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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです!

「いったぁ〜。」
いつもの窓辺に座ろうとした時、窓枠に手をぶつけた。
少しの間うずくまっていると、いつもの様に足音が聞こえた。
“どした?”
『……大丈夫か??』
私はいつもの様に、先生とアルの声なので振り返る。

「手、ぶつけただけ。……うん、もう大丈夫!」
私が立ち上がると、先生はぶつけた方の手をとる。
『ちょっと赤くなってるが、本当に大丈夫か?』
「うん!なんかさ、【カチン】ってなる時あるでしょ?そんな感じのやつだから大丈夫!」
“なんか貼ってやろうか?”
「う〜ん、まだ大丈夫かな。…そんな事より、ふと思い出して聞きたいことあるんだよね!」
『なんだ?』
「先生達ってさ、物語みたいに箒で空飛べるの?」
『あぁ。私はそんなに飛ばないが、アルは向こうで箒をよく使うよ。』
“いや、私は下手なんで見せられるものではないですよ?”
アルがそう言っているのをわざと聞き逃し、魔法を使って箒を2本呼ぶ。
1本は先生が掴むと、もう1本はアルの手元へ飛んでいく。

“えっ!?今から飛ぶんですか!?”
『安心しろ。私の魔法で周りには見えないようにしてやる。』
アルは“う〜”と唸りながら箒にまたがる。
『ほら、君もまたがって。』
「えっ、いいの?」
『あぁ。ほら。』
先生は私に箒を渡し先にまたがせると、続けて後ろにまたがる。
『私もココを持っているから、君も離すなよ?』
「うん、わかった!」
『アル、いけるか?』
“はい、いつでもウェルカムです!”
先生とアルが床を蹴ると、窓から飛び出した。

「うわぁ!先生、アル、凄いよ!!!」
私がそう叫んで、アルが飛ぶ右を見るとゆらゆらしていた。
「アル、もしかして本当に下手くそ(笑)?」
私が笑うと、先生はアルにアドバイスをした。
そしてアルは、笑いながらこの時間を楽しんでいるようだった。

この時間が、永遠に続けばいいのに。
私は心の底からそう思った。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです!

私はいつもの窓辺で歌を口ずさんでいた。

“なんの歌?”
先生と一緒に来たアルが答える。
「教えない(笑)。」
『教えてあげてもいいんじゃないか(笑)?』
先生は笑いながら隣に座る。
アルも座ろうとしたので引き止める。
「待って、先生の隣は私!!って言うことは私が真ん中!!」
“え〜、だめなの?”
「そりゃそうでしょ?ここまで来るのに先生のこと、独り占めしてたんだから。」
『まぁまぁ(笑)、アルは何人かの生徒に話しかかられてて、私は先に歩いていたよ?』
「それはそれで腹立つからだめなの!」
“どこが!?腹立つ要素あった??”
「先生よりモテてる。」
私がそう言ったとき、先生は吹き出して笑った。

「先生?」
『あ〜、ごめんごめん。君たち、仲良くなったな(笑)。』
「どこが!?」
『喧嘩するほど仲が良いとか言うだろ(笑)?』
“確かに言いますけど……。”
「なんかさ、今日はただ、3人でいちゃいちゃしてるだけじゃない?(笑)」
“はっ?いちゃいちゃ?”
「そう。先生を二人が取り合う三角関係?的なの(笑)。」
『確かに、ありそうだ(笑)。』
「まぁ、本当にアルが嫌いなわけじゃないの。」
『私はわかっているよ。』
「さすが先生(笑)。」
“なんか、僕が負ける三角関係のパターンですね。”
私と先生は、しょんぼりしたアルを見て笑った。

私達は同級生のようだった。
そして意地悪な事を言いながらもお互いの事を思い合っていた。
私は先生とアルになんの歌を歌っていたのか教えると、続きを歌うことにした。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです!

いつもの窓辺に、今日は横向きで体操座りをして、顔を埋めて座っていた。
『何だ?今日はそんなに場所とって座って。何かあったか?』
「いや、何か調子悪いんだよね(笑)。」
先生の方を向いて笑ったとき先生の顔がすぐ近くにあった。

私が驚いていると、足の三角形になっている所に腕を通し、背中に手を当てるとそのまま持ち上げた。
『このまま連行する。』
「ちょっ、ちょっと待って!そういう意味の調子悪いじゃないから!あと下ろして!!」
『じゃあ、どういう意味の調子悪いだ?』
先生は下ろさずに答える。
「下ろしてくれたら話する!下ろして!!」
『しょうがないな〜。』
先生は、私の足を廊下側に向けて窓辺に座らせると、隣に腰掛ける。

「調子悪いっていうかね、ちょっと人間関係?に疲れただけよ。」
『それは大丈夫な方の調子悪いか?』
「うん、そう。大丈夫な方の調子悪い(笑)。まぁ、教師に対する方の悩みだから、毎日会うわけじゃないし。」
『本当に大丈夫か?とりあえず熱はないみたいだな。』
先生はおでこに手を当てて自分の体温と比べる。

「だから言ったでしょ(笑)?そっちの調子悪いじゃないんだってば。あっ、あと本当に大丈夫だよ?私には先生がいる。アルだっているしね(笑)。」
私は笑いながらあくびを1つする。

『何かあったら私に相談しなさい。必ず。』
「わかってるよ。だから今も相談したでしょ(笑)?」
私が笑うと、遠くからアルが歩いてくるのが見えた。
「昨日、深夜までテレビ見てたから、めっちゃ眠い(笑)。」
『君はそういうとこあるからな(笑)。』
「ほら、アルが来るからいつも通りね(笑)!!」
私はニコッと笑う。

先生は頭をぽんぽんするといつも通り、窓辺に深く腰掛けた。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです!

今日の1時間は自習になり、アルが自習監督として教室に来ていた。
20分が経った頃、微かに爆発音が廊下の方(いや先生の部屋だろう)から聞こえた。
アルもその音に気づいたらしく、私と目を合わせた。

「先生、トイレ、行っていいですか?」
授業が始まって20分、欠席にならない事を確認し、手をあげて聞く。
“あっ、もちろん。自習なので、どうぞ。”
アルともう一度目が合ったのでウィンクをする。
先生の部屋に行ってくると言う意味だったがわからなかったらしい。
私はさぁ?わかんない。というジェスチャーをして先生の部屋へと急いだ。

先生の部屋へ行くと、間髪入れずに扉を開けた。
「先生!大丈夫!?」
煙が充満していたが廊下に流れると困るので扉を閉める。
『今、授業中だろ!ゴホッ』
「アルの自習だから。うわっこれヒドい。ゴホッ」
私は手探りで窓を開けると、次に先生を探す。
先生の手に触れたので、ギュッと握る。
『ん?何だ?』
「生きてるか確認。窓開けたから少し待ってよ。」
『あぁ。ありがとう。』

5分ほど経つと、ほぼ完全に煙がなくなったので状況を把握する。
「割れたの鍋だけ?」
『あぁ、そうみたいだな。』
「よし、あと20分あるからさっさと片付けよ!」
私は雑巾を2枚持ってきて先生に渡す。
『ありがとう。』
「っていうか先生、GW明けて、授業も始まってんのに、薬学の研究してんの?」
『あぁ。失敗するとは思ってなかったんだよ。』
先生と私は机や床にこぼれた液体の薬を拭いていく。
『きれいになったな。』
「うん!後は鍋の破片集めて終わり!」
そう言うと、私達は1つ1つ丁寧に集める。

『終わった。』
そう言った先生の指から血が出ていた。
「先生!破片で指切ってるっ!!!」
『ん?あぁ、なんてことない。』
「なんてことないじゃない!座りなさい!!」
私は救急箱を持ってきて、簡単に治療する。

「先生はいっつも無茶ばっかり。これ以上の無茶はしないで?」
『あぁ。ありがとう(笑)。』
先生はニコッと笑う。
「あっ、あと少しで授業終わるから行くね!アルが大変なことになる(笑)!」
私は駆け出す。
『なぁ、ありがとう。』
私が扉を開けたとき先生は、そう言った。
私は振り返り微笑むと、教室まで走った。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです!

今日も生徒が全くいない。
少し残っていた生徒もいい天気だから遊びに行ったのだろう。
そんな事を考えながら、いつもの窓辺から中庭を眺めていた。
すると、下から先生の声がした。

『お〜い、いるんだろう?』
「ん〜??いるよ〜!!」
『ちょっと降りといで。』
「待ってて〜。」
下に降りると、先生は背をこちらに向けて生き物を触っていた。
馬と鷲が合体したような生き物だ。

「先生、その子は…?」
『おぉ、来たか。あ、ちょっと待て。一礼しろ。』
「普通でいいの?」
私は授業の号令のような例をする。

『さぁ、おいで。』
先生はそう言うと私の手を生き物の顔に触れさせる。
「この子どうしたの?」
『ヒッポグリフ。時々、バレないように遊びに来るんだ。』
「ヒッポグリフってほんとにいたんだ。」
『こっちでどういう話になってるのか知らんが、本物だ。』
「こっちの世界では、礼儀正しくしないと怒られる、グリフォンと雌馬?の間に誕生した伝説の動物になってるよ。あってるかわかんないけど。確か。」
『あぁ。ほとんどあってる。不思議だな(笑)。』
「先生みたいな魔法使いさんが詳しく書き変えたのかな(笑)??」
私はヒッポグリフを撫でながら答える。

『乗って見るか??』
「えっ?見られたらまずいんじゃないの?」
先生は私を持ち上げるとヒッポグリフの背中に乗せる。
『魔法で姿を消せばいいだろう(笑)?』
先生はイタズラに笑うと私の後ろにまたがる。
ヒッポグリフは駆け出すと大きな羽で羽ばたいた。

風と一つになったような感覚が心地よかった。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです。

ゴールデンウィーク中盤、実家に帰ったり、遊びに出ている生徒が多く、いつもより静かな窓辺で本を読んでいた。

『お〜、珍しい。なんの本だ??』
「お〜、先生!何の本でしょう?」
私は質問を質問で返した。
先生は少し考えると両手を挙げる。

『降参だ(笑)。』
ニコッと笑うと隣に座る。
「魔法使いのお話(笑)。こっちの世界の人が考えてる魔法界の物語だよ。」
私は栞を挟むと本を閉じる。
『面白いか??』
「ん〜、私は本物の魔法使いを知ってるから変な感じ(笑)!」
『そうだな(笑)、君は魔法が本当にあるという事を知っている。』
「先生の魔法がキレイって事も知ってる(笑)。」
私は本を落とさないよう横に置く。

『ゴールデンウィークも半ばだな。』
先生はふと空を見て呟く。
「寂しい?」
『寂しくはないが、休みが一番だ(笑)。』
「アルもこの休み使って実家帰ったもんね(笑)。」
『休みが長いとなんでもできるだろう?』
「うん、先生も魔法の研究やりやすいしね(笑)。」
『だな(笑)。また手伝ってくれ。』
先生は優しく笑う。
「え〜。先生の魔法、きれいだからいいよ。」
私は窓から立ち上がり背伸びをする。

「アル、お土産買ってきてくれるかな〜?」
『期待しとこうか(笑)。』
先生は可愛らしく笑うと立ち上がる。
『今日は風が強くて寒いから、部屋で話そう。ついでにアルに手紙を書けばいい(笑)。』
私は振り返る。
「なんて書くの?」
『決まってるだろ?“お土産待ってる”だ(笑)。』
先生はいたずらに笑う。
「何それ(笑)、可愛すぎかよ(笑)!!」

私達は誰もいない寮の談話室でアルに手紙を書いた。
もちろん、最後に“お土産待ってる”と付け加えて。

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〜二人の秘密〜

今日は遠足で動物園に来ていた。
「おっ、先生見つけた!」
私は本部から抜け出してきた先生を見つけ出す。

「もう本部にいなくていいの?」
『あぁ。私だって周る権利がある。それに、問題が起こらなければ私も周れる(笑)。』
先生はニコッと笑う。
『さぁ、一緒に周ろう。』
「うん!今日はアルもいないしね(笑)。」
『お土産買って帰ろうか(笑)?』
「そうだね、きっと今頃悲しんでるよ(笑)。」
私はそう言いながら歩き出す。

『君は私と居るところを見られても恥ずかしくないのか?』
「ん?いきなり何??」
『私は嫌われものだし、せっかくの遠足を私と周るなんて勿体なくないか?』
「ん?何言ってるかわかんない。私は先生が好き。それだけで良くない??うん。それだけでいいよね?先生。」
『強引だな(笑)』
先生は嬉しそうに、でも恥ずかしそうに笑う。

「強引に決まってるでしょ(笑)?ほら、ライオンだよ?可愛くない??」
『あぁ。可愛い。』
先生は写真を撮りながら言う。

「先生もさ、同じくらい可愛いよ?」
『なんだそれ(笑)?』
「も〜、結構本気なんだけどな〜(笑)。ほら、私、蛇見に行きたい。」
『蛇はあっちだな。』
「先生。私は先生の一番いいとこ知ってんだ。」
『え?』
「あっ、言わないけど。でも、先生と居るとこ見られても恥ずかしくないよ。」
私は先生を見てニコッと笑うと先生が指差した方へ歩き出す。
先生の横に並ぶと、私は先生の横顔写真を撮りながらまた一つ、先生の事を愛おしく思っていた。

そして、アルへのお土産に、3つのお揃いマグカップを買って帰った。

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黄色いおにいちゃん No.3

「ただいま」
「おかえり。…ねぇ、いっつもどこで遊んでんの。誰と遊んでんの。ケンくんママが大学生くらいの男の人と遊んでるって言ってたんだけど」
ママは僕の答えを待たずに言った。
「…うん。カズにいちゃん!優しいよ!」
「正気?学校で習わなかった?『知らない人と遊んではいけない』って」
「でも、本当に優しいもん。不審者なんかじゃないもん!」
「ふ~ん。どうなっても知らんからな」
知ってたまるか!もう、こんな家出てってやる!
靴を履いて家を飛び出した。
さっきより空は暗くなっていた。こんな時間に1人で外に出たことはない。自分から出てきたくせに弱音を心の中で思った。

「…カズにいちゃん」
「…」
カズにいちゃんはなぜだか知らないけど、そこにいて、抱きしめてくれた。
「もう、カズにいちゃんと遊んじゃダメなんだって」
「…」
「僕、もっと遊びたいよ」
「…そうか。…もし俺が今、君を連れていくって言ったらどうする?」
「えっ。…分からない」
「じゃあ、少しは怪しんでるってことか」
そうじゃない。そうじゃない。
「そうじゃない!」
「じゃあどうなんだ」
僕は答えられなかった。これは算数のテストなんかよりもずっとずっと難しい問題だった。でもカズにいちゃんはぎゅっと抱きしめてくれて、僕が答えるのを待っていてくれた。

どのくらい経ったろうか。
僕は見たことのある景色を眺めていた。

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笑わない世界、笑えない世界 No.2

私は空を見上げた。雲のすきまから見える太陽は美しい。少し向こうに天使のはしごが見える。いいな。私もああいう風に照らされてみたいな。
「クルミ!早く来なさい!」
母だ。
「何でしょうか」
「何でしょうか、じゃないでしょう!早くこれを片付けなさい」
「はい」
机に置いていた食器を台所へ運ぶ。カチャンカチャンという音を立てて流し台に置いて行った。
「できました」
「よろしい。勉強をしなさい」
「はい、分かりました」
私は2階にある自分の部屋へ行くため階段を駆け上った。
机に教科書やワークを出して早速取り掛かった。来週テストだからこのワークを終わらさなければならない。
「クルミ!こっち来て!」
また母の声がした。私は急いで階段を降りて母のもとへ行く。
「今日はやっぱり勉強しなくてもいい」
「えっ、でも。来週…」
「黙りなさい!今日はいいと言っているの」
「は、はい。分かりました。片付けてきます」
再び私は階段を上って部屋のドアを開けた。出していた物を棚や引き出しに片付けた。
「これ、観よ」
「え?あ、はい」
降りてきて言われた。今日の母はどうしたものか。変に優しい。
言われて観たテレビ番組は、相変わらずつまらないものだった。
バラエティー番組なのに、ニュース番組を観るかのように黙りこくってジッとしていた。

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〜二人の秘密〜

遠足の準備をするため、部屋にこもっているとノック音が聞こえた。
「は〜い!」
返事をすると先生が顔を出す。

『入ってもいいか?』
「お〜、先生。いいよ〜!」
『何してるんだ?』
「3日後?の遠足の準備(笑)。」
『ちょっと早すぎないか(笑)?』
「うん、だいぶ早いよね(笑)。…あれ、珍しくアルいないんだね。」
『寂しいか?』
「全然。あっ、失礼か(笑)。寂しくないというか、最近は先生と二人きりで話せなかったから良かった(笑)。」
先生は投げてあった雨具を取って渡す。

『雨、降らないといいな。』
「うん、そだね。先生は?遠足来るの?」
『あぁ。生徒監視役だな(笑)。』
先生は笑うと、今度はレジャーシートとカメラを取る。
「さぁ、準備完璧だと思うな〜!」
私はリュックのファスナーを閉める。

『何かあったら、私には言えよ?』
「ん。わかってるよ(笑)!!」
『じゃあ、いつものとこ行くか?』
「うん!あっ、その前に、先生も何かあったら言ってね?」

私達は新たに二人で約束をした。
いつもの窓辺に行くと、アルが座っていたので後ろから驚かせる。
先生はそんな私達を見て遠くから笑って眺めていた。
私は先生の横に立つと手を引いて、アルの座る窓辺へと走った。

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第8回

三分後
落ち着いた・・・私としたことが。
でもこいつ、ヤッバイ。
一口をフォークの先っぽ位に切って食べてんよ。だから遅っっっっそい。
「氷結」
いや凍らせて非常食にしようとすんなし!?
すぐに私が溶かして口に押し込む。
「モガモガ・・・ゴクンッ。な、何をするんで・・す・・・か・・・」
私のハンパない圧力で黙らせる。テヘッ。
さて食事も終えたし観光でもしよっかなあ~。
青い海、沢山の木、倒れてる人、そして綺麗な空。
ん?倒れてる、人?やばい・・・これはやばいぞ・・・
私のめんどくさいレーダーがガンガン反応してる・・・
面倒くさい事にならないよう、そーっとスルー・・・
「どうしました?大丈夫ですか?」
ガッデム!!私のお人好しが勝手に!!
それじゃスルーできないじゃんか・・・
「あ・・・あなた方は?た、助けて下さい・・・み、水が・・・
無くなってしまって・・・ゴホッゴホッ」
「ウォーター」
「ガボッ!!ガボガブ!ブエッファー!!りょ、量が多すぎ・・・」
「あ?問題でも?」
「い、いえ。えーっと私はマユカ。こんな事言っても信じらんないかもだけど、
私、転生者なんです・・・」
「!?」
「てんせー?」
「マジか!?」
「はい。」
「(声を小さくして)実はわたしもだ・・・」


続く

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

私は廊下を歩いていたアルを捕まえる。
「アル、おはよう。」
“ん?まだおはようなのか?”
「おはようのほうが言いやすいの!」
私はそう言うとアルの手を取り駆け出す。
“どこ行くの?”
「勘違いしないでよね!」
“いや、どこ行くの!?”

私は先生の部屋の前で止まるとノックする。
『は〜い。』
先生の返事を確認すると、扉から顔だけを出す。
「先生、今、暇?」
『おう。入っておいで。』
「今日はアルも連れてきた。面倒くさかった。」
私とアルは先生の部屋へ入る。
“せめてどこに行くかだけは教えてくれよ。”
「そうね〜。」
私は少しそっけない返事をすると、先生に耳打ちをする。
そして、私と先生はアルを見てニヤリと笑う。

“なんですか……?”
「『魔法見せ』」「て」『ろ』
私達は語尾が違ったことに笑う。
「先生のやつ、もう命令じゃん(笑)!」
『これくらいがちょうどいいだろ(笑)?』
“ちょうど良くないですよ〜!!嫌ですっ!”
「え〜、この間、見せてくれるって言ったのに〜!」
“そもそもこんな所で魔法を使ったらいけないんだ。”
『私は彼女に何度も魔法を見せてる。』
「爆発させた事もないし、私も手伝った!!」
『こっちの世界で使ったらいけないこともないし、この部屋は誰も来ないし、彼女は誰にも話さない。』
「ほら、先生もここまで行ってるんだからさ。」
“う〜。”
『私達の勝だな(笑)。逃げられないぞ(笑)。』
先生はイタズラに笑う。

3人で準備をすると、アルは先生と同じ様に魔法の薬学を見せたくれた。
先生の魔法のほうが綺麗だっていうのは私だけの秘密。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

今日はいつもの窓辺で季節の変わり目の風を楽しんでいた。
“やぁ。”
アルの声と二人分の足音がしたので振り返る。

「え〜?アルも来たの〜??」
『嫌だったか?』
アルの代わりに先生が問う。
「だって、私と先生座るだけでもう入れないっ!!」
『入れそうだぞ?』
そう言うと、先生は隣に座ってアルを招く。

「アル、待って!先生がまん……いや、私が真ん中!!!」
“さぁ、座ってもいいかい?”
「うん、良くないけど良いよ!」
『どっちなんだよ(笑)。アル、座るといい。』
“隣に失礼します(笑)。”
アルはニコッと笑う。

「二人の秘密の場所だったのに〜!」
私はアルにほっぺを膨らませて見せる。
“それは、それは。すみませんでした(笑)。”
アルが笑うと、先生は私の頭に手をのせる。
『まぁいいだろう?私の部屋も知っているし、授業だってあるんだ。』
「え〜。…うん。わかった。」
“素直だな〜(笑)”
「ムっ!」
私はアルを一瞬、怒った顔で見る。
そして、ニコッと笑う。

『今日は何してたんだ?』
「季節の変わり目の風の匂いを楽しんでた〜。」
『君はそう言うの好きだな(笑)。』
「次はきっと雨の匂いだと思うな〜(笑)。…あっ、アルは?こういうの好き?」
“そうだな〜。どっちかと言うと好き。”
「ふ〜ん。」
『興味なさそうだな(笑)。』
「あるよ、多分(笑)。あるから聞いた。」
“少しは興味あるみたいで良かった。”
私は少し先生寄りに座る。
「なんかアル、嫌(笑)。」
私はイタズラに笑う。
『また今度、アルが魔法を見せてくれるよ(笑)。』
先生は優しく、朗らかに笑う。
“え〜、私がするんですか〜!?”

私と先生はアルを見て笑った。
そして、風の匂いで季節の変わり目を感じとった。

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〜二人の秘密〜長文過ぎたので続きました。《part2》

「何で謝るの?あ、あと何で敬語?」
“謝ったのはなんとなく。あっ、敬語なのは君が私の事を嫌いそうだから……。”
「何で?いつ嫌いって言ったっけ?」
“初めて会ったとき、君は素っ気なかったし、少し怖かった。”
「だって新しく就任したじゃんかさ?初めから壁壊してくわけないじゃん!」
私がそう言うと、先生は私の頭に手を置く。

『まぁ、この子はこんな感じなんだ。二人とも仲良くしてな?』
「何よそれ〜(笑)。でも、先生の命令は聴かなければ(笑)。了解です!!」
“私も了解です!”
「先生はこの人の前だと何か変な感じね(笑)。」
『そうか?』
「うん、変(笑)。あっ、っていうか、貴方の事、何て呼べばいいの?二人とも先生じゃ紛らわしくない(笑)?」
『私の事は“先生”で決定なんだな(笑)。』
「当たり前でしょ(笑)?ほら、あだ名でも何か考えて!!」

“魔法界では、アルと呼ばれていました。”
「敬語、嫌。何でアルなの?」
“アルベドという入射光に対する反射光の比があるんですけど……だけど、そこかららしい……です。”
「う〜ん、難しいことは知らん!でもアルって呼ぶね??あっ、あと敬語はほんとに直して??」
“気をつける。”
「はい。それで良し。先生、決まったよ!!」
『うん(笑)。そんな感じで仲良くしてくれ(笑)。』
「何よ?なんで笑ってるのよ(笑)??」

私達は一人増えた“仲間”とともに笑いあった。
梟の郵便屋さんに、先生は魔法界の恩人へ宛てる手紙を、アルは新しく就任した事を知らせる手紙を結びつけると、順番に梟を飛ばした。

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〜二人の秘密〜長文過ぎたので続きます《part1》

私はいつものように窓辺に向かった。
だが今日は、先生が先に来ていた。
「先生っ!」
私は声をかけたときに気付いた。
足が4つ…。先生の影に誰かがいた。

私は先生を見ながら問う。
「先生、それ誰?」
『“それ”って言っちゃ駄目だろ〜?』
先生がそう言うと謎の人物は顔を出す。
“こんにちは。”
顔を出したのは“例の教師”だった。

「あっ。」
『何でココにいるのかって顔してるな(笑)。』
「そりゃそうでしょ…?」
私がそう言ったとき、2羽の梟がそれぞれ先生と教師の腕にとまる。

「え?」
『これで意味がわかったか(笑)?』
先生はイタズラに笑う。
「その子達は魔法界の郵便屋さんよね?」
『あぁ、ご名答。正解だ(笑)。』
例の教師はおろおろして私と先生を交互に見る。
「ってことは……?は!?二人とも魔法使いとか言うんじゃないでしょうね!!」
『そうだ。私達は二人とも魔法使いだよ(笑)?』
「はっ?どゆこと??」
“あ、あの〜。”
例の教師は申し訳なさそうに入ってくる。
『ん?』「ん?」
“本当は君が、《魔法使いの存在を知っている》と言う事を知っていました。”
「あ〜、私の話?」
“隠すつもりはなかったのですが、何かすみません。”
「何で謝るの?あ、あと何で敬語?」

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〜二人の秘密〜

次の授業の準備をしていると、先生とある教師が1人、数秒違いで入ってきた。
〈次の授業は私の授業です!〉
教師がそうわめいているのが聞こえた。

〈この時間、この子達は私の生徒です。私の生徒を取らないでください!〉
私は開いていた教科書を閉じて、二人の間に割って入る。
「私達は貴方のものではありません。私は今日、貴方の授業を受ける事はできません。」
私はそう言い放つと、先生の手を取りいつもの窓辺に走る。

途中でチャイムが鳴ったが無視して走る。
そして、窓辺につくと手を離した。
『なんか、ありがとう。』
「ん?何で?私はただ腹立っただけよ?あの人に。」
『〈私のもの〉って言われたからか?』
「うん、良くわかったね(笑)?どういう理屈か知らないけどさ。まぁそもそもあの人は入学したときから嫌いだった(笑)。」
『私が声を出す前に君が来てしまったから、何も言えなかったよ(笑)。』
「あっ、ごめん。何か言いたかった?」
『いや、助かったよ(笑)。』
私は先生が笑ったのを確認すると、腰掛ける。

「もういいや、授業も抜け出して来ちゃったし、サボろ!!!」
『私も授業ないし、サボるか(笑)。』
そう言いながら先生も座る。
「先生なのにサボっちゃっていいの〜?」
『今日は生徒の保護も兼ねてる(笑)。』
「も〜、何それ(笑)!私の事使ってんじゃん(笑)!」
私は笑いながら先生をどつく。

『君は時々、本気で自分を見せるからな(笑)。』
「先生には毎日見せてるけど(笑)?」
『そうだな(笑)。ありがとう。』
「何で先生がお礼言うの(笑)?しかも、それは先生も同じでしょ(笑)?」

私達は次のチャイムが鳴るまで話し合った。


その後校長に呼び出され、怒られるのかと思ったが、なぜか謝られた。
というのも、実は先生が正しかったらしく、私達がいなくなった教室では混乱を招いていたそうだ。
[とりあえず]であの教師が授業をしたそうだが、今回の抜け出しは、お許しを頂くことになった。

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〜二人の秘密〜today part2

コンコン。
私はホットミルクとチョコレートを持って扉を叩く。
『はい。』
先生が返事をしたので扉を開ける。

「先生風邪引いたんだって?大丈夫??」
『君か(笑)。安心しろ。大丈夫だ。』
「ほら、いつものやつ。差し入れ。」
私は先生のベッドの横に椅子を持っていき座ると、
いつものようにミルクとチョコレートを混ぜる。
「今日ね、この間の若い教師さんにね、先生の様子見に行ってって言われたよ?」
『ん??まさか、また素っ気なくしたんじゃないだろうな??』
「う〜ん。………ちょっと(笑)?」
『あれでも私の後輩なんだ。いじめないでくれよ?』
「自分で来ればいいのにって思っただけよ〜。あの人、自分のこと好きじゃないみたいだし?」
『好きじゃないみたい?』
先生はホットミルクチョコレートを飲みながら答える。

「自信ないですみたいな感じ?私、あぁいう人は嫌いじゃないよ。」
『嫌いじゃないのに素っ気ないのか?』
「自信ないのが腹立つの。」
『腹立つのか(笑)?』
「だって、先生の事独り占めしてるくせに。」
『ん??そこなのか?』
「当たり前でしょう?」

コンコン。
『どうぞ。』
先生がそう答えると例の教師が入ってくる。
“あっ。”「あっ。」
先生は教師を私の隣に座らせると、いつものように会話をし始めた。
変な人が増えたと思いながら、私はまだ口をつけていないホットミルクチョコレートを差し出す。
そして、しょうがなくいつものように話し始めた。


この教師の事はまた話すとして、
覚えておいてくれるとありがたい。

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黄色いおにいちゃん

黄色いおにいちゃんは、いつも黄色。髪も、服も、靴も。
ぜーんぶ黄色。笑顔も、明るくて、太陽みたい。
そんな黄色いおにいちゃんは、毎日公園にやってくる。
「何してるの?」
「ん?掃除だよ」
「何で?」
「何ででしょうか」
ちょっと意地悪だ。でも好きだ。僕は黄色いおにいちゃんみたいになりたい。
「おにいちゃん何歳なの?」
「何歳だと思う?」
「う~ん。25歳!」
「ブブ~」
「え、じゃあ正解は?」
「教えな~い」
やっぱり意地悪だ。でも僕は好き。好きというか憧れているのかもしれない。
「お家どこ?」
「あそこ」
「あそこってどこ?」
「あそこはあそこ」
ほらね、やっぱり。何だか、本当に僕のおにいちゃんみたい。もし、25歳だったら15歳くらい離れている。だけどいつも、放課後ここに来て遊んでくれる。
「明日も来る?」
「分からない」
「来てね」
「君は来るの?」
「うん!」
「じゃあ来ない」
「え~!なんでよ!!」
黄色いおにいちゃんはヒヒッと笑った。目の間、鼻の上、そこにしわを集めてクシャっと笑う顔も僕は好きだ。
少し真似をしてみたけれど、変な顔と言われて、またその顔で笑われた。僕は笑われるのが嫌いだけど、なぜか黄色いおにいちゃんだけは悪い気分にならない。おにいちゃんが笑うと、僕も笑いたくなる。