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〜二人の秘密〜長文過ぎたので続きます《part1》

私はいつものように窓辺に向かった。
だが今日は、先生が先に来ていた。
「先生っ!」
私は声をかけたときに気付いた。
足が4つ…。先生の影に誰かがいた。

私は先生を見ながら問う。
「先生、それ誰?」
『“それ”って言っちゃ駄目だろ〜?』
先生がそう言うと謎の人物は顔を出す。
“こんにちは。”
顔を出したのは“例の教師”だった。

「あっ。」
『何でココにいるのかって顔してるな(笑)。』
「そりゃそうでしょ…?」
私がそう言ったとき、2羽の梟がそれぞれ先生と教師の腕にとまる。

「え?」
『これで意味がわかったか(笑)?』
先生はイタズラに笑う。
「その子達は魔法界の郵便屋さんよね?」
『あぁ、ご名答。正解だ(笑)。』
例の教師はおろおろして私と先生を交互に見る。
「ってことは……?は!?二人とも魔法使いとか言うんじゃないでしょうね!!」
『そうだ。私達は二人とも魔法使いだよ(笑)?』
「はっ?どゆこと??」
“あ、あの〜。”
例の教師は申し訳なさそうに入ってくる。
『ん?』「ん?」
“本当は君が、《魔法使いの存在を知っている》と言う事を知っていました。”
「あ〜、私の話?」
“隠すつもりはなかったのですが、何かすみません。”
「何で謝るの?あ、あと何で敬語?」

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〜二人の秘密〜

次の授業の準備をしていると、先生とある教師が1人、数秒違いで入ってきた。
〈次の授業は私の授業です!〉
教師がそうわめいているのが聞こえた。

〈この時間、この子達は私の生徒です。私の生徒を取らないでください!〉
私は開いていた教科書を閉じて、二人の間に割って入る。
「私達は貴方のものではありません。私は今日、貴方の授業を受ける事はできません。」
私はそう言い放つと、先生の手を取りいつもの窓辺に走る。

途中でチャイムが鳴ったが無視して走る。
そして、窓辺につくと手を離した。
『なんか、ありがとう。』
「ん?何で?私はただ腹立っただけよ?あの人に。」
『〈私のもの〉って言われたからか?』
「うん、良くわかったね(笑)?どういう理屈か知らないけどさ。まぁそもそもあの人は入学したときから嫌いだった(笑)。」
『私が声を出す前に君が来てしまったから、何も言えなかったよ(笑)。』
「あっ、ごめん。何か言いたかった?」
『いや、助かったよ(笑)。』
私は先生が笑ったのを確認すると、腰掛ける。

「もういいや、授業も抜け出して来ちゃったし、サボろ!!!」
『私も授業ないし、サボるか(笑)。』
そう言いながら先生も座る。
「先生なのにサボっちゃっていいの〜?」
『今日は生徒の保護も兼ねてる(笑)。』
「も〜、何それ(笑)!私の事使ってんじゃん(笑)!」
私は笑いながら先生をどつく。

『君は時々、本気で自分を見せるからな(笑)。』
「先生には毎日見せてるけど(笑)?」
『そうだな(笑)。ありがとう。』
「何で先生がお礼言うの(笑)?しかも、それは先生も同じでしょ(笑)?」

私達は次のチャイムが鳴るまで話し合った。


その後校長に呼び出され、怒られるのかと思ったが、なぜか謝られた。
というのも、実は先生が正しかったらしく、私達がいなくなった教室では混乱を招いていたそうだ。
[とりあえず]であの教師が授業をしたそうだが、今回の抜け出しは、お許しを頂くことになった。

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〜二人の秘密〜today part2

コンコン。
私はホットミルクとチョコレートを持って扉を叩く。
『はい。』
先生が返事をしたので扉を開ける。

「先生風邪引いたんだって?大丈夫??」
『君か(笑)。安心しろ。大丈夫だ。』
「ほら、いつものやつ。差し入れ。」
私は先生のベッドの横に椅子を持っていき座ると、
いつものようにミルクとチョコレートを混ぜる。
「今日ね、この間の若い教師さんにね、先生の様子見に行ってって言われたよ?」
『ん??まさか、また素っ気なくしたんじゃないだろうな??』
「う〜ん。………ちょっと(笑)?」
『あれでも私の後輩なんだ。いじめないでくれよ?』
「自分で来ればいいのにって思っただけよ〜。あの人、自分のこと好きじゃないみたいだし?」
『好きじゃないみたい?』
先生はホットミルクチョコレートを飲みながら答える。

「自信ないですみたいな感じ?私、あぁいう人は嫌いじゃないよ。」
『嫌いじゃないのに素っ気ないのか?』
「自信ないのが腹立つの。」
『腹立つのか(笑)?』
「だって、先生の事独り占めしてるくせに。」
『ん??そこなのか?』
「当たり前でしょう?」

コンコン。
『どうぞ。』
先生がそう答えると例の教師が入ってくる。
“あっ。”「あっ。」
先生は教師を私の隣に座らせると、いつものように会話をし始めた。
変な人が増えたと思いながら、私はまだ口をつけていないホットミルクチョコレートを差し出す。
そして、しょうがなくいつものように話し始めた。


この教師の事はまた話すとして、
覚えておいてくれるとありがたい。

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黄色いおにいちゃん

黄色いおにいちゃんは、いつも黄色。髪も、服も、靴も。
ぜーんぶ黄色。笑顔も、明るくて、太陽みたい。
そんな黄色いおにいちゃんは、毎日公園にやってくる。
「何してるの?」
「ん?掃除だよ」
「何で?」
「何ででしょうか」
ちょっと意地悪だ。でも好きだ。僕は黄色いおにいちゃんみたいになりたい。
「おにいちゃん何歳なの?」
「何歳だと思う?」
「う~ん。25歳!」
「ブブ~」
「え、じゃあ正解は?」
「教えな~い」
やっぱり意地悪だ。でも僕は好き。好きというか憧れているのかもしれない。
「お家どこ?」
「あそこ」
「あそこってどこ?」
「あそこはあそこ」
ほらね、やっぱり。何だか、本当に僕のおにいちゃんみたい。もし、25歳だったら15歳くらい離れている。だけどいつも、放課後ここに来て遊んでくれる。
「明日も来る?」
「分からない」
「来てね」
「君は来るの?」
「うん!」
「じゃあ来ない」
「え~!なんでよ!!」
黄色いおにいちゃんはヒヒッと笑った。目の間、鼻の上、そこにしわを集めてクシャっと笑う顔も僕は好きだ。
少し真似をしてみたけれど、変な顔と言われて、またその顔で笑われた。僕は笑われるのが嫌いだけど、なぜか黄色いおにいちゃんだけは悪い気分にならない。おにいちゃんが笑うと、僕も笑いたくなる。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

コンコン。
私は先生の部屋の扉を叩く。
『はい。』
先生が返事をしたので扉を開ける。

「先生!!!日本史!!!」
『主語、述語がない!』
先生は鉛筆と書類を持ったまま、こっちを向く。
「あ、そうね(笑)。日本史がね、担当教師の教え方が適当すぎてわかんないから、先生に教えてもらおうと思って。」
『日本史は知らん!』
「えっ…?」
『日本史はやった事ない。』
「あ、そうか!先生、日本史受けたことないよね。学校は魔法界の方のだから。」
『魔法界の歴史は勉強するんだがな。』
そう言いながら先生は、書類等を片付ける。

「え〜、残念。でも、ついでに魔法史?教えてもらおっかな〜。」
『魔法史なんて覚えてどうするんだ?』
「私も魔法使いになれそうじゃない(笑)??」
『魔法史をやったって、魔法使いにはなれないと思うがな(笑)。』
「先生の事を知るための1つの方法よ(笑)。」
『本当にやる気か?魔法史。』
「先生がやっても良いって言うならね(笑)。」
『出来る事ならやって欲しくないんだが(笑)。』
「え〜、じゃあいいや〜。諦める(笑)!その代わり、魔法1!」
そう言って人差し指の1を先生の前に差し出す。

『今日はどんな魔法がみたい?』
「いつものやつ!魔法の薬学!!とっても綺麗なの!」
先生は理科で使うような道具や鍋を取り出しながら言う。
『とっておきの魔法を見せてやろう(笑)。野草選びを手伝ってくれ。』
「はーい!」
私達は棚の中から薬草を選び、とても綺麗な魔法薬学を見せてもらった。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

私は誰もいない大広間で居眠りをしていた。
気付いたときには、腕を枕にして、顔を横に向けぐっすりと眠ってしまっていた。

『よだれ垂らしてる。』
先生がそう言ったので、私はチャイムがなったときに起きるように、ハッとして、口元を拭った。
少しの間戸惑っていると、先生は口をひらく。
『ごめん、嘘。』
「も〜!!!ほんとに焦った!!!」
『なんでこんなとこで寝てんだ(笑)?』
「ついうとうとしちゃって、そのまま寝てた。」
『せめて部屋で寝ろよ(笑)。』
「いや〜、部屋でもベッドあるのに床の上で寝ちゃうとかあるでしょ?」
『私はベッドまでちゃんと行くが?』
「え?本当!?うっそだぁ〜!!」
『なんでそこで嘘つくんだ(笑)?』
「それもそうか(笑)。私は暖房の前で温まってると寝ちゃってるのよ(笑)。」
そう言いながらわたしは背伸びをする。

『まぁ、早く寝ることだな。』
「う〜ん。どんだけ寝ても眠いものは眠いのよね(笑)。」
『まだ若いって事なんじゃないか(笑)?』
「何それ(笑)。でも確かに私、幼稚園生くらい寝てると思う(笑)。」
『それはそれで良いことだよ(笑)。ほら、そんなとこに座ったままじゃなくて部屋に帰るぞ?寮の扉までは送ってやる。』
「はーい。」
『今日は素直だな(笑)。』
「部屋に帰ってまた寝ます(笑)。」
私は立ち上がって、先生をチラッと見る。

『寝過ぎも良くないからな(笑)?』
「わかってる〜!!」

私達は廊下を進みながら、今までに、見た夢の話で盛り上がっていた。

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第4回

まあ、ここから抜け出して・・・あれ?えいっ!!えいっ!!・・・
だめだ。え?ヤバいよね?大丈夫じゃないよね!?
ええいっ!こうなりゃ仕方ない!「真空魔法」!!!
この魔法は相手の周囲の空気を全て消す魔法。その応用だ。
ぶっちゃけムズい。でも私なら出来るのだ!!!わっはっは!!!
あ、そろそろええかな。えいっ!!脱っ出!!!おわあっ!?何!?
足掴まれた!?誰!?変態!! ・・・砂だ。砂が私の足を掴んでる。
はっ!?これはもしやサンドトラッパーか!?
このモンスターは名の通り砂の罠だ。平原に砂漠はおかしいって思ってたんだよ!!
こうなったら「水流弾」!!「弾」シリーズ水version!!!
どうだおらぁ!!っておい!?おま、飲んでんの!?
そりゃねえぜ!!砂には水だろ!?それを飲んでどうする!?
もうこうなったら力ずくで・・・「圧縮空気弾」!!名前が長い!!
これは普通の30倍の圧力の空気が飛んでく魔法だ!!おら!!食らえ!!!
あああ!!!あいつの体も飛んでった!!!やっべえ!!向こう街あるじゃん!!!
ええいっ!!「吸収」スキルですってやるー!!!って、んん!?
あれは・・・人!?がモンスターの体を・・・消した!?
固まる私に気づいたのか、こちらに寄ってくる。
「あのー、東の街のアルバンってどっちですかね?
ほら、一面景色が同じだから方角なんて分からないじゃないですか?」
彼女はそう言った。彼女はサミルというらしい。
昔は高名な魔法使いだったが、誤って城に爆炎魔法をぶっ放したらしい。
いや、どうやったらミスるんだよ・・・?
そう聞くと彼女はいった。
「何ででしょう?」
こっちが聞きたいよ・・・

続く

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

今日は昨日から雨が降り続いている。
いつもの窓から見下ろしている中庭で、傘をさしながら雨を浴びる。

『なぁ、それ傘の意味あるか(笑)?』
「知らない人が来たらそれとなく傘をさして立っとく。」
『それ、逆に変な人じゃないか(笑)?』
「えっ?そう??…まぁ誰も来ないからいいの!」
『雨、好きか?』
「うん。好きよ!」
『ならば良いものを見せてやろう(笑)。』
先生はニコッと笑うと腕を振る。

「あっ!」
『私の魔法だ。ここの庭だけ空中で雨粒が止まるようになってる(笑)。』
私は上を見上げると、空中に停止した雨粒を触る。
「魔法で空中に浮いてるけど、水のままなんだね!」
『物質そのものは変わらないよ。ただの雨だ。』
私は雨粒の中を覗き込み言う。
「雨粒の中が凄くキレイ。緑とか建物の色とか粒の中に吸い込まれてるみたい(笑)。」
『人が通ればそこだけ水が無くなるぞ(笑)。』
その後、私達は少しの間遊んでいた。
すると、粒が木々からポタポタ落ちるように頭上に当たる。

『ほら、そろそろ魔法が切れるぞ。』
先生はそう言うと私の手を引き、屋根の下へ入る。
屋根の下にたどり着いた時、ちょうど魔法が切れたのか、さっきよりも土砂降りの雨が地面を叩きつけた。
「この魔法には有効期限?があるんだね?」
『雨は自然現象だからな。20%の力でしか魔法を使ってない。』
「お〜、先生は優等生だね(笑)。」
『そんなことないさ。魔法と自然は大事に使わないとな(笑)。』

私達は部屋に戻りながら雨の匂いを楽しんだ。

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神様が与えた私たちへの罪 No.1

「あ?今何て言った?」
「だから、そこどけよって」
「お前いい加減にせーよ。俺は今ここにおるからどかんで。あっち通ったらええやんけ」
「いや、周りの迷惑って分かってないん?アホちゃうか」
「アホで何が悪いねん」
また、戦いが始まった。ヒロトとユウタが取っ組み合いになって、周りにいた生徒が先生を呼びに行く。お決まり事だ。
私はというと、本を読んでいる。これもお決まり事。
こんなやつら、無視しておけ。
それが私の考え。
すぐに、先生が止めに来た。ヒロトの方が顔を真っ赤にして教室から連れ去られていく。それに対してユウタは冷静だ。もう1人の先生が事情を聞いている。
「ねぇ、みっちゃん、またケンカだね。何であんな怒るのかな?素直にどけばいいのに」
「うん。でも、私たちには関係ないでしょ?ほっとこ」
コウは優しく声をかけてくれる。でも、照れくさいからいつも素っ気ない。本当はしっかり話したいけど。

5時間目を告げるチャイムがなった。
国語か。国語は好きだ。本が好きなのだから。

5時間目終わりを告げるチャイムがなった。
あと1時間。6時間目は総合。楽だ。

家に帰っても、お菓子を食べて、本を読む。ただそれだけだ。
あともう3ヶ月もしないで卒業。
中学生だ。

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タイトル案募集中3話

おお、とれた。早速使用!!エイっ!!
「「勇者」常時発動スキル 自分の攻撃、防御、速度、魔力、HPの全てに
+10000ずつ補正がかかる。」
は!?・・・は!?二回言っちまったよ!!全てに+10000!?
アホなの!?もうチート超えてるよ!?BAN案件だよ!?
はあ、はあ、ふう。うん、私世界最強だね(^_^)
ん!?索敵スキルに反応有り!!数は・・きゅ、90!?
一体なにが!?あ・・・スライムの群れだ。ブニョンブニョンしてる。
食らえ!!「破壊弾」!!!!この魔法はそのまま過ぎるネーミングだ。
しかしそれ故破壊力抜群。威力は物凄い。
ほら。大きなクレーターが出来る位・・・
いやでけーよ!?前世でもせいぜい半径10m位だったぞ!?
これ50m位あるぞ!?あれか?「勇者」のスキルの所為か!?
だとしたら本気でヤッバイよ!?あ、レベル上がった。そーいやレベルはいかほど、
・・・99だ。カンストした。そういや前世で98で死んだんだった。
いまのステはこの位↓
攻撃99999防御89500速度78600魔力86000HP1000000
つっっっっっっっよ!?特に攻撃!!あのアイアンメタリックシールドガーディアンゴーレムにも、
ワンパンで500位入るぞ!?普通1も入らないのに・・・
とりあえず街目指しますか。   
10分後
あかん。迷った。一面砂、砂、砂!!!なめんな!!!そりゃ迷うわ!!!
砂漠の方に来たのが間違いだったのか・・・とりあえず水分補給。
「ウォーター」
プハー!!美味い!!生き返る~!!
それよりも街、どこ?
ジャンプして見てみるか。let's jump!!ってどわああああああ!!!!!!
飛びすぎだ馬鹿!!!あ、でも見えた。東の方おおおおおお!!!!
ズボッ。刺さりました。


続く

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

「はぁ。」
私は窓辺に座り、壁に寄りかかりながら一つため息をする。

『なぁ。雨、降ってるから窓閉めるぞ?』
先生はいつものように話しかける。
「うん。もう少しだけ。」
『今日はどうした?』
先生は立ったまま後ろから顔を覗き込む。

「ん〜?何が?」
『“何が?”じゃないだろう?今にも泣きそうな顔してる。』
私は先生の顔を一瞬だけ見て話し出す。
「新学期ってさ、何なんだろうね。」
そう言った時、雨粒が風に煽られて顔や体中に当たる。

『ん?どういう事だ?』
「先生の事じゃないけど失礼なこと言うね?」
『あぁ。』
先生がそう返事をすると、私は雨に隠して涙を流しながら言う。
「教師ってさ、何で贔屓するんだろうね……。何でやる気ない人が副担になっちゃうんだろうね……。何でこんなに教師の事で我慢しなきゃいけないんだろうね……。何で良い先生ばっかどっかに行っちゃうんだろうね……。何だろうな〜(笑)。何でだろうね。」
先生は長いローブを脱ぐと私の肩にかけて中へと引き入れる。
そして先生は窓を閉めて言う。
『寒いだろう??そんな顔をするな。私だけは君の味方だと言っただろう?』
先生は冷たい手で私の顔の水を拭うとぎゅっと抱きしめる。
『温かいか?』
「うん、温かいよ。でも先生のローブ長い(笑)。」
先生は私の肩を持って下を見る。
『確かにこれは長いな(笑)。』

私達は笑っていたが、私はふざけて先生の部屋へと走り出した。
『もう!ビシャビシャになるだろう(笑)!』
先生は廊下で私を捕まえるとお風呂場まで連行し、カーテンと扉を閉め、出ていってしまった。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

「うわ、先生見つけた!!!」
私は先生を見つけたのでとりあえず駆け出す。
『なんだ?うわって。嫌みたいじゃないか?』
「違う違う!!聴いてほしい話があるの!!」
『こんなとこで話すのもなんだからいつものように窓に座って話そう。』
先生がそう言ったので、いつもの廊下を通り窓の前に向かう。

『なんだ?聞いてほしい話って?』
「授業の話!!」
私はそう言いながら座る。
『授業?』
「なんで先生、私のクラスの授業担じゃないの!?」
私がそう言い終わる頃に、隣に腰掛ける。

『しょうがないだろう?私が決める事ではないんだから。』
「む〜。先生じゃないからやる気でないよ!!死んだっ!!!!」
『そんなこと言わないでくれ。』
私は更に先生を困らせてみる。

「これで成績落ちたらどうするの!?」
『ならば私が居残り授業をしてやろう。』
「一対一?」
『あぁ。』
「先生の部屋…?」
『あぁ。』
「じゃあ許す。」
『あぁ。…ん?これならいいのか?』
「先生、今適当に返事してたな!!」
『いや、ついつい流れで(笑)。 』
「も〜。忘れないでよね、居残り授業(笑)!!」
私は先生の横で笑う。

『授業のあとに、同じことをすればいいんだろ?』
「そうね!わかりやすくね(笑)?」
『わかった、わかった(笑)。』
私は長い髪の毛を耳にかける。
「これから授業に全部出れるかどうか心配。」
『保健室登校みたいに、私の部屋に来なさい。かくまうことはできるぞ(笑)。』
「それ、私の成績落ちるやつじゃん(笑)!」
『そこはなんとかするさ(笑)。』
「まぁ、頑張らなきゃね(笑)!」

私は笑いながら先生の横顔を眺めた。
そして、いつものようにおかしくて笑えるような雑談をした。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

先生の部屋の前を通ろうとすると、部屋の中から“ガタッゴト”と音がしたので、先生の部屋を2回ノックする。
何かを隠そうとする音がして、“バサッ”と羽音がする。
「先生〜??私〜。」
『なんだ、君か。入っておいで。』
私は扉から少し顔を出す。
「何してるの?」
『頼む、先に扉を閉めてくれ。』
「あ〜、ごめんごめん。」
私は部屋に入り、扉を閉める。

『内緒だぞ?』
「もちろん、秘密。」
私が人差し指を口元に持っていったのを確認すると、鳥かごを取り出す。
「えっ、羽根の生えた悪魔??」
『いや、これは妖精だ。』
「これが??私の想像とは違うな〜……。」
『こっちの世界と魔法が使える世界では勘違いしている事が多いんだ。』
「今日はなんでこの子を??」
『ほら、覚えてるか?梟の郵便屋さん。』
「覚えてるよ。いつもの窓のとこから飛ばしたよね。」
『あぁ。その梟が連れてきた。』
「ん?なんで?」
『こっちの世界に迷い込んだから探せと命令だ。』
「それ、先生の仕事なんだね?」
『こっちの世界に来ている魔法使いは少ないからな。』
そう言うと先生は、笛で梟を呼ぶ。

「久しぶりに先生が魔法使ってるの見た。」
『まだ魔法使ってないがな(笑)。』
「え〜、十分魔法だよ(笑)。」
先生は、窓にとまった梟に妖精が入った鳥かごを持たせると、窓から梟を飛ばす。
「これで、あの子は魔法の世界に帰れるの?」
『あぁ。もうここには来ないだろう。』
「ねぇ、先生?久しぶりに魔法の薬学見せてよ(笑)。」

私は、先生の事を手伝いながら新しい魔法の薬学を見せてもらった。
魔法の薬を作り終えた頃、開けていた窓から1通の手紙が降ってきたのに気づいたのは、片付けが終わったあとだった。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んでくださると嬉しいです!

『新しいクラスどうだった?』
いつもの窓辺で足を外に出しぶらぶらさせていると、先生が話しかけた。
「お〜、先生。忘れちゃった?私のクラスはクラス替えなしだよ?」
『忘れてない。覚えてるよ。ただ、前学期と変わったとこなかったかなって思って。』
「あ〜、そういう事ね(笑)!特に何も変化ないよ。」
私は少し笑う。
そして先生は、いつものように隣に腰掛ける。

『君は殻にこもり過ぎだ。』
「ん〜?……ん?You Too.でしょ(笑)?」
『何でそこだけ英語なんだよ(笑)。』
「なんとな〜く(笑)。」
『君は良い子なんだから少しだけ殻の外に顔を出してごらんよ。』
「私は十分顔を出してる。ただ誰も気づいてくれないだけよ(笑)。」
『君はもう少し笑うべきだ。』
「ん?十分笑ってるよ?」
『普段の話だ。ここの話じゃなく。君はいつも真顔だ。少し怖い(笑)。』
「え〜、でも先生の真顔もだいぶ怖いよ(笑)?」
『それは知ってるさ(笑)。ただ君が辛そうに見える。』
「そうかな?」
『自分を殺さなくたっていい。もう少し笑え。』

「りょーかい。もう少し笑えるようにするね(笑)。ただ1つ約束。先生も自分を殺さないこと!!!」
『わかった。約束だ(笑)。』
先生は小指を立てて私の前に差し出す。
「ゆびきり!!」
私は指切りをして先生の手を握る。

「大丈夫。私は先生の事、大好きだから本当の先生を知ってる。先生が自分を殺さないなら私は凄く嬉しい。だから先生、そのままでいいからね?」
『ありがとう(笑)。君は普段だけ、もう少し笑えばいい(笑)。』
先生はそう言うと、私の頭に手をのせる。
私は少しはにかむと、春の匂いを感じとった。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んでくださると嬉しいです。

「ふわぁぁぁぁぁ。」
私はあくびを一つする。
『今日は眠そうだな?』
先生はいつものように話しかけると、隣に座る。

「昨日、3時までドラマ見てたの。」
私はもう一度あくびをしながら答える。
『3時……?夜中のか??』
「そう、夜中の。」
『ここは寮だぞ?なんでテレビがあるんだ??』
「各寮に談話室あるじゃん?そこだとバレない。」
『今、私にバレたがな(笑)。』
「先生にはいいよ、バレても(笑)。」
『まぁ、早く寝ろよ?』
「わかってる。今日は1時までには寝るつもり。」
『明日から新学期だろう?遅刻するなよ?』
「わかってる。まぁ5分くらいのは許して(笑)。」
『新学期から遅刻は流石にやばいだろう(笑)?』
「そうね〜。頑張って起きる。」
先生は何か聴きたそうな顔で私の顔を見る。

「ん?何??」
『いや、なんのドラマ見てたのかなって思って。』
「あ〜、もともとは韓国のドラマなんだけど、それをリメイク?したやつ。」
『面白かったか?』
「そうね〜、一度見ると続きが気になってやめられないのよ(笑)。」
『君はよくドラマみてるよな?』
「ドラマは面白いからね。自分の知らない人生を知れるでしょ(笑)?」
『う〜ん、難しいな。』
「うん(笑)、先生はドラマあんまり見ないもんね(笑)。」
『今度、オススメでも教えくれ。』
「無理してみなくてもいいんだよ(笑)?」
私は悪戯に笑う。

『久しく見てないからな、見てみたいんだ(笑)。』
先生は恥ずかしそうに笑う。
「うわっ、何それ、可愛い〜(笑)。」

私は笑いながら空を眺めた。
雲一つない良いお天気で、燕が2匹飛んでいた。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んでくださると嬉しいです。

「こんにちは。」
いつもの窓へ向かう途中、新しく赴任してきた先生とすれ違った。
“今日からこの学校に赴任してきました。わからないこともあると思いますがよろしく。”
「そうですか。よろしくお願いします。」
私はそっけない挨拶をして窓辺へ向かう。

窓の外を眺めていると、いつもの声がする。
『今日はまた一段と悲しそうな顔をしてるな。』
「先生、やっほ。そう??」
先生は隣に座る。

『さっき、新しく赴任してきた先生に会っただろ?』
「うん、若い男の人だった。」
『そいつと話した。挨拶してくれたけどそっけない女子生徒がいたって。』
先生はそう言うと、怪しく笑う。
『私はそれが誰かを知っている。君だろう(笑)?』
「先生、先に答え合わせしちゃったよね(笑)?」
『いいや、若い男の人としか聞いてない。』
「先生、天の邪鬼ね(笑)。その人、どんな人だった?」
『今日はスーツ来てた、確か赤色のネクタイ。』
「あ〜、それ私だわ。さっき会った人。」
『やっぱりな(笑)。新しい先生は不満か?』
「不満ではない、というかまだ話してないからわかんないよ(笑)。」
『じゃあなんでそんなそっけないんだ?』
「学校って嫌いなんだよね。今更だけど(笑)。」
『それは知ってるさ。君の事はなんでもとは言わないが知ってるつもりだ。』
「私は、学校のそっけない感じが嫌いなの。バイバイする先生の扱い酷すぎない?だから、新しく来る先生も初めは警戒しとくの。」
『じゃあ、嫌いという訳ではないんだな(笑)?』
先生は可愛らしくニコッと笑う。

「好きか嫌いかはこれから決める。」
『私のことは好きか?嫌い?』
「どっちかというと嫌いかな〜。」
『え、、こんなに話してくれるのにか!?』
「嘘、嘘(笑)。好きよ。大好きな先生(笑)!」
『からかわないでくれ(笑)。』
先生は恥ずかしそうに笑う。
「ごめんごめん(笑)。」

私は先生の事をからかいながら笑った。
そして舞い落ちる桜の花びらを掴もうと手を伸ばした。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んでくださると嬉しいです。

「先生っ!!!」
私は先生を見つけたので駆け出し、後ろからハグをして捕まえる。
『なんだ?珍しい捕まえ方をするな?』
先生は顔だけをこちらにむける。

「まぁここ、誰も来ないしいいかなって(笑)。」
私が手を離すと、先生は私の正面に立つ。
『君の挨拶は不思議だからな(笑)。』
「他の地域では、ハグとかキスは挨拶でしょ??私なりの挨拶はこれだから(笑)。」
『君は本当に不思議だ(笑)。』

「まぁこれ、いつもは男の人にはしない挨拶なんだけどさ、今日は先生にお願いがあってさ。」
『お願い?』
「うん。絶対に断らないって約束できる??」
『どんなお願いなんだ?』
「先に約束して!!」
『あぁ。わかったよ。約束する。』
「ありがと(笑)。」
『ほら、お願いは??』
「今度はさ、後ろじゃなくて、前からハグして?」
『前?』
「そう、普通のハグ。」
『いいよ。』
「え?いいの?」
『いや、君が断るなと言ったのだろう(笑)?』
「確かに(笑)。じゃあ、ハグしていい??」
先生は両腕を広げ、私は先生の胸の中に飛び込む。

『何かあったんだろう?』
「私のハグはね、私に気づいてほしくてするの。」
『気づいてほしくて?』
「存在をわかってほしいっていうかさ。温もりを感じたいというかさ。まぁ、いろいろあるのよ。」
先生は少しギュッとする。
『ほら、温かいだろ?』
「うん、あったいね。生きてるって感じ(笑)。」
私は笑うと、先生から離れる。

「いや〜、久しぶりにガチのハグしたわ〜(笑)。」
『君の“ガチ”のハグはこれなんだな(笑)。』
「私、このハグは嫌いな人にはしないから(笑)。」
『君は本当に不思議だな(笑)。』

私のハグはすべての人には受け入れてもらえない挨拶だ。
それ故に先生のぬくもりは嬉しかった。
私達はいつもの窓へ行き、雑談を楽しんだ。

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〜二人の秘密〜

私はいつもの窓から、桜の木を眺めていた。

『満開になったな。』
先生の声がしたので振り返ると、先生はお盆を数センチ上にあげた。
『満開になったら花見って約束しただろ?』

「約束したけど、どこからそのお盆持ってきたの(笑)?」
『私の部屋からだが?』
「ここに来るのに誰にもみられなかったの(笑)?」
『あぁ。』
「先生が廊下でお盆持って歩いてたら変な人だよ(笑)。」
『今日は休みだから誰もいないさ(笑)。』
先生は笑うと隣に座る。

『お茶とお菓子。好きなの食べろ。』
「ありがと〜。」
私はお茶とチョコレートを手にとる。

「もう花びら散ってきちゃってるね。」
『それはそれで綺麗だ。』
「私も満開よりは、散ってるときが好きよ。」
私がそう言うと、先生は散ってきた花びらを一枚掴む。
『ほら、花びら。』
「先生って可愛いことするんだね(笑)。ありがとう(笑)。」
『私も散っているときが一番好きだ。人間は満開の時にしか見てくれないだろうが、桜が散るのは人間にない儚さがある。』
「要するに、綺麗ってことでしょ(笑)?」
『あぁ(笑)。哲学っぽくなっただろ(笑)?』
「う〜ん、どうだろ(笑)。」
先生はチョコレートをひとかけら口に放り込む。

『まぁ、いいじゃないか(笑)。花見を楽しもう。』
先生はそう言うと、太陽に手をかざす。
『今日は良い天気だな。』
「風も気持ちいいしね。」

私達は太陽の光や風を浴びながら雑談し、とても素敵な花見をした。

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1月1日君と一緒に No.9 ~結花Var.~

家に帰ってきた。何とも言えない気持ち。
これ、開けてみようか。
袋をビリビリ破っていくと、アルバムが出てきた。それも、新品のやつ。
開けてみると、手紙らしきものが入っていた。

『結花へ
今までありがとう。少し長くなるけど、最後まで読んでね。
私は、友達なんかいらないって思ってた。ずっと一人で良いって。でも、あの日結花が声をかけてくれて、変わった。素直に、この人と友達になりたいって思ったの。でも、その後すぐに転校の話が出て私は、すごく悲しくて、寂しくて、泣いた。何回も。もっと一緒にいたいって思った。○○の話ももっといっぱいしたいって思った。
ごめんね。こんな早くに。また絶対会えるって信じてる。
アルバムは、空の写真を撮って入れてほしいなって思ったの。○○の歌詞に、[離れていても、空はどこまでも繋がっている]ってあるじゃん?それがすごく好きで、私たちみたいだな~って思ったの。それで、毎日でも気が向いた時でも良いから撮ってほしい。それでこれに入れてほしい。この空の向こうでお互い頑張ってるって実感してほしいな。
本当に今まで楽しかった。転校先でも頑張るから、結花も頑張ってね!大好き!
Sweet dreams!!
小春。』

読み終わった後の私は、嬉しさもありつつ、絶句した。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

誰もいない大広間でお菓子の振り分けをしていた。

『今日はここにいたのか。何してるんだ?』
先生は近くまで来て座る。
「明日、離退任式でしょ?1ミリでもお世話になったなら差し入れ?してもいいかな〜って。」
『手伝ってやろうか?』
先生は私の顔を覗き込む。

「お菓子の振り分けは手伝ってもらおっかな(笑)」
『君は偉いな。』
「ん?何が?」
『だって、担任でもなんでもないだろう?』
今回離退任する先生は一年、もしくは二年、授業を担当してもらった先生ばかりだった。

「あっ、先生、勘違いしてる。私、担任だったら絶対に何もあげないよ?(笑)」
私はイタズラに笑う。
『君は本当に人間嫌いだな(笑)。』
先生は笑いながら、頭をなでる。
「先生も人間嫌いのくせに何言ってんの(笑)?」
『さぁ、私の話はいいさ(笑)。どうやって分けるんだ?』
「大体同じ数になるように、とりあえず平等にわける!」
『手紙も書くつもりなんだろう?君は手紙を書けばいいさ。』
「よくわかったね?」
『便箋出しっぱなだぞ(笑)。』
「あっ…。」
『ほら、喋ってないで書け(笑)。』

私は手紙に手をつける。
「先生がどこにも行かなくて良かったよ。」
『ん??』
「先生、離任しなくて良かった。」
『そうか。そう言ってくれると嬉しいな(笑)。』
「せめて卒業するまで、この学校にいてよね!」
『卒業しても会えるさ(笑)。』
先生はニコッと笑い、私も笑って答える。
「じゃあ、約束だ(笑)。」

私達はもう一度自分の“仕事”へと手を戻す。
お菓子を分けながら袋に詰めていく先生を見て、
この時間が永遠に続けばいいのに、とそう思った。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

『ん?そんなに、はしゃいでどうしたんだ?』
「あっ、先生!!先生、先生、みてみて!!」
私は窓の外を指差す。

『あぁ、そういう事か(笑)。やっと花が咲いたな、桜の。』
「そうなの!満開じゃないけど、可愛い花がちらほら咲いてるの!!」
先生は子猫を見るような目で笑う。

「何??なんでそんな顔で笑うの!?」
『いやいや、珍しいなと思って(笑)。』
「何が??」
『そんなにテンションがあがってるの(笑)。』
「そうかな〜??いつも割とテンションあがってると思うんだけど……?」
『いつもと違うあがり方だ(笑)。』
「いよいよ春が来たって感じしない(笑)?」
『そうだな。春を感じるようになる時期だ(笑)。』
「私は季節の変わり目が好きなのかもしれない(笑)。いよいよ変わりますよって香りが好きなのかも(笑)。」
『ならば、年に4回程しか見れないテンションのあがり方だな(笑)。』
「も〜、いじらなくていいから!!桜見ようよ〜!」
『今度は満開になったら花見をしよう(笑)。』
先生はニコッと笑うと、私の隣に座る。

「次は、春休みに入ってからだね〜!」
『そうなるな。』
「楽しみにしてる(笑)。」
『あぁ。なにか食べたりしよう。……あっ、そうだ。良いものがあるぞ。』
先生はそういうとポケットの中を漁る。

『ほら、チョコレート(笑)。』
「なんでそんなとこに入ってるの(笑)?あっ、貰うけどね(笑)。」
『ぷち花見(笑)。』
「先生だって可愛いとこあんじゃん(笑)。」

私達はお互いの事を笑いながらぷち花見をした。
花が満開になる頃にはもう春休み。
先生の横顔を眺めながら、新たな学年へ向けての不安が少し募った。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

「ねぇ先生、見て!!新入生。」
私は新入生を指差して、先生の方を向く。

『今日は、制服の採寸の日だ。』
「へぇー。もうそんな季節か……。」
『なんだ?その言い方。不満か?』
「そりゃそうでしょ!先生が他の人と仲良くなったらどうするの!?」
『そんな事気にしてるのか(笑)?』
先生は笑いながら、私の頭をぽんとする。

「そりゃ気にするでしょ!!!」
『君は私の性格を知っているだろう(笑)?』
「えぇ。でも、本当は先生、凄く優しいって事も知ってる。悪いとこだけじゃないでしょ?」
『だが私は、他の人とは仲良くする気はない。君は私の格言を知っているだろう?』
「尊敬してくれる人を尊敬するだけ。でしょ?」
『君は私を尊敬してくれているが、他の生徒はどうだ?新入生もきっと同じだ。』
「でも私は違う。それって、新入生の中にもそういう人がいるかもしれないって事だよ?」
『私の噂は悪いものばかりだ。仲良くする生徒はいないさ。』
「も〜!先生ってばマイナス思考すぎ!!!!先生、凄く良い人なんだから、もうちょっと自信持てばいいのに!」
『私は自信満々だぞ!』
「も〜、そういう意味じゃないってば!!」
『自信満々だからこそ、個人主義を貫き通しているのだ(笑)。』
先生は悪戯っ子のように笑う。

「私もそうだけどさ(笑)。先生、他の人と仲良くなってもいいから、この時間だけは変えないでね。」
『あぁ。もちろん。心配するな(笑)。』
「先生、ほんとうは優しいから(笑)。」
『私にとっても、君と喋る時間は大切だ(笑)。』
「ありがとう(笑)。」

私達は微笑みながらニヤニヤお互いを見つめた。
笑いが収まった頃には、新入生は見えなくなっていた。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

『今日も何か考えているのか(笑)?』
外を眺めていると横から顔を覗かせる。

「いいや?まだ花、咲いてないのに桜の香りがするなぁ〜って。あと少しで開花しそうだなって考えてた。」
『そうだな〜。蕾もふくれてる。咲くのは時間の問題だな(笑)。』
「だよね!私もそう思ってたところ(笑)。」
先生は私の腰掛けていた場所の隣に座る。

「先生、いっつも私に“何考えてる?”って聞いてくれるけど、先生は何考えてるの?」
先生は少し考えて口を開く。

『守る価値のある人は誰か。』
「素敵なこと考えるんだね。」
『私はこれでも教師だ。“生徒”に守る価値があるのかぐらいは考えるさ(笑)。』
「あっ、そっち(笑)?でも、私はそういうの好きだよ(笑)?私も考えるもん。この教師との関係は保たないといけないのか。命をかけて守る価値のある人は誰か。」
『考えることは一緒だな(笑)。』
先生はニコッと笑う。

「私の出した答えは、命をかけて守りたい人は少人数ってことかな〜。心臓1つしかないからそんなに沢山の人は守れないけど(笑)。」
『私も少人数だ(笑)。そんなに命はかけられんだろう(笑)。』
「確かに(笑)。」
私は先生の微笑みに微笑みを返す。
『ただ1つ言える事は、この事を考えないといけないのは少し寂しいと言う事だ。』
「大切な誰かが危ない目に合うってことだもんね?」
『それももちろん。だが、君の場合は特に、君が危ない目に合うぞ。』
「わかってるって、自分も死なない程度に命をかけるんでしょ(笑)?」
『あぁ。それでいい。』
「私は先生のほうが心配だけどね(笑)。」
『君には心配はかけないさ(笑)。』
先生はイタズラをする少年のようにニコッと笑った。

私は心の中で“先生こそ100%命かけるくせに。”と呟いた。
そして私はもう一度、桜の香りを探した。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

廊下を歩いていると、前の方に先生がいたので駆け出す。
「先生!」
『あぁ。』
そう言うと先生は振り返り、ニコッと笑う。

「あれ?先生、その足どうしたの?」
『えっ?』
「そこ。いつ怪我したの?」
『……薬学の研究をしていたとき…か?』
「え?そんなに血、出てズボンも破れてるのに気付かなかったの?」
『…あぁ。』
「もう、しょうがないな〜。こっち来て。先生の部屋行くよ!」
私は先生の手を引き、部屋へ連行する。
『気にし始めたら、なんか痛くなって来た。』
「先生バカだなぁ〜、もう!早く行くよ!」

部屋につくと私は、救急箱を探した。
「先生、薬学するのはいいけど、もうちょっと道具片付けてよね!よくわからないものが多すぎる!!」
『だが、こっちでも使うものばかりだぞ。理科の授業で使った事あるだろう?』
「あるよ。ビーカーに…メスシリンダー?」
『それは試験管だ。』
「今それはいいから!」
『いや、君が言ったのだろう(笑)?』
「確かにそうだけど(笑)。ほら、救急箱あったよ。」
『ありがとう。』
「ほらほら、座って!」
『仰せのままに(笑)。』
「よろしい(笑)!」

私は先生の手当をする。
「先生は時々、集中すると周りが見えなくなるから気をつけないとね!」
『そうだな。熱中しすぎないように気をつけるよ。』
「まぁそういうおっちょこちょい?な先生が好きなんだけどね(笑)。」
『いじってるだろ?』
「いじってないよ(笑)!」
私は最期の仕上げに包帯を結ぶ。
「ほら、できた!!」
『命拾いしたな(笑)。ありがとう。』
「先生、大袈裟だから(笑)!」
私は救急箱を戻しながら言った。

「あっ。その代わり、指切りげんまんしよ?」
先生は小指を立てて私の前に差し出す。
「先生は無茶な事をしない!指切りげんまん嘘ついたら……。高級チョコレート奢らせる!指切った!」
『それは守らないとな(笑)。』
「楽しみにしてるからね(笑)。」

指切りをしたあと、少しの間笑っていた。
そして私は先生の部屋で、またキレイな魔法の薬学を見せてもらった。

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〜二人の秘密〜

『まだ何か気になるものがあるのか?』
今日もまた、いつもの窓辺にいると後ろから先生が声をかけてくれた。

「今日は何もない!!」
『今日は?じゃあ、今日は何をしてるんだ?』
そう言うと、先生も腰掛ける。
「今日はね、春のにおいを楽しんでたの。」
『春の匂い?』
「うん。春のにおいがする。」
『花のにおい……っていう事か?』
「う〜ん、花の匂いとか、空気の匂いとか、暖かさとかかな〜?」
『まぁ確かに、何かの花の匂いはするし、暖かくなったな。春はもうすぐだろう。』
「だよね(笑)!!私、季節の変わり目の匂いって好きなの。」
『楽しくなるか?』
「そうね〜。それもある。なんて言ったらいいかわからないけど、好きなんだよね〜(笑)。」
私はニコッと笑う。

先生はニコッと笑い返すと、春のにおいをかいだ。
私も深呼吸をして空気を肺の中へ入れた。

『確かにこれは、春のにおいなのかもな(笑)。』
先生はもう一度笑うと校舎の外を指差した。
『桜の花ももうそろそろ咲きそうだ。』
「楽しみだね!」
『あぁ。桜が咲いたら、ここで花見をしよう。』
「おっ!いいね!!楽しみだ!!」

私はこの春のにおいを楽しみながら、
明日からまた頑張ろうと背筋をしゃんと伸ばした。
先生は、猫のように日向ぼっこを楽しんでいた。

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1月1日君と一緒に No.8

でも、時はあっという間に過ぎていった。
ここがまた、まじめな顔で言ってきた。
「夏休み中に引っ越す」
覚悟はしていたから、今度はそれほど悲しくはなかった。私は平常心を保って言う。
「うん。分かった。あと2週間か…」
あと2週間。私たちは"今”を大切に過ごした。
運動場を駆け回ったり、授業中に手紙を回したり、カラオケや映画館に行ったり。
本当に色々なことをして楽しんだ。

そして、当日。お別れをしに私はここの家を訪ねた。もう荷物などはない。すっからかんだ。
「もう、バイバイだね。寂しいな」
「そうだね。…あのさ、これ」
私は持ってきたものを差し出した。手のひら2つ分より少し大きいものだ。
「何?」
「今、開けないで、私がいないときに開けてみて」
「分かった。…あ、ちょっと待ってて」
パッと立って、部屋を飛び出していった。
「私も、これ。同じように開けないで」
それは、私が渡したものより、結構大きかった。大きさなどよりも、向こうも用意してくれていたということが嬉しかった。
「ありがとう」とお互いお礼を言って、外へ出た。
泣かないと決めていたのに、もうお別れだということを実感して涙が出てきてしまった。ほとんど同時にここも泣き始めた。
「本当にありがとう。本当に楽しかった。絶対また会おうね」
「こっちこそ本当にありがとう。結花がいてくれて毎日が充実して楽しかった。離れるけど、○○のこともいっぱい話そうね」
「じゃあ」
「じゃあ」
私はここに背を向けて歩き始めた。
振り返りはしなかった。もっと涙が出てしまうから。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

お気に入りの窓がある所に行こうと廊下を歩いていると後ろから左手首を掴まれた。
私は驚いて振り返ると、そこには先生がいた。
「っ先生!!びっくりした…。どうしたの急に?…ん?」
私は先生の顔を覗き込む。
「今からいつもの所行くけど、一緒に来る?」
『あぁ。』
私はニコッと笑って、先生の手を引き駆け出す。

窓の前につくと、くるっと振り返る。
「到着!」
そう言うと、またニコッと笑う。
『今日は私も座っていいか?』
「何で聞くのよ(笑)?もちろんだよ。一緒に座ろ?」
私達は窓の外に足を出して座る。

「何か聞いてほしい事があったんでしょ?」
『聞いてほしいというか…。普通の話をしたくてな。』
「世間話とか?」
『あぁ。』
「先生は相変わらず可愛いねぇ(笑)!」
『別に可愛くはないと思うが…?』
「いいや、可愛い!!」
『…ありがとう(笑)。』
「あっ、照れたっ!!!可愛いっ…。」
私はニコニコ笑みを浮かべながらマジマジと先生の顔を見る。
『そんなに見ないでくれっ!』
先生はそう言いながら手のひらをこちらに向けて顔を隠す。
「ちょっとは元気になったじゃん。先生(笑)。」
今度はイタズラにニコニコ笑った。
『やはり、君には上手に隠せないな(笑)。』
「先生、隠す気なかったくせに(笑)。」
私はケラケラともう一度笑った。
すると先生が口を開いた。
『バレたか(笑)。』

先生は本当に隠す気はなかった。
それは、皆にバレないように私にSOSを送ってくれていたからだ。
私は、先生が真っ直ぐな目でSOSも、助け舟も出してくれることをとても嬉しく思っていた。
そして、今日も私の前だけで笑顔を見せてくれる先生にとても感謝している。

私達は二人でいつまでも笑い続けた。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

「先生!!捕まえたっ!!」
私は先生を見つけると、右腕を後ろから引っ張った。
『おぉ、なんだ?今日の授業わからなかったか?』
「いや、全然わかったよ?なんで?」
『君がいつもと違う捕まえ方をするから聞いただけだ。』
「あれ?いつもこんな感じじゃないっけ?」
『掴まれたことはなかったはずだ。』
「あ、痛かった?」
『いいや、痛くはないさ。そんなことより、私に用事があったのだろう?』
「あぁ、そうそう。倫理についてなんだけどね。」
『倫理?』
「うん。私のクラスは選択科目で成り立ってるでしょ?だから、その選択科目のせいで倫理の授業が受けられないの。」
『そうだったな。選択科目のせいで、私も君と授業ではなかなか会えないのだったな。』
「別に選択したくて、選択したわけじゃないよ。やりたくないものをやってる。嫌だって言ったら、学校辞めて働けって言われるし。やりたいことできないのにここにいる意味は、先生に逢えるっていうそれだけよ(笑)。」
『そうか。』
「そう。それでね、先生に倫理を教えてほしいの。」
『私は倫理の担当ではないが?』
「でもそういうの得意でしょ?」
『あぁ。確かに。教えられなくもない。』
「先生。約束ね。放課後、先生の空いてるときに授業してよ(笑)。」
『もちろんだ(笑)。』
「そういう先生大好きよ(笑)。じゃあ、また後でね(笑)。」

『待て。』
先生は次の授業に行こうとした私を呼び止める。
「何??」
『辛くなったら、またおいで。いつでも私は待ってる。いつもお互いがお互いを必要としている(笑)。』
「知ってる(笑)。私もこの間、先生の事待ってるって言った気がする(笑)。じゃあ、授業始まっちゃうから行くね!!」
『あぁ。』
「私、先生の事は大好きだよ(笑)。」
イタズラに笑うと教室の方向に足を向ける。

次の授業は選択科目。
先生の笑顔が、私をそっと救ってくれる。
もう少しだけ頑張ろう。
そう決意して教室の扉を開けた。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

今日はなんとなくだがいつものようにお気に入りの窓がある廊下へと向かっていた。
いつもは私が先にいるが、今日は先客がいた。
「先生??今日は用事ないのにいるんだね、珍しい。」
『あぁ。君が見ている景色を見たくなってな。』
「結構いいでしょ?ここ。」
私は先生の隣で、窓に手をつく。
『君がお気に入りにしている意味がわかったよ(笑)。』
「先生、何かあった??」
『何を言ってる?(笑)何もないさ(笑)。』
先生は誤魔化すかのように笑う。
「そっか〜。じゃあ、私の話聞いてもらおうかな〜。」
『もちろん。何だ??』
「あっ。1つ約束。途中で口挟まないでよね!」
私は先生を見ていたずらに笑う。
『あぁ、わかったよ。保証はできないが。』
「じゃあ、いくよ?」
『あぁ。』

「先生にはね、もう愛着しかないの(笑)。初めはね、嫌な奴って見てた所も、今となってはもう、あぁ〜好きだなぁ〜って見てる。こんなにも愛おしくなる人なんだなぁ〜って(笑)。先生、自暴自棄になってたでしょ?でも、その事憎めないな〜って(笑)。なんて素敵な人なんだろうって。もう好きすぎて心臓持たないよ(笑)。あっ、好きって先生としてだからね〜?(笑)。」
言いたい事を放った後に先生を見ると、頬から涙が伝っていた。
先生が何を思って何に悩んでいるかなんて実際にはわからないけど、一度は伝えておきたかった事だ。

「だからね、先生の事だけは信用してるの。先生、これからもよろしくね。」
『何で今、それを言うんだ?(笑)』
先生は涙を隠して笑う。
「なんとな〜く、なんとなく言いたくなっただけ〜。」
『ありがとう。ここに来て良かったよ。』
「先生、悩む前にここ来たらいいよ。私はいつでもここにいるから。」
『言っただろう?悩んでないさ(笑)。』

先生は嘘が下手くそだ。
私の言ったことが少しでも先生に届いていれば私の出番は終わりだ。
「私は先生の事見てるからね(笑)。」
そう言ったとき、春の温かい風が二人を包み込んだ。