いでしょう? 電車賃どうするのよ」
「そこは自腹で!」
「もう…いい加減あきらめなさいよ。参太には、私みたいになってほしくないのよ!」
「そんなの…!」
どちらも譲らない。そもそもどちらも譲るつもりはない。
どっちかが折れるまでこの戦いは続く。
「お願いします!行かせてください! どうか、どうか…!」
「もう…」
母さんがため息をつきかけたその時、意外な人物が口を開いた。
「…別に、いいんじゃないか?」
「え」
親子そろって停止。声の主は、存在感がほぼ消えていた父さんだった。
「参太が行きたいっていうのなら、別にいいんじゃないか?」
「ちょっとあなた…」
母さんがさっきとちょっと違うため息をついた。
「ほら、勉強も頑張るっていうしさ、十分気持ちも伝わってきたし…」
「あなた、それでもいいの⁉」
「まあ、いいんじゃないか?」
あれ、この展開は…
「…参太、もう…好きになさい」
「え…」
「そのかわり絶対紅林学園合格するのよ!さもないとタダじゃ置かないからねぇ」
「母さん…!」
なんだかんだで、ゴリ押し作戦大成功! ありがとう、父さん、母さん。



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Advent 12/19

(どうすべきか…)
スマホを見ながら、私はぼんやりと考えていた。
内容はもちろん”フェス”のこと。
すでに集まるメンバーのうち2人が、行くことを決定している。
自分も行きたい、けど…
(やっぱり親は許してくれるのか)
多分OKしてはくれないだろう。なにせ私は受験生。ついでに志望校合格すらも少し怪しい。
そんなことを、ここしばらくスマホを見るたびに考えている。
(会場から家が遠かったら、言い訳が付くんだけどな…)
会場から家の最寄駅まで、電車で30分。そこそこの距離だ。行こうと思えば行ける。
(でも、)
そこから先が出てこなかった。
ピロン、とスマホが鳴った。
誰からだ、と思いながら通知を見ると、クラスLINEにメッセージが来ていた。
メッセージの主はクラスの男子、星一登(イチト)だった。
どうやら明日の時間割を教えてほしいとのこと。
なんで学校にいるうちに、明日の時間割確認しないんだよと心の中でつっこんだところで、ふと、昼間のことを思い出した。
給食の最中、星が他の男子とこんなことを話していた。
「俺さ~こないだの模試D判定でさ~」
「おれもD判定。志望校変えるわー」
「マジか! じゃ、星も志望校変えんのか?」
「俺は変えない。やるだけやるつもりさ」
「おいおい、落ちてもいいのかよ」
「落ちないために今から頑張るんだよ! やるだけやって足掻く! 後悔は嫌だし」
「相変わらずのカッコつけめ」
これを横で聞いていた私は、カッコつけてんなぁと心の中で笑ったけど、”やるだけやっておく”のも、いいのかもしれない。
(なんなら、)
フェスのこと、親に言うか。却下されてもいいから、言ってしまおう。公開だけはしたくない。受験だって―
「リイー、ご飯できたわよー」
リビングから、お母さんの声が聞こえる。
ご飯食べながらでも、このことを言ってしまおう。
大丈夫、どうにでもなるさ。本心を伝えればいい。
今行くーと大声で答えながら、私は自室を出た。自分の思いを伝えるためにも。

遅れを取り戻そうと必死です… 明日には全部取り戻すんで! 物語は遂にクライマックス!

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Advent 12/18

クリスマスが近づいて、駅前はイルミネーションで飾られている。
これが”フェス”の会場、東京だと、もっとたくさん光り輝いているのだろう。
フェスに行かないなら、俗に言う「クリぼっち」って呼ばれるのかもな、と俺は思った。別にそう呼ばれてもいいんだけど。
まぁそういう時は、ヘッドフォンでもして、周りの音を遮断すればいい。
ヘッドフォンは現実逃避には格好のアイテムだと思っている。してしまえば、周りの音は大体聴こえない。
そんなことを考えつつ、いつも通り、ヘッドフォンでテキトーな曲を聴いていたのだが、
「痛っ」
しばらくぶりの衝撃。カバンをぶつけてきたのはもちろん―
「よっ!」
カバンをぶつけてきたのは、去年まで同じ部活の先輩だった、光ヶ丘先輩。
「先輩、もうそういうことしないでくださいって言いましたよね?」
俺はヘッドフォンを外しながら言った。
「え~でもさ~ヘッドフォンしてるから、後ろから呼んでも聞こえないかな~って」
「…」
思わず沈黙。さすがにそれは分からなくもないけれど…
「てか、先輩、今日部活だったんですね」
「おっ! よく覚えてるな~」
「前にもこういうことありましたよ?」
この先輩は忘れっぽい、あとアホ。そういうところが後輩から好かれるんだけど…
「でさ~、志望校決まった?」
「よく覚えてますねそんなこと」
「こういうことは忘れないのよね~」
最近は受験のことも考えてるけど、”フェス”のことも考えてる。自分は行くか行かないか考え中だけど、すでに決めている人もいる。そうなるとますます…
「…もしや、フェスのこと考えてる?」
「うぐっ」
「わ~図星だ~っ」
そういえばこの人も、行くみたいなこと言ってたな。去年も行ったみたいだし。
「じゃあさじゃあさ、一緒に行く?」
「…ハイ⁉」
「え~よくない? 会場では別行動でさー」
「他のヤツに見られたらどうするんですか⁉ 絶対面倒なことになりますよ⁉」
「え~その時はその時でさ~」
「断固拒否します」
「あ、もしかしてさ、ウチのコ…」
「んなわけあるか!」
思わずタメ口でツッコミ。そんなこと一切考えてない。というか考えたくないし。
俺はヘッドフォンで耳を塞いだ。それでも先輩は話を止めなかったけど。


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Advent 12/17

こうしてみんなと一緒に帰るのは、しばらくぶりだな、とあたしは思った。
まだ、部活をやっていたころは、こうしてみんなでよく一緒に帰っていた。
でも、部活をやめてからは、みんなクラスが違うから、一緒に帰ることはすっかりなくなった。
今日、こうしてみんなで帰っているのは、なんとなくあたしがみんなを誘っただけだった。
「ねぇ鈴~、こないだのテスト何点だった~?」
この前のテストで、あまりいい点が取れなかった雪希音が、あたしに尋ねた。
「え~と、国語が70点で、数学が65点、英語は…67点かな」
「よっ!平均点どストライクガール!」
ココナがそうあたしをはやしたてた。その言い方はちょっと嫌だな、と思ったけど。
「でもここまでいい点が取れたのは、冷ちゃんのおかげだよ~」
あたしは、普段このメンバーとは一緒に帰らない、冷ちゃんこと、冷泉ミユキの方を振り向いた。
「え~、でもそれは、鈴ちゃんが努力した結果だと思うよ?」
冷ちゃんは恥ずかしそうにした。
「でも冷泉さんはすごいよね~、今回も学年1ケタなんでしょう?」
「まぁ…」
日苗のほめ言葉に、冷ちゃんはちょっと押され気味だ。
「ね、冷泉さんは、どこの高校行くの? やっぱ、めっちゃ頭いいトコ?」
ココナは自分らより勉強できる人に、めちゃくちゃ興味津々だ。
「実は…まだ決めてないんだ」
「え~! でもどこにしようと、絶対合格するよ~」
ココナは予想外の回答に、ちょっとのけぞってしまった。
「そういってるココナの進学先は…」
「あーっ、あーっ! 言わないでよ日苗! 恥ずかしいから!」
近くでちょっとしたわちゃわちゃが起きているさなか、冷ちゃんはこんなことを訊いてきた。
「ねえ、鈴ちゃん」
「なぁに、冷ちゃん」
「よく鈴ちゃんがしている、”ライブ”の話。あれの続き、教えてくれる?」
そうだった、今日の休み時間中にそんな話して、チャイムが鳴ったから、じゃ、あとで、って…
「…あ~、”クリスマスフェス”ね。毎年東京で開催される、ちょっとしたフェスティバル。なんと入場料無料なんだ! 去年行ったんだよね~」
「へぇ~、じゃ、今年も、行くの?」
その言葉を聞いたとき、あたしの中で、行くか行かないか、迷っていた心に光がさしたような気がした。ありがとね、冷ちゃん。

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Advent 12/16

「25日、行けるようになったよ! みんなに会えるのがとっても楽しみ♡」
「12月15日 15:57 既読済み」
最初に動いたのは、あの子か、と最初僕は思った。
彼女の性格を考えれば、決まったら真っ先に報告するだろう。
(…これで、みんなも動くのかな)
僕はスマホから目を上げた。今日は一段と寒いような気がする。
今、僕は、模試の会場から家へ帰っているところだ。正確には模試の会場の最寄駅に向かっているところ。
”彼女”のメッセージを見たせいで、昨日はちょっと勉強できなかった。
まさかとは思った。ちゃんと行くんだ…と。
こうなると、自分も行かなきゃと思ってしまう。
6人のうち、自分以外がライブへ行くことになると、ちょっと寂しい。置いて行かれたみたいで。
「でもな~」
行きたいって言っても、親が許可を出してくれるかが問題だった。
多分、駄目、と却下するだろう。受験生なんだから、来年でもいいでしょ、とか。
(来年でもいいけど…)
何となく、それは違うような気がした。今年のライブは今年のしかないし。
妥協はしたくないと思った。そんなことしてたまるかって…
そんなことを、模試の休み時間中にずっと考えていた。
そして出た回答は、
「絶対に行く」
そのためには、もちろん親を説得しなきゃいけない。
だから、少し怖いけど―今日帰ったら、親に言おうと思っている。
修羅場覚悟でいくつもり。きっと大丈夫、自分の志望校を親につきとおすことができたんだし、多分平気―
(ライブにも行くし、新幸田高校にも絶対合格する!)
そう心に決めた。
「あ、そうだ」
ふとスマホに目を戻した。決めたのなら、ここでみんなに言っておかないと。
そうして、僕はこう打ち込んだ。
「この後親に、ライブ行っていいか聞く。妥協するつもりはないから。絶対に行ってやるよ!!」

前回よりは短いですね~(笑)

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Advent 12/15

「ねぇねぇ、冬休みってさ、何する?」
「え~もちろん受験勉強でしょ」
「だよね~」
「それ以外にあるの?」
「メインは受験勉強だよ」
「まぁそうだよね~」
ノエルは苦笑した。まぁ受験生だもんね、頑張らないと。
「でもさー、ノエルはすごいよね~。だって偏差値60超えてるんでしょ? やっぱすごいよ~」
「え~、これでも志望校にはまだまだだよ?」
それでもイチゴは、ノエルはすごいな、と思った。自分なんかと全然違う。自分なんか、まだ志望校だってあやふや…
ノエルこと、桐淵ノエル・ブッシュとは、塾で出会った。それもそのはず、2人は学校が違うから、普通出会うことはないのだ。
たまたま塾で隣の席だったのがきっかけで、2人は友達になったのだ。
ノエルはイチゴよりも頭がいい。だから、友達でもあるけど、ちょっとした憧れの存在でもあるのだ。
「あ、そうだ」
ふとイチゴは思い出したかのように、カバンから何かを引っ張り出した。
「?」
ノエルはそんなイチゴを、不思議そうに見ている。
「はいこれ、ノエルへのクリスマスプレゼント」
「え、え、え⁉ ホントに⁉」
ノエルは目を輝かせた。イチゴの手の中には、プレゼントボックス型のストラップがあった。
「冬期講習が始まってさ、会う機会減ると思うでしょ? だから今のうちに渡しておこうと思って」
「え、あ、ありがとうイチゴちゃん。めっちゃ大事にするねコレ」
ノエルが喜ぶ様子を見て、イチゴもうれしくなった。
「あ、あとさ」
「?今度は何?」
ノエルはイチゴの顔を覗き込んだ。
「今度さ…25日、ライブ行けるようになったんだ」
「え…あ、ホントに⁉」
ノエルは予想外の発言にちょっと後ずさった。
「いや、もういっそ言っちゃおうかって…パパやママに聞いたらあっさりOKしてくれて、そっちのほうがビックリしたんだけど」
「めっちゃ行きたいって言ってたけど…ホントよかったね。楽しんでね」
このライブの話はよくノエルや親友の藍瑠に話していた。だからこんな報告ができるのだ。
(行くことができるから、)
みんなに、また会える。約束通り、もう一度、もう一度―
空を見上げるイチゴの顔は、本当にすがすがしかった。

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Advent 12/14

金曜日、諸事情により書き込めず、そのまま3日たって12/14分を書くという…
てなわけで本編スタート↓

「くっ、そぉぉぉぉぉぉ~」
「一体どうした十文字」
隣の席の田母神鞠愛(たぼがみまりあ)が尋ねる。
「昨日さ、母さんにライブ行きたいって言ったんだけど…」
言ったけど、案の定ダメの一点張り。そりゃそうだよね。だっておれは今、受験生だし、ついでに志望校だってC判定だし…
「そりゃ無理だな」
グサッ。さすがは田母神、毒舌級長と陰で呼ばれるだけある。
「だってそもそも受験真っただ中なのよ? そんなワガママ、私でも却下する」
「そんなぁ~」
田母神のセリフにまたまた大ダメージ。今さっきから机に突っ伏してるけど、この調子だと顔を上げられそうにない。
でも。おれはまだあきらめようとは思ってない。まだ当日まで時間はある。だって約束したじゃないか、おれが自分から、またこの場所で会おうって…
そういうの破ったら、多分おれのプライドが腐る。
「…参太?」
「!…ヨシヒサ⁉」
思わず顔を上げると、親友のヨシヒサこと、神部夜士久が立っていた。
「え、な…」
「いや、花田が、田母神が呼んでるって―」
恐るべし田母神鞠愛。おれが見てないうちに、目で、女子に情報を伝えるとは…
「十文字が、ライブ行きたいとかどうとか」
「おい田母神!」
本人でもないのに状況説明しだした田母神に、おれは突っ込んだ。
「教室の端から、なんか参太が元気ないのは見えてたけど、何か言うようなことではないと思ってて」
「言うようでもないことって…」
「例えば、今年も非リアだからカワイイ女の子からクリスマスプレゼントもらえねぇ~、とか」
「んなわけあるか!」
「あ~、それ、私も思った~」
「ちょっ!田母神まで…」
おれは二人にあきれてしまった。おれってそんな風に見えてんのか。
「あ~でもさ、ライブ行きたいんなら、親にゴリ押しでもいいから頼めば? そのほうが参太らしいし」
「…!…ヨシヒサ」
「あ、チャイム。また今度な」
チャイムを聞くと、ヨシヒサは自席へ帰っていった。
田母神も自席に座った。
「…田母神、なんかサンキューな」
「フン、どういたしまして。ライブ行けるといいわね」
田母神、おれとヨシヒサの、仲を少し取り戻してくれてありがとう。

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Advent 12/13

「なあ、今度みんなで集まらないか? あの場所で、もう一度 別に今すぐ、行くかどうか返事しなくていい。当日でもOK」 
「12月1日 14:12 既読済み」
「25日なんだけど、みんなはどうする? 俺は迷ってる。本当は行きたいけど…」
「12月12日 16:38 既読済み」
「…」
スマホの画面をスクロールする手が止まる。そもそも、そこまでたくさんスクロールするほど、見るメッセージはない。
新たなメッセージが来たのは、つい昨日の夕方の、4時くらいのことだ。
最初は、誰かが決断したのかと思った。でも違った。想定外の展開、まさかの確認みたいなメッセージだった。
もちろん、新たなメッセージの送り主は、最初の”彼”とは違う人だった。
これで分かったことは2つ―1つはみんな、互いの様子を見ていること。
もう1つは―まだ、みんな迷っているということ、つまり決めていない。
多分みんな、行くかどうか迷ってるんだろうと思った。ということは、全員あの場にそろう可能性があるということ。
「私も行きたいけれど―」 
今のこの状況で、行けるのか? 会場には6人の中で一番近いとはいえ、親が行くことを許すだろうか。
(受験生、時間帯、約束―)
どうすべき? 私はどうすべき? 親に反対されるのなら、行かないほうがマシ?
それで志望校合格できなかったら、何を言われる―?
何気なく、窓の外を見た。最初のメールの送り主のところは、もう雪が降ったんだっけ?
「いいなぁ、12月で雪が降るんでしょ? じゃあ、ホワイトクリスマスじゃん! すっごい素敵~」
「はぁ⁉ 雪かきめんどいよ? なんなら、東京みたいに、年に1回降るぐらいがいんじゃね? こっちなんて、雪の夜は全然ロマンチックとかじゃないからな。真っ暗だよ、ふぶいてたりもする」
「いつか行ってみたいな」
「あ、イチゴもイチゴも!」
「あの~こっちも雪降るんですが~」
「いいね! いつかみんなの家、行ってみたい!」
「俺ん家はちょっと嫌なんだけど」
「えー、恥ずかしいのかよ~」
「兄妹がめんどくさいだけだよ」
ワイワイ笑いあった、あの日。また会おうと約束した、あの場所。
もしできるのなら、叶うのなら―
「どうでもいいけど、今日はふたご座流星群あるんだっけ」
ふと、そんなことを 思い出した。

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Advent 12/12

「? 何見てんの?」
「別になんでも?」
「ちょっ、見せろや」
「あーっあーっ、ちょっと~」
ホタルは俺からパッとスマホを取り上げると、メッセージアプリの履歴を眺め始めた。
「ふ~ん、なんもしてねぇのか」
「そう」
「さっきの感じからして、恋人とやり取りしているのかと」
「は⁉ そもそも、お前そういうのに興味あった⁇」
「ボクはそういうの興味ないし」
「…その一人称やめたら?」
「フン、やだね。これがボクなのだよ」
「やなかんじ」
変わらない掛け合い。特に一人称については昔から言い続けている。
ホタル、入間ホタル。おれの妹。生意気な小学5年生。
いつからか、自分のことを”ボク”と言っている。そういうの、俺は嫌なんですけど。
「でさ、フェスの件。どうすんの?」
「ああ」
実は決めかねているクリスマスの、”フェス”のこと、俺の周りで知っているのは、こいつ―ホタルだけだ。
こういう悩み事系は、優柔不断な弟のケイではなく、妹のホタルに言っている。
ホタルはこういう性格だから、悩み事は、アドバイスはくれないけれど―流し聞きしてくれている。
そういうのもあって、結構信頼してるんだけど。
「行くか行かないか、まだ迷ってる」
「そういうのは早く父さん母さんに言うといい」
「まぁそうだけど…」
「…行けば?」
ホタルがこっちを見ている。その釣り目が笑っている。
「…とりあえず、みんなに聞いてみよっかな」
「いんじゃね? ボクには異論を言う立場じゃない」
俺はホタルからスマホを取り返すと、みんなへの”言葉”を打ち始めた―

昨日に比べれば、短いかも。もしかしたら、ここはカギになる回かも?

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Advent 12/11

「うおーい、おーい、」
べしべし、とワークでたたいても起きそうにない。まぁ、いっか。
あたしはまたテスト勉強に戻った。そうそう、なぜわたしは同じ部活の仲間―雨宮日苗(ひなえ)と一緒に勉強しているのか? その理由は―
「うわ、マジかったるいぃぃぃ…」
「夜更かししてんの?」
「そうだよ」
「え…えっら!」
「いや鈴もめちゃ頑張ってるじゃん」
「日苗も負けてないよ?」
「あそー」
今日はテスト2日目。実施教科は国語と理科と音楽。テストが終わるんたんびに、「あ~死んだぁぁ」
「マジ終わった」
「それなーー!」
こんな調子。あたしはうまくいったと思ってはいるんだけど…
「ねぇ鈴、今日も鈴ん家行ってもいい?」
「全然OK 」
「ココナとか、雪希音(ゆきね)とかは無理らしいけど」
「冷ちゃんも無理らしいね。やっぱあの子は、1人で勉強したほうが気が楽みたい」
「まぁ、そういう子だもん。鈴が勝手に巻き込んでるだけ」
「おい! それはひどすぎるぞぉ~」
「あははははは! じゃ、放課後また会おう! あばよ!」
「日苗…」
こんな会話を、朝教室で繰り広げていたのだ。
で、テスト終了後、こうして家で勉強中…なのだけど。
「今日は寝ないといったのにねぇ」
日苗はばっちり寝ている。昨日もそうだったんだけど。まぁ疲れてるだろうから、放置!
あたしは何気なく、スマホの電源を入れた。メッセージアプリを開いて、ちょっとメッセージを打ち込もうとした、が
「鈴ちゃーん! またねぇーっ!」
別れ際に全身で手を振った、”あの子”。あの時、絶対に来年も―と心に決めた自分。
なんだかあの子―だけでなく、ほかのみんなのことを考えると、今、自分が決断するのは早すぎるような気がした。
(今はまだ―)
「…鈴?」
「あ、起きた。」
「ウチは、今年クリスマスがなさそう。」
「それでも12月25日は来るよ? 受験生でも、崖っぷちでも。」
「さすがは鈴だね―」
日苗はそう言って起き上がった。

昨日のより、長そう(笑) ウチも受験勉強頑張らなきゃ…

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Advent 12/10

「あ、の~」
「?」
ノートから目を上げると、小柄な女子生徒が僕の顔を覗き込んでいた。
「これ分かんないんだけどさー…ヒマなら教えてくれる⁇」
「おい、今は暇じゃないでしょ…」とギャラリーの女子生徒たちがあきれている。
「あー…別にいいけど…」
「うわ、ありがと!」
そういうや否や、女子生徒―文野霜菜(そうな)は僕の前の席に座った。もし、前の席に人がいたら、彼女はどこに座っただろう。
「いや~郡クンに勉強教えてくれるなんて~アタシついてるな~」
そうのんきなことを文野さんは言っている。この調子だと、こっちの解説を聞かなさそう。
「とにかく本題だよ文野さん、まず…」
「あ~待って! さん付けはカタいよ。メンドいからソナでいい。おあいこでアタシ、ゆっきーて呼ぶからさ」
「正直それは嫌なんだけど…」
「嫌だった⁉ じゃー雪夜くんにする」
「じゃあゆっきーでいい」
「OK、じゃ解説続けて」
正直この人はめんどくさい。クラスの人気者だけど、マトモに付き合える人間は限られる。僕はマトモに付き合えない、っていうか付き合うことはないと思ってたんだけど。
解説を続けるうちに、ギャラリーの数は減っていった。多分飽きたとか…そんな感じだろう。
「お~、やっぱ学年トップはすごいな~ ありがとうゆっきー」
「どうも」
「そういやさー」
思わず「?」と聞き返した。
「クリスマスは、何するタイプ?」
「え」
「あーアタシは、みんなで受験勉強かな。六華(りっか)とか、サクラコとかと。ゆっきーは?」
「…行きたいライブあるけどな~…」
「えマジ⁉ ライブとか行くんだ~ いがーい」
だけど…と言ったけど、全く聞いてない。
「じゃー今度教えて! 約束だよっ!」
「…」
もはや僕は何も言えない…

今回ちょっと長くなりすぎた。まぁ、このお話、最初の方会話少なめだったからな~

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Advent 12/9

今日中に書くぞ~! 第9話スタート!↓

適当な鼻歌を口ずさみながら、イチゴは100円ショップへと向かっていた。
よくみんなは、100円ショップのことを、”100均”って言うけど、イチゴは100均とは呼びたくない。多分これは、性格の問題だ。
今日は日曜日。受験勉強にもってこいの日だが、あえてイチゴは100円ショップへ向かっている。
なぜか? それは簡単。「クリスマスプレゼント」の材料探しのためだ。
まぁこれは勉強の息抜き程度。あんまり長居しちゃいけないことは分かっているけれど…結局長くいがち。
まぁこれはみんなへのクリスマスプレゼントのためだもん、仕方ないよ、イチゴ、と自分に言い訳的なものを言った。
「あーこのビーズかわいいな~、あコレすてき!」
「こういうのミルミル好きだよね~、藍瑠には…」
「ハイジこういうの欲しそうだな…よし決定!」
こうして誰かのことを思って選ぶのは、すごく楽しい。
「…あ、これ…」
何気なく目に留まった黄色系のビーズに、”あの子”を思わず思い浮かべてしまった。
イチゴより背の高い、髪の短い子。わりとビタミンカラーとか、似合いそうな子―
(”みんな”のために、なんか作ろうか)
ふと、そんなことを思った。
みんなして同じ受験生だから、互いの健闘を祈って、お守り的なものを作ろうかな。でもそうなったら…
(行かざるを得ない。)
行かないって選択をしたら、これを作る意味はない。すなわちこのビーズとかを、買わないことになるんだけど―
「…」
イチゴはしばらくその場で悩んでいた、が、しばらくして、何か決心したかのように、レジへ向かった。
その手には、あの黄色いビーズが握られていた…

おーし、今日中に終わったぞい!(←何風…?)

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Advent 12/8

すまない、また遅れてしまった… てなわけで第8話スタート↓

今年は暖冬だとかテレビのお天気キャスターは言っていたが、いつも通りおれの住む町には雪が降った。
都会の人から見たら雪は珍しいものだ。だがおれみたいな田舎の人にとってはいつものこと。むしろ親から雪かきを頼まれるから、正直そこまで好きとは思わない。
受験当日は、雪が降らないでほしい、とおれは思う。電車が動かないと困るし。
「…」
たまたま通りかかった民家の前に雪だるまがあった。クリスマス仕様らしく、頭にはサンタ帽…ではなく、太めの枝がさしてある。たぶんトナカイのつもりだろう。赤いボールが付いてるし。
(昔、こんな風にみんなで雪だるまを作ったな…)
おれはしみじみと過去の出来事を思い出していた。あの頃は、聖名(せな)も、ヨシヒサも、いたんだよな…
ヨシヒサ、神部(かんべ)夜士久。おれの親友。ついおととしまで、ウチの近所に住んでいた友達。
おととし、少し離れた所へ引っ越したけれど、学校は変わらないから、それまで通り仲良くしてたんだけどなぁ… 今はなぜか疎遠になっている。
疎遠、といえば”あいつら”もだ。あの日、出会ってすぐに連絡先交換して、メッセージのやり取りを始めたあいつら。
今年の4月あたり…だれが言い出したわけでもなく、そのやり取りは終わっていた。
この間、メッセージを送ろうとしたときに目に飛び込んだ、”彼女”の言葉が忘れられない。
「3年生になりたくないなぁ」
初めてであった時、雪が降るおれの町をうらやましがった、都会育ちの彼女。
―また、会えるだろうか。
おれは塾へと足を急いだ。

ふぅ…( ´ー`)フゥー... 次のお話も書き込むぞっ!(このあとね。)