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赤黒造物書店 前

大きな駅に直結する大規模商業施設の片隅にて。
1人の赤髪にキャップ帽のコドモが鼻歌交じりに通路を歩いている。
赤いスタジャンのポケットに両手を突っ込みながら歩くコドモは、ふと何かに気付いたように書店の前で足を止めた。
書店に入ってすぐの料理本売り場で、見覚えのある人影が本の立ち読みをしている。
外套に付いている頭巾を被っているものの、赤髪のコドモには誰だかすぐに分かった。
「おい」
赤髪のコドモがその人物に近寄って声をかける。
頭巾の人物はビクッと飛び跳ねて立ち読みしていた本を閉じ、平置きされている本の上に置く。
「なーにやってんだよ」
ナハツェーラー、と赤髪のコドモはにやける。
「…」
ナハツェーラー、もといナツィは頭巾を外しつつ赤髪のコドモの方をちらと見た。
「お前か」
「そうだぜ」
露夏だぜと赤髪のコドモは笑う。
「それにしても珍しいな、お前が本屋になんて」
何読んでたんだ、と露夏がナツィの方を覗き見ると、平置きされている本の中に先程まで読んでいたと思しき本が無造作に置かれていた。
「えーと、なになに…“初めてでも簡単☆チョコレート菓子”ってなに、お前こういうの読むのかよ」
露夏がタイトルを読み上げると、ナツィはちょっ、やめろテメェと恥ずかしそうにする。

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少年少女色彩都市 act 11

叶絵は和湯姉から受け取ったガラスペンを構えエベルソルに相対したまま動きを止めていた。
(……そういえば、空中に絵を描くってどうやるの? あの魔法陣みたいなのとか……そもそも、あれを倒すって、何を描けば良いの……?)
叶絵が実際にインプットしたリプリゼントルの戦闘状況のサンプルは極めて少ない。そこに慣れ親しんだ現代科学とかけ離れた戦闘技術と、非日常へのパニックが加わり、思うように手が動かない。
ふと、エベルソルが一切自分たちに攻撃してこないことに気付き、敵の方を見る。その頭部には、先ほどのリプリゼントルの少女が胡坐をかいて3人を、否、叶絵を見下ろしていた。
「……あ、私のことは気にしなくて良いよ。君たちの戦いには手を出さないから」
にかっ、と笑い、少女が叶絵に言う。
「けどそのお姉さんもひどいよねぇ。何も知らない女の子を無理くり戦場に引きずり出すなんて……君が何の才能も無い無産なら詰んでたよ、ねー?」
蛾のエベルソルに同意を促すが、エベルソルは何も反応せず脚をばたつかせるだけであった。
「……まぁ、せっかく才能と道具、両方あるんだ。頑張れ若者、くりえいてぃびてぃに任せて好きに暴れな」
少女にサムズアップを示され、叶絵は一度瞑目して深呼吸をしてから、再び目を開いた。
ガラスペンを目の前の虚空に置く。ペン先の溝を無から生み出されたインキが満たし、目の前に同心円と曲線が組み合わさったような魔法陣が、殆ど無意識的に描き出された。
意を決してそれを通り抜けると、寝間着姿から一変してピンクと白のパステルチックなワンピース風の衣装を纏った姿に変身していた。
更にガラスペンをエベルソルに向けると、空間を暗闇に塗り替えるようにどす黒いインキの奔流が周囲を覆い尽くす。
「うっわマガマガしー。どんな生き方してたら『可愛い』と『邪悪』があの同居の仕方するんだろうね? まあ新入りちゃんの『芸術』、見せてもらおうじゃないの」
けらけらと笑いながら、少女はエベルソルから飛び退いた。

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少年少女色彩都市 Act10

女性は叶絵と典礼に曖昧に微笑むと、懐からガラスペンを取り出す。蛾のエベルソルは耳をつんざくような奇声をあげてその無数の足を動かし、こちらにすごい勢いで迫ってきた。
「ひっ…」
後ずさる叶絵の腕を引いて、典礼が場を離れる。女性は幾何学模様を書きあげた。
「んと…和湯、くん?」
「典礼でいい。立って」
蛾は女性の書いた幾何学模様の盾に突っ込み、煩わしそうに暴れて、10秒と経たない内に盾を壊してしまった。女性は典礼たちのもとに駆け寄る。そのまま三人で逃げ出す。
「やっぱりだめ…昔はできたのに」
「え、あの」
混乱する叶絵が困った顔で女性を見つめると、彼女は寂し気に微笑んだ。
「私、リプリゼントルの才能が消えかけてるの。昔は典礼よりも強かったのに」
「ちょっと!余計なこと言うなよ!」
「だってあんた燃費悪いじゃない!すぐ疲れるし、一日に何回も変身できないでしょ」
両脇で姉弟喧嘩が始まってしまい、気まずくなって叶絵は俯いた。
「あ、そうだ!あなた、私のお古で良ければ使ってみない?」
「…えっ!?わた、私ですか!?」
「そう!得意なことはある?」
「得意なこと…」
叶絵の得意なこと。
「…絵、を描くこと…」
女性は満足気に笑った。

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少年少女色彩都市・某Edit. Agitation & Direction その③

タマモの放つ弾幕が、正面から広範にエベルソルを捉え、回避しようと更に広がろうとする群れを、ロキの変化光弾が横からちくちくと突き、少しずつ一塊にまとめていく。
「……流石に180ぽっちじゃ対応されてくるな。200くらいに上げて良いか?」
「好きにして良いよ。私がタマモに合わせられないと思う?」
「あー……そうだな、信頼が足りなかった。じゃ、202くらいで」
タマモの放つ弾幕の間隔が更に早まる。それまで弾速に慣れて防御行動を取るようになっていたエベルソルらは、突然のリズムの変化に対応できず、再び被弾し始めた。
「…………ところで」
「何?」
「ここでタマモノマエの豆知識たーいむ」
「わーぱちぱちぱち」
「今、裏で聞こえてるこの破壊音ですが」
タマモの言葉の直後、ホールの裏から重量物が落下する重低音が響いた。
「ああ、【モデラー】ぬぼ子さんの」
「そうそうあの人。あの人がこの間出した動画見たか?」
「まだ見てなーい」
「そっかァ……あいやそれはどうでも良いんだが。あの人、攻撃のタイミングを中の演奏と合わせてるらしいぜ。何か、デカい打楽器と合わせてるんだと」
「ティンパニ?」
「いや俺あんま楽器とか知らねーし……」
「……器用だねぇ」
再び、落下音が聞こえてくる。音楽と異なるとはいえ芸術の才を持つ二人だったためか、その音を聞いた瞬間、同時に同じことを考えた。
((今、ズレたな))
「……ねぇ、タマモ?」
「分かってる。『頼む』なよ? 俺らはそういうのじゃねえだろ」
「うん。じゃあちょっと行ってくるから」
「うい任せろ。お前が帰ってくるまでくらいはもたせてやるよ」
「全部倒しても良いよ」

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少年少女色彩都市 Act 9

少女がヘドロのエベルソルを倒した頃、叶絵は倒れた肉塊エベルソルを前に少年と話していた。
「…えーと、つまり、リプリゼントルの力で作り出した特別なバイオリンを奏でることで、エベルソルに作用する特別な音波を出して倒した、と」
叶絵がそう言うと、少年はまぁそんな所と返す。
「どんな形であれ、エベルソルはリプリゼントルの“創造力”に弱いからね」
“創造力”で作り出したもので“創造力”を叩き込めば自然とエベルソルは倒れる、と少年は続ける。
「それにこのぼく、和湯 典礼(わゆ てんれい)のようなレベルになれば…」
少年がそう言いかけた所で、不意に彼は言葉を止める。何か気配を感じたのか少年は後ろを振り向いた。叶絵もつられて少年が見た方を見る。
見ると少年が先程倒したエベルソルの表皮に裂け目が入り、中から白い無数の脚を持つ蛾のような何かが姿を現した。
「なっ…!」
第二形態、だと…⁈と少年こと典礼は動揺する。蛾のようなエベルソルは翅を広げると口から火球を叶絵たちに吐き出した。
「⁈」
想定外の事態に2人は動けず、このままエベルソルの攻撃を喰らうかに思えた。しかし、2人の後ろから誰かが走ってくる音が聞こえたかと思うと、叶絵と典礼は後ろから押し倒されるように伏せさせられた。
「!」
無理やり伏せられた叶絵が顔を上げると、黒い背広姿の若い女が叶絵と典礼に覆い被さっていた。
「…あなたは」
叶絵は思わずそう呟くが、典礼は自分を突き倒した女を見て目を丸くする。
「姉さん⁈」

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将棋造物昼下 前

住宅地のちょっとした屋敷の片隅にある客間にて。
小綺麗な客間で、1人赤髪で赤いスタジャンを着たコドモがベッドに座りつつ古いゲーム機をいじっている。
昔ながらの電子音を鳴らしながら熱心に遊ぶコドモの頭には、犬のような立ち耳が生えていた。
…と、ここで客間の扉が開いて中に青い長髪で白ワンピースのコドモが小箱の乗った箱型の何かを抱えて入ってくる。
赤髪のコドモはパッと顔を上げた。
「?」
どうしたピスケスと赤髪のコドモこと露夏は尋ねる。
青髪のコドモことピスケスはちょっとねと荷物を床に置いた。
「何これ」
露夏は思わず手を止めて身を乗り出す。
「将棋セットよ」
ピスケスがそう言うと、露夏はへーと答える。
「将棋かー」
これが本物の…と露夏は立派な箱型の将棋盤を手で撫でる。
「あら、お前本物の将棋を見るのは初めて?」
ピスケスが不思議そうに尋ねると、露夏はまぁなと笑う。
「昔はずっと家に閉じ込められてたようなもんだからさ」
家の中にないものはよく知らなくてな、と露夏は続ける。
ピスケスはふーんと頷いた。
「…で、なんでこんなモン持ってきたんだ⁇」
お前将棋するの?と露夏はピスケスに聞く。
ピスケスは別にと首を横に振る。
「ただ物置を漁ってたら出てきただけよ」
ピスケスがそう言いつつ将棋盤の上に乗っている小箱を開ける。
中にはたくさんの駒が入っていた。

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少年少女色彩都市 act 8

鼻歌を歌いながらガラスペンを空中に走らせていた少女は、ヘドロのエベルソルが弱々しく蠢いているのに気付き、一度手を止めて接敵した。
「おかしーなぁ……3回くらい殺さなかった? ほれ、聞いてるなら頷け?」
エベルソルがのろのろと伸ばしてきた千切れた腕を踏みつけ、首の部分を捕まえて作業に戻る。
「何描いてるか、気になる? お前にとどめを刺すものだよー。どうやって死にたい? 私のお勧めは八つ裂きとかなんだけどねぇ……。こんな住宅街のど真ん中でやったら迷惑じゃない? だから、埋葬する方向でいこうと思うんだけど……どう?」
当然、エベルソルは何の反応も返さない。
「なーんーかーいーえーよー」
エベルソルの首をぐいぐいと絞めつけながら、少女は楽しそうに描き進めていく。
「……あぁー。何にも言わないから、もう完成しちゃった」
それは、直線のみで構成された巨大な手のような立体。その手が道路を舗装するアスファルトに指を食い込ませ、ぐいと引き上げる。舗装はそれにしたがって剥がれるように持ち上がり地下の様子が表に現れる。本来なら土壌とガス管や水道管に満たされているはずのそこには何も無く、ただ無限に広がっているようにすら思える虚空だけがあった。
「どう? 素敵じゃない? ……素敵じゃないか。そっかそっか。……うわっ」
その時、少年の奏でるバイオリンの音色と、肉塊エベルソルが潰れる音が少女の下にも届いた。
「うえぇ……私、クラシックって苦手なんだよねぇ。特に音の高い管楽器と音の高い弦楽器。いや好きな人は好きなんだろうけどね? 私はもうちょっと重低音な方が安心できるなぁ……あの子もチェロとか弾けばいいのに。良いじゃんゴーシュスタイル。……おっと、いつまでも放っておいて悪かったね」
手の中でぐったりとしているエベルソルの頭部に声を掛け、虚空の方へ引きずっていく。
「それじゃ、ご冥福を……いや地獄行き確定だから福は無いか。思い返せばお前は久々に私をいらいらさせた良い敵だった。うーん……ああ、そうだ」
何かを閃いたように指を鳴らし、少女はエベルソルを虚空に投げ捨て、落ちていくソレに敬礼した。
「良い来世を、我がクソッたれの敵! 次会う時は仲良くしよう!」
エベルソルが見えなくなるまで見送り、少女は巨大な手を用いて舗装を元に戻した。

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少年少女色彩都市【7】

少年がヴァイオリンに弓を静かに当てる。音楽に対する知識があまり多いとはいえない叶絵は、その様子を呆然と眺めていたが、やがて少し後ずさりした。
「すぅ…」
少年の息遣い。まわりの音が消える。エベルソルは身体中からなんだか分からない液体を垂れ流しながら困惑したように身を捩る。息の詰まるような静寂が叶絵まで緊張させる。
「…Preludio」
少年の呟きが音のない空間に響いた。
(プレリュード…?前奏曲のこと…だよね?)
少年が優美な動作で弓を引き始める。ヴァイオリンから上品な音色が溢れた瞬間__エベルソルが変形した。潰れた缶を連想させるその肉塊の天辺からは、汚い液体が噴出する。
「ひっ…!」
叶絵の足元までそれは飛び散り、少年にもいくらかかかっていたが、彼は気にせず演奏を続けた。エベルソルは変形を続ける。断末魔一つあがらない。液体を噴出し続け、呆然とする叶絵の目の前で干からびたミイラと化してしまった。
「ふぅ…」
心底疲れたようなため息が少年の口から漏れる。
「…どうにかなったみたい。あんま骨のある奴じゃなかったけど、疲れたな…」
「い、今の…」
言葉を失う叶絵に、少年はにっこり微笑んでみせた。
「知りたい?」

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少年少女色彩都市・某Edit. Agitation & Direction その①

彩市立市民文化会館。芸術都市である彩市のおよそ中央に位置するこの施設は、敷地内に大ホール3か所、小ホール5か所、展示室4か所を有し、隣に建設されている美術館と並んでこの市を『芸術都市』たらしめる象徴の一つとして、市内外から親しまれていた。
その正面入り口の前に、2人の人影。
「俺さァ、年末の雰囲気って好きなんだよ。ただの冬の日を『1年の終わり』に託けてどこもかしこも面白ェイベントやるだろ?」
人影の片方、ストリート風普段着の少年が相方に話しかける。
「うん、それで今日もたしか……第3大ホールだっけ。『第九』の演奏会やるっていうのは」
学校制服とコートに身を包んだ少女がそれに答えた。
「そそ。こんなデケエ『芸術』があってよォ……あの文化破壊者どもが来ねェわけが無ェンだ」
「だから私達含め、11人も警備に当たってるんだもんね」
「いやァー、俺は心配ですよ。こんなに1か所に集めたら他の守りが薄くなっちまう」
「けど敵も多分ここに集中するよ?」
「いやァー……? 芸術は意外とどこにでも転がってるモンだぜ?」
「まあ、そうだけども」
少女がポケットからスマートフォンを取り出し、時計を確認する。
「……そろそろ変身しとく?」
「だな、『向こう』も準備万端って感じだ」
少年が指差した先には、無数のエベルソルが市民会館に接近する姿があった。

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少年少女色彩都市 act 5

肉塊がその身体を地上の2人に叩きつける。しかし、それは少年がガラスペンで描いた障壁に防がれた。
「っ……やっぱり、結構重いな」
障壁には深く放射状の罅が入っており、一撃を防ぐのが限界であることは明白だった。
「君、早く逃げるんだ。防ぐだけなら何とかできるから」
少年に促されるが、叶絵は怪物の襲撃のショックからか座り込んだまま動かない。
「ああもう、早く逃げるんだよ!」
少年に手を引かれて漸く正気に戻り、肉塊が次の攻撃を放つ直前で、2人は怪物の真下から脱出した。直後、少年の生成していた障壁が粉砕され、肉塊が頭部を地面に叩きつける。
「危なかった……。良いかい、君。今すぐここから逃げて、家に帰るんだ」
「え、いやでも……」
「エベルソルの前で民間人連れて何やってるの?」
2人の会話に、突如薄紫のワンピースの少女が割り込んできた。
「⁉ な、何故ここに……⁉」
少年のことは無視して、少女は叶絵に軽く片手を挙げて挨拶した。
「しかし君、日に2度もエベルソルに遭遇するなんて一周回って逆にラッキーなんじゃない? 今すぐコンビニに行って一番くじ引くのをお勧めするよー。今ねぇ、私の好きなアニメの一番くじやってるんだー」
肉塊のようなエベルソルが近付いてくるのを、少女は片手に引きずっていたヘドロの塊のようなエベルソルを投げつけて牽制する。
「ねえ君、私の助け、あった方が良い?」
少女が少年に尋ねる。
「え、あ、ああ、できればお願いしたいけど……」
「そんな答え方できる余裕があるなら、まだ余裕そうだね」
「えっ」
少女はヘドロ塊のエベルソルを再び拾い、肉塊エベルソルの脇を通り抜けた。
「ぐっどらっく、若きリプリゼントル。本当に駄目そうだったら助けてやるから、せめて私がこいつを片付けるまでは頑張るんだよ」

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CHILDish Monstrum:或る離島の業務日誌 その⑧

「じゃね、おじさん。もう帰っていいよ。私はおじさんの魔剣作るから」
魔剣? 作る? キュクロプスの能力に関係することなのだろうか。これから関わっていく以上、知っておいた方が良いだろう。この機に尋ねることにする。
「魔剣? 君の能力か?」
「ん。私の能力、『魔剣の鍛造』。島のみんなも全員持ってるよ。おじいちゃんにもあげたの。たくさん」
「悪いけど、私は剣なんか使った事……」
「別に、剣になるとは限らないよ」
「『魔剣』なのに、かい?」
「ん」
微妙に話が飲み込めない。首を傾げていると、キュクロプスが話を続けた。
「『魔剣』っていうのは、別に剣だけじゃない。武器でも何でも無いこともある。分かりやすく言うなら、『魔法のアイテム』みたいなもの。その辺のモンストルムの特殊能力にも負けない不思議な力を持った道具類。その人専用の最高の相棒。それを私は『魔剣』って呼んでる」
説明しながら、キュクロプスは『作業場』に続いている方の扉に向かっていた。
「次、いつ来るの? 私、3日は作業場から出てこないよ」
「あ、ああ……それじゃあ、3日後の12時頃、また来よう」
「ん。じゃね、おじさん」
最後にこちらに手を振って、キュクロプスは作業場への二重扉をくぐり、あちらへ籠ってしまった。

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CHILDish Monstrum あとがき

どうも、テトモンよ永遠に!です。
昨日をもちまして、企画「CHILDish Monstrum」は無事に終了いたしました。
今回も案の定参加者が少なかったのですが、最終盤に滑り込み参加する方が出てきたりしたので根気良く待つのが1番かなと思いました。
という訳で、毎度恒例の企画の裏話をば。

今回の企画は、去年のニコニコ超会議開催中にニコニコ生放送で一挙放送されていたアニメ「ダーリンインザフランキス」というアニメを観ていた時に思いついたものです。
件のアニメの後半でとあるキャラクターが「僕たちは君たち人間と違って優れた存在だから」みたいなことを言っていて、この場面を観た瞬間に「人間が作った、人間より優れた人外たちが人間を守るために戦う話」を思いつき、この企画の原型である物語ができました。
しかし、最初はこの物語を自分の中で色々展開させていましたのですが、その内忙しくなったり他の空想に走ったりして気付いたら放置するようになってしまいました。
それから時間が流れて去年の12月上旬、ふと学校帰りに「あの話を企画として昇華しちゃえばいいんじゃね?」となり、他に思いついた企画と共に企画アンケートをここに投稿、この企画に1番票が入ったので年明け早々に始めて今に至ります。

アンケートで4票も入ってたので4人くらいは参加者が出てくれるんじゃないかと踏んでいましたが、そうはいかなかったので企画って相変わらず難しいな〜と思いました。
でも某ナニガシさんがめっちゃ楽しんでたみたいなのでよかったです!
本当にありがとう!

長々と書いてしまいましたが、今回はこの辺で。
次は企画アンケートで2番目に票が入った企画「Daemonium Bellum RE」を3月に開催します!
今度は天使と悪魔が大暴れする企画なので、皆さん楽しみにしててくださいね〜
遅刻投稿も待ってます!
では、テトモンよ永遠に!でした〜

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE おまけ 2

「CHILDish Monstrum:CRALADOLE」のおまけ…というか設定集、その2です。

・デルピュネー DELPYNE
身長:162cm
特殊能力:バリアの展開
使用武器:盾(本編未登場)
一人称:私
とある都市“クララドル”に配備されているモンストルム。
心優しく世話焼き、ビーシーと仲良し。
先代のクララドル市のモンストルム部隊が壊滅した後に作られ、クララドル市のインバーダ対策課に所属することになった。
長髪で青緑色のパーカーを着ている。
怪物態は(本編未登場だが)下半身がヘビになった女巨人。

・ビーシー BIXI(贔屓)
身長:150cm
特殊能力:怪力
使用武器:ハンマー(本編未登場)
一人称:ビィ
とある都市“クララドル”に配備されているモンストルム。
気弱だが仲間思い、デルピュネーと仲良し。
先代のクララドル市のモンストルム部隊が壊滅した後に作られ、クララドル市のインバーダ対策課に所属することになった。
二つ結びで茶色のパーカーを着ている。
怪物態は巨大な亀。
あだ名は“ビィ”。

・羽岡 Haoka
身長:175cm
一人称:わたし
とある都市“クララドル”のインバーダ対策課の職員。
クララドル市に配備されているインバーダたちの世話や外出時の監視などが担当業務。
真面目で業務や上からの指示に忠実。
個性豊かなクララドル市のモンストルムたちに手を焼いている。

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE おまけ 1

「CHILDish Monstrum:CRALADOLE」のおまけ…というか設定集です。

・ゲーリュオーン GERYON
身長:165cm
特殊能力:分身(本編未登場)
使用武器:槍
一人称:自分
とある都市“クララドル”に配備されているモンストルム。
クララドル市のインバーダ対策課のモンストルム部隊の隊長を務めている。
冷静で自らに与えられた仕事を淡々とこなすタイプ。
しかし怪物態になると苛烈な戦い方をする。
チームメイトとあまり深く関わらないようにしているが、これはかつての仲間を戦闘で失ったことによるもの。
自分以外の仲間のモンストルムが全滅した戦闘でショックのあまり暴走、街を破壊して回ったという過去を持ち、今でもそれがトラウマになっている。
長い茶髪を高い位置で結わいており、黄土色のパーカーを着ている。
怪物態は三つ首で有翼の巨人。

・ワイバーン WYVERN
身長:155cm
特殊能力:飛行
使用武器:拳銃(本編未登場)
一人称:あたい
とある都市“クララドル”に配備されているモンストルム。
明るくてテンションが高く、食べることが好き。
先代のクララドル市のモンストルム部隊が壊滅した後に作られ、クララドル市のインバーダ対策課に所属することになった。
短髪で(本編で書き忘れたが)赤いパーカーを着ている。
怪物態は赤い前脚のない赤い飛竜。

・イフリート Ifrit
身長:158cm
特殊能力:火炎放射
使用武器:長剣
一人称:おいら
とある都市“クララドル”に配備されているモンストルム。
お調子者で気が強め、あれこれ縛られるのが嫌い。
先代のクララドル市のモンストルム部隊が壊滅した後に作られ、クララドル市のインバーダ対策課に所属することになった。
金髪でオレンジ色のパーカーを着ている。
怪物態は燃える髪と瞳を持つ巨人。

長いので「おまけ 2」につづく。

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CHILDish Monstrum:Escapers

 すっかり荒んだビル街を、二人の少年が和気藹々と歩いていく。
 苔むした国道にツタの這い散らかした摩天楼。かつて世界でも指折りの大都市だったらしいこの街は、人より鳥の数のほうが多くなって十数年経つ。そんな街路に二人のはしゃぎ声はあまりにも異質に響いた。
 「……で、その時の遺骸から摘出された第二頸椎が、どうも新しく開発される武装具の核になるらしくてな」
 「へぇー、それ本当に効力あるの?」
 「さてね。大方単なる“アヤカリ”ってやつなんだろ。極西のやつらの考えることはわからんな。」
 「何言ってんの、てっぺいもそういうことするでしょ」
 「てっぺい言うな」
 そう言うと、『てっぺい』と呼ばれた少年は足もとの瓦礫の石ころを軽く蹴飛ばした。暗い赤髪の長い襟足が揺れる。
 「はるばるヴェスプタくんだりまでやってきてなんで東洋風な名前で呼ばれにゃならんのだ」
 「くんだりって、俺たちの前任地よりよっぽど大都会でしょうが」
 「この廃墟ぶりを見ても大都会と言うか、たろうはよっぽど辺境の出らしい」
 「だからたろうやめろって」
 『たろう』はパーカーのひもをプラプラいじりながら答える。淡い青の背中には大きな毛筆の字で「防人」という字が踊り、その左下には小さく「でぃふぇんちゅ」と書いてある。いくら僕が、バカっぽく見えるからもう少しましな服を着たら、と提言しても「かっこいいっしょ?」と全く馬耳東風だ。お好きに。
 「ねぇえぇ、松永が言ってた“絶景スポット”ってまだ着かないの」
 振り返りながら嘆く『たろう』。
 全然先だよ。というか行程の二割も歩いてないんだけど。あっ、露骨に不機嫌そうな顔をするんじゃない。旅行だ遠足だってはしゃいでいたのは君じゃないか。
 「そうはいうけどさぁ、もうそろそろビル見飽きたもーん」
 「昼でも薄暗いのには確かに参るな。このビル街はどこまで続くんだ」
 もうじき開けた道に出るよ。そう言って僕は左腕のデバイスで昨日の晩インストールしておいたマップデータを確認する。三つの緑のバイタルシグナルが点滅しながらゆっくりと太い白線をなぞっている。
 「ほんと!じゃあそこまで行こう!早く早く!」
 「おい待てッ、いきなり走り出すんじゃない!」
 騒ぎながら駆け出していく少年二人を、僕は見送りながら後を歩く。まるで中学男子だ。

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