飛龍造物茶会 Act 22
一方、人工精霊たちの追撃から逃れようとしていたナツィとキヲンは路地裏を走っていた。
しかしキヲンが一定範囲内にいる特定のもの以外の人工精霊に効くように作られている攻撃魔術の影響を受けたせいで、思うように動けず移動速度はあまり上げられなかった。
「な、ナツィ、ちょっと休憩ー」
へろへろになりかけたキヲンがしゃがみ込むので、ナツィは大丈夫かお前と足を止める。
後方にはキャスと目隠しの人工精霊たちが接近しているらしく、キャスのどこだぁ‼︎という声と走っている足音が聞こえていた。
「ナツィごめん、ボクが勝手にどっか行っちゃったから…」
「そんなことはいいからお前、俺の背中に乗れ…」
ナツィがそう言いかけた時、いたぞ‼︎というキャスの声が間近で聞こえた。
振り向くと、ナツィとキヲンの目の前にはキャスと目隠しの人工精霊たちが立っていた。
「もう観念しろ」
お前ら、とキャスは槍を2人に向ける。
キヲンはナツィの脚にしがみつき、ナツィはちっと舌打ちした。