K
「生きたくても生きられない誰かに寿命をあげたいの。」君は言う
「もったいないから。」素っ気なく呟くから否定しても無駄な気がした
「それでいいの?」と小さく尋ねると
「たぶん天使になれるんじゃないかなあ。」とおどけた君の片足は宙に浮いていた
カトラパタリーナ、秘密だよ
密な口約束だけして
もう一回笑って、笑って、笑って、
嘘つきは誰だ
羽を奪った羊にはもう空は飛べない
わかっているから君は羊を数えたがらないのか
夜は渦巻いたひとときの安らかどんどん落ちる流星群
冷たい風に遊びに誘われ迷子になっても「何でもない」って言えば勝ちなのに
「お迎えだ。」
カトラパタリーナ、秘密だよ
この呪文だけ残して
「明日もう一回とかもう二度と言わないで。」とわかったような口ぶりで
歪な口約束だけしたがる
カトラパタリーナ、君のこと
屑になった紙きれ星の成れの果てだって
君と眺められるなら最高だ