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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 10

「*]‘;・’{‘;’}<}+[‼︎」
飛竜はそのままインバーダに飛びかかった。
「いっけー‼︎」
ワイバーン!とイフリートは拳を突き上げて飛び跳ねるが、ゲーリュオーンは呆れたようにワイバーンの様子を見ていた。
「ワイバーン…指示はまだなのに」
「えーいーじゃんそれくらいー」
今回の出撃自体命令が出る前だったし、これくらい許してくれるだろーとイフリートはゲーリュオーンの方を見る。
「確かに命令が出る前の出撃だったが、それはまだいいとして指示前の怪物態使用は…」
「なんだよおめー真面目だな」
イフリートは長剣を地面に突き立てながら言う。
「アレか、お前作戦失敗が怖いんだ…」
イフリートはそう言いかけて言葉を止める。
なぜならゲーリュオーンが黙って俯いていたからだ。
「お前」
イフリートが思わず呟くが、ゲーリュオーンは黙ったままだ。
「…」
2人の間に沈黙が流れる。
しかしその沈黙は近くの建物にインバーダがぶつかり建物が崩れたことで破られた。
「危ない‼︎」
高い声と共に2人の頭上にバリアが張られ、頭上から落ちてくる瓦礫は弾かれた。
「2人共!」
バリアを展開するデルピュネーと共にビーシーが2人の元へ駆けつける。

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 9

「さーてどう奴を…っと?」
建物の屋上からワイバーンが地上を見下ろすと、2人のモンストルムが目に入った。
「イフリートにゲーリュオーン‼︎」
おーい!とワイバーンが大声を上げると、地上を走る2人は顔を上げた。
「お」
ワイバーン‼︎とイフリートは手を上げる。
「暴れ回ってるアイツー、あたいが倒しちゃってもいーいー?」
ワイバーンがインバーダを指差しながら尋ねると、イフリートはいーんじゃ…と答えかける。
しかし、いやまだだとゲーリュオーンがそれを遮る。
「本部からの指示が出てない」
「いやそんなのどうでもいいでしょ!」
イフリートはそう言い返す。
「指示ばっか待ってたら街への被害が広がるだけだ!」
お前だって分かってるだろ!とイフリートはゲーリュオーンに詰め寄る。
「…」
ゲーリュオーンはそっぽを向いた。
「という訳でワイバーン‼︎」
やっちゃえ‼︎とイフリートはワイバーンに向かってサムズアップをする。
その様子を見てワイバーンは了解‼︎とインバーダの方を見据えた。
そして雑居ビルの屋上から飛び降りた。
その瞬間ワイバーンの身体から光が放たれ、その影はみるみる内にインバーダと同じくらいの前足のない赤い飛竜の姿に変わった。

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 6

「#{;;“}*}$=[€‼︎」
火炎をもろに食らったインバーダは喚き声を上げながら燃えていく。
「*{’;“;%]<<;|‘+]$>[+\{$|‼︎」
他のインバーダはイフリートに飛びかかろうとするが、イフリートが撃つ火炎で次々と焼かれていく。
イフリートはあっという間に4体のインバーダを屠ってしまった。
「これで雑魚共は片付けたぜ」
さぁこの先にいる大物を…と言いながらインバーダの亡骸の傍を通り抜けようとした時、ふと殺気を感じた。
「?」
イフリートが顔を上げると、先程倒したものと同型のインバーダが近くの建物の上から襲いかかってきていた。
避けきれない、そう思った瞬間イフリートの目の前に光のバリアが展開した。
「‼︎」
インバーダはバリアに弾かれそのまま地面に落下する。
「イフリート!」
大丈夫?と長髪のコドモがイフリートの所に駆け寄った。
「お、おう」
ありがとう、とイフリートは長髪のコドモ…デルピュネーに向かって言う。
「デルピュネー!」
デルピュネーの後を追いかけていた二つ結びのコドモことビィも2人に走って来る。
「どうしたのビィ」
デルピュネーが尋ねると、ビィはあ、あそこ!と先程バリアで弾いたインバーダの方を指す。
インバーダは唸り声を上げながら3人の方へ近付いていた。

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CHILDish Monstrum 〈企画要項(再掲)〉

どうも、テトモンよ永遠に!です。
1月も折り返し地点に達したので企画「CHILDish Momstrum」の要項の再掲です。
まだ企画の存在に気付いてない人がいるであろうこと、企画投票で1番の票を獲得したのに参加者が自分以外1人しか確認されていないこと、などから要項だけ再掲したいと思います。
要項を読んで、参加してみたい!と思った方はぜひタグから世界観・設定などを探して作品を作り、投稿してみてください。
では要項です。

タイトルは「CHILDish Monstrum」。
異界からやって来る侵略者“インバーダ”に対抗するために作られたヒトの形をした怪物“モンストルム”たちの戦いと日常の物語を皆さんに描いてもらう企画です。
開催期間は1/1(月)15:00から1/31(水)24:00まで。
ルールは設定と公序良俗を守り、投稿作品にタグ「CHILDish Monstrum」を付ければそれでOK!
作品形式・長さ・数は問いません。
皆さんのご参加楽しみにしております!

この手の企画は難しいので「読み手」で参加する方が多いと思われますが、書き手がいないと読めるものは出てきません。
「文章が下手くそだから」と投稿を控えている方もいるかもしれませんが、下手でも企画者は嬉しいし誰かに見てもらわないと文章は上達しない(多分)なので良かったら投稿してみてください。
再度になりますが、皆さんのご参加楽しみにしております。

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 5

「何かあったら隊長の自分が責任を取る」
だから行ってこい、とゲーリュオーンは呟く。
「…分かったわ」
デルピュネーはそう言ってビィと目を合わせると、バッと店外へ飛び出していった。
「…いいのか、そんなこと言って」
どうなっても知らんぞ、と羽岡はゲーリュオーンの方を見ずにこぼす。
「ああ」
自分は隊長だからな、とゲーリュオーンは店のガラス戸に映る自分を見つめた。

インバーダの急襲に、意外にもクララドル市中心部は落ち着いていた。
「シェルターはこちらでーす‼︎」
落ち着いて避難してくださーい!と警官が人々を誘導する中をイフリートは駆け抜けていった。
上空を見上げるとワイバーンが自らの特殊能力で空を飛んでいる。
「しっかしずりぃなぁワイバーン」
飛行能力とか羨ましいよとイフリートがこぼした所で、おっとと足を止める。
イフリートの目の前には成人程の大きさの昆虫のようなインバーダが4体向かって来ていた。
「お出迎えか」
イフリートはそう呟くと、右手で拳銃の形を作った。
そして向かって来るインバーダたちの内1体に向けて銃を撃つように手を動かすと、人差し指の先からまるで火炎放射器のように炎が吹き出た。

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 3

「そうねぇ…」
だって、とデルピュネーが言いかけた時、店の外でけたたましいサイレンが鳴り始めた。
「⁈」
店内にいるコドモたちはバッと顔を上げる。
「こんな時にお出ましか!」
イフリートがそう言いながら店の入り口に近付く。
「せっかくみんなで出かけてるっていうのに」
インバーダは空気読めないんかなとワイバーンも店のガラス戸から外を見る。
「羽岡(はおか)さん、インバーダの出現地点は?」
デルピュネーが店の入り口に立つ男に尋ねると、羽岡と呼ばれた男は手元のスマートフォンを見ながら答える。
「ヴィアンカ通り周辺…ここからすぐの所ですね」
彼がそう言うとイフリートはよし!と指を鳴らす。
「さっさと行って倒して来ようぜ!」
そう言ってイフリートは扉を開けようとするが、待ちなさい!と羽岡に止められる。
「武器が届いてないのにどうやってインバーダに対抗するんです?」
本部からの武器到着を待ちましょう、と羽岡は淡々と言う。
「なんだよそれ‼︎」
怪物態使えばすぐ倒せるのに!とイフリートは羽岡を睨みつける。
「そうだよ!」
さっさか倒して駄菓子屋さんでお買い物したいー!とワイバーンは頬を膨らませる。
それに対し羽岡はダメです、と真顔のままだった。

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CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス その②

扉の破壊で、埃が舞い上がる。その向こうから、鉄球が独房の天井の方に飛んでいって、監視カメラと機銃を叩き壊した。
「よォ、ベヒモス。ハジメマシテだな」
すぐに晴れた埃の煙幕の中から現れたのは、私より少し背の高いモンストルムの男の子と、その子よりももう少し背の高い、スレンダーな女の子だった。
「俺はフェンリル。こっちはスレイプニル。よろしくな?」
「ぇ……ぁ……」
答えようとしたけれど、動揺が収まっていなかったのと長いこと言葉を発していなかったのとで、上手く言葉が出ない。
「とりあえず、『ソレ』も壊してあげたら?」
「ン、そうだな。ベヒモス、動くなよ? 下手すりゃ死ぬぜ」
フェンリルがそう言いながら、わたしの両手、両足の枷を1つずつ指で軽く突いた。その瞬間、拘束具は全て砕け散り、私の身体は自由になった。長いこと立ちっ放しの姿勢で固定されて疲れ切っていた両膝からは力が抜け、床の上に頽れる。
「…………ぁ、ありがとう、ございました」
さっきは上手く言えなかったお礼の言葉を、改めて口にする。
「あー、礼ならスレイプニルに言ってくれよ。スレイプニルが仲間が欲しいっつーから出してやったんだ」
「……仲間?」
この疑問に答えたのは、スレイプニルの方だった。
「そう。この地下牢から脱走する、そのための仲間」

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CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その⑤

ミズチの雄姿を見届け、サラマンダーはラムトンとククルカンの下に引き返した。
「くーちゃん、ラムちゃんの様子はどう?」
「ん、サラちゃん隊長。ぜんぜんだめー。あのビームでちょっと蒸発してる」
「そっかー。じゃあみーちゃんが戻ってくるまで待とうか」
「んー。……ねえラムちゃん、土に還る気無い?」
「無い」
駄弁る3人の背後で、倒れていたインバーダが突然爆散した。
思わず3人が振り返ると、燃えるインバーダの残骸から、ミズチがほくほく顔で這い上がってきた。その両手には何かを抱えている。
「はいタイマーストップ」
そう言いながら首にかけたストップウォッチのボタンを押し、画面を確認する。
「3分18秒……30m未満級だとまだ遅いなー。最初っから“怪物態”で行けばよかったかなー」
頭を掻き、抱えていたものを地面に置いた。
「今回は可食部がちょっと少なかったけど、頑張って削ぎ落としたよー。軽く味見した感じ、思ったより甘くて柔らかくて生でも美味しかったから、雑に炙ってたたきにしました。さあ食えラムちゃん」
言いながら、インバーダの外皮を加工した皿に乗った肉片の一つをラムトンの口に押し付ける。
「どうよ?」
「…………」
「美味しい?」
「…………」
「おーい?」
「…………、咀嚼中に声を掛けるな馬鹿」
「あー……それもそっか。で、どうだった?」
「もっとあっさりした味付けを所望」
「オーケー。次は調味料も色々持ってこよう」
戦場跡に、武装車両の駆動音が近付いてくる。
「お、後始末の軍隊が来たな。そろそろ撤退だ。ラムちゃんの身体はくっついた?」
サラマンダーに尋ねられ、ラムトンは自分の身体を見下ろしてから首を横に振った。
「いや、動かせるレベルでは付いてない。表面だけなら繋がった」
「分かった。くーちゃん、お願いできる?」
「まかせろー!」
ククルカンが地面を軽く叩くと、4人のいた場所が僅かに持ち上がり、彼らを乗せてスライドするようにその場を離れた。

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE Act 1

「こんちゃーっす!」
とある地方都市、クララドルの中心部の路地裏にある駄菓子屋に、バタバタと短髪で赤いパーカーを着たコドモがやって来る。
それに続いて色違いでお揃いのパーカーを着た4人のコドモと、1人の男が店内に入って来た。
「おばちゃん元気かー?」
「こんにちはー」
「こ、こんにちは」
5人のコドモの内4人は思い思いに店の店主に声をかけながら、店内の品物を眺め始める。
それに対し背広を着た大人の男はその様子を店の入り口で鋭い目で見つめていた。
「あ、これ新商品だー」
「ど、れ、に、し、よ、う、か、な〜」
コドモたちがどの駄菓子を買うか迷っている中、茶色いパーカーを着て髪を二つ結びにしたコドモがふとあることに気付く。
「ゲーリュオーン?」
二つ結びのコドモが、店に入った所で突っ立っている黄土色のパーカーを着て長い茶髪を高い位置で結わいたコドモにどうかしたの?と声をかける。
ゲーリュオーンと呼ばれたコドモは二つ結びのコドモに目を向けた。
「…別に」
ゲーリュオーンがそうそっぽを向くと、おうおう素っ気ないな〜とオレンジのパーカーを着た金髪のコドモがゲーリュオーンの肩に手を置く。
「ビィのことが気になるのか〜?」
金髪のコドモにそう絡まれたが、ゲーリュオーンは何でもないと自身の肩に置かれた手を払った。

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CHILDish Monstrum:水底に眠る悪夢

「おはよう、“ロード”」
能力によって展開された触手で埋め尽くされた狭い地下空間。その奥底で1人のモンストルム“クトゥルー”は相方に声を掛けた。
「おはよう、“リトル”」
触手に埋もれて眠っていたもう1人のモンストルム“カナロア”も目を覚まし、相方に挨拶を返した。
「今日の早起き対決はきみの勝ちか。これで何勝何敗だっけ?」
「10回より先はもう覚えてないよ」
「そっか」
2人の肉体は、能力によって各々の肉体から伸びる無数の触手が絡み合い、一つになっている。2人の意思は触手を通して音声言語を必要とせずに共有できるのだが、それでも敢えて、口に出してのコミュニケーションを意識していた。
2人が幽閉されている地下空間には、既に数年もの間、IMS職員も訪れていない。ただ定期的に、給餌用の小さな扉を通して食料と水が届けられる、それだけが外界との繋がりである2人にとって、発話を介するコミュニケーションは人間性を失いただの化け物に成り果てないためにも必要な行為だった。
「………………」
クトゥルーは数十m先に地表があるであろう天井を見上げ、触手を通してカナロアに意思を飛ばした。
(“ロード”、今日は何だか上が煩いね?)
(そうだね。ここに来てから初めてくらいの五月蝿さだ)
(もしかしたら、出番があるかもしれないね)
(そうだね)
2人が念話をしていると、天井がスライドし、金属製の格子と遥か上方に僅かに見える外の光が現れた。
「やっぱり『ぼく』の出番だ」
「うん。『ぼく』の力が必要なんだろうね」
無為に地下空間を埋め尽くしていた無数の触手が、整然とした動きで解かれ、格子の隙間から地上へと向けて高速で伸長していく。
「「平伏せ。『我』は水底の神なるぞ」」
完全に重なった二人の言葉の直後、無数の触手が地上に出現し、交戦していたインバーダ、IMS、モンストルム、それら全てを隙間ない奔流で飲み込み、叩き潰した。
「思ったより数があったね」
「うん。一応人間は潰さないようにしたけど……もしかしたら『ぼく』以外のモンストルムが戦場にいたかもしれない」
「別に良いよ。モンストルムならこの程度で死ぬわけが無い。これで死ぬならどの道インバーダには勝てないよ」
「そうだね」
天井が再び閉まり、2人は触手の中で眠りに就いた。

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CHILDish Monstrum:アウトロウ・レプタイルス その①

体高約25m。生物とも機械とも取れない奇妙な外見のインバーダの周囲を、様子見するように1台の戦闘用ヘリコプターが飛び回っていた。
「もっと寄せて! もうちょい! そっちのビルの方!」
少女の姿をしたモンストルム、ククルカンがパイロットの背後から組み付くようにしながら呼びかけた。
「3めーとる! 3めーとるくらいの位置まで近付いてくれれば良いから!」
「精一杯やっています! ただ、あまり近付くと奴の攻撃が……!」
パイロットが言ったその時、インバーダがヘリに顔を向け、その中央にはまった眼から光線を発射した。しかし、その光線はヘリの底部に触れた瞬間、反射して空中に飛び去って行く。
「ほら、どうせアイツが何してきてもサラちゃんが何とかしてくれるんだから! もっと近付いて! ちーかーづーいーてー!」
耳元で甲高い声で何度も言われ、パイロットは渋い顔をしながらもヘリを操作し、1棟の高層ビルに、僅かに機体を寄せた。
「よぉーしゴクロウ! あとは私らに任せてさっさと逃げちゃってよ」
「ああ……頼むぞ、〈アウトロウ・レプタイルス〉。君たちは我々にとって、最後の希望だ」
振り絞るように言うパイロットにサムズアップで応え、ククルカンは同乗していたもう2人の仲間と共にヘリから勢い良く飛び出した。