LOST MEMORIES CⅦⅩⅨ
「ぼく、こっちなんだ。」
一定の距離をとる望との空気は有り難く心地好かった。
「私はこっちです。
喋らせ過ぎてすみません。次は、私が今日調べていたことでも共有しましょう。」
瑛瑠は望の眼を見る。
「様々な想いを明かしてくれてありがとう、望さん。休み明け、またお話しましょうね。」
望が探りを入れていたとはいえ、こちらからは何も与えていない。それではアンフェアというものだ。
望といることで困るのではないと伝われば良い、そう微笑むと、
「ほんと、そういうところだよ……。」
望は何やらぼそっと呟き、口元を押さえて瑛瑠から目を離す。
「望さん?」
「返事はいらないって言ったけど、」
拗ねるように言った望は
「これからは出し惜しみなくぼくがどれだけ好きかってこと、伝えていくから。」
そう言ったかと思ったら笑って、
「イニシエーション、完遂しようね。」
チャールズが言ってた言葉と重なる。
瑛瑠も微笑み、はい,と頷いた。