仔鬼造物茶会 Act 24
「まさかお前、“黒い蝶”‼︎」
琅がそう声を上げると、黒い影ことナツィは琅を鋭く睨みつける。
「…テメェ、ソイツに何してやがる」
ナツィが低い声でそう言うと、琅は何してやがるってこっちのセリフだ!と言い返す。
「お前ら何しに来たんだよ!」
その言葉にナツィは、はぁ?と呟く。
「そりゃあ…ソイツを取り戻しに来たんだよ‼︎」
ナツィはそう叫ぶと、蝶が象られた大鎌を振るいながら琅に襲いかかる。
それを見た琅はキヲンから手を離すと上着の内ポケットから緑色の魔力式銃を取り出しナツィに向けて撃ち始めた。
しかしナツィはそれを易々と大鎌で弾き、琅を脳天から真っ二つにしようと大鎌を振り下ろそうとした。
だが琅は誰もいない己の左側に転がってそれを避ける。
その途端琅の額の左側に1本のツノが生える。
しかし琅がキヲンから少しばかり離れてしまった。
「露夏‼︎」
地上に再着地したナツィがそう叫ぶと、りょーかい‼︎と近くにある倉庫の陰から赤髪にキャップ帽のコドモが駆け出してきた。
赤髪のコドモこと露夏はキヲンと琅の間に入ると琳に向けて包丁を向けた。