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仔鬼造物茶会 Act 32

「“済んだ”って…」
「もうその使い魔は私の道具じゃないんだ」
他の魔術師の持ち物になった、とその人物は淡々と告げる。
「もう我々には関係ない」
「でも‼︎」
「でもじゃない」
琅は反論するが、その人物は話を続けた。
「そいつは、もはや硫でもなんでもない“学会”の魔術師の道具だ」
それに、と中性的な人物は付け足す。
「我々としても、不必要に“学会”とトラブルを起こしたくないからな」
手を引け、琅とその人物は冷たい目を琅に向けた。
「…嫌だ」
嫌だよ、“マスター”‼︎と琅は叫び“マスター”と呼んだ人物に近付こうとするが、碧に落ち着いてと腕を掴まれる。
「どうして、どうしておれたち“道具”をいつもそんなにないがしろにするんだよ⁈」
なんで、なんで⁈と琅は碧の手を振り解こうとする。
しかし“マスター”は、瓊(チォン)、硃(チュー)、アイツを連れて行けと傍に控える真紅の髪でツノの生えた使い魔と橙色の髪でツノの生えた使い魔に命令する。
2人は返事をすることもなく琅に近付き両腕を掴むと、暴れる琅を引きずるように連行していった。
碧はその場に残された琅の魔力式銃を拾うとキヲンたちに一礼して琅たちのあとを追った。

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仔鬼造物茶会 Act 26

「それは…嬉しいことね!」
そう言ってピスケスは手に持つ短剣から青い火球を撃ち出した。
琅はキヲンの腕を引いたままその場から走り出す。
ピスケスは倉庫の屋根の上から飛び降りるとそのまま背中の翼で滑空し、琅たちを追いかける。
琅はキヲンを連れて倉庫街を駆け、途中の十字路の角を曲がったが、その途端目の前に何かが投げ込まれて辺りが真っ白な煙に包まれた。
「これは…」
煙幕!と琅が叫んだ時、琅に腕を掴まれていたキヲンは何者かに左腕を引っ張られて琅の手から離れた。
「きーちゃん!」
煙の中から出た時、キヲンを琅から引き離した人物はそう声をかける。
キヲンが顔を上げると目の前にはジャンパースカート姿のコドモ…かすみがキヲンの腕を握っていた。
「かすみ⁈」
どうして⁈とキヲンが聞くとかすみは、きーちゃんの魔力を辿ってきたのと返す。
「でもなんでこんな所に?」
「あ、それは話すと長いことに…」
キヲンがそう言った時、煙の中で琅は硫ーっ‼︎と叫んだ。
琅は自分の手から離れたキヲンを探そうとするが、突然後ろから誰かにぶつかられて地面に倒れた。
琅は起きあがろうとするが胸を何者かの足で踏みつけられ立てなくなった。

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Modern ARTists:魔法少女彩能媛 キャラクター②

・ケリ
魔法少女を生み出す力を持った異界の存在。手のひらサイズの黒いスライム球みたいな外見。名前の由来は「テケリ・リ」。
ケリさんが生み出した魔法少女たちは《慈雲》というユニットを結成して協力し合っている。
この世界では魔法少女たちは何らかの共通点とか(基本的には自分たちを魔法少女にしてくれた異界の存在が同じ者どうし)でユニットを組んでおり、協力して怪人から世界を守っているのです。

・カミラ
怪人結社【ロスト・ファンタジア】に所属する上位怪人。身長1.6m程度の夢魔型の怪人で、紫色の皮膚と黒いロングヘア、腰から生えた蝙蝠の翼が特徴。細長い尻尾も生えている。瞳は金色で、白目の部分が黒い。
触れた魔力エネルギーを吸収してしまう能力がある。その魔力の形態が「エネルギー体」に近いほど吸収効率は高く、安定して物質化したものに対しては上手く吸収できない。魔法少女に直に触れると直接ドレイン可能。一気に吸い尽くせる。ヒトエはアーマーのおかげで助かった。
その他、エネルギーを放出したり、翼でふよふよと飛んだり(最高時速30㎞程度)、両手両足の爪を長く鋭く伸ばして攻撃に利用することが可能。
生後数週間なためか、情緒が幼い。

・“戦妃”ハイ・ジャック
外見性別:女  外見年齢:20歳  身長:170㎝
【ロスト・ファンタジア】の上級幹部の1人。武闘家風の衣装を身に付けた女性。異空間に武器をストックし、自由に収納・展開が可能。シンプルに高い身体能力を有しており、圧倒的な『強さ』によって怪人たちを制御し、戦闘技能訓練を担当している。

※怪人結社【ロスト・ファンタジア】
6年前から突如出現し始めた怪人集団。力こそ弱いが数が多く連携能力に秀でた「下位怪人」、大柄で身体能力の高い「上位怪人」、特異な能力を有する人型の怪人(怪人なのか人間なのかは不明。便宜上、「怪人」と呼ぶ)である「上級幹部」から構成されている。その全てを統べる「魔王」の存在が噂されているが、真偽は定かでは無い。活動目的は『怪人たちに相応の”最期”を与え、物語を閉じること』らしい。早い話が彼らは敗北を求めている。

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プチ企画!

自分は大学2年生になってから、通っている所が美術系の学校・学部・学科でもないのに大学で近現代の日本美術史の授業を取ってるんですよ。
なんでウチの大学に美術史の授業があるんだ…?とは思ったけど、絵を描くことは好きだしそれ故に美術には昔から興味があるので楽しく受けています。
で、その授業の期末レポートが非常に大変で書ける気がしない…というのは置いといて、最近なんとなく「近代の芸術家の名前がなんらかの形で出てくる創作物を作ってみたいな」って思ったんです。
もちろんそういう作品は既に存在しているのは分かっているのですが、自分も作ってみたいなって思いましてね。
でも今の所、どういう形で芸術家の名前を使ってどんな話にするかまるで思いつかないんですよ。

…という訳で、プチ企画です。
“近代の芸術家”の名前を使った物語を作ってみてください‼︎
“近代の芸術家”の名前はキャラ名でもアイテム名でも技名でも敵の名前でも何に使ってもOKです!
名字のみ・下の名前のみでも大歓迎です!
(企画者が見やすくするために)参加したい人は、作品にタグ「Modern ARTists」(スペルミス注意)をつけて投稿してね!
ただし、以下のように3つほど制限があります↓

・“近代の芸術家”と言っても今回は画家や彫刻家などを想定しているので申し訳ないですが音楽家はナシです、ごめんなさい。
・当企画でいう近代は18世紀から20世紀初頭くらいまでを想定しているので、その辺りの時代に生きた人をモチーフにしてください。
・その他公序良俗は守ってください!

このプチ企画は激ムズなので、芸術家の名前は学校の美術の教科書や資料集を見るとかネットで調べるとかした方がよさそうです。
ちなみに物語の内容は芸術が関わる話でもそうでなくても構いません。
企画者が他人の作るそういう作品を見てみたいだけなので(ちなみに企画者は何か思いついたら参加するかもくらいなので期待しないでね)。
期限は特に設けないし、今はみんな忙しいはずなので気が向いたら程度で参加してください。
企画者が忘れた頃の参加も大歓迎です。
あと質問はレスで受け付けます。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしております!

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無銘造物再誕 あとがき

どうも、テトモンよ永遠に!です。
毎度お馴染み「造物茶会シリーズ」のあとがきです。
よかったらお付き合いください。

今回のエピソードは、いわゆる「番外編」でした。
次に投稿する予定の「第9弾」を作っている最中に、「これ過去のエピソードについて触れた上じゃないと分かりにくい話だな…」と思ったのがこのエピソード制作のきっかけです。
でも、ちょっと変なエピソードになってしまったような気がします。
読んだ人が内容を理解できたのかちょっと心配です…
まぁ次の本編エピソードを読めばよく分からない所も分かるかもしれないので、よかったら「第9弾」も読んでやってください(宣伝)。

そういう訳で、今回はこれくらいにして。
今度こそ次のエピソード、「造物茶会シリーズ」第9弾をお楽しみに。
ちなみに「ハブ ア ウィル」の新エピソードの執筆は…あまり進んでいません(笑)
本当は冬休み中に書き上げたかったんだけど、レポート課題に追われていたので全然書けませんでした。
まぁあと2、3週間頑張れば春休みに入って暇になるはずなので、その時に書き上げます。
そういう訳で、次に投稿するのは「造物茶会シリーズ」第9弾になりますね。
「ハブ ア ウィル」の方はもう暫くお待ちください。
てな訳で、テトモンよ永遠に!でした〜

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 年末のごあいさつ2024

どうも、テトモンよ永遠に!です。
あと1時間で今年が終わりますね、早いですね。
という訳で毎年恒例の今年の振り返りです。

今年はかなり企画に力を入れた年でした。
大きなものは4回も開催しましたが、皆さんどうでしたでしょうか。
相変わらず参加者数は少なかったので心折れそうになる瞬間は多かったけど、それでも毎回参加してくれる人や楽しみにしていると言ってくれる人のお陰で続けることができました。
本当にありがとうございます。
あと、今年は「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」に終わりが見えてきた年でもありました。
あまりストーリーを進められなかったけど、一応最後まで終わらせられるメドはついたので、あとは頑張る他ないです。
「造物茶会」シリーズは結構進んだけど、今載せている番外編とそれに関わるエピソードが長くなりそうなので新年からもお付き合いください。

という訳で、ダラダラ(そうでもない?)書いたけど今回はこの辺で。
今年はよそのサイトにも作品を投稿してみたりもしたけど、やっぱりここが1番落ち着きます。
今年も忙しかったけど、来年も忙しそうなので頑張って執筆しますね。
そういうことで、テトモンよ永遠に!でした〜!
皆さんよいお年を〜

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秘贈造物深夜

深夜、人々が寝静まった頃。
少し古めかしい雰囲気の住宅の一室のベッドで、誰かが布団を頭まで被って眠っている。
傍に白いウサギのぬいぐるみを置いて眠るその人物は、布団の中で部屋の壁の方を向いて丸くなっていた。
…と、静かに部屋の扉が開き、誰かが入ってくる。
音を立てないように入ってきたその人物は、誰かが眠るベッドにそっと近付くと、枕元にいかにもクリスマスプレゼントが入っているような袋を置いた。
そしてその人物は先程開けた扉へ向かおうとした。
「おい」
不意に後ろから低い声がして、扉から部屋を出ていこうとしていた人物は立ち止まる。
その人物が静かに振り向くと、布団を被り壁の方を向いて眠っているはずの黒髪のコドモが扉の方を見ていた。
「…起きてたのかい」
「起きてたって…」
別に寝ている所を起こされただけだしと黒髪のコドモは布団から起き上がる。
部屋から出ていこうとしていた老人はそうかいと答えた。
「…クリスマスプレゼントのつもりかよ」
ベッドの傍の卓上の明かりを点けた黒髪のコドモが老人に目を向けると、老人はあぁと呟く。
「毎年いらないって言ってるのに」
俺は子どもじゃないんだしさと黒髪のコドモがこぼすと、老人はいいじゃないかと微笑む。
「“彼女”だって、毎年送ってたじゃないか」
「うっ」
黒髪のコドモはそううろたえる。
「だ、だからって、こんな風に続ける必要なんて」
ない、じゃん…と黒髪のコドモは赤くなりながら思わず俯く。
そんな黒髪のコドモを見て老人はまた微笑む。
「…と、とにかく、俺はもう寝るから!」
寒いからお前もさっさと寝ろ!と黒髪のコドモは壁の方を向いて布団に潜る。
老人はじゃあ、おやすみナツィと呟くと部屋から出て扉をそっと閉めた。
黒髪のコドモことナツィは、1人布団の中で悶えざるを得なかった。