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Flowering Dolly 〈設定〉 その1

この書き込みは企画「Flowering Dolly」の〈設定〉書き込みです。
企画の概要は〈企画要項〉を参照すること。
それでは設定です!

・ドーリィ Dolly
異界から来たる敵“ビースト”によって存亡の危機に立たされた人類の前に現れた、少女の姿をした“何か”。
人間と未契約でも身体能力強化や狭い範囲での瞬間移動、軽いケガの治癒、ドーリィ間でのテレパシーなどの魔法を使うことができるが、適正のある人間と契約することで固有武器の召喚などより高度な魔法の使用が可能になる。
適正のある人間がドーリィに対し契約を承認すると、マスターと同じ身体の部位(手・腕・脚が多くそれ以外はまずない)に固有の紋様が現れる。
花の学名の属名部分(詳細は長くなるので割愛)を名乗っており、その名にちなんだ華やかな容姿・服装を持つ。
空間中の魔力を取り込むことでその身体を維持しているため、基本食事はいらない上不老。
しかし首と心臓が弱点のためこのどちらかを破壊されると死ぬ。
最近は古代遺跡から発見されることも多く、古代文明との関係性が指摘されている。
その正体は、超古代の魔法文明でビーストと戦っていたいわゆる生体兵器。
契約しないとロクに戦えないのは不用意に人間を傷つけないためである。
だが彼女たちとビーストの激しい戦いによって魔法文明は崩壊、ドーリィたちは来たる次の脅威に備えて長い眠りについていた。

・マスター Master
“ドーリィ”と契約した人間のこと。
正称はドーリィ・マスター。
特定のドーリィに適正のある人間のみが契約することでなることができる。
ドーリィに対し契約を承認すると契約したドーリィの身体の同じ部分(手・腕・脚が多くそれ以外はほぼない)に固有の紋様が現れる。
契約したドーリィの(一応の)管理者であり主人…なのだが、ドーリィの尻に敷かれるマスターも少なくない。
ドーリィと違って無力な存在なので戦闘に巻き込まれて命を落とすこともある。
でも基本的にドーリィはマスターを守ろうとしてくれるのでそう簡単には死なない(はず)。
地域にもよるが英雄視されることが多い。

その2に続く。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 21.ティアマト ⑭

そうこうしている内に、わたし達は寿々谷公園に到着した。
休日の人々で賑わう公園内を周りつつわたしは昔の話をあま音さんとしていたが、あま音さんはことごとく覚えていないようだった。
周りの皆はそれを不思議そうな目で見ていたが、ネロだけはなぜか周囲を気にしていた。
「…今日はありがとうね」
色々とわがままに付き合ってもらっちゃって、とあま音さんは日の暮れかけた公園の隅のベンチで言う。
公園にいた人々は少しずつ帰り始めており、辺りの人気は減りつつあった。
「いえいえ、別に良いですよ」
わたしも楽しかったです、とわたしはあま音さんに笑いかける。
「…おれ達は付き合わされてただけだけどな」
しかし耀平はふてくされたように呟き、その隣に立つ黎はうんうんとうなずく。
わたしはそれを見て苦笑した。
一方そんな中でも、ネロは何かに警戒するかのように辺りを見回していた。
「お待たせ~」
…とここで、穂積と雪葉がお手洗いから帰って来た。
「あ、おかえり~」
「じゃあそろそろ行くかね」
耀平と師郎はそれぞれそう言う。
わたしもそうだねと言ってベンチから立ち上がろうとした。
その時だった。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 21.ティアマト ⑨

「…やっぱり、あの子変な異能力の気配がする」
わたしが駄菓子を買って店の外へ出た所で、雪葉はそんな事をネロ達と話していた。
「まぁ確かに、あの女からはうっすらと異能力の気配がするけど…」
別に気にする程でもなくない?とネロは言いながら、買いたてのココアシガレットの箱を開ける。
「そうなんだけどさ」
気になるじゃん?と雪葉は頭をかく。
「もしかしたらヴァンピレスと関係あるかもしれないし」
雪葉がそう笑うとネロは少し顔をしかめる。
「…さすがに寿々谷の外から来てるみたいだからそんな事ないと思うんだけど」
ネロの言葉に、彼女の隣に立つ耀平はだなとうなずく。
「あのヴァンピレスが寿々谷の外で活動している話なんて聞いた事ないし」
てか何でも奴と結びつけんなよ、と耀平は呟く。
雪葉はごめんごめんと苦笑した。
…とここであま音さんがわたし達の元へやって来た。
色々と駄菓子を買ったのか、その右手には中身の入ったビニール袋がさがっている。
「皆、何の話してるの?」
何か寿々谷がどうとかって聞こえたけど、とあま音さんは尋ねる。
わたし達は一瞬どきりとしたが、すぐに機転を利かせた穂積がこう言いだした。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 21.ティアマト ⑧

不思議な少女と再会してから暫く。
なんだかんだで少女と共に行動することになったわたし達は、いつもの駄菓子屋の前にいた。
「ここが駄菓子屋かー」
ここに来る途中で鯨井 あま音(くじらい あまね)と名乗った彼女は、駄菓子屋の店先を物珍しそうに眺めた。
そんな彼女を尻目にネロ達はいつものように店内に入っていく。
わたしもあま音さんも彼らに続いて中に入った。
「なんか、絵に描いたようなお店だね~」
すごーい、とあま音さんは商品が所狭しと並んだ店内を見渡しながら呟く。
「そうですか?」
「うん、すごいよー」
わたしの言葉にあま音さんは笑顔でうなずいた。
「わたしも昔はここに来てたのかな~」
あま音さんは駄菓子が平置きされた台を覗き込む。
彼女の言葉に相変わらず違和感を抱きながら、わたしは彼女の横顔を眺めていた。
「…お前、駄菓子は買わないのか?」
ふとネロに尋ねられて、わたしはハッとしたように顔を上げる。
そう言えば駄菓子屋に来ていたのに何も選んでいなかった。
その事に気付いたわたしは、慌てて品物を選び始める。
そしてわた選んだ物をレジに持って行って会計を済ませた。
あま音さんもそれを見てわたしに続いてレジに向かった。

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討精造物後日 後

「え、な、なにが」
「自分より弱い存在を守るようになった所とか」
「うぐっ」
老女に指摘されて、ナツィは恥ずかしそうな顔をした。
「べ、別に、俺は…」
ナツィはしどろもどろになりながら話を続けようとするが、言葉が出なかった。
ナツィの左隣に座る赤髪のコドモ、露夏とナツィの右隣に座る青髪のコドモ、ピスケスは少し笑った。
老女は呆れたようにため息をついた。
「まぁいいさ」
今回はアタシが“学会”上層部に話をつけておくから、と老女は立ち上がる。
「今後はあまり騒ぎを起こさないようにするんだよ」
老女はそう言って目の前のコドモたちを見る。
「あと、ピスケスはもう少しナハツェーラーの監視を強めた方がいいかもね」
老女はそう言うと部屋の奥にある自身の机の方に向かった。
「分かってるわよ、歳乃(としの)」
ピスケスは老女を目で追いながら答えた。
「…さて」
歳乃からのお説教も終わったことだし、と暫くの沈黙ののちにピスケスが立ち上がる。
「そろそろかすみたちの元へ行こうかしら」
あの子たちが待ってるものね、とピスケスはソファーに座るナツィと露夏に目をやる。
露夏はだなと頷いて立ち上がる。
「ほら、行くぞナハ…」
そう言いながら露夏はナツィの方を振り向くが、ナツィは恥ずかしそうに俯いていた。
「…おい」
露夏は呆れたように腰に手をやる。
「なーにいつまでも赤くなってんだよ」
そろそろ行くぞーと露夏はナツィの顔を覗き込む。
「…」
ナツィは相変わらず赤くなっていたが、露夏はおもむろにその腕を引っ張って立たせた。
ピスケスはその様子を見ると部屋の扉の方に向かった。
露夏もナツィの腕を引きながらそれに続いた。

〈討精造物後日 おわり〉

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討精造物後日 前

夕暮れ時、とある大学のレンガ造りの校舎の片隅にて。
書類や荷物で溢れた部屋のローテーブルを挟むように、奇妙なコドモ3人とメガネをかけた老女が向き合っている。
4人の間には気まずい雰囲気が流れていた。
「…それで、本題に入るんだけど」
どうして先週、ここであんなに暴れ回ったんだい?と老女は目の前の3人を見つめる。
3人の内ソファーの両端に座る2人は顔を見合わせる。
「大体、ああいうことになってしまったのなら私でもいいから誰か魔術師を…」
「仕方なかった」
不意に、ソファーの真ん中に座る黒髪のコドモが呟く。
「あんな風に警備用人工精霊が暴れている状態じゃ、人間を呼んでる余裕なんてなかったんだよ」
黒髪のコドモことナツィは顔を上げる。
「だから、俺たちでなんとかするしか…」
「なんとかするって言ってもねぇ」
老女は頬杖をつく。
「ああやって倒してしまうのは、ちょっと…」
我々としても困るんだよ、と老女は続ける。
「あれは、“学会”の所有物を盗まれないようにするための警備用人工精霊だったんだ」
お前たちも知っているだろう、と老女は目の前の3人に目をやる。
「誰かが地下階層に無断で侵入し、倉庫に手を出そうとしたら反応するようにできていた」
だから、あの子たちを襲おうとしたんだよと老女は言う。
「“学会”と敵対関係にある人物とかならいいけど、“学会”関係の者がうっかり警備用人工精霊に見つかってしまったのなら、誰か魔術師を呼ぶなりなんなりしないと」
「だからどうしようもなかったんだよ」
ナツィは老女の言葉を遮るように言った。
「アイツらを守るためには俺たちがやるしかなかった」
それだけだ、とナツィは腕を組んだ。
暫くの間老女は黙っていたが、やがて呆れたように口を開いた。
「…お前も、随分変わったのね」
「っ⁈」
ナツィは驚いたように飛び上がる。

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