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世にも不思議な人々㉕ ハッピーバースデー

安芸「あれ、こんにちはチャチャさん。奇遇ですねこんなところで」
伏見「お、おう、お華さん、奇遇だね……」
安芸「こんな所で何をしてるのです?」
伏見「うっ、いや、それは……」
安芸「んー、具体的には、10代女子向けの雑貨店の前で何をしてたんですか?」
伏見「うあー、仕方無い。話してしまおう」
安芸「はい」
伏見「いやさ、君、もうすぐ誕生日じゃない」
安芸「はい、7月13日です」
伏見「そう、明日なんだよなぁ」
安芸「何故に知ってるのです?」
伏見「……キタさんに聞いた………」
安芸「あの人でしたか」
伏見「で、話を戻すけど。まあ折角だから君に何か贈答品でもくれてやろうと思ってね。けどどうにも君のような子の好みは分からなくって」
安芸「へえ。それはなんか、照れますね…」
伏見「ちょうど良いや。何か欲しいものを言ってくれないか?買ってあげるからさ」
安芸「良いんですか?ありがとうございます」

伏見「で、何が欲しい?」
安芸「んー………。あ、これ可愛い」
伏見「………操り人形?」
安芸「はい。この木目が浮いた、何も描いてないシンプルな顔がまた、素敵です」
伏見「へえ…(変わってるなあ)」
安芸「今の間は?」
伏見「いや、別に。じゃあこれで良いね?」
安芸「じゃあ、お願いします」

伏見「では改めて、ハッピーバースデー、安芸ちゃん。祝いの品を贈呈しよう」
安芸「はい、ありがとうございます」
伏見「この人形には僕の能力を込めたから、きっと役立つよ」
安芸「何ができるのです?」
伏見「まあ、発動しないに越したことは無いんだが、まあある種身代わりみたいなものだね」
安芸「ほう」
伏見「ああ、あとこれ」
安芸「これは…造花?」
伏見「うん。枯れない花なんて素敵だろう?造花って個人的に好きなんだ」
安芸「わあ素敵。ありがとうございます」
伏見「どういたしまして」
安芸「今日は色々と、本当にありがとうございました」
伏見「良いの良いの。気にしないで」

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑰

「あ、いやそんなに気にしないで! …同じようなこと、前にもあったから」
だから謝らなくても、とわたしは言った。
2回目だから慣れてるってワケじゃないけれど…なぜかあまりビックリしなかった。
あの時は普通に友達だと思ってたから、興味の対象として見られていた事に気付いた時はショックが大きかったけど、今回は友達とかそういうのは考えていなかったから、意外と平気だったのかもしれない。
…もしかしたら、近くの席になったころからちょこちょこ笛吹さんが接触してくるようになったのは、シンプルに”興味”があったからなのかも…そう思った。
そう考えると、やっぱり異能力者って恐ろしい。
笛吹さんとか、あの”彼ら”とか、パッと見た感じは普通の人間とあまり変わらないのに、どこか”普通じゃない”ところがある―それは、彼ら”異能力者”は、過去の”異能力者”の記憶を引き継ぎ続けるからなのかもしれない。ずっと人々を見続けているのなら、ちょっとぐらい常識から外れていてもなんとなくおかしくないような気がする。
「…そうだ、不見崎(みずさき)さん」
ふと何かを思いついたように笛吹さんが手を叩く音で、わたしはフッと現実世界に引き戻された。

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世にも不思議な人々㉓ 回避の限界にチャレンジ

安芸「こんにち…うわっ。何やってるんです?」
萩『おーやっと来た。リー…安芸ちゃんも早く来て!』
安芸「ちょっと皆さん?何故にその人吊られてるのです?」
キタ「前回言ったろ?回避性能の限界にチャレンジするのさね」
初「おーい早く始めておくれェ……。頭に血が登るゥ………」
キタ「了解!さあさあ皆様。こちらに用意されましたのは、ナーフ都合125台。X-shot都合70台。弾はそれぞれ五回は再装填できます。BB弾を撃ち出すエアガンが合計8丁。弾は全部で2000発。スリングショットも3台。弾は…確か500発くらいあったかな?ダーツが80本。あとはブーメランが7本。これら全部初君に向かって撃ち込みます!全て避け切ったら拍手喝采モノ!ああ、因みに初君には目隠しもしてもらいます」
伏見「うへえ無慈悲」
滝沢「日頃の仕返し、させてもらうぜ!」
キタ「全員銃は持ったね?撃ち方ー、始め!」
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伏見「全弾撃ち尽くしたかな……」
キタ「予想はしてたけどまさか全部避けるとは」
那由多「こいつも化物だったか」
初「こいつって言うな…僕年上ぞ…。あー疲れた。どこから何が来るかは分かるんだがよ……集中しなきゃなんないのがキツイな」
安芸「ところで一つ良いですか?さっきまで逆さ吊りにしてた縄を支えてたその巨人は何者なのです?」
萩『ああ、それについては私が説明するよ。彼はこの間会った能力者の…』
阿蘇「オーイお嬢。萩美帆嬢。俺の本名ハ言うなと言ってるヨナ?言わないトは思うガ念を押しトクゼ」
萩『おっと。えっと、彼は…阿蘇さんです。能力は「森のくまさん」。人外になる能力だとか』
安芸「へえ……。阿蘇さん、初めまして。安芸華世と申します。以後お見知りおきを」
阿蘇「オウヨロシク」
キタ「まあ、僕は君の本名知ってるんだけどな?言ってやろうか?フフフ」
阿蘇「アア?テメーぺっちゃんこに潰シテくれようカ?」
キタ「おお怖い怖い」

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑮

「いや、別に、わたしは不見崎(みずさき)さんは何もしてないって思ったからだけど」
「あ~ それは分かってるんだけど… そもそも、あの時能力使って大丈夫だったのかな~って…”異能力”って、バレちゃいけないって言うし」
わたしはちょっと恥ずかしそうに尋ねた。
「あ、そこらへんは…大丈夫! あん時目細めたから多分バレてないし、それに、茉花達とかはさ、わたしの『自分の言う事を相手に信じ込ませる』能力の副効果みたいなので、多分能力の影響が及んでいる間の記憶が曖昧になってるからさ、少なくともバレてないよ?」
ま、後で何か聞かれてもどうにかして言いくるめるからさ、と彼女は笑う。
「はぁ…ていうか、『自分の言う事を相手に信じ込ませる』って、すごくない⁈」
結構強力な能力だよね、とわたしが言うと、笛吹さんははにかみながら言った。
「え…あーいやアレ、できるのは、『自分の言う事を相手に”強制的に”信じ込ませる』ことで、『相手を自分の意のままに操る』ことはできないんだよね~。言う事はきかせられても、絶対に特定の行動させられるワケじゃないし…だから、意外と使い道限られちゃうんだけど…」
「やっぱり、すごいよ…」
わたしは思わず呟いた。それに比べてわたしは…

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ザ フール イズ オールソー ザ クラウン

「中身、何だった?」
よくスーパーのお菓子売り場に売っている、ウエハースがおまけに付いているカードの袋を開封しながら、友達が尋ねる。
「…これだよ」
うちはすっと彼女に袋の中のカードを見せた。
「The Fool…”愚者”、か。タロットカードの大アルカナの1番最初…」
「愚者?」
「そ、愚者。自由人。放浪者。このカードの絵柄の通り、道化師とも言う」
友達は自慢げに自らの知識―いや趣味を披露する。
「…うちにはさっぱりだなぁ」
うちはカードに描かれた愚者、いやむしろ道化師を眺めながら呟く。
「いつも自由にやってるあんたにピッタリだよ」
「そぉ?」
うちはちょっと首を傾げる。
「うち、これウエハース目当てで買ったんだけどなぁ」
「ホント、あんたらしい」
そう言って友達は自分のカードを見せる。
「あたしは…魔術師。どぉ? よくない⁇」
「さぁね…」
うちはカードのおまけのウエハースをかじりながら言う。
「にしてもあんたホントこういうの好きだね。集めてんの?」
「あー、お小遣いが許す限り、かな。まぁすでに何枚かダブってるんだけど」
「ふーん」
前々からそうだけど、こいつの趣味ってなんか変わってる。
変なカード集めてたり、変わった曲聴いてたり、オッドアイの変なぬいぐるみ連れてたり、ファッションだって個性的…ホント自由人、タロットの愚者、道化師そのもの。
「あんたって自由な人間ね」
ぽつり、と何気なくうちは呟いた。
「ふふ、ま、小さいころは周りに滅茶苦茶振り回されてきてきたからねぇ… 今は自分の意志で自由にやらせていただいてるよ」
彼女はそう笑って、ショッピングモールの屋上の柵から下界を見下ろした。
上から見える、ショッピングモールの入り口では道化師…いや大道芸人が芸を披露している。
彼女はそれをここから眺めているのだろう。
「なぁあんた、あれ…大道芸見たいんなら、下行けばいいんじゃない?」
彼女は長い髪を揺らしながら振り返る。
「ここからでも、あたしには十分見えるわ」
ああそうだったな、とうちは笑い返した。
フフフッ、とどこかわざとらしく笑う友達の瞳は、綺麗なネオンパープルに輝いていた。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ⑬

確かに、「異能力者は普通少ない」って、セレンさんも言ってたっけ。
笛吹さんはさらに続ける。
「まぁ…この街は普通よりちょっと異能力者が多いんだけどね。その分、情報とかはが伝わるスピードが速いし…あと、いわゆる”情報屋”みたいなのもいるから」
「”情報屋”…?」
わたしは思わず彼女の言葉を繰り返す。
「そういう感じのだね、その人は。寿々谷で起こった異能力にまつわる情報を、勝手に集めて他の異能力者に教えたりするんだ。もちろん、教えてもらうには、それ相応の”代価”が必要だけど」
彼女は階段を1段、トンっと下りた。
「”異能力”のことを知ってしまった常人がいるって言うのは皆がチラチラ言ってたから知ってたけど、名前はその人から教えてもらったんだ~。…そしたらビックリ、まさかそれは後ろの席の人だったとはね」
そう言って笛吹さんはわたしに笑いかける。
わたしは終始笑顔でいる彼女の話を聞きながら、ふと疑問が浮かんだ。
―なぜ”情報屋”は、わたしの名前を知っているのだろう。
「”異能力”を知ってしまった常人がいる」ことは、”彼ら”が周りに喋って噂になってもおかしくない。…でも、本名まで言うだろうか? 
第一、わたしの名前を知っている異能力者は、あの4人と駅前で路上ライブをしているあの人ぐらいしかいない。
”情報屋”はわたしが今までに出会った異能力者たちなのか、それとも―

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世にも不思議な人々㉑ キタさん難受けるその3

で、どこまで話したっけ……ロバに乗って地雷原を突っ走ったところまでだっけ?あ!違う。これ別の話だった!
で、続きだけど。落ちてきた紙に書かれてた内容だよね。こんな感じ。
『これを読むに至った何処ぞの誰かさんへ
これを読んでいるということは、私の作った空間に入り、脱出できた能力者ということだろう。能力者しか入れないように空間を作ったのだから。さて、私がなぜこのようなことをしたのか教えよう。私はかつてただの路上でパントマイムを披露する芸人だった。それがある日突然不思議な能力を手に入れたのだ。しかもパントマイマーの私にぴったりの「パントマイムを現実に投影する」能力、というものだ。とはいえ、特にそれを使ってやることも無かったので、普段通り芸をやっていた。
そんなある日、私は大いなる意思により、死ななければならなくなった。しかし、せっかく能力を身に着けたのだ。その力と私の存在を少しもこの世に遺さずして死ねるだろうか。それでこの道を選んだのだ。少々驚いただろうが勘弁してくれ。誰だってこの世に産まれた意味というものを欲しいと思うのが道理だろう?
この空間は誰かが脱出すると消滅するようになっている。それを恨まぬわけでは無いが、これは言うなれば幽霊みたいなものだ。しがない一人の男の残留思念だ。これで成仏できるのだ。それについては心から感謝する。
最後に私の能力を紹介しておく。
 能力発動時の楽曲 からくりピエロ
 能力 パントマイムを現実に投影する能力。
私をこの世から開放してくれた君に幸あれ。』
こういうことだ。つまり、あのマイマーは……いや、止めよう。きっと僕の能力と彼の思いが変に影響し合っただけなのだ。
しかし、大いなる意思ねぇ…。確かに、『童謡』じゃあないからなぁ。作者は無情である。

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世にも不思議な人々⑰ 集え!リータ親衛隊

マホ『どーも皆さん。マホこと萩美帆です。今回は筆談でお送りします』
チャチャ「チャチャこと伏見清次ですー」
那由多「あだ名特に無し、神子元那由多です」
萩『今回はですねー、タイトルの通り、本シリーズ最強の能力者、リータこと安芸華世ちゃんと縁のある人物が集まってお話するという企画なのですけども』
伏見「で、何を話せと?」
萩『えー、作者からこれ話して、みたいな注文がいくつか来てるのでそれについて』
那由多「じゃあ早速行こう」
萩『最初は、「リータとの馴れ初めを教えて」』
伏見「前の方のエピソードを読め。」
那由多「終わっちゃった。終わっちゃったよ」
萩『うーん早い。じゃあ次。「ぶっちゃけ彼女のことどう思ってる?」』
伏見「うーむ……。何というか…、手のかかる、妹みたいな?あるいは姪っ子」
萩『私にとっては、命の恩人で、一番の親友で、それで……やっぱり何でも無いです」
伏見「何言いかけた?で、君は?」
那由多「え、えーっと……、その………、うぅ…
…、い、言えるかー!」
伏見「なぜキレた」
萩『落ち着いてなっちゃん』
那由多「なっちゃん言うな!」
萩『次行くよー。「なっちゃんマジであの時何されたの?」。私も気になる』
那由多「え、……えーっと……その……無理!言えない!」
伏見「マジ何されたの?」
萩『それはもう「ヨニヒト」七不思議の一つってことで』
伏見「ここに来て唐突に略称決まったね。そう取るか。作者のセンスが伺えるよ」
萩『じゃあ最後。「なっちゃんが某死霊使いに似てるってコメントがあったんだけど」だって』
伏見「ああ、あれか」
那由多「え、何それ」
伏見「ミズサキって人の語り部で能力者との日常を描いた作品があってね」
那由多「ちょっと見てくる」
萩『行ってらっしゃい』
伏見「行ってらっしゃい…暇になったな」
萩『しりとりでもする?りんご』
伏見「ゴール」
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伏見「オパール」
萩『うー……もうるは無いよ…』
那由多「何してんの?」
伏見「おお、お帰りどうだった?」
那由多「確かにボクと似てたー。けど面白いね。あのネロって子。ちょっと会ってみたいなー」
伏見「それについては作者に後でアポ取ってもらうということで」