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black sheep(リメイク版)

「待って!待ってよ!」
私がこれからすることの1番の恩恵を受ける人であり
おそらく1番悲しんでくれるであろう人は
やはり最後を見届けるこの屋上に現れた
「ダメ!私はあなたのそばにいちゃいけないの。
あなたは綺麗な白を纏う聖なる羊、なのに私は罪に汚れた醜い黒い羊、住む世界が違うの!」
屋上のフェンスを前に私は友達に言ってしまった。
「違う!私はあなたが好きなの、あなたを失いたくない!
たとえ周りからなんと言われようと私はあなたを信じるから!友梨奈ちゃん!」
その友達はフェンスに手をかける私を必死に止めるように名前を呼んだ。
その瞬間ヒガンバナの花ビラが落ちるように何かが私の心を開こうとしてる感覚がした。
「違うよ…虹花ちゃん…私だってあなたが好き…
でも…あなたは…私といたらきっと何かを失う…から…ねぇお願い!私を殺して!」
逃げたかった。あんな顔を友達にさせたこと、クラスの子に言われたこと、全てが次々に私の心を攻める。
もう私はここにいちゃいけない…

“私が犠牲になってあなたが幸せになるなら…”

願ってしまった、こんな残酷な願いを。
指にフェンスが食い込む。

“あの子にヒガンバナが渡るくらいならいっそ…”

次々と死ぬ理由が浮かんだ。
フェンスの1番上に手がかかる。
手に当たる風が強い…
あぁ、もう何も苦しまないでいい。

そう言って…
友達の苦痛に満ちた顔から逃げた。

私は結局最後まで厄介者でしかいられない…

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続・いじめの魔力 take2

『人を攻撃することは悪、そんなことわかってる
でももうそれでしか変えられない、この恐怖は、それを作るこの空間は!いつかそれが無くなるまで、勝ち続けないといけないんだよ!』

“…違う…多分それは違う…この恐怖は…僕自身が生み出した魔物だ…この魔物に食われないために皆を生贄に出した
魔物から目を背けてきた…僕はただの弱者のままだ!”

『違う!俺は弱者じゃない!だから生きている!この空間で確固たる自分を持っている!ここでやめたら今までの犠牲が、捨ててきた情も、何もかも無駄になる!終わっちゃいけないんだよ!この空間のために!』

“…なら…僕が終わらせる!
あの人に僕の全てをぶつけて答えを出す!”

『委員長に頼って何になる、委員長は俺を助けなかった!そのくせ、いじめは無くせるとかほざいてる。全ての元凶を見てすらいないんだよ、委員長は!』

“違う!あの人は守ってくれてたんだ!だってそうだろ?誰一人として僕に復讐する者はいなかった!まして自殺する者も!新たな恐怖に僕が、誰かが怯えないために!”

『そんなはずない…俺は…間違ってない…委員長なんて…誰とも仲良くする振りをする最低な野郎だ…そのくせ、メリットのない人間は切り捨てる…俺はその被害者だ…』

“そうだ…‘俺’は‘僕’の劣等感が生み出した魔物…
‘俺’にとって1番の敵は‘僕’なんだ…
僕が‘俺’を認めない限り恐怖の全貌は見えない
1度刃を置いてみよう…こんなこと言うのは初めてかな

「お疲れ様」
「おやすみ」
「さよなら」