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Daemonium Bellum : Diabolus 〈企画予告〉

「南の町でまた襲撃があったんだって」
悪魔が2人もやられたってよ、と古びた屋敷の小さな部屋で金髪の人物は言った。
「ねー聞いてるのー?」
金髪の人物は目の前にいるメガネの人物を揺すった。
メガネの人物はむっくりとテーブルから起き上がる。
「…聞いてる」
ホントにー?と金髪の人物は首を傾げる。
「そう言ってる時に限って聞いてないこと多いじゃんぼすー」
ぼす、と呼ばれてメガネの人物は不機嫌そうにそっぽを向く。
「…ぼすって呼ばないでって前に言ったじゃん」
もうそういう立場じゃないから、とメガネの人物は呟く。
「わたしはもうそういう偉い奴じゃないんだ…天から落とされたダメな奴…」
そう言いつつ、メガネの人物はまたテーブルに伏せようとする。
「…そんなことばっか言ってんじゃねぇ」
不意に部屋の入り口から声が飛んできた。
2人が見ると、帽子を被った人物が立っている。
「あ、アモン」
金髪の人物は呟く。
「そういうことばっか言ってると体に悪いぞ」
ただでさえお前は弱っているのに、と帽子の人物ことアモンはテーブルに近づき席に着いた。
「それでも前天使長か」
「うっ」
メガネの人物はたじろいだ。
「…それ、1番聞きたくない」
わたしの黒歴史…とメガネの人物はそっぽを向く。
なんだよ、とアモンは脚を組む。
「お前らしくないな」
「それはもう1人のわたしだよ」
メガネの人物はぽつりと呟く。
「もう一人のわたし、ルシファーじゃない何か…全部、あいつのせいだ」
天界がああなったのも、わたしが堕ちたのも、とメガネの人物はまたテーブルに伏せった。
帽子の人物は呆れた表情をする。
金髪の人物はそんなこと言わないで、とルシファーの頭を撫でた。
ルシファーはされるがままになっていた。

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ラボルト

「2年になって最初の課題は石膏デッサンだっけな」
ふと、美術科に通うきみは言う。
「実は高校入ってから石膏デッサンは1回しかやってないんだよね」
「ふーん」
普通科の学校に通っていたぼくはうなずくことしかできない。
あの子はよく学校での出来事を語ってくれるのだが、いかんせんぼくは一般的な学校(と言っても大分環境が特殊だったが)に通っていたため、理解しきれないことも多い。
ついでに他人の課題のことなんていちいち覚えていられない。
「最初の方に石膏を描いたくらいだよ…何て名前だっけ」
あの石膏像、ときみは呟く。
「何だったかな」
前に調べた気がする、とぼくはスマホでWikipediaを開いた。
「写真、撮ったはずなんだよな」
そう言いながらきみはスマホのカメラロールを漁る。
「確かポセイドンの身内だった気がする」
ぼくはWikipediaの「ポセイドン」のページからその妻「アンフィトリテ」のページに飛んだが、石膏像についての情報は得られなかった。
面倒だな、と思いつつぼくはGoogleを開いた時、きみは急に言った。
「そうだ、”ラボルト“だ」
そう言いつつきみはぼくに石膏像の写真を見せる。
あーこんなだったね、とぼくは答える。
「コイツポセイドンの嫁なんだよ」
「へー」
そう呟きながらきみはこの部屋を後にしようとする。
「コイツ鼻が嘘くさいんだよね」
発見当時欠けてたのを直したらしい、ときみは付け足す。
「だから整形したみたいな鼻なんだよ」
「ふふふ」
ぼくは笑いながらきみの後を追う。
「元々はパルテノン神殿の破風の一部だったんだって」
「破風?」
何それ、と君は聞く。
「破風…って何だったけな」
よくよく考えたらよく分からない、とぼくは呟いた。
「でもパルテノン神殿か」
行ってみたいな、パルテノン神殿、ときみは呟く。
「いいね」
ぼくはそう笑って答えた。

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