表示件数
2
0
0

CHILDish Monstrum 参加作品の誕生秘話やコンセプトその他①

〈アウトロウ・レプタイルス〉
誕生秘話
大昔、何かにアウトプットするという発想も無かった時代、ナニガシさんが脳内に設定だけ考えていたキャラクターが、今回の企画にめちゃくちゃ合致していたので使ってあげようと思いまして。
Q,サラマンダーってレプタイル(爬虫類)じゃなくね?
A,細けえ事ァ良いんだよ。
Q,ラムちゃん不死身すぎない?
A,ちゃんと死ぬよ。外的要因で殺すのはちょっと難しいけど、魂や生命を直接抜き出せば死ぬんじゃない? 不死身なのは肉体だけだし。
Q,ククルカン(ケツァルコアトル)って神様じゃ……。
A,外見は翼のあるヘビさんだしセーフセーフ。

〈水底に眠る悪夢〉
誕生秘話
カナロアって神様がいるんですよ。ハワイの神様で、魔術が得意で、外見はタコさんなの。「タコ」「魔術」「神様」何かを思い出す特徴ですね。
そう、偉大なるクトゥルフですね。神様が条件的にセーフかは分からなかったんですが、クトゥルフはどうも、一神話生物がアホほど高齢になった結果神格扱いされるレベルになった個体という説があるらしいのです。じゃあカナロアもセーフやろ()ってことで。
そんな感じでできたお話です。
Q,何故カナロアが“ロード”?
A,龍王。ググれ。
Q,何故クトゥルーが“リトル”?
A,ク・リトル・リトル。

1

CHILDish Monstrum:Escapers

 すっかり荒んだビル街を、二人の少年が和気藹々と歩いていく。
 苔むした国道にツタの這い散らかした摩天楼。かつて世界でも指折りの大都市だったらしいこの街は、人より鳥の数のほうが多くなって十数年経つ。そんな街路に二人のはしゃぎ声はあまりにも異質に響いた。
 「……で、その時の遺骸から摘出された第二頸椎が、どうも新しく開発される武装具の核になるらしくてな」
 「へぇー、それ本当に効力あるの?」
 「さてね。大方単なる“アヤカリ”ってやつなんだろ。極西のやつらの考えることはわからんな。」
 「何言ってんの、てっぺいもそういうことするでしょ」
 「てっぺい言うな」
 そう言うと、『てっぺい』と呼ばれた少年は足もとの瓦礫の石ころを軽く蹴飛ばした。暗い赤髪の長い襟足が揺れる。
 「はるばるヴェスプタくんだりまでやってきてなんで東洋風な名前で呼ばれにゃならんのだ」
 「くんだりって、俺たちの前任地よりよっぽど大都会でしょうが」
 「この廃墟ぶりを見ても大都会と言うか、たろうはよっぽど辺境の出らしい」
 「だからたろうやめろって」
 『たろう』はパーカーのひもをプラプラいじりながら答える。淡い青の背中には大きな毛筆の字で「防人」という字が踊り、その左下には小さく「でぃふぇんちゅ」と書いてある。いくら僕が、バカっぽく見えるからもう少しましな服を着たら、と提言しても「かっこいいっしょ?」と全く馬耳東風だ。お好きに。
 「ねぇえぇ、松永が言ってた“絶景スポット”ってまだ着かないの」
 振り返りながら嘆く『たろう』。
 全然先だよ。というか行程の二割も歩いてないんだけど。あっ、露骨に不機嫌そうな顔をするんじゃない。旅行だ遠足だってはしゃいでいたのは君じゃないか。
 「そうはいうけどさぁ、もうそろそろビル見飽きたもーん」
 「昼でも薄暗いのには確かに参るな。このビル街はどこまで続くんだ」
 もうじき開けた道に出るよ。そう言って僕は左腕のデバイスで昨日の晩インストールしておいたマップデータを確認する。三つの緑のバイタルシグナルが点滅しながらゆっくりと太い白線をなぞっている。
 「ほんと!じゃあそこまで行こう!早く早く!」
 「おい待てッ、いきなり走り出すんじゃない!」
 騒ぎながら駆け出していく少年二人を、僕は見送りながら後を歩く。まるで中学男子だ。

0

CHILDish Monstrum:怪物報恩日記 7日目

時、14時12分。場所、インバーダ対策課のメンテナンスルーム。
ダキニの『協力』のおかげで、私はあの漁村に留まれることに決まった。と言っても、外傷の治療のため、一度古巣の大都市に戻る必要はあったわけだが。
老人にしばしの別れを告げ、スーツの男の乗って来た自動車で帰還し、現在はメンテナンスを受けている。
全体的な治療を済ませ、寝台の上で安静にしていると、ダキニが軽やかな足取りで枕元にやって来た。
彼女曰く、相棒である私について、あの漁村まで来てくれるとのこと。私には恩義があるが、ダキニにとっては何の思い入れも無いはずだろう。それについて問うと、彼女は私を救った恩をあの村に覚えているのだとか。
私の愛しい荼枳尼天の異能は、『人間の守護』に主眼を置いている。あの小さな村を守るためには有用だろう。
彼女の申し出に感謝して、私はひとまず眠りに就くことにした。傷は癒えた。体力の消耗も明日まで眠れば回復するだろう。
明日目覚めたら、朝一番であの村に帰ろう。道は覚えているし、足はダキニに頼めば良い。対策課の人間に頼めば、もしかしたら車ぐらい出してもらえるかもしれない。
あの漁村でも、きっと私は戦いに身を投じることになるだろう。しかし私の心は不思議と、これまでの淡泊な義務感とは違う、奇妙で幸福な高揚感で満たされていた。

1

我流もの書きスタイル:世界改造論

このポエム掲示板では、時折生徒の皆さんが何かしらの企画を用意してくださることがあります。僕も現在『ピッタリ十数字』という企画を打ち出しておりますね。詳しくはナニガシの過去の投稿を漁っていただければ。

閑話休題。
生徒主催の企画の中には、大きく分けて
・ポエム企画
・小説企画
・ジャンル不問企画
があります。
ところでナニガシさんの主観では、ポエム企画に寄るほどそれなりに人が集まり、小説企画に寄るほど人の集まり方が微妙になる傾向があるっぽいのです。ナニガシさんの場合は企画ってだけで反射的に首突っ込んじゃうんですが。

小説企画に人が集まりにくくて、ナニガシさんが躊躇無く参加しているその違いって何なんやろなー、と考えていて1つ思いついたのが、「他人様の用意した世界の中で好き勝手暴れることができるか否か」じゃないかね、と。そう思った次第。
だってほら、他人様の創り出した世界で下手こいて致命的な解釈違い起きたりしたら何かあれじゃないですか……。(創造主側で経験あり)
ナニガシさんはアマチュアTRPGプレイヤーなので、与えられた世界の中でルールを守りながら、時には穴を探しながら、ある程度好き勝手やるってことに慣れているんじゃないかと。

というわけでポエム掲示板のみんな! TRPGやろうぜ! 意外とライブ感で物語書くのに役立つぞ!

0

視える世界を越えて エピソード5:犬神 その⑤

時間を僅かに遡り、大穴の底。
犬神の力によって突如発生した落下に、種枚は即座に対応し、受け身を取ることで無傷で着地していた。
「じゃあキノコちゃん! いつも通りのルールね!」
「あァ、互いに全力で1発ずつ。押し通せた方の勝ち」
犬神に答えながら、種枚はパーカーを脱いで腰に巻き直した。
「さあ来な、犬神ちゃん。真ッ正面からブチ抜いてやる」
ファイティングポーズをとる種枚に対し、犬神はニィ、と笑って煽り返した。
「キノコちゃんみたいなパワーのある子はさぁ、こんな簡単な事実をついつい忘れちゃうんだ」
2人の頭上を覆っていた土砂の塊が、より密度を増して凝縮される。
「良い? キノコちゃん。……『重い』は『強い』なんだよ」
上空の土砂塊を制御するため上空に向けていた手を、勢い良く振り下ろす。
それに従って、土砂塊も種枚の頭上に向けて高速で落下し始めた。
「……分かってるさ、そのくらい」
対する種枚は呟き、体勢を変えた。左脚を前、右脚を後ろに半身に立ち腰を落とし、五指を僅かに曲げた右腕を大きく引き、左腕は身体の前方で肘を直角に曲げ、地面に対して水平に構える。
「【惨輪爪】」
そして土砂塊との距離が1mを切ったのとほぼ同時に、右足で強く踏み切り、左足を軸に高速で回転し始めた。
回転の速度と形状は、遠心力で自然と伸びた両手の先、計10本の鋭く伸びた爪を起点として、破壊力を生じた。更に彼女の放つ純粋な殺意が乗ることで攻撃の威力は遠心力に乗って周囲広範に伝播し、範囲的な破壊を瞬時に発生させ、その余波で頭上に迫っていた土砂塊をも砕き飛ばした。

0

CHILDish Monstrum:或る離島の業務日誌 その②

港からの道中、時折遭遇する島民に挨拶しながら、キュクロプスの住居に向かう。
実際に近くまで来てみると、それは思っていた以上に巨大だった。
1辺当たり30m以上はありそうな巨大な立方体。壁に触れてみると、どうやら何かの金属でできているようだった。
ふと思い出し、スーツのポケットから手帳を取り出す。前任者から聞いていた、キュクロプスについての情報やアドバイスをまとめているものだ。

・作業場(箱形の建造物)から作業音が聞こえてこなかった場合、東側に隣接した小屋(居住スペース)を尋ねること

“作業場”の扉に近付くが、中からは何も聞こえない。壁に手を付きながら東側に回ると、木材と煉瓦でできた、どこかメルヘンチックな雰囲気の小屋があった。
西側の壁は“作業場”にぴったりと接しており、扉のあるのと同じ側の壁には、遮光ガラスの窓が1つ。周囲を1周したところ、他に窓は無いようだった。
とりあえず扉の前に立ち、再び手帳を確認する。

・小屋に入る際は、扉に設置されたノッカーを叩くこと

扉には、日本では珍しい金属製のノッカーが取り付けられていた。重い金属環を握り、3度扉を叩く。反応は無い。ドアノブに手をかけると、施錠はされていなかったらしくあっさりと開いた。

0

CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス その⑧

幸いにも、民間人は大体ひとまとまりになってある建物の傍に固まっていた。そして、そのせいかインバーダ達は彼らに一斉に襲い掛かっていた。
「この距離だと、ちょっと間に合わなさそうだな……ちょっと失礼するよ、ベヒモス」
「え?」
突然、デーモンが私の腰の辺りを掴んできた。
「デ、デーモン⁉」
「飛ぶよ」
そう言って、デーモンが“怪物態”に変化した。山羊の脚と角、蝙蝠の翼、長い尾を持つ、大柄で不気味な人型の怪物が私を捕まえたまま飛び上がる。咄嗟に私も能力を発動して、体重をほぼ0にまで軽くした。
「わ、軽い。こりゃ良いや」
デーモンは殆ど瞬間移動みたいなスピードでインバーダの群れをかき分け、人型に戻りながら化け物たちの前に立ち塞がった。
「やあ君達、君達の願いを叶えてあげる。だから望みをお言い?」
デーモンは何故か、民間人たちに向かって何やら言い始めた。
「デーモン、何やってるの⁉ インバーダが……」
「悪いけど、必要なことなんだよね。ちょっと時間稼ぎ頼める?」
「ええ……ああもう!」
仕方ない。とにかく私だけでもインバーダと戦わなきゃ。まずは飛びかかってきたクマのような姿のインバーダの突進を受け止める。能力で全身の質量を何十倍にも上げることで防御には成功した。そして、無防備に晒された鼻っ面に、更に質量を増強させた拳を、思いっきり振り下ろし殴り潰した。地面に伏せた頭をそのまま踏み潰し、続いて飛びかかってきた食肉目型のインバーダもパンチで吹っ飛ばす。この攻撃で、小さなインバーダがいくらか巻き込まれて吹っ飛び、包囲網に小さな穴ができた。

1

企画:ピッタリ十数字 レギュレーション補足

こんばんは、ナニガシさんです。
先日ナニガシさんが立ち上げたポエム企画「ピッタリ数十字」ですが、参加作品を書いている最中に、レギュレーションに穴を見つけたので、埋めていこうと思います。
まずはレギュレーションの振り返り。

・本文の文字数が「10字」「13字」「15字」「19字」のいずれかのポエムを制作し、投稿する。
・参加投稿には、指定タグとして「ピッタリ〇字」を付ける事。
※「〇」の部分には選択した文字数を入れてください。
・期間は2月中。それより前の投稿は指定タグが「ピッタリ〇字習作」に、3月以降の投稿は指定タグが「ピッタリ〇字遅刻組」になります。
・英数字や記号は、半角全角に拘らず全て1文字としてカウントする。
・句読点、「!」、「?」も全部1字カウント。なので「⁉」は2字だし「!!!」なら3字になります。使い方には気を付けて。

ここに1つだけ追加させてください。それがこちら。

・空白(スペース)や改行は文字数にカウントしない。

例を示すなら「カエル」も「カ エ ル」も「カ エ ル」も全部3文字としてカウントされます。
「 カ
 エル」 ←これも3文字。

本番前に気付けて良かった。新ルールも上手く使って、ポエム掲示板を盛り上げていきましょう。

0

視える世界を越えて エピソード5:犬神 その④

少女が種枚さんから離れて、かなりの距離を取ってこちらに向き直った。
「……おい君、5歩以上下がった方が良い」
ビーチサンダルを脱ぎ捨てながら種枚さんが私に言ってきた。それに従って、念のため10歩ほど下がる。
直後、地面に巨大な穴が開き、種枚さんと少女は穴の底に落下していった。
「ありゃ、遅刻しちまったか」
聞き覚えのあるその声に振り返ると、鎌鼬くんが自分の背後から穴の底を覗き込んでいた。
「あ、どもッス」
「鎌鼬くん、ひさしぶり」
「ッス」
「この穴、何が起きて……?」
「あの子、師匠は犬神ちゃんって呼んでるんですけどね。あの子は所謂『犬神憑き』の家系の出なんですよ」
「……それが、この穴とどう関係が?」
「それは俺にも分からないけど、どうもあの子は『土砂や岩石を操る』力を持ってるみたいなんですよ」
「な、なるほど……」
再び穴の底に目をやる。しかし、二人の姿は見えなかった。2人の上方に、それまで穴のあった場所を埋めていた土砂が塊状に集まって浮かんでいたためだ。
「あ、もうちょい離れた方が良いですよ」
「えっ」
鎌鼬くんに引きずられるように下がって数秒後、穴から途轍もない破壊音と振動、土煙が上がってきた。

0

ちょっとした企画:ピッタリ十数字

どうも、ナニガシさんこと何かが崩壊している者です。またもやちょっとした企画をぶん投げようと思います。
その名も「ピッタリ十数字」。今回はポエムの企画ですね。

ルールは簡単。企画名の通り本文の文字数がぴったり十数字のポエムを投稿していきましょう、というもの。
ただし、別に10文字台なら何でも良し、というわけでもありません。今回のレギュレーションで許された文字数は、「10字」「13字」「15字」「19字」の4種類のみ。
また、英数字や記号は全角、半角に拘らず1字にカウントします。句読点も1字。
「!」や「?」も単体で1字になります。「⁉」の場合は2字ってことになりますね。「!!!!!」なら当然5字にカウントされますが、字数調整が簡単になり過ぎちゃうので、できれば気軽にそういう真似はやらないでくれた方が嬉しいなー……。

期間は2月1日~2月29日まで。
参加者は、タグに「ピッタリ〇字」と入れて投稿してください。〇の部分には自分のポエムの文字数を入れてください。だから「ピッタリ13字」とか「ピッタリ15字」とかそんな感じ。
ちなみに、企画期間より前や終了後に投稿しても良いんですが、その場合は企画の指定タグの後ろに、前なら「習作」、後なら「遅刻組」と入れてください。
つまり1月中に出すなら「ピッタリ19字習作」みたいな、3月以降に出すなら「ピッタリ10字遅刻組」みたいな、そんな感じになります。
簡単なような面倒なような、そんな企画ですがどうぞ奮ってご参加ください。

0

CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス キャラクター紹介

・サラマンダー
性別:男  外見年齢:15歳  身長:159㎝
特殊能力:自身に干渉するエネルギーを反射する
主な使用武器:なし
〈アウトロウ・レプタイルス〉のリーダー。壮絶なじゃんけんの末にこの地位を勝ち取った。元々はとある政令指定都市に配備されたモンストルムの1体だったが、その都市のインバーダ対策課がインバーダの襲撃により早々に壊滅し、流れで自由の身になってしまった。今は自分たちの意思で都市を守っている。渾名は「サラちゃん」。
・ラムトン=ワーム
性別:男  外見年齢:16歳  身長:165㎝
特殊能力:あらゆる事物が己にとって害とならない
主な使用武器:鉈
〈アウトロウ・レプタイルス〉のメンバー。能力の影響で外的要因による死がほぼ起きず、〈アウトロウ・レプタイルス〉の当初の目的に最も近いモンストルムであるため、パーティ内ではリーダーの次に偉い。ただし「害にならない」だけであって首が落ちれば神経の切断によって体は動かなくなるし、完全に炭化したりすれば細胞が使い物にならなくなるので、決して無敵では無い。けど怪物態になると回復力まで手に入れちゃうので、暴走したらちょっと手が付けられないので何も起きないことを祈るしか無い。ちなみに害にならない方法を用いれば、殺すことも可能。そんな方法があるのか? 僕は知らない。渾名は「ラムちゃん」。
・ククルカン
性別:女  外見年齢:12歳  身長:130㎝
特殊能力:大地をかき混ぜ、変形する
主な使用武器:折り畳み長槍
〈アウトロウ・レプタイルス〉のメンバー。神格存在の名なので実質一番偉い。僕も気付かなかったが人から褒められたり感謝されたりするのが好き。『勤め先』が壊滅して最初に「自分達の意思でこの街守ろうぜ!」って言い出したのがこの人。渾名は「くーちゃん」。
・蛟(ミズチ)
性別:女  外見年齢:14歳  身長:150㎝
特殊能力:あらゆる有機物を調理し、高い効果を持つ料理に変える
主な使用武器:包丁
〈アウトロウ・レプタイルス〉のメンバー。メンテナンスをしてもらえない分この子が頑張ってるおかげでどうにかなってるので、パーティ内でも別格に偉い。調理するという能力の特性上、行程で必要なら火も出せる。水や油や調味料は別途必要。渾名は「みーちゃん」。

1

CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その⑤

ミズチの雄姿を見届け、サラマンダーはラムトンとククルカンの下に引き返した。
「くーちゃん、ラムちゃんの様子はどう?」
「ん、サラちゃん隊長。ぜんぜんだめー。あのビームでちょっと蒸発してる」
「そっかー。じゃあみーちゃんが戻ってくるまで待とうか」
「んー。……ねえラムちゃん、土に還る気無い?」
「無い」
駄弁る3人の背後で、倒れていたインバーダが突然爆散した。
思わず3人が振り返ると、燃えるインバーダの残骸から、ミズチがほくほく顔で這い上がってきた。その両手には何かを抱えている。
「はいタイマーストップ」
そう言いながら首にかけたストップウォッチのボタンを押し、画面を確認する。
「3分18秒……30m未満級だとまだ遅いなー。最初っから“怪物態”で行けばよかったかなー」
頭を掻き、抱えていたものを地面に置いた。
「今回は可食部がちょっと少なかったけど、頑張って削ぎ落としたよー。軽く味見した感じ、思ったより甘くて柔らかくて生でも美味しかったから、雑に炙ってたたきにしました。さあ食えラムちゃん」
言いながら、インバーダの外皮を加工した皿に乗った肉片の一つをラムトンの口に押し付ける。
「どうよ?」
「…………」
「美味しい?」
「…………」
「おーい?」
「…………、咀嚼中に声を掛けるな馬鹿」
「あー……それもそっか。で、どうだった?」
「もっとあっさりした味付けを所望」
「オーケー。次は調味料も色々持ってこよう」
戦場跡に、武装車両の駆動音が近付いてくる。
「お、後始末の軍隊が来たな。そろそろ撤退だ。ラムちゃんの身体はくっついた?」
サラマンダーに尋ねられ、ラムトンは自分の身体を見下ろしてから首を横に振った。
「いや、動かせるレベルでは付いてない。表面だけなら繋がった」
「分かった。くーちゃん、お願いできる?」
「まかせろー!」
ククルカンが地面を軽く叩くと、4人のいた場所が僅かに持ち上がり、彼らを乗せてスライドするようにその場を離れた。

0

CHILDish Monstrum:水底に眠る悪夢 キャラクター紹介

・カナロア
性別:?  外見年齢:7~15  身長:可変
特殊能力:触れた『人間』に恐怖を与える触手を展開する
とある都市の地下隔離室に幽閉されているモンストルム。大規模決戦兵器として生み出されたものの、何故か人間に対して有害な能力が発現してしまい、地下深くに隔離された。本当にどうしようもない時は、タコ足の如き触手だけを地上に伸ばしてインバーダをボコボコにする。人間との区別は触手で捕まえた時に硬直するのが人間、振りほどこうと暴れるのがインバーダ、って感じ。
クトゥルーとは能力の性質が酷似していたためか、触手が融合し離れられなくなってしまった。そのためか彼我の境界も曖昧になっていて、一人称は二人合わせて『ぼく』。自分一人だけを指す機会は無い。渾名は「ロード」。

・クトゥルー
性別:?  外見年齢:7~15  身長:可変
特殊能力:触れた『人間』に狂気を与える触手を展開する
とある都市の地下隔離室に幽閉されているモンストルム。大規模決戦兵器として生み出されたものの、何故か人間に対して有害な能力が発現してしまい、地下深くに隔離された。本当にどうしようもない時は、タコ足の如き触手だけを地上に伸ばしてインバーダをボコボコにする。人間とインバーダの区別は、触手で捕まえた時に滅茶苦茶に暴れるのが人間、冷静に振りほどこうとするのがインバーダ、って感じ。
カナロアとは能力の性質が酷似していたためか、触手が融合し離れられなくなってしまった。そのためか彼我の境界も曖昧になっていて、一人称は二人合わせて『ぼく』。自分一人だけを指す機会は無い。渾名は「リトル」。

0

CHILDish Monstrum:人造神話隊 その①

深夜、とある都市の上空約200mを、一つの影が高速で飛んでいた。
「ビャキたんもっと飛ばせぇー! いくら我が国のヘータイったって私らがいつまでも居なくて持つかよー」
「ちょっっっと待ったァティーちゃん! その言葉聞き捨てならないヨー⁉ 戦車も戦闘機もつよつよ最新鋭だぞー⁉」
「相手はインバーダだ! 私らがいなきゃ詰みだろーが!」
「わたしの信仰がインバーダごときに負けるとでもー⁉ それはわたしの力を疑うことだヨー⁉」
その影の上で騒ぐ二人のモンストルム、ディープワンとティンダロスを、飛行していたモンストルムの少女、ビヤーキーが諫める。
「うるさいよ、ぷわん。ティー。振り落とすよ?」
「ナンデわたしの名前を先に呼んだの⁉」
「ぷわんのほうが好きだから。あんまりうるさいと高度上げるよ?」
「ゴメンナサイ……。でも好きなのはウレシイ」
「ティーも落ち着け。ぷわんが大丈夫だって言ってんだぞ? 大丈夫に決まってるでしょ」
「がるる……」
唸るティンダロスの顎を、その後ろに控えていた少年のモンストルム、ナイトゴーントが掻き撫でた。
「許してやってくれよ、ビャキ。コイツは暴れたいのと人間が心配なのとが頭ン中でごちゃ混ぜになってトチ狂ってんだ。だから真っ直ぐ飛んでほしい。俺が死ぬ」
「……そんな心配するなぃヤキちゃんよ。もうすぐ着くよ」
ビヤーキーが地上を指差す。街灯の明かりに照らされて、無数の影が蠢いているのが見えた。

2

CHILDish Monstrum:水底に眠る悪夢

「おはよう、“ロード”」
能力によって展開された触手で埋め尽くされた狭い地下空間。その奥底で1人のモンストルム“クトゥルー”は相方に声を掛けた。
「おはよう、“リトル”」
触手に埋もれて眠っていたもう1人のモンストルム“カナロア”も目を覚まし、相方に挨拶を返した。
「今日の早起き対決はきみの勝ちか。これで何勝何敗だっけ?」
「10回より先はもう覚えてないよ」
「そっか」
2人の肉体は、能力によって各々の肉体から伸びる無数の触手が絡み合い、一つになっている。2人の意思は触手を通して音声言語を必要とせずに共有できるのだが、それでも敢えて、口に出してのコミュニケーションを意識していた。
2人が幽閉されている地下空間には、既に数年もの間、IMS職員も訪れていない。ただ定期的に、給餌用の小さな扉を通して食料と水が届けられる、それだけが外界との繋がりである2人にとって、発話を介するコミュニケーションは人間性を失いただの化け物に成り果てないためにも必要な行為だった。
「………………」
クトゥルーは数十m先に地表があるであろう天井を見上げ、触手を通してカナロアに意思を飛ばした。
(“ロード”、今日は何だか上が煩いね?)
(そうだね。ここに来てから初めてくらいの五月蝿さだ)
(もしかしたら、出番があるかもしれないね)
(そうだね)
2人が念話をしていると、天井がスライドし、金属製の格子と遥か上方に僅かに見える外の光が現れた。
「やっぱり『ぼく』の出番だ」
「うん。『ぼく』の力が必要なんだろうね」
無為に地下空間を埋め尽くしていた無数の触手が、整然とした動きで解かれ、格子の隙間から地上へと向けて高速で伸長していく。
「「平伏せ。『我』は水底の神なるぞ」」
完全に重なった二人の言葉の直後、無数の触手が地上に出現し、交戦していたインバーダ、IMS、モンストルム、それら全てを隙間ない奔流で飲み込み、叩き潰した。
「思ったより数があったね」
「うん。一応人間は潰さないようにしたけど……もしかしたら『ぼく』以外のモンストルムが戦場にいたかもしれない」
「別に良いよ。モンストルムならこの程度で死ぬわけが無い。これで死ぬならどの道インバーダには勝てないよ」
「そうだね」
天井が再び閉まり、2人は触手の中で眠りに就いた。

0
2

クリスマスクロスオーバー座談会

リンネ 「メリークリスマス!さぁクリスマスだ、皆、せいぜい楽しみ給え!」
優 「何で上から目線何時なんだよ!と言うか何でガキが音頭取りしてんだよ!」
リンネ 「ガキとはなんだい?私から見ればここにいる全員、赤子と大差ないのだよ?」
光 「うん、僕から見たら君も唯のガキに他ならないけどね。」
優 「知らねぇけど二人とも中高生にしか見えねぇよ!」
リンネ 「なっ...568だよ!全然ガキじゃないだろう!」
光 「残念だったね、僕は来年で713だよ。」
リンネ 「くっ...!」
優 「何だよここ人外しか居ねぇのかよ!」
蘭 「まぁまぁ、楽しければ善いんじゃない?」
ミル 「そうですよ。マスターが酔い潰れ無ければ何でも善いです。」
優 (不憫な奴...)
桜音 「と言うか皆さん、やたろうなるど阿呆のお陰でこんな風になっているわけですけど、何か思うところ無いんですか。」
光 「まぁ...あれでも4年間もの書きしてたし、ねぇ...」
桜音 「先生、言葉を濁さないでください。」
光 「ゔっ」
優 「まぁ善いさ、終わったらぶちのめしてやる。」
蘭 「さぁ、優がやたろうをぶっ飛ばすのが先か、優が酔い潰れるのが先か...うふふふ、見ものだね。」

ーto be continueー

1

クリスマス小説祭 プレゼントNo.2

「動く点p」さん、参加有難う御座います。
それではどうぞ、題名は「吾輩を猫とする」。

吾輩は何者であろうか。自分のことだが、自分でもとんと検討がつかぬ。しかし、こうしてものを考える以上、混沌に生まれ混沌に沈みゆく無為の塵とは思えぬ。そして初めて、自分以外の生物を見た。随分後から知ったことだが、あれは「学生」と言うものであった。学生とは、よくわからぬ詭弁に注力し、のらりくらりと日を過ごす偏屈者だと存じている。そうして吾輩は、その学生、「優里」なるものの下で過ごすこととなった。彼は、友人と酒を飲み、やれ政治がなんだ、学問がなんだ、と怒鳴り散らす。うるさくてたまったものではない。また、彼はよく、カステラなる黄色い物体を食した。吾輩もかけらをもらったことがあるが、たいして美味くはない。やはり、学生と言うのは物好きである様だ。ある時、彼が友人にこうこぼしているのを聞いた。

「この前拾った猫、変わってんだよ。じっとこっち見たり、キョロキョロ何か観察してやがる。何だ、猫ってのは皆そうなのか?」

成程。吾輩をその、「猫」とやらだとした場合、吾輩の行動は少しおかしかった様だ。しかし、今の会話より、吾輩の正体が決まった。これより、吾輩を猫とする。

2

タイトルとあらすじとキャラだけ決まってるやつ

【52Hzのうさぎ】
AIの反乱で崩壊した世界にただ一人生き残った、愛を信じられない少女音兎(おと)。科学者たちの足掻きによってAIすらも崩壊したこの世界で、音兎は配達途中だったであろう手紙の山を見つける。手紙を一つひとつ読みながら、皆が思っていた“愛”を想像していく。

【世界のコントローラー】
幼馴染の小夏(こなつ)と奏太(そうた)は、暮らしている村の山に建っている神社で桐箱を見つける。同時に現れた、二人の祖先だと言う枉夏(おうか)と祀夕(しゆう)。その出会いが、二人の運命を動かす。

【鉄の唄】
アンドロイドも「感情」を持つことが当たり前の世界。アンドロイドであるヴィオは、ずっと何かを探している気がしていた。それは、温かくて、優しくて、愛おしいもの。「感情」とはなんだろうか。

【僕らの声はいつだって消えやしないんだ】
歌うのが大好きな少女聖(せい)は、普段公園で子どもたちとよく歌っていた。それを聴いた純(じゅん)と類(るい)は、自分たちで創部する軽音部のボーカルとしてスカウトする。しかし聖は、ある問題を抱えていた。

【雨の獣】
一人一つ何かの動物を司る家系、緋川家。トラを司って生まれた虎(とら)は、天賦の才を備えていなかった。それと対照的に、末っ子の珠音(たまね)はネコを司り、炎を操る力を持っていた。両親は珠音に厳しい訓練を強いる。虎は珠音を連れて緋川家から出ることを決意。二人は追手から逃げながら、外の世界で幸せに暮らしていく――はずだった。

0

視える世界を超えて キャラクター紹介②

・種枚さん
鎌鼬くんを鎌鼬くんにした種枚さん。鎌鼬(妖怪)をボコボコにしていたところに遭遇した、当時まだ鎌鼬くんではなかった鎌鼬くんに鎌鼬(妖怪)の生き血をシェアしてあげた結果、鎌鼬くんは鎌鼬くんになった。
霊感をあげた相手のことを「息子/娘」と呼んでいる。ちなみに娘も一人いる。
霊感をあげる絵面は「怪異にかぶりつく→相手の顔を捕まえて片手で口を開けさせた状態に固定する→怪異の生き血を口移しで相手の口にだばぁする」なのでかなりホラー寄り。これ以上本気で誰かに霊感をあげるつもりは無いようです。

・鎌鼬
年齢:高校生  性別:男  身長:170㎝
種枚によって霊感を得た少年。いうなれば弟子。その時に喰らった怪異存在の性質が肉体に表出し、【鎌鼬第一陣】の力を得た。怪異の力に半分くらい飲み込まれかけていて、油断してると人間を捨てそうになるので、その度に種枚にボコられる。
※【鎌鼬第一陣】:鎌鼬のうちの1体の力。肉体を風に変化させ、高速で、自由に空間内を移動し、肉体の接触を感じさせること無く対象を転倒させることができる。発動中は同じ距離を短距離走のペースで走るのと同程度のスタミナを消費する。

0
0
0

視える世界を超えて キャラクター紹介①

・千葉(チバ)
年齢:19  性別:未定  身長:種枚さんより少し高い
薄味だけど多分主人公。大学生。昔から霊が見えたが、霊感持ちではなかったために対抗手段がなく、正直とてもしんどかったそうです。ちなみに一人称は「自分」。

・種枚(クサビラ)
年齢:不明  性別:女  身長:160㎝
この物語を主軸になって動かしてくれる人。人。生まれた頃から歯が生えていた所謂『鬼子』(ぜひお手元の国語辞典で「鬼子」を調べてみてください。10代20代の皆さんなら持ってると思うので)。
ちなみに名前は偽名なんですが、由来は「鬼子→鬼の子→きのこ→クサビラ」の連想ゲーム。
手足の爪は通常の人間より長く硬く鋭いものになっており、筋繊維も常人より遥かに頑丈なので、身体能力もちょっと度を越して高い。
また感情の起伏がそのまま体温に直結する体質(熱くなれば熱くなるし冷めれば冷たくなる)の上に気性がかなり荒いので物理的に熱くなりやすい。
あと興奮すると何か角も生える。牙も鋭くなる。口も裂ける。瞳も金色に人外めく。
本人は祖先のどこかに鬼の血でも混じっていたのではないかと考えているが、現実はもう少しすごくすごい。少なくとも純血のホモサピ。
高い身体能力、鋭く頑丈な爪、超高温・超低温になる体質、霊感、あと色々を生かして、怪異を屠りまくっている。得意戦法はパワー・スピード・スタミナのうち相手の得意は更に上回って上から押し潰し、苦手分野は徹底的に叩く脳筋の極みみたいなやり方。持てる全てをフル活用した数々の必殺技には全部きちんと名前がついている。今回使った技で技名を口にしてないのを含めると名有りの必殺技は【垂爪】【推火爪】の2つ。

0

視える世界を超えて エピソード1:鬼子 その⑧

「多分これで本当に終わりだと思うよ」
声がした自分の隣に目を向けると、種枚さんがそこに立って腰に巻いたパーカーを着直していた。
「流石に体組織が燃え尽きて生きてられる生き物はいないと思うから」
「え?」
もう一度、人影の方を見る。まるでタイミングを見計らったかのように倒れた身体の随所から発火し、みるみるうちに灰の塊へと変わっていった。
「な、何が起きて……」
「知りたい?」
「それはまあ、はい……」
種枚さんが自分の額に指先を当ててくる。するとまるで針でも突き刺されたような痛み、いや高温が襲ってきた。
「熱っつ⁉」
「どうよ、熱いでしょ」
「何ですかこれ⁉」
「やァー、私興奮すると体温上がるタチでさァ」
「限度があるでしょう⁉」
「生命の神秘だよ」
とりあえず指は放してもらって、一度落ち着く時間をもらう。
「落ち着いたかい?」
「はい、ありがとうございます……助けてもらったことも含めて」
「それは気にしないでおくれ。人間を人外共から守るのは私みたいな力ある奴の義務みたいなモンだからさ」
最後に一度、こちらの肩を軽く叩き、種枚さんはどこかへ歩き去って行ってしまった。

0
0